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映画『すずめの戸締まり』とのタッグで実現 作品の新たな楽しみ方を提案するSpotifyの取り組み

新海誠 音楽の扉

Spotifyでは、オーディオストリーミングサービスとしての強みを活かしたオリジナルコンテンツを通じて、お気に入りのアーティストやエンターテインメント作品をより深く様々な角度からお楽しみいただける体験をユーザーに提案しています。今回は、大ヒット上映中の映画『すずめの戸締まり』と、Spotifyのコラボレーションについてご紹介します。

プレイリストで鮮明に蘇る劇中の名シーン

 アニメーション映画『すずめの戸締まり』は、『天気の子』や『君の名は。』などのヒットで知られる、新海誠監督の最新作。主人公の岩戸鈴芽(演:原菜乃華)が、「閉じ師」の青年である宗像草太(演:松村北斗)と出会い、日本各地の廃墟に点在する災いの出口「扉」を閉じていく物語です。2022年11月の公開以降、累計動員939万8000人、興収124億8800万円を突破するロングヒットを記録しています。

 映画『すずめの戸締まり』とSpotifyによるコラボレーションブランドCMでは、Spotify上でRADWIMPSが手がけた映画主題歌「カナタハルカ」を聴き、映画の余韻に浸る少年の様子が表現されています。少年がスマートフォンでSpotifyを開き同曲が流れると、目の前のドアが『すずめの戸締まり』に出てくるドアに変わり……ユーモアたっぷりのオチも楽しい本CM。CMには実際の映画のシーンも使用されており、登場人物がSpotifyで音楽を流すシーンも登場します。

 また、映画の公開を記念したマルチエンタメプレイリスト『新海誠 音楽の扉 -Songs from Makoto Shinkai’s Movie-』も公開中です。RADWIMPSが手がける主題歌「カナタハルカ」と「すずめ feat.十明」、さらに劇中で草太の友人・芹澤朋也(演:神木隆之介)が乗る赤いオープンカーの車内で流れる荒井由実の「ルージュの伝言」、河合奈保子の「けんかをやめて」、松田聖子の「SWEET MEMORIES」といった、Z世代の間でも人気の昭和ポップス・80年代アイドルの名曲を収録しています。「カナタハルカ」と「すずめ feat.十明」の2曲は、再生中の画面に8秒のループ動画が表示される「Canvas」が実装されており、映画のシーンとともに音楽を楽しむことができます。

 主題歌はもちろん劇中で使用されたBGMまで、プレイリストを通して聴くことで映画の印象的なシーンの数々が鮮明に蘇ります。

『すずめの戸締まり』から広げる新海誠作品の音楽の魅力

 プレイリスト『新海誠 音楽の扉 -Songs from Makoto Shinkai’s Movie-』には、『すずめの戸締まり』関連曲以外にも、新海監督がこれまで世に送り出してきた数々の名作アニメーションから、作品を彩った全67曲が収録されています。例えばRADWIMPSが手がけた「前前前世」や「愛にできることはまだあるかい」など、『天気の子』と『君の名は。』の主題歌やサウンドトラック。さらに『秒速5センチメートル』の主題歌、山崎まさよしの「One more time, One more chance」や、『言の葉の庭』主題歌で秦 基博が歌った「Rain」、熊木杏里が歌う『星を追う子ども』主題歌「Hello Goodbye & Hello」と、そのサウンドトラックなど、長く愛される作品の楽曲も多数収録しています。これまでも新海監督作品を親しんできた人はもちろん、『すずめの戸締まり』をきっかけに初めて触れた人たちも、音楽を通して新海監督作品の独自の世界観に触れることができるでしょう。

“観る”から“聴く”でどう変わる? 新たな楽しみ方を提案する朗読コンテンツ

 同じく『新海誠 音楽の扉 -Songs from Makoto Shinkai’s Movie-』には、音声朗読コンテンツ「聴く小説・すずめの戸締まり」全30話も収録しており、小説版を音声で楽しむことができるのも大きな特徴の一つです。朗読の読み手を務めているのは、岩戸鈴芽を演じた原菜乃華さん。主人公を演じた彼女だからこその表現力と臨場感で送る朗読は、映画とは違う魅力を持った“もう一つの『すずめの戸締まり』”を描きだします。映画は“観るもの”という固定概念にとらわれない、“聴く映画”という新たなエンターテインメントの形はすでに多くのユーザーからの支持を集めており、Spotifyが2022年年末に公開した「国内で最も人気のMusic+Talkコンテンツ」では5位にランクインを果たしました。

 映画を彩る音楽はもちろん朗読まで、様々な“音声エンターテインメント”を全てスマホ一つで楽しめる、Spotifyならではのコンテンツです。

https://open.spotify.com/show/5nlDsmpul9enHhSHgkfPD5?si=29f486d783d1441b

プレイリストがSpotifyを飛び出し店舗に登場

 映画『すずめの戸締まり』では、Spotify以外にも様々なコラボレーション企画が展開されました。ユニクロではTシャツなどオリジナルグッズの販売のほか、原宿店には期間限定でプレイリスト『新海誠 音楽の扉 -Songs from Makoto Shinkai’s Movie-』の視聴ブースが設置され好評を得ました。通常プレイリストはスマホの中で出会うことがほとんどですが、CDショップの試聴コーナーのような手軽さで、リアルの場で出会えるという新しい試みです。Tシャツを手に取り、プレイリストを視聴するユーザーの姿が数多く見受けられました。

 『すずめの戸締まり』を耳で体感するコンテンツが満載のSpotify。すでに映画を観たというユーザーはもちろん、これから観ようというユーザーも、プレイリスト『新海誠 音楽の扉 -Songs from Makoto Shinkai’s Movie-』を通じて、新たな『すずめの戸締まり』を体験することができるでしょう。

■プレイリスト「新海誠 音楽の扉」https://spotify.link/ongakunotobira

■Music+Talk 「聴く小説・すずめの戸締まり」https://spotify.link/suzume_tojimari

テレビ局とポッドキャストのタッグによって生まれる「新たな化学反応」。バラエティやドキュメンタリー、ドラマなどから派生した音声番組を紹介

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 Spotifyでは、テレビ局と連動し、音声だからこそ表現でき、さまざまな人が楽しめるポッドキャスト番組の制作・独占配信を行っております。今回はその中から、特徴的な取り組みの一部をご紹介していきます。

テレビ東京の音声レーベル「ウラトウ」とのコラボレーション

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 「食べることは生きること」をコンセプトに、食事を通して人々の生き方や人生観を知る地上波の人気ドキュメンタリー番組「ハイパーハードボイルドグルメリポート」の音声版として、上出遼平プロデューサーとともに新たに立ち上げた『ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision』は、カメラを持っては入れない世界にマイクのみで潜入し、顔を出さない音声だからこそ可能な密着取材によって、そこで生きる人の日常や本音に臨場感を持って迫るヒューマンドキュメンタリーです。

 この取り組みを一緒におこなったテレビ東京コミュニケーションズのコンテンツレーベル「ウラトウ」からは、ほかにも、漫才師の新ネタができるまでの様子を日記形式の音声で届ける『ウラモノ漫才ダイアリー』や、芸人扮する化け物がゲストとして登場する架空のラジオ番組を舞台にしたコント『化け物RADIO』もSpotify独占配信を行なっています。

NHKの人気番組のスピンオフとなるポッドキャストをSpotifyで独占配信

 ドキュメンタリーからエンターテインメントまでNHKの多彩な番組を数多く手がけてきた株式会社NHKエンタープライズと、Eテレの教育、教養、実用番組を中心に制作を行う株式会社NHKエデュケーショナルが新たに制作するオリジナルのポッドキャスト5番組の独占配信もスタートしています。

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 人気ドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』で取り上げた、各分野のプロフェッショナルたちのその後を追った『その後のプロフェッショナル 仕事の流儀』、ひとつの場所を3日間定点観測し、行き交う人たちの人生模様を描く「ドキュメント72時間」の制作スタッフや番組ファンを公言する著名人・ナレーションを担当した俳優などが「神回」について語り尽くす『聴くドキュメント72時間』、未就学児向けの包括的な性教育をテーマにしたアニメーション番組「アイラブみー」を満島ひかりの声のみで届けるとともに、番組プロデューサーが性教育や自己肯定感、子育ての悩みなどについて専門家にたずねる『おとなのためのアイラブみー』、世界の「びじゅつ」を歌とアニメで紹介する「びじゅチューン!」の楽曲制作エピソードを紹介する『井上涼のびじゅチューン!アワー』、「ねほりんぱほりん」の制作スタッフが、番組内での山里亮太さんとYOUさんのトークを振り返りながら番組制作にかける思いを語る『ねほりんぱほりん を ねほりはほり』が配信され、話題を呼んでいます。

ドラマと連動したオリジナルポッドキャスト

 テレビドラマとの連動においても、ポッドキャストは相性の良さを発揮します。

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 Spotifyがポッドキャストを通して地上波ドラマと初めて連動したのは、2021年夏に放送されたテレビ東京のドラマ『お耳に合いましたら。』とでした。同番組では、伊藤万理華さん演じる高村美園がポッドキャスト番組のパーソナリティとしての成長する姿を描いていますが、その美園がドラマ内で愛聴しているのが氷川きよしさんがパーソナリティを務めるポッドキャスト番組『kiiのおかえりごはん』。Spotifyでは実際に同番組を制作・配信し、ドラマのなかのコンテンツを現実のものとして提供しました。『kiiのおかえりごはん』はASMRなども取り入れながら、料理好きで知られる氷川きよしさんのくつろいだおしゃべりと料理をつくる様子を楽しめる料理トーク番組で、そのコンセプトの新しさや、まるで氷川きよしさんの自宅に招かれたようなアットホームな雰囲気で、番組自体も話題になりました。

また昨年秋に放送されたドラマ『真相は耳の中』(毎週金曜深夜 0時52分~1時23分)と連動したミステリーポッドキャスト『真相は耳の中』もSpotifyで独占配信しています。

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  本番組は、ドラマの主人公となる伊原剛志さん演じる“捜査能力ゼロ”の崖っぷち刑事の娘として登場する、筒井あやめさん演じる推理オタクな女子高校生「芽依」が、ミステリーの面白さや謎解きの醍醐味を、ミステリー小説などでよく見られるトリックや鍵となるアイテムなどを題材に、気ままにかつマニアックに語るトーク番組となっています。若くしてアニメ「名探偵コナン」の脚本家になったことで知られる能塚裕喜さんが脚本を手掛け、本格的なミステリー好きにも聴き応えのある内容に仕上がりました。

 ドラマでは、刑事である主人公が娘がパーソナリティを務めていることに気づかずに、このポッドキャストを頼りに難事件を解決していく様子が描かれたり、ポッドキャストではドラマの登場人物だけでなく、ドラマでは描かれなかったリスナーからのお便りが紹介されるなどのアナザーストーリーが存在し、フィクションであるドラマと実在するポッドキャストの連動から生まれる新しいエンタテインメント体験を楽しむことができます。

 Spotifyはこれからもテレビ局をはじめ様々なパートナーと共に、音声ならではのユニークなエンタテインメント体験をお届けする取り組みを行っていきますので、お楽しみにしてください。

『その後のプロフェッショナル 仕事の流儀』など、NHKエンタープライズとSpotifyの取り組みから考える“音声コンテンツの可能性” 末次徹×住吉美紀×西ちえこ鼎談

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 Spotifyは9月21日、ドキュメンタリーからエンターテインメントまでNHKの多彩な番組を数多く手がけてきた株式会社NHKエンタープライズと、Eテレの教育・教養・実用番組を中心に制作を行う株式会社NHKエデュケーショナルが新たに制作するオリジナルのポッドキャスト5番組の独占配信を開始しました。

 今回はその5番組から、人気ドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』で取り上げた、各分野のプロフェッショナルたちのその後を追った『その後のプロフェッショナル 仕事の流儀』にフォーカスを当て、パーソナリティを務めるフリーアナウンサーの住吉美紀さん、番組を手掛けるNHKエンタープライズ シニア・プロデューサーの末次徹さんと、スポティファイジャパン株式会社 音声コンテンツ事業統括の西ちえこにインタビュー。この大きな取り組みが生まれた経緯や、番組の反響などについて聞いていきました。

教育系コンテンツのトップランナーがポッドキャストに展開

ーー今回のプロジェクトが始動した経緯を教えてください。

Spotify 西ちえこ(以下、西):今年の春先ぐらいにNHKさんの方から、「なにかコラボできませんか?」とお声がけいただいたところから始まりました。Spotifyとコラボしてくださるなんて、と光栄だった一方で、番組作りのハードルが高そうだなとも思いました。でもNHKさんは、最初から明確に「テレビだけではリーチできないオーディエンスへリーチすること」をビジョンに掲げられていたので、こちらも提案がしやすくて、プロジェクトはスムーズに楽しく進行できました。

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スポティファイジャパン株式会社 音声コンテンツ事業統括 西ちえこ

ーーNHKさんとの取り組みには、どのような狙いがありますか?

西:ポッドキャストは、学習系・教育系コンテンツと相性がいいので、Spotifyとしても同ジャンルを強化していきたいと考えていたところ、NHKさん(NHKエデュケーショナルさん、NHKエンタープライズさん)にお声がけいただいたので、心強いパートナーが現れたなと思いました。さらに、Spotify用の番組を企画してくださるのかと思っていたら、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(以下、『プロフェッショナル』)というすでに多くの支持を得ている番組をポッドキャストで展開したいと提案してくださったので驚きましたし、うれしかったですね。既存の『プロフェッショナル』ファンの方はもちろん、まだ番組を見たことがない方にもポッドキャストを聞いていただき、テレビ番組の『プロフェッショナル』にも興味をもっていただくといったサイクルを作れたらと思います。

ーーこの提案には、末次さんも携わられていたのでしょうか?

NHKエンタープライズ 末次徹(以下、末次):僕は途中からこのプロジェクトに加わった形で、今年の夏まではテレビ版『プロフェッショナル』のプロデューサーをしていたんです。そんなときにたまたまこのプロジェクトの担当プロデューサーから、『プロフェッショナル』のスピンオフをポッドキャスト番組として制作できないか、と相談を受けました。テレビだけではリーチできない層もいますし、今後は様々なメディアを駆使してコンテンツを発信していくべきだと考えていたので、ぜひやりましょう、と返事をしました。

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NHKエンタープライズ 末次徹さん

ーー住吉さんは、この話を受けたとき、どう思いましたか?

住吉美紀(以下、住吉):企画アイデアについて聞いてすぐ、私が30代、40代でやってきたことの総決算だ、と運命を感じましたね。『プロフェッショナル』は私の人生を変えた大事な番組ですし、スタッフとも家族のように付き合っていました。私はNHKを離れていましたが、今一度大好きな人たちとこうして別の形で仕事をするチャンスが巡ってくるなんて、と鳥肌が立つような思いでした。しかも、この10年ラジオとガッツリ向き合ってきて、音声メディアやポッドキャストの強みや可能性をヒシヒシと感じていました。なので、このプロジェクトに「興味ありますか?」と声をかけられたとき、「めちゃくちゃある!!」と飛びつきました。

 実際に番組を制作するにあたっては、私が今まで培ってきた人間関係と、この10年間でラジオ番組から得た知見を大いに活かすことができました。より良い番組にするためゼロから議論しながら作ったので、無事に配信ができたときは個人的にも本当に感慨深かったです。多くの方にぜひ聞いていただきたいです。

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住吉美紀さん

ーー西さんは、実際に完成した番組を聞いてみて、どう感じましたか?

西:住吉さんの熱量がとても感じられて、なにかすごいものが出来上がったぞ、とワクワクしました。ゲストの方と住吉さんとの信頼関係や親密さが、声を通して感じられるんですよ。冒頭を少し聞いてみただけでも、とてもいい番組になったという手応えがありました。

ときに映像以上の力をもつ、音声コンテンツの可能性

ーーこれまで映像メディアに携わってきた末次さんは、音声プラットフォームであるSpotifyさんにどのような印象を抱いていましたか?

末次:ニュースや新聞でSpotifyさんの名前を目にする機会が多いですし、音声コンテンツのトッププラットフォーマーというイメージでした。スウェーデン発のサービスであることも知っていたので、生き方が上手でかっこいい北欧の人たちが作った、優秀なプラットフォームなのだろうなと。実際に利用してみても、使いやすくてユーザーフレンドリーで、よくできていると感じました。

 ただ正直に言うと、今回のプロジェクトに参加する前までは、音声コンテンツにはあまり詳しくありませんでした。僕はテレビ局の人間なので、どうしても「コンテンツ=映像」の認識が強くて。でもプロジェクトを進めるうちに、音声コンテンツの奥深さや柔軟性に気づいて、興味をもつようになりました。視覚的情報がないからこそ、話し手の言葉が耳に入ってきやすいですし、自分の脳内で映像を思い浮かべて楽しむこともできます。あとは映像コンテンツだと、ストーリーはおもしろくてもそれに使える映像がないと成り立たないですが、音声であればストーリーだけでよくて、映像の縛りがないのもいいなと思います。

ーー住吉さんはいかがでしょうか?

住吉:前にSpotifyさんが制作されているポッドキャスト番組にゲスト出演させていただいたり、プレイリスト作りに参加したりしたこともありまして、すごく柔軟なサービスだという印象がありますね。私はラジオを長くやっていたので親近感がありますし、今どんなコンテンツが流行っているのかを知るのに参考にさせてもらっています。ただ音楽サービスの印象が強かったので、ここまでポッドキャストに力を入れていることは、今回のプロジェクトを進めるうえでの新たな発見でした。

ーー住吉さんは、映像・音声メディアの両方で活躍されていますが、両者の違いをどのように感じられていますか?

住吉:音声と映像だと、ずいぶんと役割や得意としていることが違います。テレビは映像ありきで物事が進みますし、画の強さがありますね。百聞は一見に如かずと言うように、一瞬で理解ができるし、一瞬で心惹かれて釘付けになることもあります。対して音声は、目に見えないものに訴求する力がとても強いです。気持ち、言葉、声など、目に見えないけれども私たちにとって価値があるものや、大切なものにリーチすることができます。使い方によっては映像以上の力を持って届くと感じているので、このパワーを活かすべきだと、番組の制作チームにお伝えしました。

 それに音声だけだと、本音かどうか、どういう気持ちやテンションで発言しているかが、意外にも映像よりもつぶさに伝わるんですよ。もし上辺だけで話をしていればそれはリスナーにバレるので、出演者はすべてを晒す覚悟で臨まないとダメですね。でもその覚悟さえできれば、リスナーと深く繋がれるし、信頼関係がはぐくめます。

ーー今回、ポッドキャストの『その後のプロフェッショナル』を聞いてみて、音声にはこんなに説得力があるのかと改めて実感しました。

住吉:収録スタイルにも大きな違いがあるんですよ。テレビの『プロフェッショナル』のスタジオは、まるで宇宙の中心に私たちだけ、というような非日常的な雰囲気でして、現場は良い意味で緊張感に包まれていました。一方でポッドキャストの方はもっとシンプルで、カメラや照明はなく目の前にマイクがあるのみ。ちょっと話が盛り上がってくると、収録だと忘れるくらいに素が出るんです。素の状態で話してもらうことで、人柄がにじみ出て、ここだけの話が飛び出たり、説得力が増したり。それは音声メディアの強みだと思います。

末次:『プロフェッショナル』のスタジオ収録はスイッチオンの状態でしたが、ポッドキャストでは完全にオフのままで進行しています。「スイッチを入れすぎないでください」とお願いするくらいに。その気張らないスタンスは、今の時代に合っているとも思いますね。

激動の時代だからこそ、リスナーの心に寄り添う番組作りを意識

ーー15年の時を経て、コロナ禍を含めさまざまな困難を乗り越えたプロフェッショナルたちの話は、とても興味深かったです。

住吉:15年という期間は、本当に絶妙だと思ってます。5年だとあまり変わっていないこともあるし、20年を超えると引退される方も出てきますから。15年の間にそれぞれいろんな人生の変化や事件があったり、いろんなことを経験されたりしていて、その話を聞いてるだけでもおもしろいのは、さすが『プロフェッショナル』の皆さんですね。その期間にはもちろんコロナ禍という、人類みんなが体験した困難も含まれているので、プロフェッショナルの方々はそこをどう過ごして何を考えたか、興味深いです。今この時期に番組が実現したのは、素晴らしいタイミングだと思います。

 今回ゲストの皆さんと再会するにあたって、当時の映像を見直したのですが、昔の自分は見た目だけでなく中身も若くて衝撃的でした。私も少しは成長できているなと感じましたね。あのとき聞きたかったことと、今聞きたいことが違っていたりするんです。それに当時は聞き手に徹していましたが、今は私も相手に伝えたいことがあるので、「自分はこう思うけど、あなたはどう思いますか?」という聞き方に変わりました。リスナーの皆さんには、自分もその場にいて会話を聞いている感覚を味わってほしいので、一方的なインタビューではなく、対談形式となるよう心がけています。

ーー音声コンテンツとしては、ゲストの方が一方的に話されるよりも、対談形式の方が聞き心地がいい気がしますね。番組への反響はいかがですか?

西:視聴時間が長いことが『プロフェッショナル』の特徴ですね。コンテンツが最初から最後まで聞かれた割合を意味する「聴取完了率」というものがあって、私たちはこれを「コンテンツクオリティ」と呼んでいます。クオリティが高いコンテンツは、離脱率が低いですね。多くの番組では、この数字をどう改善するかを議論することが多い中、『プロフェッショナル』の場合は最初から高いんです。良質なコンテンツとはこういうことなんだと示す良い例となりました。

 ビジネス面で言えば、テレビ局さんからのお問い合わせが増えました。まだ本格的に音声コンテンツに乗り出せていない番組さんや、ニュースの配信のみとなっている番組さんなど、悩まれている方たちから多くのメールをいただいています。

住吉:すごい、嬉しい!

末次:嬉しいですね。僕の方もいろんな番組の知り合いから、「自分たちの番組でもSpotifyさんとポッドキャストをやりたい」と相談されることが増えました。僕が今すぐどうにかできることではないので、あとで相談させてください(笑)

ーー住吉さんは、番組への反響を感じられることはありますか?

住吉:私もSNSなどで、すごく熱量の高い感想をいただくことがあります。「ちょうど同じことで悩んでいたので参考になりました」、「働く元気が出ました」とかって言っていただけてありがたいです。ただ本当は、もう少し反響がほしいところです。今の時代にはたくさんのコンテンツがありますから、その中で埋もれないよう、認知を拡大していかないといけないと感じています。聞いていただければ、おもしろいと思っていただける自信はあるんですけどね。

末次:僕も同じように、聞いてくださった方からの評判はすごくいいと感じています。その中で印象的なことが2つありました。1つは、「ながら視聴」がポッドキャスト・音声コンテンツの大きな強みだということ。ランニングや家事をしながらでも聞くことができるのは、映像コンテンツにはない良さですね。

 もう1つは、仕事や人生にフォーカスしたコンテンツへの興味が、皆さんの中で強まっていると感じたことです。コロナ禍などもあって先行き不透明な世の中において、どう働くべきか、どう生きていくべきかといった価値観がゆらいでいるんですよね。従来のモデルがなくなってきている中で、プロフェッショナルな方たちが十数年で体験してきた変化や苦労の話は、リスナーにとってすごく価値があるようです。多くの人が生き方についてより真剣に考えている現代だからこそ、この番組を制作する意義があると思っています。

住吉:15年の間にどん底を経験してる方もたくさんいました。そこから地道にコツコツ努力を重ねて、別の道を切り開いたなんて方も。一見完璧に見える方でも実は大変な目にあっていて、それでもなんとか生きているとわかると、少しほっとするんじゃないかな。『その後のプロフェッショナル』は、向上心の強い方向けの番組という印象があるかもしれませんが、そんなことはなく、いろんな人生があっていいと思える要素もたくさんありますので、どなたでもお気軽に聞いていただけたらうれしいです。

ーーテレビ番組の『プロフェッショナル』は、超一流の生き様をかっこよく見せて、視聴者のモチベーションを高めるような番組作りでしたが、ポッドキャストでは優しく背中を押すような構成になっていますね。

住吉:作っている私たちの意識も変化していますからね。「人生100年時代」とも言われる今の時代には、1つの仕事を死ぬまで続ける人は少ないですし、90歳まで働くようになるかもしれないなど、仕事観の変化はつねに頭にあります。ゲストとお話をする際も、リスナーにとって何かしらヒントや学びとなる話が引き出せるよう意識していますから、その点でテレビ番組との違いが出てきますね。

末次:タイトルには「仕事の流儀」と入っていますが、仕事だけではなく、人生の方にも触れるように意識していますね。人生の紆余曲折や、挫折エピソードなどが聞けるといいなと。

住吉:そうすると「実はこの仕事嫌いだったんだよね」といった本音が、本当にたくさん出てくるんですよ。プロフェッショナルの皆さんも、かっこいい時間ばかりではないんです。みんなもがきながらも、少しでも幸せに近づけるように生きていると感じていただけると思います。

ストリーミングで出会った新進アーティストとリスナーをリアルにつなぐ 『Spotify Early Noise Night』2年半ぶりに開催

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 ライブイベント『Spotify Early Noise Night #14』が、11月25日に東京・Spotify O-EASTにて開催される。2020年に開催を予定していた前回イベントは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止となり、今回は約2年半ぶりの開催を迎える。期待が高まる中、いま改めて本イベントについて振り返りつつ、最新回のアーティストについても紹介したい。

ネクストブレイクアーティストをいち早くプレイリスト&イベントでフックアップ

 Spotifyの『Early Noise』は、毎年飛躍を期待する注目の国内アーティストを10組選出する企画として、2017年より日本でスタートした。5年目の2021年からは世界各地の多様な新進アーティストをピックアップするグローバルプログラム「RADAR」と連携し、名称を『RADAR: Early Noise』へと変更。これにより、国内アーティストを日本のみならず海外のリスナーにも発信する目的が強化された。

 ネクストブレイクアーティストの萌芽を素早くキャッチすることで、徐々に話題性を高めてきたこの企画は、これまでにOfficial髭男dismやKing Gnuといった現在第一線で活躍しているアーティストをブレイク前夜よりサポートしてきた。

 その一環として行われているのが、『Spotify Early Noise Night』である。これまでに13回開催されているライブイベントで、第1〜5回は代官山SPACE ODD、その後は大阪・心斎橋Music club JANUSやHotalunaでの船上ライブなど、様々なロケーションを含め展開されている。

 なにより本イベントで特筆すべきはそのラインナップだ。例えば、2017年の第3回はあいみょんとCHAIをいち早くブッキング。当時のあいみょんはまだ「マリーゴールド」を発表する前で、「君はロックを聴かない」リリース直後のタイミングだった。また、第5回では現在快進撃が続いている羊文学とカネコアヤノを迎えるなど、今振り返っても音楽好きならばおさえておきたい面々が顔を揃えている。コロナ禍であえなく中止となった2020年の第13回は、まだ1stアルバム発売前の藤井風とVaundyの出演が決定していた。もし予定どおり開催されていたとしたら、奇跡の一夜と呼ばれていたかもしれない。

Spotifyが生み出した、新たな音楽との交流の場

 このように、今の音楽シーンを牽引する存在のアーティストたちが、かつて出演していたイベントとしても業界関係者や音楽ファンの間で認知度を高めている『Spotify Early Noise Night』だが、音楽を楽しむ手段として一般的となったストリーミングサービスが、リアルの場と繋がることにこそ大きな意義がある。

 スポティファイジャパン株式会社 音楽事業部門統括 大西響太は、本イベントについて「オーディオストリーミングサービスを中心に注目度を高めつつあるアーティストたちに、リアルにパフォーマンスをする場を提供すると共に、ファンに新たな音楽との出会いを提供することを目的に立ち上げられたもの」だと説明する。

 さらに、「一つのライブの中でさまざまなタイプのアーティストの音楽を楽しめることも特徴的」と語る。『RADAR: Early Noise』では、音楽ジャンルにとらわれない多様なアーティストを選出し、新たな音楽との出会いの機会をオーディオストリーミングサービス上で創出している。幅広い音楽性を楽しめるという点はイベントの出演陣においても同様であり、イベントというリアルな場を提供することで、アーティストとリスナーがより強く繋がれる仕組みを生み出している。リスナーにとってはアーティストの成功物語に早いうちから参加できる入り口としても捉えることができるかもしれない。アーティストが飛躍していく時期をリアルタイムで体験するワクワクは何にも替え難いものだ。『Spotify Early Noise Night』は、大きく飛躍を遂げる直前の、未来のスターたちのパフォーマンスを体感できるまたとない場所になりつつある。

新時代をリードするジャンルの垣根を越えた4組が集結

 最新回の第14回には、(sic)boy、tonun、ao、Teleといった新進気鋭の4組が出演する。

 (sic)boyは、ロックとヒップホップを融合させた存在として注目を集める1998年生まれのラッパー。憧れの存在にL’Arc〜en〜CielのHYDEを挙げ、サウンドにおいては90年代のラウドなロックや近年のオルタナティブなヒップホップからの影響が色濃い。

 tonunは、メロウなグルーヴと甘く柔らかなボーカルを特徴とするシンガーソングライター。その都会的な意匠と洗練された音作りは、早くも耳の肥えた音楽ファンから支持されている。

 aoは、2006年生まれのシンガーソングライター。声にはハスキーさがありながらも、高い音で美しく伸びる透明感のある歌声は唯一無二。今年発表した「チェンジ」はiriやSIRUP、藤井風などの作品に参加しているYaffleによるプロデュースとあって、俄然注目が集まっている。

 Teleは、谷口喜多朗のソロプロジェクト。フォーキーかつポップなサウンドに、文学的な歌詞と繊細な歌声とが絶妙なバランスで溶け合った楽曲で現在話題沸騰中。今後の飛躍が期待されている。

 こうしたジャンルの垣根を越えた幅広い音楽を一挙に楽しむことができるチャンス。アーティストにとっても感度の高いリスナーにアピールできる絶好の機会となるのではないだろうか。そしてきっと何年後かにこの日を振り返った時、誰もが重要な一夜だったと思い返すはずだ。

■イベント情報

『Spotify Early Noise Night #14』

https://spotify-earlynoise.jp/

日時:2022年11月25日(金)開場17:30 / 開演 18:30

会場:Spotify O-EAST(東京都渋谷区道玄坂2丁目14-8)

出演:(sic)boy, tonun, ao, Tele

料金:前売券 ¥2,000-(税込 / スタンディング / 整理番号付き/1ドリンク別)/当日券 ¥2,500-(税込 / スタンディング / 整理番号付き/1ドリンク別)

※入場料の他に別途1ドリンク代が必要

※Spotify Premiumユーザーは1ドリンクサービス

チケット販売: イープラス https://eplus.jp/enn14/

Early Noise Night #14 プレイリスト

https://spotify.link/EarlyNoiseNight

■開催実績

・Spotify Early Noise Night #1

2017/5/10(水) 渋谷/代官山SPACE ODD

出演者:WONK / RIRI / JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB

・Spotify Early Noise Night #2

2017/7/5(水) 渋谷/代官山SPACE ODD

出演者:向井太一 / 大比良瑞希 / chelmico / DJ: YonYon

・Spotify Early Noise Night #3

2017/9/27(水) 渋谷/代官山SPACE ODD

出演者:CHAI / Tokyo Health Club / あいみょん

・Spotify Early Noise Night #4

2017/12/20(水) 渋谷/代官山SPACE ODD

出演者:STUTS / JJJ / CHICO CARLITO / MIYACHl / DJ: YonYon MC: 鈴木真海子(chelmico)

・Spotify Early Noise Night #5

2018/5/16(水) 渋谷/代官山SPACE ODD

出演者:羊文学 / カネコアヤノ(BAND SET) / SPiCYSOL / ドミコ

・Spotify Early Noise Night #6 OSAKA 

2018/6/15(金)大阪・心斎橋 Music club JANUS

出演者:あっこゴリラ / Attractions / SIRUP / 向井太一 / AFRICA / The engy / DJ DAWA(FLAKE RECORDS)

・Spotify Early Noise Night #7

2018/7/18(水)代官山SPACE ODD

出演者:TENDOUJI / SUSHIBOYS / Newspeak / THREE1989

・Spotify Early Noise Night #8 Osaka

2018/10/7(日)大阪・心斎橋Music club JANUS

出演者:ドミコ / THREE1989 / WOMAN / tricot / The ManRay / Ryu Matsuyama

・Spotify Early Noise Night #9

2018/11/14(水) 代官山SPACE ODD

出演者:SIRUP / CIRRRCLE / Taeyoung Boy(TAEYO) / eill

・Spotify Early Noise Night #10

2018/6/5(火) 代官山SPACE ODD

出演者:SASUKE / Mega Shinnosuke / 竹内アンナ / ghost like girlfriend

・Spotify Early Noise Night #11

2018/7/5(金) Hotaluna(ホタルナ)

出演者:Yo-Sea / 3House / DJ CHARI / Gottz / DJ KANJI

・Early Noise Night #12 Osaka

2018/9/13日(金) 大阪・心斎橋Music club JANUS

出演者:秋山黄色 / Omoinotake / kiki vivi lily / Kitri / THE CHARM PARK / Maica_n

・Spotify Early Noise Night TYO ※開催中止

2020/3/10(火) 恵比寿 LIQUIDROOM

出演者:藤井 風 / Vaundy / JP THE WAVY / Mom (Spincoaster opening act)

連載「Chat with Spotify」 Spotify日本法人代表 トニー・エリソン×ソニー株式会社 伊藤 博史氏対談 プロダクトとサービスによる“新たな価値の創造”

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 スポティファイジャパン株式会社 代表取締役を務めるトニー・エリソンが、ライフスタイルやカルチャー、ビジネスにおいて音楽や音声が果たす役割や可能性について各界のキーパーソンと語り合う対談連載「Chat with Spotify」。

 第一回のゲストとしてお招きしたのは、ソニー株式会社 ホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ事業本部 モバイル商品企画部 統括部長の伊藤 博史さん。Spotifyとの連携機能も搭載している、画期的な“穴あき”イヤホン「LinkBuds」の開発秘話やSpotify連携機能のねらい、両社が描くビジョンやライフスタイルの変化を踏まえた“新たな価値の創造”への取り組みや、オーディオの可能性について、じっくり語り合ってもらいました。

始発駅・終点駅であるソニーと、それらを繋ぐ列車としての“Spotify”

▷まずはじめに、どのような経緯で両社の連携が実現したのか、教えてください。

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ソニー株式会社 ホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ事業本部 モバイル商品企画部 統括部長 伊藤博史さん

伊藤:ソニーの「LinkBuds(リンクバッズ)」とSpotifyさんとの連携は、我々からの熱烈なラブコールから始まりました。「LinkBuds」のコンセプトは音との関わり方が大きく変化している若者・Z世代のニーズに応えるヘッドホンを作ろうという所から始まっています。Z世代を対象にしたグローバルの調査で、1日5時間以上もヘッドホンを利用している人が40%もいたことから、長時間装着でき、且つヘッドホンの穴を通して外の音が自然に聞こえる新しいコンセプトのヘッドホンを作りました。また、ヘッドホンを作って終わりではなく、音声サービスを展開している企業さんと連携して新しい音の体験を作ろうということになり、そこで名前が挙がったのが、若者のユーザーが多く、多様なコンテンツをお持ちのSpotifyさんでした。「LinkBuds」と一緒に新しい音の体験を作って一緒に訴求しませんか、とラブコールを送らせていただきました。

▷最初にオファーを受けたとき、トニーさんはどう感じましたか?

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スポティファイジャパン株式会社 代表取締役 トニー・エリソン

トニー:ソニーさんと一緒に仕事ができるなんて、と感動しましたね。僕にとって憧れのトップブランドですから。そしてなにか革新的なものができるんだろうとワクワクしました。

 「LinkBuds」は、周囲の音と再生しているコンテンツの音が両立する商品だと聞いて、さすがだなと感じました。ニーズを的確に捉えていますね。僕には10代の子どもが2人いるのですが、彼らがヘッドホンをしているときに話しかけても、こちらの声が届かないなんてことがよくありますから。「LinkBuds」を実際に利用してみるとそれはもうまったく新しい体験で、「これは小さな革命だね」とお伝えしました。

伊藤:その言葉を聞いたときはすごくうれしかったです。Spotifyさんと「LinkBuds」は主に2つの機能で連携しています。1つは「Spotify Tap」で、ヘッドホンをタップするとすぐにSpotifyでコンテンツを再生できるものです。もう一度タップすると、今度は好きなプレイリストに切り替わります。スマホを操作しなくてもすぐに音楽が聴けるので、若者に人気の機能ですね。もう1つは先ほど「小さな革命」とおっしゃっていただいた、「Auto Play」です。これはまだベータ版ですが、耳にヘッドホンを装着する、歩き出す、オンラインミーティングが終わるといったアクションを検知して、音楽を再生できる機能です。人々の日々の生活の中に、自然に自動で音楽が流れるような体験を目指しています。

トニー:「LinkBuds S」だと、自分が話し出すとノイズキャンセルがオフになり外の音が聞こえる機能もありますよね。すごいことです。

▷お互いの会社にどんな印象をもっていますか?

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伊藤:最初にSpotifyさんのサービスと出会ったとき、サウンドを楽しむ“究極の形”だと思いましたね。このサービスにログインすれば、どんなコンテンツでも聞くことができますから。コンテンツやプレイリストの数がとても多く、音楽に接する人の気持ちに寄り添っていると感じます。音楽の聞き方を自由にしたという意味で、とにかくかっこいいですね。

 また、Spotifyさんとソニーは、テクノロジーやクリエイティビティの力で新しい価値を創出するという点で、価値観が共通していると感じます。また、クリエイター・アーティストとリスナーをより良く結びつけようとしているところも似ていますね。我々のヘッドホンはユーザーの耳に1番近いですし、Spotifyさんはコンテンツとユーザーの接点に1番近いですから、両社が連携すれば新しい価値が生み出せると考えました。

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トニー:僕も同じ考えで、両社は目指してる世界が一緒です。そして面白いことに、お互いがやっていない事業を手がけているんですよね。ソニーさんは、クリエイターとユーザーにハードを提供する会社で、例えるなら始発と終点の位置にいるわけです。対してSpotifyは、クリエイターが作ったコンテンツをプラットフォームに載せてユーザーまで届ける、始発と終点を結ぶ列車の役割を果たしています。この関係性って、すごく相性が良いと思うんですよ。

▷目指しているところが根っこの部分で共通しているんですね。両社の連携によって、オーディオの可能性はどのように広がると思いますか?

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伊藤:両社の連携で、これまで以上に、人と音楽、人と人を、音の力で繋ぐことができるようになると思います。「LinkBuds」の「Link」という名前にも、色々な繋がりから新しい音の体験を作り届けたいという思いが込められています。ヘッドホンは常時装着出来るようになり、ヘッドホンのセンサーからさまざまな事が検知出来るようになってゆきます。一方Spotifyさんのコンテンツも音楽・ポッドキャスト始め、より多種多様になってゆきます。この2つがより自然に繋がる事により、ユーザーのあらゆる生活の中でより沢山の価値提供ができるようになると思います。

トニー:オーディオの可能性といえば、僕はよく「Spotifyは生活のサントラだ」と表現しています。朝起きたときや通勤・通学中、そして良いことや悪いことがあったときなど、皆さんさまざまなシチュエーションで音声コンテンツを聞いていて、生活にサントラがついているような日々を送っています。Spotifyとしてもコンテンツをどんどん拡大して、ユーザーの皆さんに楽しんでもらいたいですし、特に日本において、まだまだ眠っている可能性がたくさんあると考えているので、それらが発掘されるのが楽しみです。たとえばTwitterの人気を見てもわかるように、日本ではつぶやき文化が発達していますよね。今後ひょっとしたら、テキストではなく実際に声でつぶやく音声コミュニケーションが出てくるかもしれません。可能性は無限大です。

若者はすでにボーダーレス みんなで価値を創出する時代に?

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▷価値を提供する相手として想定しているユーザーと、彼らに対してどのようなアプローチをとっているかを詳しく教えてください。

伊藤:誰に届けたいかで言えば、やはり若い世代です。新しい楽しみ方や聞き方は、若い世代から生み出されますからね。それに僕らが若者だったころに比べると、今の若い世代は大変な環境に置かれていると感じるんです。ネットやSNSでできることが広がったと同時に、こなさないといけない課題も増えているように感じます。そういった中で、オーディオで毎日がより楽しくなるような、新しい提案をしていきたいです。

 アプローチの方法としては、ユーザー含め、色々な人と共創することだと思います。これからの時代はボーダーレスにいろんな人と協力して新たな価値を生み出したいですね。一緒にライブで盛り上がり、一緒に音楽の話をして、一緒にお酒を飲んで、次はなにを作ろうかと話し合うような場を作れたら楽しいですね。そこには音のクリエイターやインフルエンサー、そして私みたいにヘッドホンを作っている者もいて、トニーさんみたいにそれらを繋ぐ人もいる。そうやってみんなが一堂に会して新しいものを話し合って作ってゆくイメージです。若者世代は、どこの会社だとか、どこの国だとかをあまり気にしないんです。彼らはすでにボーダーレスなんだと感じる事がよくあります。

トニー:Spotifyのユーザーに対しては、新しいライフスタイルの提案をしていきたいです。そのためには、当然ユーザーに寄り添い、そのニーズを理解していないといけない。伊藤さんがおっしゃったように、みんなでお酒を飲み、音楽を聞きながら話し合うことは、いいアイデアですね。

 クリエイターに対して言えば、彼らが本当に伝えたいことを発信できるよう、応援することです。これまでは「UGC(ユーザー生成コンテンツ)=映像」というイメージが強かったのですが、最近では顔を見せないタレントさんやアーティストもたくさんいますよね。顔を出したくない人の中にも、発信したい人は多くいて、彼らにとってオーディオコンテンツは最適な手段だと思うんです。クリエイターのニーズもオーディオで満たせるはずです。

▷ポスト・コロナの時代において、どんな価値を届けていきたいですか?

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トニー:これからまた外に出ることも増えて、あらゆる状況でオーディオを楽しむライフスタイルが復活すると思います。そのニーズに合うコンテンツや体験を拡大していきます。パーソナライゼーション(個人への最適化)の精度を上げて、より良いコンテンツを届けることで、クリエイターが報われ、ユーザーがよろこぶようなサイクルを作るのがSpotifyの役割ですね。

伊藤:リアルとオンラインの双方ををより快適にしてゆく為に、ヘッドホンで人の耳の力を更に拡張出来たらと思っています。たとえば、外の音を遮音したり開放したり、聴きたい音楽をすぐに聴けたり、話したい人とすぐに話せたり、人との会話を覚えておけたりって、人の耳の力の拡張であり進化ですよね。そういった新しい音の体験を「LinkBuds」で、そしてSpotifyさんと一緒に実現してゆけたらと思います。

Z世代はどのようにオーディオを活用しているのか?

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 文化や消費において、Z世代の影響力が急速に高まっていることは疑いようのない事実で、最新のSNSトレンドや、注目のアーティストもZ世代によって生み出されています。Spotifyでは、毎年「Culture Next」レポートを発表しており、Z世代のオーディオストリーミングとの関わり方や文化トレンド、そしてそれがSpotifyの広告主にとってどのような意味を持つのかを紹介しています。

 2022年度のレポートでは、世界中のZ世代の若者に対しインタビューを行い、注目すべき世界的なオーディオトレンドをいくつかのトピックにまとめました。本レポートを通じて、Z世代は、創造と消費の境界線を曖昧にしているのがお分かりになるかと思います。

※フルレポートはこちら

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創造の境界線を再定義する

 この傾向は、特にクリエイターとファンの関係性に大きく関わっています。かつては一方向からのコンテンツの配信で成立していた関係性ですが、今では双方向のインタラクティブなやりとりに変化しています。

 例えば、AnchorでSpotifyに配信されるポッドキャストでは、新たに投票やQAを行うことができるようになり、クリエイターとリスナーがインタラクティブにコミュニケーションを図ることができるようになりました。また、DiscordやTwitch、TikTokといったプラットフォームの出現により、Z世代のクリエイターは、ファンに語りかけるだけではなく、ファンからの話も聞けるようになりました。 実際にZ世代の47%が、特定のクリエイターのサブレディット(Reddit内のフォーラム)やDiscordなどのデジタル・コミュニティに参加したことがあると回答しています。

 Z世代がこうしたデジタルスペースを利用しているのは、自分たちのお気に入りのスターの最新情報を得るためだけではありません。特に新進気鋭のスターのファンコミュニティにおいては、他のファンやクリエイター本人と交流するためにこうしたプラットフォームを利用しています。

 この傾向について、21歳のシンガーソングライター、Dreamer Isiomaは「私たちはみんな仲間なんです」と述べています。

 日本でも、日本に住むZ世代の約3分の1 (29%) が、特定のクリエイターのファンが集うデジタルコミュニティに参加したことがあると回答しています。

 東京に住む18歳のSAKAIもクリエイターとリスナーの関係について以下のように語っています。「SNSが台頭する前は、クリエイターに関して得られる情報は限られていました。 私たちが見聞きするものは、メディアに管理されていたのです。今では誰もが好きなコンテンツを拡散できるため、アーティストやクリエイターについても以前より多様な情報をチェックすることができます。これによって、クリエイターとの関係も近くなったんです」

心の支えとなるポッドキャスト

 ファンと親密な関係を築いているのは、Z世代のミュージシャンだけではありません。ポッドキャストの世界では、有名人がホストを務め、熱心なファンを中心としたコミュニティが形成されています。このようなインタラクティブ性は、クリエイターが視聴者に効果的にアプローチする方法だけでなく、リスナーが消費するコンテンツとの関わり方を根本的に変えているのです。2022年第1四半期を前年と比較すると、Spotify上のZ世代におけるポッドキャストのリスナー数は平均して40%ほど増加しています。

 また、日本に住むZ世代のSpotifyでのポッドキャストの平均リスナー数も、2022年第1四半期と前年の比較で91%増加しており、現在、日本に住む18〜24歳の3分の1以上 (37%) が少なくとも毎週ポッドキャストを再生しています (15〜17歳では28%)。 

 ポッドキャストはZ世代にとって単なるエンタテインメントではなく、Z世代が生活の中で直面する複雑化した問題に取り組む際に、視点や理解を得るためのコンテンツとなっています。

 Z世代のクリエイターは、ポッドキャストを「自分たちをサポートしてくれるもの」と認識しており、コンテンツを利用する熱心なファンたちに囲まれていると感じています。なお、Z世代が最も聴いているポッドキャストジャンルであるメンタルヘルスは、2022年第1四半期には世界のZ世代における再生回数が前年比で約62%増加しました。

 メンタルヘルス関連のポッドキャストの再生回数は、日本のZ世代の間でも、2022年第1四半期に前年比400%も増加しました。ポッドキャスト番組「ゆとりっ娘たちのたわごと」のホストを務めるゆとたわは、ポッドキャストはリスナーにとって、自分のなかのリアルな感情と向き合う​​ための大きな支えになっていると指摘しています。

「リスナーによると、私のポッドキャストは『友達と話している感覚』なんだそうです。専門知識やトーク力がなくても、皆が何となく思っていることを言葉にすることで、『あ、わかる!』と共感してもらえるんだと思います」 

自分自身であれ

 For the Recordでは、Z世代が議論を呼ぶ(あるいはタブーとされる)可能性のあるアイデアや話題について取り上げる際に、ポッドキャストが魅力的な媒体であるという理由を深く理解するために、人気ポッドキャスト番組『Teenager Therapy』の共同ホストを務めるKayla Suarezにインタビューを実施しました。Z世代リスナーの間で長期的なコミュニティを構築する際に、誠実さや信頼性、傷つきやすさといったものが果たす役割について、彼女の意見を伺いました。

ーーZ世代のコンテンツ制作者の特徴の1つは、以前の世代に比べて、コミュニティとの対話が多いことだと思います。このような傾向は、どのような理由から生まれたのでしょうか?

Kayla Suarez:Z世代は、特にオンライン上において強いコミュニティ意識を持っていると思います。その理由は、同じような興味を持つ人たちのグループやポッドキャスト、あるいはブランドを見つけることができるからです。『Teenager Therapy』では、心の健康を提唱するとともに、私たち自身が偽りなく自分らしく、そして傷つきやすいことも伝えています。それゆえに、視聴者に対して正直であり、信頼と誠実さの基盤を確立できるのです。つまり、視聴者のことを知ると共に、リスナーにも私たちを信用してもらい、私たちが専門家でもセラピストでもなく、視聴者と同じ経験をしていることを知ってもらいたいんです。

 Z世代は、そういう姿勢をとても大切にしています。なぜなら現代は、ブランドが見せかけだけのことをしているのか、それとも本当に正直なのかを簡単に見分けることができるからです。だからこそブランドや企業が透明性をもって取り組むことが、とても有効になると思います。

ーー『Teenager Therapy』は、Anchorで制作されているそうですね。Anchorの魅力や、Anchorを使ったファンとの関わり方について教えてください。

Kayla Suarez:元々Anchorを使うというのは共同ホストのGaelのアイデアです。彼がポッドキャストを配信するのにAnchorが最も効率的な方法だと言っていたのを覚えています。それとコストがかからないこともAnchorを使う大きな理由でした。あと最近Anchor経由でSpotifyに配信する番組では、最後にリスナーに質問をしたり、投票してもらうことができるようになったので、その機能を利用しています。例えば、前回は恋愛における浮気について話していたのですが、その時にこう質問しました。「これは浮気だと思いますか、それとも浮気ではないと思いますか?」こんな感じのちょっとした工夫でリスナーを惹きつけることができるんです。

ーーポッドキャストがこうした会話を率直に展開できるのはなぜだと思いますか?

Kayla Suarez:私たちのリスナーは、とてもオープンマインドだから、仮に不快な話題であっても、議論すべき話題を話すために快適な空間を作り上げることができます。私たちは常に、見解が違っても互いに敬意を払うことを提唱しています。誰もが正しいわけではないことを認め、オープンマインドになることを奨励することが、大きな役割を担っていると思います。

 また、ポッドキャストは、ファンにとって非常に居心地がいいものだと思っています。司会者が耳元にいて、安全な環境で一緒に会話をしているような感覚を覚えます。こうした側面がZ世代に響く理由は、私たちの多くは孤独やストレスを感じることがあり、そのようなときにも誰か特定の人に相談できるとは限らないからです。

ーーZ世代のクリエイターがコミュニティとどのように関係を築いているかという話に戻りますが、お気に入りのリスナーとの交流方法はありますか?

Kayla Suarez:InstagramやDiscordといったプラットフォームを使って、リスナーに質問をしています。それとSpotify Liveは、リスナーを一つの場所に集めることができるので、個人的に気に入っている交流方法の一つです。とても親密で、基本的に何でも言える雰囲気があります。ステージに上がって悩みを打ち明けてくれるのは、いつも聴いてくれているリスナーたちです。リスナーの名前を呼んで、声をかけられるのは、本当にうれしいことですね。

ーーこれまでの『Teenager Therapy』で、特に印象的だったエピソードや瞬間はありますか?

Kayla Suarez:覚えている中で最も印象的だった出来事の一つは、私が大学に入学しようとしていたときでした。私自身は、特に日系移民一世の家系であることから、家を出ることに罪悪感を感じていたことを話していました。その時点ではこの気持ちを分かち合える仲間をまだ見つけていなかったので、みんながどう反応するかわからなかったんです。でも、ポッドキャストを通じて同じような思いをしている人たちがたくさんいたことで、大学への進学に悩んでいるのは自分だけではないことがわかり気持ちが楽になりました。アドバイスをしてくれる人もいたし、私にとっては本当にインパクトのある出来事でしたね。というのも、私はそのことについて、長い間悩んできたし、未だに少し悩んでいるからです。

より深く掘り下げる

 クリエイターと消費者の境界線の進化は、Z世代に関する注目すべきテーマであることは間違いありませんが、これはCulture Next 2022レポートの一部分に過ぎません。

 レポートでは、どのようにZ世代がオーディオストリーミングを利用して、アイデンティティを形成しているか、ノスタルジアを独自の方法で受け入れているか、Spotifyを利用して自分を表現しているか、といった洞察や調査結果も掘り起こしています。

 このレポートは広告主を念頭に置いて作成されましたが、Spotifyはこれらのトレンドから誰もが学びを得ることができると考えています。

 この新しい世代がどのように文化を変革しているのか、その全貌を知りたい方は、ぜひCulture Nextの全レポートをご覧ください。

連載「Chat with Spotify」 Spotify日本法人代表トニー・エリソンが語る、オーディオストリーミングのこれまでとこれから

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 スポティファイジャパン株式会社 代表取締役を務めるトニー・エリソンが、ライフスタイルやカルチャー、ビジネスにおいて音楽や音声が果たす役割や可能性について各界のキーパーソンと語り合う対談連載「Chat with Spotify」がこの度スタートします。

 まずは連載スタートに先駆け、これまでMTVや任天堂、YouTube、ディズニーなどの様々なグローバル企業において次の時代のエンタテイントを追求・提案してきたトニーに対し、キャリアを通じて得た知見やビジョン、Spotifyやオーディオの可能性に対する考えを聞きました。

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次のエンタテインメントは何?を追い求めてきたキャリア

▷はじめに、これまでの経歴や、各社で取り組んできたことについて聞かせてください。

トニー:これまで取り組んできたことは、大きくわけてふたつあります。一つは、日本と欧米の懸け橋としての役割です。私は、生まれた時から、日本とアメリカを行き来する生活を送ってきました。そういった背景から、両国の言葉や文化が身についており、それが仕事でも役立っています。日系企業ではアメリカで、欧米企業では日本で勤務していましたので、グローバルとローカルの双方の視点から複眼で市場を見ることを積み重ねてきたと自負していますし、それが現在のSpotifyでの仕事につながっています。

 もうひとつは、次世代のエンタテインメントビジネスの在り方を考える仕事です。子どもの頃からずっとメディアが好きで、インターネットやスマホがない時代ーーカセットテープやケーブルテレビが出てきたころから、日米両国のメディアの違いに興味があり、次のエンタテインメントはどんな形になるのかを常に考えてきたんです。ファーストキャリアは経営コンサルティング会社からはじまったのですが、入社後に配属されたのは通信関連の部署でした。1990年代の通信は非常に面白く、インターネットが初めて出てきた時代ですから、次のエンタテインメントはどのようなものになるかを勉強する絶好のチャンスでした。

 その後、アメリカの音楽&エンタテインメント専門チャンネルであるMTVに転職し、日本での事業展開やインターネットを活用した事業展開を担当しました。その後入社した任天堂では、日本のみならず、アメリカのシアトル本社やニューヨーク支社など、さまざまな場所で働きました。任天堂では、ゲーム機のハードウェアへの映像配信などに取り組んでいました。いまでこそ当たり前ですが、僕が任天堂にいた15年前は、そういったアイディアはまだ形になっていなかったのですが、そんななか、「ゲーム機はテレビとインターネットを繋ぐ媒介になるかも」と考えていました。

 YouTubeに動画を投稿するクリエイターが任天堂のIPを使用するにあたり、権利関係をクリアにした形で繋ぐプロジェクト「Nintendo Creators Program」での経験を経て、YouTubeに転職後は、アジアでのミュージックパートナーシップを担当していました。当時、音楽業界では、「Youtubeは違法動画である」と認識されることが多かったのですが、「YouTubeはアーティストをブレイクさせるための最高の手段で、敵ではなくて友達」という認識変化を起こすべく、業界関係者との関係構築や啓蒙に励みました。そして、ディズニーでは、ディズニーの保有するレガシーメディアを束ねて「Disney+」に移管するタイミングという大きな転換期を経験し、昨年Spotify Japanに入社しました。これまでのキャリアを振り返った時に、一貫しているのは、やはり「次はどうなるのか」「日米のギャップをどう埋めるのか」に関わる仕事をしてきたということですね。

▷Spotifyに可能性を感じた理由や、音声業界が面白いと思ったポイントを教えてください。

トニー:まず、僕はSpotifyという会社にすごく惹かれたんです。会う人がみんないい人だと感じたのと、「クリエイターとアーティストをファンと繋ぐ」という会社としてのミッションに全員が賛同しているのが伝わってきたんです。また、先ほどお話した“次のエンターテインメント”について考えたときに、これまで僕がやってきた映像の分野も盛り上がってはいるものの、オーディオに強い可能性を感じたのです。ビジネス的に市場が拡大する余地もまだまだ大きく、人々の生活を豊かにする新しい価値が提供できる分野だとも思いました。語りは人間の最も根本的なコミュニケーション手段でもあり、音声コンテンツには必然性があると感じました。

▷Spotifyの一員として、Spotifyの強みというのはどういうところだと思いますか?

トニー:たくさんある中のいくつかを挙げると、先ほどもお伝えしたように全員が会社のミッションに賛同していることです。戦国武将みたいな言い方かもしれませんが、みんなで心を一つにしているのは、組織としての大きな強みだと思うんですね。チームの創造力・創作力が素晴らしく、新しいことを日々試していて、常に果敢に新たな実験に取り組んでいます。また、Spotify自体が非常に大きなグローバルコミュニティを持っていることも大きな強みです。アクティブユーザー数は世界で4億を超えていますし、様々なアーティスト・クリエイターの国境を越えたファン作りにも成功しています。ファンとクリエイターの繋がりをプラットフォーム上での発見を通じて創り出せるだけでなく、様々なツールや方法によって関係性を深め、長期的なファンダムに繋げていくことができる。

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Spotifyをユーザーの生活において必要な存在に

▷日本における音声ストリーミングサービスの現状をどう思っていますか。またさらに大きく成長する上での課題についてはどう考えていますか。

トニー:5年くらい前は「いつになったら日本の音楽業界はフィジカル中心でなくなるんだろう」と思っていたのですが、現在は世界に比べると少し後発ではあるものの、日本国内でもストリーミングの利用が高まってきていて、エンタテインメント業界のなかでも主流になってきたという感覚はあります。それは市場統計だけではなく、一般的なバラエティ番組やニュース番組でも音楽配信サービスが紹介され、メインストリームカルチャーにどんどん取り入れられているからです。宇宙人ジョーンズが主人公のサントリーコーヒー「クラフトボス」の最新版CMではSpotifyがフィーチャーされているんです(※1)。クラフトボスのラベルに印刷されたQRコードをスキャンすると、Spotifyのプレイリストにアクセスできるというキャンペーンです。素晴らしいのは、このキャンペーンは、我々から仕掛けたものではなく、企業側からお声がけいただいたものなんです。そういったところで、Spotifyがメインストリームになってきているということが言えるのではないかなと思います。

※1:https://mobile.suntory.co.jp/cpn/softdrink/craftboss/song-and-craftboss/info.html

▷そういった裏話があったんですね。

トニー:そうなんです。さらに嬉しいことに、そのプレイリスト自体もしっかり聴かれているんですよ。一方で、音声配信はさらなる成長を続けていくとも思っています。メインストリームになりつつあると言いながらも、広げていく余地はまだまだあり、今後は今までのユーザー層とは異なる方たちにも音声配信サービスの魅力に気付いていただき、使い始めるきっかけを提示していく必要があると思っています。また若い世代だけでなく、生活環境の変化から青春時代にすごく大好きだった音楽と距離が離れてしまっていた40代以上の方々にも、音楽やトーク番組のある生活の楽しさを再発見、再認識してもらうための工夫も必要だと考えています。

▷たしかにそうですね。人の生活様式も変わっていくなかで、ストリーミングが当たり前になった世界において、次になにをするのかが大事になってくる。

トニー:これまでは主に音楽、最近はポッドキャストといったコンテンツに力を入れて、Spotifyは成長を続けてきました。ただ、これからは生活密着型というか、ひとりひとりの生活に役立ち、ライフスタイルを彩るような存在になっていく必要があると思っています。例えばSpotifyを利用してもらうのに、「音楽を聴けます」ではなく「リラクゼーションできます」という言い換えをしてみる。音楽のことを気にしていない人に、「このアーティストの音楽を聴けますよ」と言っても興味を持ってもらえないですが、その人に「実は最近夜眠れないんだよ」といった悩みがあったとすると、例えばヒーリング系の音楽や快眠のためのノウハウを紹介するポッドキャストを提案することで、自分ごととして捉え、興味を持ってもらえるかもしれない。または、料理をしながら英会話講座を聴いたり、走りながらテンポにあった音楽を聴いたりと、目的な生活シーンに応じた接点やアプローチを作ることもできる。ただそれは、Spotifyの力だけでは難しい。Spotifyはフィットネスや料理のエキスパートではないので、Spotifyが自ら「子どものお弁当を作っているときにこの音楽がいいよ」と言っても誰も振り向かないんですよ。だから、よりユーザーに関心を持ってもらうためにもSpotifyと相性のいいパートナーと一緒になって取り組むことが不可欠ですし、みなさんの力を借りることで、Spotifyはユーザーの生活において必要な存在になっていくことができると思っています。

▷今後、開拓していきたいと思っている領域は?

トニー:これまでにも実施し、今後もどんどん力を入れていきたいと思っている分野のひとつは「映画とアニメ」。映画を見る人が必ずしも音楽ファンというわけではないですが、映画での感動体験には、音楽が大きな役割を果たしていることも多いんです。映画を見終わって「あの感動をもう一度味わいたい」となったとき、感動をよみがえらせるには音楽が効果的なんです。しかもそれで映画のファンが増えれば双方にとって望ましいですか。そういう意味でアニメや映画とのタイアップには力を入れていきたいです。社内の会議でも、常にそういった話をしているんですよ。ターゲットユーザーの1日の生活はどういうもので、朝起きて最初に何をするのか、車に乗るのか電車に乗るのか、食事中は何を見たり聴いたりしているのかとか。そういうことを想像していくうちに、こういうところとパートナーシップを組めたらいいのか、というのが見えてくるんです。

▷その視点でいろんなものを捉えていけばイメージがしやすいというか、ビジョンが見えやすいですね。

トニー:はい。先ほど紹介した「クラフトボス」のようにブランドや企業がユーザーとコミュニケーションするときに、音楽やオーディオを媒介として使う事例は実際増えてきていますからね。いまやSNSは、社会インフラじゃないですか。テレビ番組も商店街のお店も、みんなTwitterかInstagramかYouTubeか、そのうち少なくともひとつはやっている。Spotifyの本質的な価値が理解され、本当に拡大していくと、それらのインフラに比肩しうると思うんですね。ただ、すごく守りたいのは「ただのインフラではなくて、愛されるインフラ」であること。無機質なものではなく、Spotifyのロゴを見て、ユーザーとクリエイターにときめきを感じてもらえるようになってほしい。

▷そんななか中で、Spotifyというプラットフォームをどういった存在にしていきたいか、そのためになにをしていかなければならないと感じますか。

トニー:シンプルに言うと、アーティストとクリエイターとユーザー全員に一番愛されるプラットフォームになりたいです。いろんな要素があって愛されるものになると思うのですが、結局大事なものは「信頼」だと思っています。Spotifyにコンテンツを提供すると確実にファンにリーチできるし、Spotifyは約束を守る、そういったプラットフォームでありたいです。その環境を作るにあたって、アーティストとの繋がりや、そこからさらなる横の繋がりを強化していくことによって、アーティストやクリエイターからも「Spotifyは間違いないよね」と感じてもらえるのかなと。ユーザーも、自分の大好きなコンテンツが簡単に見つかり、大好きなクリエイターやアーティストと繋がることでより深い経験ができるという世界が実現すると、どんどんSpotifyのことを好きになってもらえるのではないかと思いますね。

 その夢を実現するにあたって、まだまだやるべきことはたくさんあります。中南米のアーティストがヨーロッパでブレイクしたり、K-POPをグローバルブレイクさせているのにSpotifyが大きく貢献しているんだというニュースもおかげさまでいろんなところに掲載されたりしていますが、日本でもそういった成功例をたくさん作りたいです。日本国内でSpotifyを大きくすることはもちろんですが、日本のエンタテインメント業界が一番望んでいるのは「日本のアーティストをSpotifyの力で世界に発信していくこと」だと思うので、これに向けて一丸となって頑張っていきたいです。

Spotifyが国内アーティスト5組とコラボレーション 人気楽曲の撮り下ろしパフォーマンス映像を楽しめる日本初のビデオシングルシリーズ「Go Stream」第一弾公開

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 Spotifyでは、2016年秋の国内サービス開始以来、ストリーミングを通じて共に新たな音楽の可能性に挑戦してきた国内アーティスト5組とコラボレーションを行い、彼らの人気曲パフォーマンス映像を特別に撮り下ろしたビデオクリップを楽しめるビデオシングルシリーズ「Go Stream」を制作。この度、第一弾として、ずっと真夜中でいいのに。の「ZUTOMAYO “Go Stream” Video Single」とVaundyの「Vaundy “Go Stream” Video Single」を公開しました。

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 ずっと真夜中でいいのに。とVaundyは、注目の国内新進アーティストをプレイリストなどを通じてサポートするSpotifyの「RADAR: Early Noise」プログラムから一躍トップアーティストへ躍進を遂げた2組。その音楽性のみならず、ミュージックビデオやライブパフォーマンスなど、視覚的な表現においても独創的な感性を発揮し多くの音楽ファンの心を掴んでいます。

 今回公開されたビデオシングルは、そんな彼らのフルパフォーマンスを9:16縦型映像で視聴できるスペシャルコンテンツです。Spotifyユーザーであれば、どなたでもPCやタブレット、モバイル、Webプレイヤーなどでお楽しみいただけます。またこれらのビデオシングルは、ストリーミング時代を彩ってきたヒット曲を網羅したプレイリスト「Go Stream」や、各アーティストの代表曲を集めた「This Is ずっと真夜中でいいのに。」「This Is Vaundy」などからもアクセスすることができます。

 なお第二弾は、ストリーミングによって国内外に新たなリスナーを獲得し、活躍の場を大きく広げる国内トップアーティスト3組によるビデオシングルを9月17日に公開する予定です。

 さらに、「Go Stream」ビデオシングルシリーズの公開を記念して、本企画の参加アーティストを起用したブランドキャンペーンも実施。第一弾アーティスト・ずっと真夜中でいいのに。とVaundyのパフォーマンス映像をハイライトしたテレビCMを、関東・関西を含む全国17地区の地上波テレビにて8月1日まで放送します。

Spotify | ずっと真夜中でいいのに。「Go Streamパフォーマンスビデオ」

Spotify | Vaundy 「Go Streamパフォーマンスビデオ」

■スポティファイジャパン株式会社 音楽事業部門統括 大西響太 コメント

Spotifyは2016年秋の国内サービス開始以来、テクノロジーをもって音楽の楽しみ方や届け方を進化させ、リスナーに提案してきました。プレイリストやパーソナライズされたレコメンデーションを通じた発見の促進はもちろん、歌詞機能や、ボーカル音量を調整しアーティストと一緒に歌って楽しめる『シンガロング』、アーティストがアルバム収録曲の合間に楽曲解説などを行う『Liner Voice+』、気に入ったアーティストのライブ情報をいち早くチェックし、数タップで簡単に購入できる機能などを通じてアーティストとリスナーの関係強化にも取り組んできました。これまでSpotifyと一緒に新しい可能性に挑戦してきてくださったアーティストの皆さんと共に、ビデオシングルという形でまた新しい音楽の楽しみ方を音楽ファンにお届けできることを大変嬉しく思います。

■ずっと真夜中でいいのに。「ZUTOMAYO “Go Stream” Video Single」コメント

デコトラでしか辿り着けない怪しい集会・夏祭り開催できて楽しかったです。縦画面仕様ということでネオンな櫓はより高く聳え立ち、スリル満点な中での演奏、どきどきな仕上がりがポイントです。是非夏夜のひとときをお楽しみください。風流

■Vaundy「Vaundy “Go Stream” Video Single」コメント

・​​映像のコンセプトと注目点

LEDを使用した、映像とあわせて魅せる世界観を表現しました。映像を使ったライブパフォーマンス表現は初めてだったのですが、楽曲をより、視覚的にも楽しんでもらえると思います。無空間にポツンと非現実的な世界を生み出すことで、見ている人により没入してもらえるものを目指しました。空間と映像、照明、そしてライブパフォーマンスの融合に、どっぷりと浸って観てもらえると嬉しいです。サウンド面も、エンジニアチームと試行錯誤しながら、録り音からこだわり音源とはまた違った聴きごたえのあるものになっているので注目してほしいです。

・撮影時のエピソード

カメラのアングルを変えながら何度か撮ったので、いつもと違う緊張感でしたが、セット、映像、照明のなかで、バンドと一緒に楽しんでパフォーマンスすることができました。ちょうど僕の誕生日が近く、撮影後にサプライズでバンドメンバー、スタッフのみんながお祝いしてくれて、それも嬉しかったですね。

・Spotifyへのメッセージ

Spotifyとは色々と一緒にやらせていただいていますが、2020年のSpotify Premium CMに「不可幸力」が起用されたときは、はじめてのTVCMということもあり、とても嬉しかったです。アニメーションもかわいくて、CMで自分の曲が流れてくるのは不思議な感じがしました。今回のビデオシングルでは、空間と映像、照明、そしてライブパフォーマンスの融合に、どっぷりと浸って観てもらえると嬉しいです。今回のような特別な映像作品を作ったり、海外のアーティストやクリエイターとのコラボだったり、いろいろなモノづくりをこれからもSpotifyと一緒にやっていきたいです。

727 Go Stream enhanced single cover buttom white text

<「ZUTOMAYO “Go Stream” Video Single」収録曲>

1. 序 – Introduction

2. ミラーチューン – Go Stream Live ver.

3. 彷徨い酔い温度 – Go Stream Live ver.

4. あいつら全員同窓会 – Go Stream Live ver.

5. 終 – End

https://spoti.fi/ZUTOMAYOVideoSingle

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<「Vaundy “Go Stream” Video Single」収録曲>

1. 不可幸力 (Fukakoryoku) – Go Stream Live ver.

2. 泣き地蔵 (NakiJizo) – Go Stream Live ver.

3. 走馬灯 (Soumatou) – Go Stream Live ver.

https://spoti.fi/VaundyVideoSingle

<Go Stream プレイリスト>

https://spoti.fi/GoStream

SpotifyとGoogleが連携し、決済方法の選択肢を拡充

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SpotifyはGoogleとの新たなパートナーシップを発表しました。これは、ユーザーの決済手段の選択に関する初めての試みで、ユーザーと開発者の両方にメリットのある複数年契約となります。  

Google PlayストアからSpotifyをダウンロードしたユーザーは、Google Playの決済システムかSpotifyの決済システムかを選択できるようになります。 決済方法が選択できるようになるのは今回が初めてで、Spotifyは引き続き、ユーザーと柔軟なコミュニケーションを取りながら、有料プレミアムプランの「Spotify Premium」のキャンペーンやプロモーションを行い、ユーザーがSpotifyアプリから直接Premiumに加入できるよう取り組んでいきます。

今後数か月間、SpotifyはGoogleのプロダクトチームおよびエンジニアリングチームと協力しながらこの新機能を構築し、Spotifyのプレミアムプランが利用できるすべての市場で導入していきます。また、2社の取り組みを通して学びを深め、ユーザーの決済手段選択の仕組みをAndroidのプラットフォーム全体に拡張できるよう模索していきたいと考えています。今年後半には、新機能の最初のバージョンをリリース予定です。  

Spotifyはこれまで、プラットフォームの公平性と決済オプションの強化を公に掲げてきました。公平でオープンなプラットフォームは、より良いユーザー体験と、開発者のさらなる成長と繁栄を実現させると考えています。今後もすべての人にとって、快適なプラットフォームとなるよう努めていきます。

Spotify チーフフリーミアム事業オフィサー Alex Norström コメント

「Spotifyは、アプリ開発者が自由にイノベーションを起こし、切磋琢磨できる公平な環境づくりに長年取り組んできました。Googleと連携し、開発者、ユーザー、およびインターネットエコシステム全体に、より柔軟な決済方法の選択肢を提供できることをうれしく思います。私たちが共同で行うこの取り組みで、業界にさらなる利益をもたらす道が切り開けることを期待しています」

Google 製品管理担当バイスプレジデント Sameer Samat コメント

「Androidは常に、透明性とユーザーの選択を重視してきました。今回の取り組みは、モバイルのアプリストアにとって重要な節目であり、Spotify以上に適した最初のパートナーは思い浮かびません。Spotifyは私たちと同じくユーザーの選択を尊重し、エコシステム全体の健全さのために、AndroidとGoogle Playへの投資継続が重要であることを理解しています。これは、エキサイティングな最初の一歩であり、今後、新たなパートナーを迎え、このモデルをプラットフォーム全体に浸透させていきたいと考えています」

ウォルマート・プラス(Walmart+)会員にSpotify Premium6カ月無料トライアルを実施

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Spotifyはウォルマート・プラス(Walmart+)と連携し、ウォルマート・プラスの新規および既存会員にSpotify Premiumの6カ月間無料トライアルを提供しています。ウォルマート・プラスに会員登録すると、送料無料配送、店舗のキャンペーンやイベントへの早期アクセスなどのほかに、処方薬とガソリンを割引価格で購入できる特典が受けられます。

世界最大の小売業者の1つであるウォルマートと、世界で最も人気のストリーミングプラットフォームであるSpotifyが実施するWalmart+会員向けの新キャンペーンは、この種の取り組みとしては初めての試みとなります。本キャンペーンは、過去にSpotify Premiumに加入したことのないウォルマート・プラスの新規会員、および既存会員の両方に適用されます。詳細は、Spotifyとウォルマートのキャンペーンページをご確認ください。

無料トライアルに申し込むと、ウォルマート・プラス会員はSpotifyの個人向け Premiumプランを最初の6カ月間無料で利用でき、8,200万以上の曲を広告なしで楽しめます。さらに、スキップ機能の利用や、スマートフォン・PCの両方でオンデマンドでお気に入りの曲を再生できるほか、オフラインや外出先で視聴するために、曲をデバイスにダウンロードすることも可能です。

Spotifyのプレミアムパートナーシップおよび事業開発担当ヴァイスプレジデントのMarc Hazanは、今回の取り組みについて「ウォルマートの規模と顧客網を活用することで、米国のより多くの人々に、最高のオーディオコンテンツを提供する機会を得ることができます。私たちは常に、より多くのリスナーがお気に入りのアーティストに出会えるサービスを追求することへの我々の情熱を共有できるパートナーとの連携を模索しており、ウォルマートは最高のパートナーであると感じています。ウォルマート・プラスの会員に、さらなるエンタテインメントを提供できることをうれしく思います」とコメントを寄せています。

ウォルマート・プラスとSpotifyは、実際の店舗・オンラインにかかわらず、ユーザーに最高のサービスを低コストで提供したいと考えています。今回のパートナーシップによって、ウォルマート・プラスの会員はいつでもどこにいても、世界中のアーティストの楽曲にアクセスできるようになりました。

ウォルマート・プラス会員で、まだSpotify Premiumユーザーでない方は、この機会に6か月間の無料トライアルをお試しください。

Spotify、独自のデジタル音声広告効果測定ツールである 「Spotify ブランドリフト」を提供開始

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デジタル音声市場は、世界中で記録的な成長を続けており、リスナーは増え続ける一方、アメリカ以外のマーケット、特に、ヨーロッパ、カナダ、ラテンアメリカ、そしてアジアでのデジタル音声広告への投資はこれまで少し遅れていました。 Spotifyでは、上記のマーケットでの広告ビジネスの成長を推進すべく、新たに数百名のスタッフを採用し、それぞれのマーケットにローカライズされた広告ソリューションを構築しました。

過去実施した調査では、広告主がデジタル音声広告の出稿を躊躇する理由の一つに、定量的な効果計測が十分に行えず、投資を正当化できないことが挙げられています。Spotifyは、この点を考慮し、新たなファーストパーティ効果測定ツールである、Spotifyブランドリフト(SBL)を提供開始いたします。 Spotifyブランドリフトでは、ビジネスの規模を問わず、広告主は、Spotify無料ユーザー向けに配信される音声・ビデオそしてディスプレイ広告の効果や影響をより深く理解することができます。

Spotifyブランドリフトは、ストリーミング時代に適したSpotify独自の広告測定ツール開発プロセスの第一歩で、広告主が広告効果をわかりやすく確認できるよう設計されています。現在、イギリス、カナダ、オーストラリア、ブラジル、メキシコ、デンマーク、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、北欧、そして日本を含む14のマーケットで利用可能です。今後、これらのマーケットでのデジタル音声広告市場の成長を牽引していけるよう取り組みを強化していきます。

Spotifyブランドリフトの詳細

・最初に、広告主とSpotifyの広告チームで、目的とターゲットオーディエンスを決定します。

・キャンペーンが始まったら、Spotifyが、ターゲットオーディエンスを、広告に接触する人と接触しない人のグループにランダムに振り分けます。

・それぞれのユーザーグループには、広告に接触してから最大48時間後にSpotifyアプリ内でアンケートが表示されます。広告に接触していないグループの場合は、彼らがその広告を体験する機会があったかを確認します。

・キャンペーンの終わりには、広告想起率、ブランド認知度、関心度などの主要なブランド指標を用いて広告を体験したグループと体験していないグループ間での反応の違いをもとに、Spotifyがキャンペーンによる効果測定を行います。

今回のローンチに先駆けて、Spotifyではいくつかの広告主とテストを行ってきました。以下に、その結果を紹介します。

・カナダで携帯電話サービスを提供する「Koodo Mobile」では、Gen Zおよびミレニアルのストリーミング世代へのリーチを目的にSpotifyブランドリフトを利用しました。 Kooodoは、彼らの「Happy Deal Days」キャンペーンの認知を広げ、これまでリーチが難しかった若いユーザーとの関係を構築したいと考えていました。Spotifyブランドリフトにより、広告想起率は23ポイント、関連メッセージは2ポイント増加しました。

・業績に応じたサーバー貸出事業を展開するドイツ発の「STRATO」では、有名なドイツ人DJをフィーチャーしたキャンペーンのインパクトを大きくするため、環境関連産業に従事する人をターゲットに設定し、Spotifyブランドリフトを利用しました。成果として、ブランド想起率は27ポイント、そして第一想起率は7ポイント向上しました。

・イタリアのブランド「Mulino Bianco」は彼らの既存商品である「Fette Rigate」と共に、新しい種類のラスクの発表プロモーションにSpotifyを利用しました。イタリア最大級の食品会社であるBarilla社がスポンサードする、一日のはじまりにぴったりの音楽が楽しめるモーニングプレイリスト「”Il Caffè del Buongiorno!」と連動したキャンペーンは、ユーザーの関心を集めることに成功しました。新しい商品に対する好感度は、5ポイント、購入可能性は、2ポイントアップしました。

・イギリスのシリアルブランド「Dorset Cereals」は、X世代やミレニアル世代の消費者にゆっくり朝食を取ることを推奨する「Breakfast on the Slow」キャンペーンを展開し、キャンペーンを通したブランド認知と購入意向の向上を目的に、Spotifyキャンペーンを走らせました。キャンペーンでは、事前に定めた朝の時間帯にSpotifyを起動したユーザーに向けて広告を配信し、ブランド認知度+5ポイント、購入意向+3ポイント、そして彼らの次の朝食のブランド認知のトップの結果を出すことに成功しました。

  • Spotifyブランドリフトのローンチは、ポッドキャスト向けの広告管理技術を持つPodsightsと、ポッドキャスト聴取者解析ツールを手がけるChartableの買収により実現したもので、広告主やポッドキャスト配信者に対して、デジタル音声広告の効果測定やインサイト向上を追求するSpotifyの姿勢を示すものです。

Spotifyブランドリフトに関するお問い合わせはこちら

Spotifyが「Loud & Clear」を通してデータを公開する意義 ストリーミングが多くのアーティストに与える機会

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Spotifyは、アーティストへの支払いやロイヤリティについて解説する情報サイト「Loud & Clear」を通して、より健全で多様性のある音楽業界の実現に向けた透明性あるデータを公開しています。

Spotify及びストリーミングサービスは、音楽業界に対して具体的にどのような貢献をもたらしているのでしょうか。スポティファイジャパン音楽事業部門の新統括責任者・大西響太が、2021年の調査結果をまとめた最新情報をもとにストリーミングがより多くのアーティストに与える機会について解説します。

Spotifyは世界の録音音楽収益の20%以上を占める存在に

スポティファイジャパン音楽事業部門の新統括責任者・大西響太

▷なぜSpotifyは「Loud & Clear」を立ち上げたのでしょうか? 

大西:Spotifyはミッションとして、才能あるアーティストが作品への対価を得られ、また世界中たくさんのファンがそれらの作品を楽しめる環境を創り出すことで、人々のクリエイティビティを引き出したり、刺激することを掲げています。

2008年のサービス開始以来、このミッションの実現に向けて、Spotifyではテクノロジーを利用して、音楽の聴き方や届け方に革新を起こし、世界中のアーティストとリスナーを繋ぐことに取り組んできました。ストリーミングの広がりによって、これまでなかった方法でアーティストがリスナーに発見されたり、人気を獲得することができるようになり、国境や時代を越えて愛されるアーティストや楽曲が数多く生まれることになりました。

その一方で、未だに音楽業界がアーティストやソングライターに対して、「どういった形でビジネスを成長させることができるのか」ということをきちんと提示できていない部分もあると思っています。故にストリーミングがもたらす経済的な側面についても、より透明性をもって示す必要があると考え、Spotifyは「Loud & Clear」プロジェクトを開始しました。ロイヤリティの仕組みを始め、ここに関連する成功体験やプロセスについて、わかりやすく解説するという取り組みを音楽業界として初めて採択しました。

▷ストリーミング市場は引き続き活況のようですが、その中でSpotifyは音楽業界に対して、どれぐらいの利益を還元されているのでしょうか?

大西:より多くの人にストリーミングが音楽業界の成長に貢献していることを理解してもらうことを願って、2021年のストリーミングの成果に関する数字と調査結果など最新のアップデートを含むレポートを公開しました。そのデータを参考に説明すると、2021年にSpotifyは権利者に対して、過去最高となる70億ドルを支払っています。これは2017年に支払った33億ドルという額の2倍以上となっていて、Spotifyが創業以来、権利者へ支払ってきた300億ドルのうちの大きな割合を占めます。

70億ドルという金額は、業界が最も隆盛だった2000年のどのCD販売店よりも、またデジタルダウンロードが最盛期であった頃のiTunesよりも多く、ひとつの流通プラットフォームが音楽業界に対して支払った金額としても、最も高額であることがわかりました。

▷Spotifyは、ストリーミングを通じて、これまでにより多くのアーティストが収入を得るための機会を増やすことに取り組んできましたが、今、現在はどれくらいのアーティストがSpotifyと利益を共有できているのでしょうか?

大西:昨年初めてSpotifyで5万人以上のアーティストが1万ドル以上の収益を生み出すことができましたが、そのうちの1,000人以上のアーティストは100万ドル以上の収益を生み出しています。1万ドル、10万ドル、100万ドルの各規模の収益をあげたアーティストの数も、過去5年間でそれぞれ2倍以上になっています。また今年からは過去5年間で200万ドル以上、500万ドル以上の収益を上げたアーティストの数や増加率も「Loud & Clear」上で確認できます。さらに驚くべきことにこれら全ての収益は、Spotifyからのみで生み出されています。

IFPI(国際レコード産業連盟)が発表した数字によると、Spotifyは世界の録音音楽収益の20%以上を占めています。アーティストにはこの他にもライブツアーやマーチャンダイズといった録音音楽以外からの収益も存在します。

またSpotifyだけで年間100万ドル以上を稼ぎ出すアーティストが1,000人いるとすると、彼らは全てのストリーミングサービスを含めると年間300万ドル以上を稼いでいる可能性が高いと言われています。

▷ちなみに録音音楽収益にはどのようなものが含まれるのでしょうか。またそれ以外のアーティストの収益として挙げられるものにはどんなものがありますか?

大西:録音収益には、ストリーミング以外にCDなどのフィジカル(パッケージ商品)、*シンクロ(音楽シンクロライセンス)、ダウンロード、演奏権などが含まれます。また、アーティストの収益にはそれら以外にライブや物販の収益もありますね。ちなみにSpotifyでは、直接アーティストのライブのチケット販売や物販をしているわけではありませんが、サイトやアプリ上から各販売プラットフォームでファンが買いたいものを購入できるように誘導する導線を設けています。

*特定の楽曲の著作権者から付与される音楽ライセンスで、ライセンシーが何らかの視覚メディア出力(映画、テレビ番組、広告、ビデオゲーム、ウェブサイトの付随音楽、映画の予告編など)に音楽を同期(シンク)させることを許可するもの

アーティストがリスナーやファンとの関係を強化するためにも活用できるプラットフォーム

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▷ストリーミングの普及以降、アーティストは以前よりも自分たちの音楽の聴取傾向や収益のデータにアクセスしやすくなったと思いますが、それを機に実際にアーティストが自分たちの収益について考える機会は増えたと思いますか?

大西:どういう形で自分たちのファンを増やしていき、それを活用することによって、ビジネスチャンスを広げるかに対して能動的に考えるアーティストが増えています。例えば、Spotifyには「Spotify for Artists」というSpotifyで音楽を配信しているアーティストやその関係者向けのダッシュボードがありますが、自分たちの音楽をより広く届けるためのマーケティング施策やツアーの内容やセットリストなどを検討する際にも、こうしたデータベースを活用することができます。最近は、そういった意識自体がアーティストの中で高まってきたように感じています。

▷現在の音楽業界では、あらゆるキャリアステージにあるアーティストに、成功できる可能性や機会が広がりました。ストリーミングはその原動力になっていると思いますが、具体的には業界の各カテゴリー毎にどのような成功が見られるのでしょうか?

大西:まずレーベルとパブリッシャーは、現状過去最高の収益を上げています。Spotifyは2年連続で出版権者に10億ドル以上を支払っていますが、ストリーミングによって、世界中のアーティストはこれまで以上に収益化の機会を得られるようになりました。またレーベルに所属せずにセルフリリースするアーティストに関しても同じように収益化の機会が広がりました。

実際にデータを見ると、Spotifyから1万ドル以上の収益を得たアーティストの43%は、音楽売上市場としてトップ10に入る国や地域以外に住んでいます。このことからストリーミングによって、より多様な国や地域のアーティストも音楽業界でキャリアを築くことができるようになってきたことがわかります。

また、Spotifyから1万ドル以上の収益を上げたアーティストのうち、28%以上がセルフリリース型のアーティストです。彼らはレーベルに所属しなくても、TuneCoreなど音楽ディストリビューターを通して配信することで、収益の大部分を手に入れることができています。

▷先ほどレーベルやパブリッシャーが過去最高の収益を上げているとのお話しがありましたが、そのような状況になったことで例えば、レーベルが既存の所属アーティストや新人アーティストに投資する機会は増えているのでしょうか?

大西:レーベルやパブリッシャーがアーティストに投資する機会は増えてきていると思います。具体的にはストリーミングがきっかけになって得た収益を元手に新たにプロモーション・キャンペーンを仕掛けることなどが考えられますが、経済活動がより活性化してきたことは長い目で見て業界全体にとって良い結果につながると思っています。

またストリーミングでこれまで以上に収益を得ることができているのであれば、メジャーレーベルが投資する範疇にいない、セルフリリースをするインディペンデントアーティストであっても、その収益をデータベースを参照しながら、効率よくプロモーションに充てることができます。それとディストリビューターを通じて配信すれば、自分たちの音源が発見されるチャンスも広がりますね。そういった相乗効果がストリーミングによって生まれていると考えています。

▷収益面以外でSpotifyは日本のアーティストに対してどのような機会を与えていると思いますか?

大西:Spotifyによって、アーティストは新しいリスナーに自分たちの音源を届けられるようになりました。これはアーティストが数多くの潜在的なファンに対して、リーチできるようになったということを意味します。

その方法として挙げられるのが、多様なプレイリストと機械学習によって個人最適化されたレコメンデーションです。これによってまだ知名度があまりない新人アーティストでも自身の音楽を気に入ってくれそうなリスナーに発見してもらえる可能性が広がり、それを聴いた結果、他のリスナーにシェアするようになれば、そこでまた音楽が広がっていくことになります。そういった共有のしやすさ、シェアラビリティの高さもSpotifyの魅力です。

最近ではアーティストが国境やジャンル、場合によっては時代を越えて新たなリスナーにリーチを広げていくケースも見られるようになってきました。K-POPやラテンポップなどの特定の地域で人気を得ていた音楽が世界中にリスナーを広げ、ここから世界的なスーパースターが誕生する機会も増えています。国内アーティストの作品も世界に届けられるのはSpotifyの強みです。

またストリーミングの時代になってから楽曲へのフィーチャリングに代表されるような、アーティスト同士のジャンルや国を超えたコラボレーションも増えています。あるアーティストと別のアーティストがコラボレーションすることで、そのコラボレーションしたアーティストの音楽をよく聴いているリスナーにも自身の音楽をレコメンデーションされやすくなるので、より広いそうに聴いてもらうきっけかになると言えますね。

加えてSpotifyは、音楽を聴きながら歌詞を読み込んだり、お気に入りのアーティストと一緒に歌える「シンガロング」など、アーティストとリスナーとのより深い関係を作っていくための機能も多数持っています。プレイリストやレコメンデーションで自身の音楽に出会ったリスナーにも、こうした機能を通じてより深い世界観を知ってもらうことができ、さらなるファンになってもらうことができるかもしれません。Spotifyはリスナーを広げるだけでなく、アーティストがリスナーやファンとの関係を強化するためにも活用できるプラットフォームだと考えています。