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How I Podcast:人気ポッドキャスト『Off Topic』の2人に聞く、音声メディアの魅力と番組制作の裏側

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「スタートアップやテクノロジーが大好き」という2人が始めたポッドキャスト番組『Off Topic(オフトピック)』

米国のビジネスやスタートアップ業界の情報を独特の視点で深掘りしながら伝える番組で、その新鮮で的確な情報や分析は、少し緩めの楽しいトークと相まって、テック業界のみならず幅広い分野のリスナーを惹きつけています。

2021年3月には「JAPAN PODCAST AWARDS 2020」で「Spotify NEXTクリエイター賞」を受賞。6月からはSpotifyのオリジナル番組として『bytes(バイツ)』の配信も開始しています。

ホストを務める宮武徹郎さんと草野美木さんに、ポッドキャスターとしてのこれまでの体験や番組配信の工夫を共有してもらいました。

深堀りの『Off Topic』、速報性の『bytes』

▷2つの番組を配信されていますが、それぞれの番組についてご紹介ください。

宮武徹郎さん、草野美木さんがお届けするポッドキャスト番組『Off Topic』

草野:『Off Topic』では、アメリカのスタートアップビジネスを深掘りしています。『bytes』のほうは最新テックニュースをギュッと5分でお伝えする番組です。

宮武:『Off Topic』では、「今なぜアメリカでこういうものがトレンドなのか」をテクノロジーの視点だけではなくて、スタートアップカルチャーとか、Z世代、アメリカの文化といった背景も含めて説明しています。

だけど、『Off Topic』ではひとつのエピソードにつき、ひとつのテーマしか深堀りしてこなかったので、いろんな情報がアメリカで飛び交う中、それをもっと多く、できるだけ早くみなさんに届けたいということで、『bytes』の配信も始めました。今まさにシリコンバレーで話題になっていることはなにか、をお伝えしています。

2021年6月に開始したSpotifyオリジナル番組『bytes』

▷『Off Topic』のオススメのエピソードを教えてください。

草野:例えば、「#57 覚醒したジャック・ドーシー」で、Twitter社の技術について私たちの予想を含めて話した回ですね。最新情報だけじゃなくて、「これからこういうことが起きるんじゃないか?」っていう。

宮武:僕もそのエピソードはよかったなと思います。ほかには、2020年5月ごろの「#36 次のソーシャルメディアがそろそろ生まれる?~Clubhouse、SNSの疲れ、Z世代の今~」なんかも。「Clubhouse」が当時アメリカで流行り始めた時期だったので、それをいち早くキャッチできたところがよかったなと。

米テック業界でポッドキャストは必須 「僕らも?」

▷ポッドキャストを始めたきっかけは?

草野:前職はベンチャーキャピタル(VC)で働いていて、宮武さんが同じ投資部門の先輩で。そこでよくアメリカのテックニュースについて話していました。

宮武:それにお互い、音声市場にかなり興味を持っていました。草野さんはもともと高校時代からメディア運営をしていたし、僕は海外の情報を集めたりしていたので、当時音声市場がアメリカで伸びてきた中で、「僕らもポッドキャストを試してみないか?」ということに。

草野:2018年当時、「Anchor」のアプリがアップデートされて、すごく使いやすそうだったのもきっかけのひとつですね。それとアメリカのVCの人とか、テックニュース系のメディアの間ではポッドキャストが「マスト」だった中で、日本ではまだあまりやっている人がいなかった。それで、ちょっとやってみたいな、というのもありました。

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▷Spotifyオリジナル番組の『bytes』のほうはどのように始まったのでしょうか?

宮武:日本のポッドキャストの中で、アメリカのテック系の番組が少なかったというのと、僕らの「深堀り系」だけでは少し物足りない部分もあるのかなと感じていました。そんなときにちょうど、Spotifyの方と話す機会があったのがきっかけですね。

草野:私たちが「こういう番組をやりたい」という話を担当者の方にしたら、すごく前向きにやりたいようにさせてくれて。企画へのフィードバックもすごく速いし、ポッドキャスターにフレンドリーなプラットフォームだな、とあらためて感じました。

宮武:SpotifyはAnchorやGimlet Mediaを買収したり、番組の独占配信をやったりとか…… ポッドキャストへの投資では、おそらくほかのプラットフォームよりかなり積極的だと思います。僕らとしても安心感があるというか、バックアップしてくれるかなと思いますね。

草野:Spotifyの方とはSlackで話し合うんですけど、絵文字の多さにも驚きました(笑)。

宮武:そうそう、しかも「カスタム絵文字」が大量にあって。それもまたSpotifyの文化を表しているようで面白かったです。グローバルな文化だなと感じましたね。

文字とは違う、声がもたらすリスナーとの「親近感」

▷『Off Topic』は今、どんな人に聴かれているんでしょうか?

草野:男女比でいうと半々ぐらい。男性のほうが少し多いかな。テック系起業家やスタートアップで働かれている方など、ビジネスに興味のある方が一番多いかな、と思うんですけど。

宮武:そうですね。あとは海外で活躍されている日本人の起業家や経営者。そういう方々からも感想の声をもらえるのはとてもありがたいですね。

▷草野さんは昔からブログでご活躍されていましたが、他のメディアと比べて、「音声メディア」の魅力はどのあたりに感じていますか?

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草野さんは高校時代から人気のオフィス訪問インタビューサイト「ミキレポ」を運営

草野:シンプルに、文字より音声のほうが配信する手軽さがあるというのがひとつ。それと、文字より「パーソナリティ」というか、どういう人なのかが分かりやすいのも、音声のいいところだなと思います。

宮武:まさに音声は人格が出るというか。『Off Topic』をやっているとたまにリスナーの方と会う機会があるんですが、そこで友達のように接してくれたりするのは、常に耳元で僕らの声を聴いてくれているからだと思います。

知り合いの友人が僕らのポッドキャストを聴いていて、「一度会いたい」と声をかけてくれたのでご飯を食べに行ったんですけど、一言めから下の名前で呼んでくれたりして(笑)。一度も話したことがないのに、そこまで親近感を感じてくれているんだと驚きました。

草野:それにテック系のブログを書いていたときは、スタートアップ界隈の方に読んでもらうことが多かったんですが、ポッドキャストで発信していると、スタートアップとかテック系「ではない」人から、「聴きましたよ」って言ってもらえるんです。いろんなジャンルの人に聴いてもらえるのはポッドキャストだからかな、というのもありますね。

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▷ブログやニュースレターといった文字媒体と、ポッドキャストとの使い分けは意識していますか?

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『Off Topic』はニュースレターも配信し、マルチメディアで運営(出典:Substack)

草野:リアルタイム性があるのはポッドキャストかなと思います。文字で書くよりも音声にするほうが早いので。なので、まずはポッドキャストで出して、全体像を理解してもらってから同じテーマで記事も出す、ということもたまにやっています。

宮武:逆に、音声だと見せられないものっていうのも、やはりありますよね。それこそ図を見せたりとか、なにか比較したりとかは、テキストのほうが適していることもあります。

『Off Topic』では40分~1時間のエピソードが多いんですが、そこですべて伝えられなかったときは、ポッドキャストで取り上げたトピックに関する具体的な事例を記事で紹介したりも。ですから僕らのニュースレターはかなりの長文で、2万字以上のものも多いです。

企画から収録、編集、配信、宣伝まで…… 人気番組の裏側

▷番組作りの詳細について、企画・収録・編集・公開…… このあたりの制作プロセスはどのように行われているのでしょうか?

草野:まず、それぞれ気になったトピックやニュースをシェアして、「これをやったら面白いんじゃないかな?」という打ち合わせをして、あらためて別の日に収録。その後、私が編集して公開するという流れですね。

宮武:収録前の企画ミーティングでは、「なにが面白そうか」ということのほかに、「なにだったらポッドキャストに合いそうか」、場合によっては記事にするべきなのか、別の形で伝えるべきなのか、アイデアを出します。

▷どういう話題がポッドキャストに合っているんでしょうか?

宮武:そこはだいたい、草野さんの勘です(笑)。

草野:たまにカルチャーよりの話もあれば、アメリカの社会問題っぽい話もあれば、地域の話、都市の話もあったりして。アメリカのテック業界と、それに紐づく社会問題とかカルチャーのトピックを届けたいな、というのはありますね。

宮武:なんとなくの構成は僕が担当していて、それを収録する前に軽く、草野さんに「こういう形でどうですか?」と説明して、すり合わせをしてから収録します。そのあと、最初に考えていた構成のままにするか、違う形にするかは、草野さんが編集段階で決めています。

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▷収録の設備や環境はどのようなものでしょうか?

草野:今はすべてリモートでやっていて、「Zoom」でビデオをつなぎながら、それぞれローカルで外部マイクをつないで収録しています。

宮武:Zoomではお互いに声が聴こえるようにしているだけなので、実際の録音は「GarageBand」で行っています。お互いマイクは違うものを使っています。僕がサムスン。

草野:私はオーディオテクニカのダイナミックマイクです。コロナ前や前職で同じ会社にいたときは、iPhoneで録音していましたが、音質を上げたいなと思って、それぞれマイクを1本ずつ買いました。でも、 iPhoneのイヤフォンマイクでも全然いい音だと思いますし、最初はそのくらいでも大丈夫だと思います。

宮武:最初の半年ぐらいは、どちらかというと音質よりトークに慣れるとか、ちゃんとネタを作ることにフォーカスしていました。そのあと購入したマイクも1万円ぐらいで、できるだけ低予算に抑えるようにしていましたね。

▷編集や配信の際に工夫されていること、気をつけていることはなんですか?

草野:編集は「Adobe  Audition」を使っていて、ノイズをカットしたり、ちょっと話が長くなっちゃったな、というときにカットするぐらい。

配信には「Anchor」を使って、配信時間は朝の5時。BGMは同じものをずっと使っていて、アップテンポでアメリカっぽい、ノリのいい感じのを選んでいます。そういう音響的な演出も、Anchorでは選んでポチっと押すだけなのでやりやすいですね。

宮武:それに、一気に他のチャネルにディストリビューションできるというのが、Anchorは圧倒的に楽だなと思いますね。

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▷そして、配信したエピソードはどのように宣伝していますか?

宮武:僕らが一番宣伝で使っているのは、Twitterですね。特に初期のころは草野さんのTwitterがすごく頼りになりました。

あとは一時期、YouTubeやInstagramなど、ほかのチャネルでもプロモーションをしていました。『TechCrunch Japan』など、他社の媒体に記事を載せていただいたりして、『Off Topic』の存在を知ってもらうきっかけづくりもしていました。

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クリエイター側に立って、はじめて見えること

▷ポッドキャストを始められたことで、普段のお仕事や創作活動にどのようなインパクトがありましたか?

草野:やっぱり、テック系でない方にも聴いてもらえたことですかね。音楽をやっている方だったり、アーティストの方だったり……。

『Off Topic』でも「クリエイターが次世代の起業家になる」ということをよく話しているんですけど、そういうクリエイターの方々が聴いてくださって。ビジネスやテクノロジー界隈の「外の人たち」とつながれたのは、すごくインパクトがありました。

宮武:そうですね。僕は投資活動も行っているんですが、自分たち自身がクリエイター側に立つことができて、彼ら彼女らの気持ちが理解できるようになった。だからこそ、クリエイターへの投資支援がよりしやすくなったというのはあります。

それに、ポッドキャストで情報を発信しているといろんな出会いがあって。今まで会えなかったような違う業界の人や、テクノロジー業界の中でも著名な方とお話する機会を得られたり。情報を発信しているからこそ、僕らが提供できるバリューがより明確になったのかなと思います。

▷番組でこれからチャレンジしていきたいことはありますか?

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草野:ライブ音声配信サービスは『Off Topic』でも何度か使ったことがあったんですけど、Spotifyの「GreenRoom」も試してみたいですね。

宮武:僕らにとってすでに、『bytes』でスピード感あるニュース系番組をやるというのは新しい挑戦です。どう端的にいい情報を届けられるか、そこには引き続きチャレンジしていきたいと思っています。

『Off Topic』のほうは、最終目標のようなものはまだ見えていない状況で、だけど、逆にそれが楽しいところでもあるかなと。これからいろんな方向に進んでいけるメディアだと思っているので、それこそどうマネタイズするのか。メディア自体でやるのか、別の切り口でするのか…… まだ分かりませんが、常に楽しいことをしたいというのが、僕の目標です。

▷これからポッドキャストを始めたいという方々に、アドバイスがあればお願いします。

草野:私たちも始まりはiPhoneのマイクからでした。だれでもすぐに始められるのがポッドキャストのいいところなので、ぜひ気軽に配信してみるのが一番いいかな、と思います。

宮武:「やり続ける」のが重要だと思います。毎日、毎週、更新する必要はないですが、ちゃんと定期的にやる、という。初期は僕らも本当にリスナー数が少なかったんですが、2年半やってきたからこそ、今がある。やり続けることをオススメしたいです。

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ポッドキャスト連動ドラマ『お耳に合いましたら。』美園と一緒に「チェンメシ」を音で楽しもう

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Spotifyとテレビ東京がお届けするポッドキャストとドラマの連動プロジェクト『お耳に合いましたら。』。毎週木曜深夜0時30分からのドラマ放送後には、その放送回の中で主人公の高村美園が配信するポッドキャストのエピソードが、実際にSpotifyで公開されます。

女性アイドルグループ・乃木坂46の元メンバーで、女優としてだけでなくクリエイターとしてもマルチに活動する伊藤万理華演じる主人公の会社員・高村美園が、愛してやまないチェーン店グルメ、通称「チェンメシ」についてアツく語るこのポッドキャスト。この記事では毎回放送後に公開される最新エピソードを、ドラマのあらすじとともにお届けしていきます。

Spotifyのポッドキャスト制作・配信アプリ「Anchor」を使い、ポッドキャスト・クリエイターとして成長していく美園の様子を一緒に追いかけましょう。

ドラマ 第一話:「パーソナリティはじめました。」
漬物会社に勤める高村美園(伊藤万理華)。彼女の楽しみは、お気に入りのポッドキャスト番組を聴くことと、週に何度かチェンメシ(チェーン店グルメ)を堪能すること。とある日、喋るのが苦手な美園は会議中に何も発言できないでいた。見かねた同僚・亜里沙(井桁弘恵)は、喋る練習も兼ねてポッドキャスト配信をやってみることを勧めるが乗り気ではない。しかしあることをきっかけに好きな想いを伝えないといけないことを知った美園は、大好きな「松屋」のチェンメシを片手に、はじめてのポッドキャスト配信に挑戦する。

お耳に合いましたら。 美園 第一話
©「お耳に合いましたら。」

ポッドキャスト 第一話:「わたしの松屋メモリー」

次回放送は7月15日(木)深夜0時30分です。

それまでに、ドラマの公式HP、各種アカウントでも最新情報をお届けしますので、ぜひフォローしてください。
・ドラマ『お耳に合いましたら。』番組紹介ページ: https://www.tv-tokyo.co.jp/omimi/
・Twitter: https://twitter.com/tx_omimi
・Instagram: https://www.instagram.com/tx_omimi/
公式ハッシュタグ「#お耳に」

来週の放送もお楽しみに。

ポッドキャストをテーマにしたドラマで制作・配信の裏側まで楽しもう!

お耳に合いましたら。 ヘッダー画像

Spotifyには260万のポッドキャスト番組があり、すでにお気に入りのポッドキャストがある人も多いでしょう。でも、ただリスナーとして聴くだけでは、ポッドキャストの楽しさを半分しか理解できていません。自分の好きなことを自由に気軽に発信できるポッドキャストを使って、自分のストーリーや思いを表現してみませんか?

Spotifyが協力しテレビ東京が制作する、ポッドキャストをテーマにしたドラマ『お耳に合いましたら。』(7月8日スタート/毎週木曜深夜0時30分OA)では、女性アイドルグループ・乃木坂46の元メンバーで、女優としてだけでなくクリエイターとしてもマルチに活動する伊藤万理華演じる主人公の会社員・高村美園が、愛してやまないチェーン店グルメ、通称「チェンメシ」をテーマにしたポッドキャスト番組を制作。

毎話人気チェーン店のお気に入りのメニューを食べながら、「チェンメシ」への愛を語り、友人たちの協力を得ながらポッドキャスト配信に挑戦し、成長していく様子が描かれます。

お耳に合いましたら。 美園 第一話
©「お耳に合いましたら。」

美園は、Spotifyのポッドキャスト制作アプリ「Anchor」を使い、番組の録音から配信までを行います。視聴者はドラマを見ながらポッドキャスト制作の方法を知ることもでき、聴くだけでなく、誰でも自分の声で発信できるポッドキャストの楽しさが余すことなく伝わるドラマとなっています。

美園が毎回ドラマの中で配信する音声コンテンツは、ポッドキャスト番組『お耳に合いましたら。』として毎週放送終了後にSpotify限定で配信されます。初回の放送で美園が語るチェンメシは、「松屋」。

さらに、ドラマの中で登場する、美園が愛聴しているポッドキャスト『氷川きよし kiiのおかえりごはん』も、実際にSpotifyで楽しむことができます。

この番組は、演歌歌手としてだけでなく、エンターテインメント領域で幅広く活躍する氷川きよしが、ASMR(聴覚・視覚への刺激により脳が心地よさなどを感じること)を取り入れながら、音声で料理番組をお届けするという、新しい試み。普段から料理好きで知られる氷川きよし本人が、自宅で作っている、忙しい一日を終えて帰宅した後でも身近な材料でさっと作れる料理のレシピを披露し、美味しく作るためのコツやこだわりなどを実際に料理をしながら紹介します。まるで氷川きよしの自宅に遊びに行ったかのような、アットホームで楽しい時間を軽快なトークを交えながら音声でお届けします。

ドラマの主人公が、番組の中で愛聴しているポッドキャスト、番組の中でAnchorを使って制作し配信するポッドキャスト、どちらもSpotifyで楽しむことができます。

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ドラマとこの2つのポッドキャストで、聴く、配信する、という、ポッドキャストの2つの側面での魅力を、ぜひ心ゆくまで味わってください。

ポッドキャストを配信してみたくなったら、早速こちらからAnchorについてチェックしてみてください。

How I Podcast:「拡散されたくない」はずが人気番組に。『奇奇怪怪明解事典』の2人が語る、ポッドキャストだから話せること

How I Podcast:「拡散されたくない」はずが人気番組に。『奇奇怪怪明解事典』の2人が語る、ポッドキャストだから話せること

ヒップホップユニット「Dos Monos」のラッパー、TaiTanさんとロックバンド「MONO NO AWARE」のギター兼ボーカル、玉置周啓さんによるポッドキャスト『奇奇怪怪明解事典』

それぞれアーティストとして音楽活動をする2人が、漫画や詩歌、演劇、小説、歌詞で遭遇した言葉の驚異や、日常をうっすら支配する些細な怪奇現象について語る本番組は、その親しみやすさから多くのリスナーを惹きつけています。

2021年3月には、番組開始から1年も経たないうちに「JAPAN PODCAST AWARDS 2020」で「Spotify NEXTクリエイター賞」を受賞。6月からはSpotify独占配信番組にもなりました。

そんな番組のホストを務める2人に、動画でも写真でもない、「音声」で発信することの魅力を語っていただきました。

だれの目も気にせず話せる “聖域” を確保しておきたかった

▷番組の概要や内容について教えていただけますか?

TaiTan:『奇奇怪怪明解事典』という番組は、Dos Monosのラッパーである僕と、MONO NO AWAREで活動する音楽家、玉置くんの2人で配信しています。僕らの日常を支配している言葉や現象、だれも気にしていないような、だけど気にしてみると気になるような、そんなことを深掘りしている番組です。

TaiTanさん、玉置周啓さんがお届けするポッドキャスト番組『奇奇怪怪明解事典』

TaiTan:玉置くんと僕は、この番組を始める前からもともと友達だったんです。友達同士の2人がダラダラとしゃべっている、それがそのままコンテンツになっているんです。

僕自身、ラッパーとしてインタビューを受けるときは、「ラッパー」の人格で話すことが多いんですが、ポッドキャストではより生の、裸の自分でしゃべれるのがいいですね。

▷ポッドキャストを始めたきっかけは?

TaiTan:『奇奇怪怪明解事典』を始めたのは、2020年の初頭です。コロナ初期の当時は、嘆きや怒りなど、感情むき出しの言葉がまわりにあふれていました。そういうのを見ていて僕も精神的にまいってしまって……。Twitterのアプリを消したりもしました。

でも、そういう状況でも友達とのダベりの時間は必要だと思っていて。だれの目も気にしないでいい、雑談の場を “聖域” として確保しておきたかった、というのが一番にあります。

ただ、自分が考えていることを、テキストや動画で表現するのはなんだか気乗りがしなくて。もっと正直な、”ままならなさ” みたいなのも含めて、そのまま保存しておける場所がほしかった。それなら、ポッドキャストがいいんじゃないかと思いました。

ポッドキャストがいいのは、ラジオとかと違って尺の制限がないところですね。しっかり構成を考えなくても、そのヨレや雑味自体がコンテンツになるのが面白い。あとは、自分で発信するからこそ、編集権が完全に自分たちにあるのもいいなと思います。

それに、実は「拡散されたくない」という気持ちもありました。内容が本音ベースのことだから、届いてほしくないところにまでは届かないでほしい。ポッドキャストのように “開かれてはいるけど閉じたメディア” が、僕には一番合っていたんだろうなと。

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▷2人が共通して好きなエピソード、その思い入れについて教えてください。

TaiTan:直近だと「第61巻(後編)肉体改造と「知ってるマン」の罪」の回は人気でしたね。「それ、知ってる!」みたいに、妙な見栄やマウント意識が言葉の中で現れてしまうことってありますよね。あとは、『第50巻(後編)『言葉がなかったら』制作秘話とガンダーラをゆく耳の旅』も熱量高い反応が多かったです。

玉置:あの回はしゃべってて一番楽しかったよね、僕も好きです。お互いの興味が最後の最後まで続いた感じ。言葉はみんなが持っているもの、だから自分ゴトとしてお互いにしゃべれた気がしました。

TaiTan:言葉ってコミュニケーションツールとして有効な一方で、人を分断したりもするじゃないですか。「同じ言葉を使っている」と当人たちは思ってるのに、お互いが頭でイメージする具体像や生きてきた文脈が違うから、なぜかすれ違ったり。

この番組自体、それをだれかの責任ではなく、ある種の “怪奇現象” と捉えることがテーマなんですが、まさにその象徴的な回でした。

「知ってるマン」のように気にしなきゃ気にならないんだけど、気にし始めると「どうしてこの人はこんな発言をしたんだろう……」と気になってしまう。世の中ってそういう言葉であふれているし、そもそも人間のおかしみは基本的にそうした細部に宿るような気がします。

そういうものをピンセットで採集してきて面白がりつつ、社会学的な好奇心も刺激される番組であれたらいいなと思ってます。ただ、その際に、旧時代っぽいルサンチマン的なひねくれ根性を持って、対象を一方的に腐す、みたいなことはしないように常に意識してます。

▷SNSでバズることが正義だった時代もありましたが、なぜ拡散されたくないんでしょう?

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TaiTan:コロナ禍で、特に音楽業界では多くの人たちが直接的な影響を受けました。そうした情勢の中で、社会に対するシビアな反応とはまた違う、僕たちの雑談ベースの発言が、トーンポリシングや冷笑主義みたいな形で受け取られるのは嫌だなと。そういう誤解はできるだけ排除したかったので、自分がコントロールできる範囲にしか自分の発言が届かない場所を作りたかったんです。

それに、人間のどうしようもなさ、不謹慎さも含めた業の深さを、無理に隠さないほうが面白いんじゃないか、そのほうが健全なんじゃないかという気持ちが、僕の中にはあります。だけど、それは共感できない人にまで届いてしまうと、その一部だけが切り取られて炎上したり、不用意にだれかを傷つけてしまう。だから、文脈を理解する気のない相手には届かないようにしていたいんです。

企画から収録、編集、配信、宣伝まで…… 人気番組の制作現場

▷企画から収録、編集まで、すべて自分たちでやられていますか?

TaiTan:基本的には僕がテーマやエピソードを考えて、それを玉置くんに伝える、という流れです。外部のディレクターや作家さんは入れていません。台本もありません。

毎回収録が終わったら、「次はなにを話そうかな?」となんとなく考え始めます。テーマを決めて、5日くらい経つと話のポイントが見えてきて、それに、最近ふれたコンテンツ、例えば、観た映画や読んだ本とかで肉づけして、玉置くんに共有します。

▷玉置さんは、TaiTanさんから渡されたテーマにどう応えるんでしょう?

玉置:僕に拒否権はないので、だけどあんまり興味が湧かない話だったらしゃべらないときもある(笑)。

TaiTan:「興味がないときは黙ればいい」という、お互いの了解があるんです。「無理にでもこの場を成立させよう」みたいな力学が働かないのは、利害関係がお互いにまったくないからこそ。それもまた面白いんじゃないかなと思います。

▷普段の生活の中からテーマを探してくるということでしたが、インスピレーションはどこからきているのでしょうか?

TaiTan:ケースバイケースですね。このあとも収録するんですが、例えばこの前、ある格闘技の選手が結構衝撃的な負け方をしたんですね。でもそのあとの退場の仕方がすごくよかった。それが先週くらいの話です。

そして最近、今度は僕が登壇イベントに呼ばれて話をしたんですが、カッコつけてたくせにドンズべりしたんです。なにを言ってもウケなくて……(苦笑)。だけど、この2つのエピソードには少しつながるところがあって。「負け方にも人間の格って出るんだな」とか。まあそんなことを普段なんとなく考えていると、自然と話したいことの輪郭がはっきりしてきます。

玉置:こんなふうに、出来事やエピソードをつなげるのはTaiTanはうまいですね。「たしかにそれはそうだね」とリスナーが気づいたときに、この番組は面白くなるような気がします。

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▷収録の設備や環境はどのようにされているんですか?

TaiTan:収録環境はとてもシンプルです。(電子楽器・音響映像機器メーカーの)「ZOOM」さんがポッドキャスターのために開発した機材 「PodTrak P8」をお借りして、ライブとかで使う58マイクを2本立てて自宅で収録し、それをパソコンにつなげて、「GarageBand」で録音、編集しています。

▷どのように宣伝しているのでしょうか?

TaiTan:宣伝は必要最低限、と言ってもお互いのSNSで告知するくらい。それくらいでいいかなと思っています。

だけど、この番組がこれからいろいろと形を変えていくことには興味があって。アーカイブなしのトークイベントとか、書籍化とか、ポッドキャスト発の書店を作るとか、”ポッドキャスト” という枠を超えて、いろんなコンテンツを発信していけるようになったら面白いし、それが結果的に宣伝になればいいなとも。

▷配信には「Anchor」をお使いですね。お気に入りの機能を教えてください。

TaiTan:Anchorのいいところは、登録さえすれば簡単に自動で配信できることです。これからポッドキャストを始める人にはオススメしたいですね。

「どうやってポッドキャスト始めるか?」って意外と知られていないし、ハードルが高いとも思われている。でも、僕たちは2人で勝手に始めたわけで。それはAnchorのおかげでもあります。

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▷これからポッドキャストを始めたい人へのアドバイスはありますか?

TaiTan:ポッドキャストって “嘘がバレるメディア” ですよね。肩肘張るとあまり愛されないし、息切れする。自分が思っている愚痴や今好きなことを、話せる相手が他にいないからとりあえずここで話す、くらいのノリでいいんじゃないかな。

玉置:たしかに。そういう意味では “新しいSNS” の一種になってもおかしくないですよね。YouTubeみたいな動画ではなく、音声で近況報告しあうとか。

▷動画でも写真でもなく、声だけで発信することの魅力はどこにあるのでしょう?

玉置:動画や写真を「自分がどう見られているか?」って、第2の視点でチェックしながら発言するのがあまり好きじゃないんです。

だけど、声は口を開けば勝手に出てくる、だから加工のしようがない。正直な気持ちが声に勝手に出てきて、出てきたところで逆に自分の新しい感情に気づくこともあります。動画や写真だと綺麗にまとめがちだけど、声だと飾りようがないですよね。

▷ポッドキャストを通じて、今後の制作活動やキャリアについてどんな展望をお持ちですか?

玉置:僕の場合、ポッドキャストは “生活の一部” と化したので、バンドの歌詞など、すでに他の作品に影響しています。それに、自分のアウトプット先が複数あるのもいいことです。あとは、これを継続させるのが大切だなと思っています。

TaiTan:僕にとって、ラップをするのもポッドキャストをするのも、使用言語が違うくらいであまり変わらないことだと思っています。どちらも、普段考えていることをただただ表現しているので。ポッドキャストによる影響というよりも、元からあったものが、違う形で現れてきているんだなと思います。

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自分らしく生きたい女性の「声」をポッドキャストで支援。日本での「Sound Up」プログラム開始

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世界中で260万以上のポッドキャスト番組を配信しているSpotifyのポッドキャストチャートには、多様なジャンル、トピックについての番組が並んでいます。しかしSpotifyは、バラエティ豊かなコンテンツを揃えるだけではなく、配信者の多様性を担保することも重要なことだと考えています。

そうした考えからSpotifyでは、2018年からポッドキャストクリエイター養成プログラム「Sound Up」を世界各地で開始しています。このプログラムは、様々な課題に直面するコミュニティや少数派の人々の声をポッドキャストによって世界へ届けることで、多様性のある社会の実現を目指すもので、これまでにアメリカ、イギリス、ドイツ、スウェーデン、オーストラリア、アルゼンチン、インドなどで実施し、それぞれの国や地域で対象となるコミュニティから参加を募り、プログラムを実施してまいりました。参加者が企画・制作した作品の中にはアワードを受賞するなど高い評価を受け、その後、人気番組となっていった例も生まれています。

その「Sound Up」プログラムの日本での開催が決定しました。日本では、自分自身の考えやストーリーを音声で発信したい女性を対象に、ポッドキャスト番組を企画・制作・配信するためのノウハウを習得できるカリキュラムを提供します。

2021年、スイスの非営利財団「世界経済フォーラム」が公表したジェンダー・ギャップ指数において、日本は120位という結果となり、男女格差が社会課題として認識されています。伝統的な価値観や制度が依然として残る中で、生きづらさを感じている女性も少なくありません。

Spotifyは、「Sound Up」を通じて「自分らしく」生きたいと願う女性たちを、自らの声を発信できる音声クリエイターに育成することで、多様な考えや価値観を紹介する独創的な番組を増やし、国内音声市場のさらなる活性化に取り組んでまいります。

本日から2021年7月25日まで、「Sound Up」専用サイトで参加者を公募します。選考を通過した10名は、PCやWiFiデバイス、マイク、ヘッドフォンなど、制作や編集作業に必要な機材の提供を受けた上で、9月27日からオンラインで行われる4週間にわたる全8回の前期バーチャルトレーニングを受講します。 参加者は、ポッドキャスト作成の手順について番組の企画構成からストーリーテリングやインタビューの手法、編集、およびトレーラーの制作方法まで、この分野の専門家から学ぶことができます。 

10名は来年も後期プログラムを受講し、最終的にはSpotifyによる製作費出資のもと、自身が企画する番組のパイロット版を制作します。これらのパイロット版のうち優れた作品は、Spotifyオリジナルまたは独占配信番組として世界のリスナーへの配信も検討されます。

スポティファイジャパン株式会社 音声コンテンツ事業統括  西ちえこは次のように話します。「Sound Up」はポッドキャストという形で自分自身の考えや価値観を発信するクリエイターを育成するプログラムです。彼らが魅力的なコンテンツを生み出す後押しを行うことで、盛り上がりつつある国内音声市場をさらに活性化していきたいと思います。日本で初めて展開する今回着目したのは、日本の女性たちです。社会や家庭・職場で女性に期待される役割や固定観念を軽やかに乗り越え、”自分らしい” 生き方を模索する様々な女性たちの声をお届けできるのではないかと今から楽しみです」

「Sound Up」プログラムの企画・運営を担当するファシリテーターとして、音声ストーリーテリングのエキスパートにも参加いただきます。今年3月に実施された「JAPAN PODCAST AWARDS」で大賞を受賞した『味な副音声 〜voice of food〜』と、昨年大賞を受賞した『歴史を面白く学ぶコテンラジオ』でそれぞれパーソナリティを務める、フード・エッセイストの平野紗季子と株式会社BOOK代表取締役の樋口聖典です。お二人には、相談役としても受講生をバックアップしていただきます。

参加に関する詳細は、「Sound Up」専用サイトをご確認ください。ぜひご参加をお待ちしています。

ポッドキャスト配信プラットフォーム「Anchor」日本での本格展開開始、クリエイターを一気通貫で支援

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Spotifyではクリエイターの創作活動やリスナーとの繋がりをサポートするために様々なツールの開発やデータの提供などに取り組んでいます。

ポッドキャストでは2019年2月に、番組の録音・編集・配信・分析が無料で一つのプラットフォームでできる「Anchor」がSpotifyに加わりました。すでに日本語版アプリも提供していましたが、このたび、日本語でユーザーをサポートするAnchor専用サイトと、配信のコツやクリエイターを紹介する日本語のTwitterアカウントを開設し、日本でもAnchorをより使いやすくなりました。

本記事では「これからポッドキャストを始めたい」「すでに番組を運営していてもっと多くのリスナーに聴いてもらいたい」という方に向けて、番組の「作成」「配信」「分析」という3つの観点からAnchorの使い方をご紹介します。

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番組の作成:スマホ一台で今日からあなたもポッドキャストクリエイター

Anchorの魅力の一つは、特別な機材を(パソコンさえ)必要とせず、録音、編集をスマートフォンアプリ上で完結できる点です。AnchorはiOSAndroidに加え、ブラウザでもご利用いただけます。

その場で手軽に始めたい方であれば、Anchorのアプリを開いてからわずか2タップで録音を開始できます。5人までであればリモート環境でも一緒に収録できるため、チームでの番組制作、運営も簡単です。

録音を終えたら、次は編集のステップ。Anchorアプリには編集機能が標準装備されているので、不要な箇所をカットしたり、複数の音声データを統合したりできます。さらに、100種類近いBGMや間奏、20種類もの効果音がすでに用意されており、著作権について心配することなく、あなたの番組に効果的な演出を加えられます。

すでに他のプラットフォームやツールを使ってポッドキャストを配信している人であれば、RSSフィードのURLをコピー&ペーストするだけで、Anchorに移行できます。RSSにリダイレクトを設定できるため、リスナーの体験には影響ありません。

またAnchorに移行すると、後述するデータ分析機能が使えるようになります。

番組の配信:ホスティングと配信も無料で手軽に

これまでポッドキャストを配信するには、自分でサーバーを準備してそこにオーディオファイルをアップロードし、それぞれのプラットフォームに配信申請をしなければいけませんでした。

しかし、Anchorであればそのすべてを数タップで、しかも無料で行えます。

配信設定画面でエピソードのタイトルや説明文を記入、カバーアートを入力し、配信ボタンを押せば、Spotifyをはじめとする様々なプラットフォームにそのエピソードが自動的に配信されます(審査はそれぞれのプラットフォームが行うため、なんらかの理由で配信が許可されない場合もあります。また配信開始までにかかる時間もプラットフォームによります)。

番組の分析:聴取データから番組改善のアイデアを得る

番組を成長させるのに欠かせないのが、リスナーの聴取傾向の分析です。

冒頭部だけ聴いて止めてしまった人と、最後まで聴いた人とでは、番組の楽しみ方に違いがあるのは明らか。また、複数のコーナーで構成される番組であれば、どのコーナーが人気で、どのコーナーが不人気だったかをダウンロード・再生数で判断することはできません。

そこでAnchorでは、クリエイターがリスナーの属性や聴取傾向をもとに番組を成長させられるよう、以下のような多種多様な分析データを提供しています。

・日別、週別、月別の再生数
・推計リスナー数
・リスナーの属性(国や地域、使用プラットフォーム、使用デバイス、性別、年齢層)
・各エピソードの離脱率の推移(ブラウザ版のみ利用可)

改善のアイデアが生まれたら、この記事の冒頭に戻って、新しいエピソードを収録してみましょう。

Spotify ポッドキャスト Anchor

人気クリエイターからインスピレーションを。「How I Podcast」

今後For the Recordにて、第一線で活躍する人気ポッドキャストクリエイターにお話を伺うインタビューシリーズ「How I Podcast」を配信していきます。7月以降、「Japan Podcast Award 2020」で今年「Spotify NEXT クリエイター賞」を受賞した「奇奇怪怪明解事典」、「Off Topic」、「ノウカノタネ」のインタビュー記事を掲載していきます。

それぞれのクリエイターがポッドキャストを始めたきっかけや番組制作の過程、Anchorのお気に入り機能、番組を成長させるコツや今後の展望などをご紹介しますので、どうぞお楽しみに。

SpotifyがPodzを買収、好みに合ったポッドキャストの検索がさらに簡単に

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Spotifyは、最高かつ最もパーソナライズされたポッドキャスト発見の体験を追求するために投資を続けています。このたび、この取り組みの一環として、起業家、エンジニア、デザイナーなど少数精鋭のチームからなる企業Podzを買収しました。

Spotifyが擁する機械学習の専門家チームは、約10年前からオーディオコンテンツの発見に関する機能開発に取り組んできましたが、改善できる点はまだまだたくさんあります。

今回PodzのチームがSpotifyに加わったことで、リスナーの好みに合ったコンテンツを適切なタイミングに届け、新たなお気に入りの発見をより便利なものにするテクノロジーを世界規模で発展させるという私たちの取り組みは一層加速していくでしょう。

最先端の機械学習技術を搭載したPodzの中心的な機能は、ポッドキャスト番組のショートクリップを生成するというもの。これによりユーザーは、それぞれのエピソードの重要な場面を事前に確認でき、自分の好みに合いそうな番組をより簡単に見つけられるようになります。

現在Spotifyで配信されている260万ものポッドキャストや、これまでに音楽配信サービスで培ってきたコンテンツ発見に関する知見、さらには目下注力しているポッドキャストのレコメンデーション機能をPodzのテクノロジーと組み合わせることで、ポッドキャスト番組の発見を次のレベルへ引き上げることができるでしょう。

この先、PodzのテクノロジーをSpotifyへと徐々に統合していきます。年末までにはその一部をリスナーに体験いただけるようになる予定です。

3つの新機能で音楽やポッドキャストのシェアがより便利に

Sharing Updates PR

この 1 年は、コロナ禍でなかなか会えない友達、家族、ファンとの絆をつなぐために、ソーシャルメディアでのシェアやコラボレーションが重要な役割を果たしてきました。Spotify には、グループセッションコラボプレイリストをはじめ、同じ音楽やポッドキャストを皆で楽しむためのさまざまな機能があります。

本日より、お気に入りの曲やポッドキャストをソーシャルメディアでもっと簡単にシェアできるようになります。iOS と Android の Spotify アプリで、全世界のユーザー向けに次の 3 つの新機能がリリースされます。

1. ポッドキャストの再生位置を指定してシェア
ポッドキャストをシェアするときに、再生開始する位置を指定できるようになり、これにより、聴いてほしい部分から再生できる形でリンクをシェアすることが可能になりました (従来は、番組全体へのリンクしかシェアできませんでした)。ポッドキャストを聴いている途中で [シェア] ボタンをタップし、現在の再生位置以降をシェアするためのボタンをオンにしたうえで、共有先を選択してください。リンクを受け取った側は、タップ 1 つでその位置から再生を始められます。

2. Canvas の対象プラットフォームを拡大
Canvas とは、楽曲の再生画面の背景にループ表示される動画クリップのことで、アーティストのファンに付加価値の高い音楽体験をお届けするものです。これまでは、Instagram のストーリーでは、楽曲を Canvas 付きでシェア できましたが、新たに Snapchat でも利用できるようになりました。

3. シェアメニューを改良
モバイルアプリのシェアメニューを刷新しました。わかりやすいレイアウトを採用したほか、共有するコンテンツのプレビューを可能にし、共有先リストを改良しました。Instagram のストーリーや Snapchat にシェアする Canvas の表示をプレビューすることも可能です。また、共有先のメッセージアプリや SNS の選択肢は、ユーザーごとにインストール済みのアプリに応じて動的に変わり、見やすい並び順で表示されます。

Spotify ユーザーへのアンケート調査によると、新たな音楽との出会いの約 40% は、ソーシャルチャネルを通じて起きています。Spotify ユーザーにとって、ソーシャルメディアはそれだけ重要な存在です。Spotify は、アプリやサービスを絶えず改良して利用者のニーズに応え、世界中のリスナーに最高のオーディオ体験をお届けしてきました。今回の 3 つの新機能で、音楽とポッドキャストのシェアがますます便利になります。あなたがシェアする曲やポッドキャスト番組のエピソードは、友達、家族、フォロワーにとって、新たな発見のきっかけになることでしょう。

テレビ局が音声コンテンツに注目する理由 ストーリーを伝える新しいパワフルな手法

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人々のメディア利用状況が大きく変化するにつれ、メディア側も従来とは異なる方法で人々に情報を届け、オーディエンスとの関係を深めるための新たな試みを模索しています。そのひとつとして注目を集めているのが音声です。

Spotifyは、3つの人気雑誌とともに、雑誌の形式では表現しきれないストーリーやコンテキストを音声を通じてお届けする新しいオリジナル・ポッドキャストシリーズ「#聴くマガジン」をスタートするなど、新しい取り組みを国内ではじめています。

次なる取り組みとして、Spotifyは映像メディアと音声メディアの連携による新たなストーリーテリングの可能性に挑戦するために、株式会社テレビ東京コミュニケーションズと協業し、地上波テレビ放送局であるテレビ東京が社内に設立した音声コンテンツレーベル「ウラトウ」が制作するポッドキャスト番組を国内外のSpotifyのリスナーに向けて配信する取り組みをスタートしました。第一弾として「ウラトウ」が初めて制作する音声ヒューマンドキュメンタリー『ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision』を、4月28日からSpotifyで独占配信します。

テレビ番組として高い人気を誇る『ハイパーハードボイルドグルメリポート』は、「食べる=生きる」をコンセプトに、世界各地のあまり知られていない場所で生活する人物のもとへディレクターが赴き、彼らの食事を通してその生き方や人生観に触れる内容です。その音声版となる『ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision』は舞台を国内に移し、カメラを持っては入れない知られざる世界にマイクのみで潜入し、顔を出さない音声だからこそ可能な密着取材によって、そこで生きる人々の本音や日常に臨場感溢れる構成で迫ります。

Spotifyではこれまでに様々な分野で活躍するクリエイターと共に、オリジナリティ溢れる音声コンテンツの企画・制作に取り組み、Spotifyでしか楽しめないオーディオ体験をお届けしてきました。スポティファイジャパン株式会社 音声コンテンツ事業統括  西ちえこは、「ウラトウ」の構想を知った時に「これをSpotifyがやらずして誰がやるんだという圧倒的な使命感に駆られた」といい、今回のウラトウとの取り組みについて、以下のように述べています。

「映像のプロフェッショナルであるテレビ局が音声だけでストーリーを届けるという新たな取り組みにパートナーとして共に挑戦できることを嬉しく思います。クリエイティブな企画と鋭い時代感をもって多くの話題作を生み出してきたテレビ東京とのパートナーシップを通じて、音声でしか創り出せない新しいストーリーテリングのスタイルを追求し、一人でも多くのリスナーに音声コンテンツの魅力を感じていただきたいと思います」。

「ウラトウ」は、2020年の春頃に『ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision』のプロデューサーの上出亮平氏から「映像を捨てたい」という音声コンテンツの構想を聞いたことをきっかけに、有志でチームを作ったことでスタートしたプロジェクトです。

株式会社テレビ東京コミュニケーションズ メディア事業開発本部 ビジネスデザイン部 マネージャー 兼 テレビ東京「ウラトウ」プロデューサーの井上陽介氏は、音声コンテンツの魅力について、映像とは異なり、時間や場所に制限されず軽やかで自由かつ聴き手のイメージに委ねられる部分が大きく、リスナーとの距離感が親密なところにあるといいます。

井上氏はこれからの「ウラトウ」の方向性について、以下のように述べています。

「これからのデジタル音声コンテンツの市場で、ビジネスモデルとしても新しい取り組みを実践していきます。予算もない、人もいないテレビ東京から映像もなくなりますが、その分、テレビの前にはいない、まだ出会ったことのない、みなさんとお会いできるのを楽しみに。音だけのテレビ東京、始動します」。

『ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision』は、これまでの音声コンテンツと異なり、周辺の音も込みで物語が作られていることが特徴です。そのため、声色や声の表情というのも存在しており、それに耳を傾けて心情を想像する体験ができます。そんな番組について、上出氏は以下のように述べています。

「僕はこの音声版を、驚きの嵐の中で制作しています。目を閉じて人の声に集中したときに初めて現れる“声の表情”。それはもしかしたら、画面に映される顔の表情よりも雄弁かもしれないという驚き。電車に揺られている。扉が開く。ホームの喧騒がじんわりと侵入してくる————。そんななんでもない光景の一つ一つが、音で表現されると自分の記憶と結びついて、鮮明なヴィジョンとなって浮かんでくる、その驚き。そしてカメラを介さない対話がこれほどまでに穏やかで親密だったのかという、当たり前の驚き。これまでは台本を捨て、ロケ隊を捨て、ナレーションを捨ててきましたが、ここでついに映像を捨てることができました。僕たちは今、テレビ史上最も身軽です」。

Spotifyは「ウラトウ」が企画制作するオリジナリティの高いポッドキャスト番組を配信し、他にはないオーディオ体験をリスナーにお届けしていきます。『ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision』の最新エピソードは毎週水曜日に公開されます。お楽しみに!

ポッドキャストを収益化するための新ツールをすべてのクリエイターに提供開始

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Spotifyにポッドキャストを配信するクリエイターが増加しています。3億4,500万人の月間リスナー数を抱えるSpotifyでポッドキャストを配信するクリエイターには収益化の大きなチャンスがあり、様々な選択肢が必要だと考えています。

Spotifyは、2月に実施したバーチャルイベント「Stream On」にて、Spotify上でのポッドキャストの有料サブスクリプションを実現し、SpotifyのAudience Networkの中で独立系クリエイターたちが活発な活動を行えるようにポッドキャストでの収益化の選択肢を導入すると発表しました。

本日、あらゆるクリエイターに向け、収益化オプションの提供を開始します。有料サブスクリプション、Spotifyのオープンアクセスプラットフォーム、そして独立系クリエイターのSpotify Audience Networkへの参加です。

有料サブスクリプションプラットフォーム

ポッドキャストのクリエイター向けに、発見されやすい環境を提供することで幅広いリスナーにリーチし、収益を最大化する有料サブスクリプションプラットフォームを提供します。本日よりまず米国内で提供を開始し、今後数ヶ月のうちにその他の国と地域にも拡大していきます。

この機能は、Anchorを通じてクリエイターに提供されます。ポッドキャストクリエイターはエピソードを有料サブスクリプション専用に設定して、Spotifyやその他のポッドキャストプラットフォームに公開することができるようになります。クリエイターは今後2年間はこの機能を無料で利用できます。つまりクリエイターは、サブスクリプションリスナーから得た収益を決済手数料を除き100%受け取ることができるのです。なお2023年からは、このツールの利用に5%の手数料を導入する予定です。

Spotifyは、有料サブスクリプション専用コンテンツを広く配信できるようにすることで、ポッドキャストクリエイターが既存のリスナーの中からサブスクリプションリスナーの数を増やせるようにしたいと考えています。有料サブスクリプション専用コンテンツは、Spotifyのアプリ内で、通常のポッドキャストのエピソードと同様に検索や発見することが可能です。

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第一弾として、12組の独立系ポッドキャストクリエイターが有料サブスクリプションプラットフォームに参加します。12組はそれぞれ、自身のポッドキャストのフィードに、有料サブスクリプション限定のボーナスコンテンツを表示できるようになります。

今後数ヶ月中に、有料サブスクリプションプラットフォームの利用を申し込んだクリエイターのウェイティングリストにも対応し、世界のより多くのクリエイターにプログラムを展開してまいります。

またNPR(米国の非営利・公共ラジオネットワーク)と協業し、NPRが配信する番組の一部を有料サブスクリプション向けにスポンサーフリーで提供することになりました。5月4日より、「How I Built This with Guy Raz」、「Short Wave」、「It’s Been a Minute with Sam Sanders」、「Code Switch」、「Planet Money」の5つの番組で、スポンサー広告の入らないものが有料サブスクリプション向けに配信されます。NPRの番組で「Plus」と表示されているもの(例:Planet Money Plus)を探して、NPRのスポンサーフリーのコンテンツをサブスクリプションし、お気に入りの番組をサポートしてください。

Spotify オープンアクセスプラットフォーム

Spotify以外のプラットフォームでサブスクリプションリスナーを持つクリエイターやパブリッシャーに対しては、リスナーが既存のログインシステムを使って、Spotifyでコンテンツを聴けるようにする技術にも取り組んでいます。これによりクリエイターは、既存のサブスクリプションリスナーにSpotifyを使って有料コンテンツを配信することができ、リスナーとのつながりを直接管理することができます。

この技術は現在テスト中で今後数ヶ月のうちにパートナーや機能について発表する予定です。

Spotify オーディエンスネットワーク

Stream OnではSpotify Audience Network(SPAN)についても発表しました。SPANは、広告主が幅広いコンテンツを聴取するリスナーとつながることができる、初のオーディオ広告のマーケットプレイスです。すでにMegaphoneのパブリッシャーインベントリーをSPAN経由で提供していますが、5月1日からはAnchorを使っている独立系クリエイターにもSPANを開放し、多くの方がこの独自ツールを利用できるようになる予定です。

このテクノロジーによって、RSSを利用した従来のポッドキャスト広告ソリューションよりもはるかに優れた価値を広告主に提供することができ、これによってより多くのクリエイターがポッドキャストから有意義な収益を上げられるようになると考えています。最終的にポッドキャスト市場により多くのお金が投入され、広告を通して収益化を目指すクリエイターに利益をもたらします。

クリエイターが有料サブスクリプションを設定する方法は、Anchorのニュースブログ(英語) をご覧ください。

「Spotify NEXT クリエイター賞」で才能ある日本のポッドキャストクリエイターの活躍を支援

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Spotifyは現在世界で220万以上のポッドキャスト番組を配信しています。自社のSpotifyスタジオでのオリジナル番組の制作に加え、Gimlet Media、Parcast、The Ringerといった優れたポッドキャスト制作会社を買収。さらにオバマ元大統領夫妻が設立した「Higher Ground」や、イギリスのヘンリー王子(サセックス公爵)夫妻が設立した「アーチウェル・オーディオ」、アメリカの漫画出版社DC Comicsといった外部パートナーとの協業や、世界でトップクラスの人気を誇るポッドキャスト番組を展開するジョー・ローガンとの契約などを相次ぎ発表し、Spotifyだけで楽しめる魅力的なラインナップの強化に取り組んでいます。

同時に、クリエイターたちがより創造性を発揮し、世の中により多くの独創的な音声コンテンツが生まれるための環境づくりにも積極的に取り組んでいます。国内でも2021年1月には「発掘(Discovery)」、「共有(Community)」、「育成(Incubation)」というの3つの軸で、次世代を担う音声コンテンツクリエイターの創作活動を支援していくことを目的に「クリエイター・サポート・プログラム」を立ち上げました。プログラムを通じ、才能あるポッドキャストクリエイターを発掘し、データやナレッジ、プロモーション機会を提供することで、彼らがキャリア基盤を確立できるようにサポートしてまいります。

この活動の一環としてSpotifyは、日本初、唯一のポッドキャストアワードとして昨年スタートした「Japan Podcast Awards」に参画しており、新たな才能の発掘と育成に協力しています。第1回で大賞とSpotify Awardを受賞した人気歴史キュレーションプログラム『歴史を面白く学ぶコテンラジオ』は、その後Spotifyで最も聴かれているポッドキャストのひとつとなり、さらにはスピンオフ番組として「コテンラジオ Spotify Original」が制作され、この1月よりSpotify独占で配信されています。

今年の「Japan Podcast Award」では新たに「Spotify NEXT クリエイター賞」を設立。2020年に配信された国内ポッドキャスト番組の中から、注目のクリエイターの作品をSpotify上でのリスニングデータなども参考に選考し、『OffTopic // オフトピック』、『奇奇怪怪明解事典』、『ノウカノタネtheWorld』の3作品がこの度受賞となりました。各作品と選考理由はそれぞれ以下の通りです。

OffTopic // オフトピック
宮武徹郎と草野美木がホストを務める、米国のビジネスやスタートアップ業界、トレンドニュース情報や分析に焦点を当てた番組。世界のスタートアップ情報を独自のアンテナでいち早くピックアップし、noteやSNSなどのソーシャルメディアを積極的に活用して番組情報を発信する新しい時代のクリエイター像を評価しました。

奇奇怪怪明解事典
ロックバンド・MONO NO AWAREの玉置周啓とヒップホップユニット・Dos MonosのTaiTanがアーティストの視点から漫画、詩歌、演劇、小説、歌詞等で遭遇した言葉の驚異を深掘りすることでポッドキャスト発の”事典化”を目指す番組。国内のSpotifyで人気ジャンルのカルチャートークをアーティストであるホスト二人が自由に展開し、リスナーの聴取時間も長い点に着目しました。

ノウカノタネtheWorld
福岡市で専業農家、兼業農家、農業法人社員という異なる立場で農業に関わるつる、テツ、コッティーの3人が現役農家の視点から日本の農業や社会について語るトーク番組。「農系ポッドキャスト」という新たなカテゴリーを他のポッドキャスターと積極的に交流しながら切り拓き、次世代を担うクリエイターとしての可能性を示した点を評価しました。

「Spotify NEXT クリエイター賞」について、スポティファイジャパン株式会社 音声コンテンツ事業統括の西ちえこは、以下のように述べています。「多くの才能あるクリエイターが作品への対価を得、また多くのファンがその作品を楽しみ、インスピレーションを受けることで、人間のクリエイティビティを解き放つことこそがSpotifyのミッションです。音楽で取り組んできたように、ポッドキャストでもこの実現を目指しています。今回受賞されたクリエイターの皆さんが次のステージへステップアップできるよう、今後もサポートしていきたいと思います。」

最先端のスタートアップ情報から、アーティストがとことんカルチャー談義を繰り広げるトーク番組や、現役農家ならではの視点で見た日本の農業と社会論まで、個性的な受賞3番組をぜひお楽しみください。

Spotify CEO と経営幹部らが語る、ポッドキャスト進出の裏話

Spotify For the Record Podcast A Product Story Cover

Spotify に動画配信サービスを手がける可能性があったことをご存じですか?Spotify のプロダクト戦略と開発の舞台裏をお伝えするポッドキャストシリーズ「Spotify: A Product Story」では、Spotify の共同創業者で CEO の Daniel Ek をはじめとする関係者が、これまで語られてこなかったエピソードの数々を公開しています。番組の進行役は、Spotify の研究開発部門の最高責任者 Gustav Söderström が務めます。

最新のエピソードでは、Spotify が音楽配信に続く第 2 の注力事業を探し始めた経緯が語られています。一時は動画配信という案もありましたが、社内ハッカソン「Hack Week」での検証結果や、ドイツのリスナーがオーディオブックを 音楽トラックとしてSpotify にアップロードして聴いているという報告を受け、トーク(音声)コンテンツの方がチャンスが大きいと判断しました。

Daniel はこう話しています。「この判断の正しさを示す兆候はたくさんありました。そして、ポッドキャストと音楽を融合させ、オーディオ市場での存在感を高めれば、戦略的に優位に立てると考えました。(中略) このチャンスを追求している企業は世界のどこにもなく、きわめて大きな可能性があることは明らかでした」

こうして、Spotify は 2019 年に、「オーディオファースト」という新たな成長戦略を打ち出しました。

今回のエピソードで、Spotify のユーザー体験部門を統括する Sten Garmark は次のように語っています。「我々は、Spotify の力でポッドキャスト市場の成長を後押ししたいと考えました。この素晴らしいメディアはある程度まで成長してきたものの、まだ本当の意味でメインストリームとは言えません。Spotify がポッドキャストを始めた頃も、今も然りそうです」

また、コンテンツ部門の最高責任者の Dawn Ostroff は、独自コンテンツの制作でオーディオの分野をリードすることや、その過程でポッドキャスト市場の成長を後押しすることについて語っています。「ポッドキャスト業界を全面的にバックアップすることで、市場全体をリードする存在になれるのではないかというアイデアに皆が賛同しました。当時は業界が大きく分断されていて、Spotify が乗り出す前は、クリエイティブ、ビジネス、広告のいずれの観点からも、事業として成立させようとする試みは一切ありませんでした」

エピソード本編では、Gustav とゲスト陣が、Spotify のこれまでのポッドキャスト戦略を振り返り、そのなかで学んだ 4 つの重要な教訓について語っています。ぜひ本編をお聴きください。