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SpotifyとSUMMER SONICがプロデュースするコラボステージ、2025年『Spotify Stage』DAY2レポート

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 オーディオストリーミングサービス Spotifyは、日本最大級の都市型音楽フェスティバル『SUMMER SONIC(以下、サマソニ)』と今年もタッグを組み、3年連続となるコラボステージをプロデュースしました。今年からはステージ名称を「Spotify Stage」にリニューアルし、Spotifyの2つの人気プレイリスト:「RADAR: Early Noise」、「+81 Connect」の世界観を体現したステージをお届けする形となりました。

 本ステージは、8月16日・17日に幕張メッセで開催されたサマソニ東京にて展開し、Spotifyが注目する次世代アーティストが一堂に集結しました。これまでの「RADAR: Early Noise」選出アーティストからはMega Shinnosuke、レトロリロン、ブランデー戦記、reina <reina (w.a.u BAND Set) x TRIPPYHOUSINGとしての出演>、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、PAS TASTA、Lavt、AKASAKI、Billyrrom、ziproomが出演。さらに、本プレイリストでもピックアップしリスナーベースを大きく伸ばしているKaneee、 Chilli Beans.、muqueが登場。計13組のアーティストがパフォーマンスを繰り広げました。

 また、17日の終盤には、J-Hip Hopカルチャーの最前線を牽引する人気プレイリスト「+81 Connect」が、昨年に続きステージをジャック。これからのシーンを切り拓くswetty、Elle Teresa、JP THE WAVYの3組によるマイクリレーでラストの“81分”を飾りました。

 本稿では、8月17日に行われたziproom、Billyrrom、AKASAKI、muque、Mega Shinnosuke、Kaneeeの6組によるライブと「+81 Connect Live」の模様をレポートします。

ziproom

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撮影=石原汰一、瀬能啓太


 2日目のSpotify Stage、トップバッターはArichとShimonによるヒップホップコレクティブ、ziproom。2人は静かにステージに登場すると、「nuzip」でライブをスタート。「神戸から来ましたziproomです!」と高らかに挨拶し、「TUKI NO USAGI」では曲名にちなんで「ジャンプ!」と煽りながら会場を盛り上げました。ミニマムなビートに乗せて繰り広げられる2人の軽快なラップは、「Renton」、「MINT」、「Sakura」、「bloom in the dark」と熱を帯びていきます。「次、みんなが知ってる曲をやるんで一緒に盛り上がっていきましょう!」と、日本を含めた世界9カ国でバイラルチャート入りを果たした「Dive」がドロップされると、フロアのボルテージは最高潮に。8月13日にリリースされたばかりのEP『2CITIES』より「Sound Body」を経て、「Electronica」、「Dance With Me」と続けると、2024年リリースにされたEP『nuzip』のラストを飾る「Zero Island Point」でステージを終えました。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.nuzip/02.TUKI NO USAGI/03.Renton/04.MINT/05.Sakura/06.bloom in the dark/07.Dive/08.Sound Body/09.Electronica/10.Dance With Me/11.Zero Island Point

Billyrrom

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 2番手は、“トーキョー・トランジション・ソウル”を掲げ、次世代ポップミュージックを創出する町田市出身の6人組バンド、Billyrrom。Mol(Vo)、Rin(Gt)、Taiseiwatabiki(Ba)、Shunsuke(Dr)、Leno(Key/Syn)、Yuta Hara(DJ/MPC)がステージに揃うと、「来てくれたなら絶対後悔させません!」とMolが呼びかけ、心地よいファンクロックがフロアを揺らす「Defunk」をドロップ。日本、台湾、ベトナムでのバイラルチャート入りや、アジア9カ国でプレイリストインを果たした「Once Upon a Night」では、観客を積極的に巻き込んだライブを展開しました。その後も、この日のステージへの想いが込められたRinのフリースタイルラップから「CALL, CALL」へと続け、懐かしさを感じさせるメロディとMolの甘い歌声が心地よい最新サマーチューン「Funky Lovely Girl」では、シンガロングが発生。ラストの「Magnet」に至るまで、力強く洗練されたサウンドが終始響きわたる圧巻のパフォーマンスでした。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.Defunk/02.Once Upon a Night/03.CALL, CALL/04.Funky Lovely Girl/05.Magnet

AKASAKI

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 登場を待ち侘びる大勢の観客に迎えられたのは、注目の19歳シンガーソングライター・AKASAKI。ライブは、彼がTikTokに初めて投稿した楽曲「今夜は君と」からスタート。バンドメンバーと一緒にサイドステップを踏みながら、心地よいサウンドに乗せて真っ直ぐな歌声を届けました。そこから、Spotify Japanのトップソングチャートで首位を獲得した「Bunny Girl」が披露されると、フロアからはクラップも発生して一気に大盛り上がり。CMソングとしても人気を集めた「ルーツ」の後は、「波まかせ」、「夏実」と2つのサマーチューンを届けて会場を爽やかな雰囲気に包みました。「徘徊」の四つ打ちのビートで踊らせると、中毒性のあるメロディと早口でまくし立てるようなボーカルが印象的な「爆速論理ness」でフィニッシュ。最後の曲の披露前、「紛れもない、トップになりたいです!」と放っていた言葉が現実になることを予感させる、アグレッシブなステージでした。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.今夜は君と/02.Bunny Girl/03.ルーツ/04.波まかせ/05.夏実/06.徘徊/07.爆速論理ness

muque

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 4番手は、Lenon(Ba)、takachi(Track make/Dr)、Asakura(Vo/Gt)、Kenichi(Gt)から成る福岡発の4人組バンド、muque。2022年の結成以降、わずか3年の間でドラマやアニメのタイアップも手がけるなど話題を集めています。「Ghost」でライブをスタートさせると、夢へ向かっていく決意を歌った「456」を力強く披露。疾走感のある「feelin’」では、Asakuraがステージを駆け回りながら観客の近くで歌いかけ、会場の熱気を高めました。「Spotifyを通じて海を越えて楽曲を聴いてもらえている」とLenonが語り、このステージに立てることへの喜びを伝えました。その後、バンドの名前が広く知れわたるきっかけとなった『素晴らしき哉、先生!』の挿入歌「nevermind」へ。そこからベース、ギター、ドラムと鮮やかにソロを繋いだ後に披露された「Bite you」は、ダークな一面も垣間見える一曲。TVアニメ『ONE PIECE』のエンディング主題歌「The 1」でラストスパートをかけ、「カーニバル」で華やかにステージを締めくくりました。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.Ghost/02.456/03.feelin’/04.nevermind/05.Inter(Solo)~Bite you/06.The 1/07.カーニバル

Mega Shinnosuke

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 数々のアーティストへの楽曲提供でも注目を集める2000年生まれのアーティスト、Mega Shinnosukeのステージは、メロウなバンドサウンドに乗せて「あの子とダンス」に登場するフレーズ〈へいがーる〉のコール&レスポンスで幕開け。そのまま楽曲に繋げた後は、力強いビートが高揚感を誘う「iPhone」を歌い上げました。「Thinking Boyz!!!」を経て、自らもギターをかき鳴らして披露したのは7月にリリースされた「ナードと天使」。夏らしい爽快なロックサウンドが会場に響きわたりました。2017年に活動を開始してから「不安な時期もあった」と振り返りつつも、「自分のことを信じて自分の好きなことをやっていたら、このステージに立てました!」と喜びを見せたMega Shinnosuke。後半は「人生を変えたような2曲」として「桃源郷とタクシー」、そしてTikTokをきっかけにバイラルチャート入りを果たした「愛とU」を披露し、会場を大きな熱気で包みながらステージを後にしました。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.あの子とダンス/02.iPhone/03.Thinking Boyz!!!/04.ナードと天使/05.桃源郷とタクシー/06.愛とU

Kaneee

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 6番手は新進気鋭のラッパー、Kaneee。ヒップホップフェスティバル『POP YOURS 2023』にてSTUTSとの共作「Canvas」を披露しデビュー、その後も精力的な楽曲リリースに加え、多数のアーティストの作品に参加しています。まずは爽快な一曲「SHIBUYA」で勢いよくライブをスタートさせると、客演として参加したDJ CHARI & DJ TATSUKIの楽曲「Oh! Yeah!」へ。「Need More」の後、「音楽を始めた頃からこのステージに立つことが夢でした」と思いを告げて、「Factor」「Blessed」を歌い上げると、メロウな「P.M. Sunsett」では会場が一気に夏のムードに包まれました。「みんなで歌おうぜ!」と始まったのは、1stフルアルバム『Remember Me?』収録のバイラルヒット曲「Life is Romance」。STUTSと再びタッグを組んだ楽曲「SPACE」ではジャージークラブのリズムに合わせて観客をジャンプさせ、最後は迷いながらも上を目指し続けることを歌った最新曲「Super Shine」で観客に温かくエールを届けました。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.SHIBUYA/02.Oh! Yeah!/03.Need More/04.Factor/05.Blessed/06.P.M. Sunset/07. Life is Romance/08. SPACE/09. Super Shine

swetty

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 Spotify Stageの最後の一枠は、人気プレイリスト『+81 Connect』がジャックするステージ。プレイリスト名にちなんで、3組のアーティストによる“81分間”のマイクリレーが行われました。トップバッターは、大阪を拠点に活動する若手アーティスト、swetty。「disconnect」でライブを始めると、「韓国から友達を連れてきていて」とYeilを呼び込み、「oh, baby say my h」を賑やかにパフォーマンス。「IJNL」の四つ打ちのビートで観客のテンションを上げた後は、lil soft tennisを迎えて「夜をぬけて」へ。入れ替わるようにKamuiが登場した「Run Now」では、〈何度でも舞い上がる〉という決意のメッセージを届けました。「cuz u just memories」、「gloom」の後、イントロから歓声があがったのは、Taka(ONE OK ROCK)のレコメンドをきっかけに人気が広がり、Spotify Japanバイラルチャート首位を獲得した「junkie」。ラストは「i don’t care anymore but how about you?」で、エモーショナルな歌声をステージに響かせました。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.disconnect/02.oh, baby say my h (feat. Yeil)/03.IJNL/04.夜をぬけて (feat. lil soft tennis)/05.Run Now (feat. Kamui)/06.cuz u just memories/07.gloom/08.junkie/09.i don’t care anymore but how about you?

Elle Teresa

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 続いて登場したのは、Hip Hopで新たな“カワイイ”を体現する新世代のフィメールラッパー、Elle Teresa。多数の固有名詞を織り交ぜた刺激的なリリックが印象的な「ラブ・デラックス」でライブをスタートさせると、「Bikini Freestyle (Remix)」で一気にフロアを沸かせました。「Organic Thing」の後、ポップチューン「Bubble」の透明感ある歌声とセクシーな身のこなしで観客を熱狂させた後、重低音が自然と体を揺らすキラーチューン「GOKU VIBES (Remix)」で会場の盛り上がりはさらに上昇。続いてNENEをステージに迎え、2人で「バナナボート」をパフォーマンス。入れ替わりで登場したのは、先ほどステージを終えたswetty。4月にリリースしたコラボ曲「I JUST」で、葛藤や悩みを抱えながら自らを肯定して生きていくメッセージを届けました。O-Zone「恋のマイアヒ~Dragostea Din Tei~」をサンプリングしたユニークな一曲「野良猫」の後、「ここからはリラックスして楽しんでください」と披露したのは「Tsukema」。最後に「LOVE (Remix)」を届け、大きな歓声に包まれながらJP THE WAVYへとバトンを繋ぎました。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.ラブ・デラックス/02.Bikini Freestyle (Remix)/03.Organic Thing/04.Bubble/05.GOKU VIBES (Remix)/06.バナナボート (feat. NENE)/07.I JUST (feat. swetty)/08.野良猫/09.Tsukema/10.LOVE (Remix)

JP THE WAVY

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 ラストを飾ったのは、いまや日本を代表するラッパーの一人となったJP THE WAVY。重々しいトラックに高速のラップが乗る「EYES」の後、イントロから大歓声が起きたのは、彼を一躍スターダムに押し上げたバイラルヒット曲「Cho Wavy De Gomenne」。「みんな歌えますか?」と呼びかけると、フロアからキャッチーなフックの大合唱が起きました。「Friends」、「GO GO GO」、「GILA GILA」に続き、ダンサーを呼び込んで「Okay」を届けた後、「新曲だけど、とりあえずサビになったらジャンプしてほしい」「これ跳びはねたら絶対いいことあるんで!」と含みを持たせて始まった「READY OR NOT」では、フィーチャリングで参加しているLEXが登場。そのまま2人でヒット曲「WAVEBODY」を歌い、ステージ上で熱く握手を交わしました。「BIG BANDS」、「Neo Gal Wop」を経て、Issei Uno Fifthを迎えて「GOOD LIFE」、Kaneeeとともに「ROLLING DICE」を届け、最後は「Miss Luxury」「What’s Poppin」で大団円。多彩なゲストを交えた豪華なステージを繰り広げました。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.EYES/02.Cho Wavy De Gomenne/03.Friends /04.GO GO GO/05.GILA GILA/06.Okay/07.READY OR NOT (feat. LEX)/08.WAVEBODY (feat. LEX)/09.BIG BANDS/10.Neo Gal Wop/11.GOOD LIFE (feat. Issei Uno Fifth)/12.ROLLING DICE (feat. Kaneee)/13.Miss Luxury/14.What’s Poppin

2日間にわたり、個性豊かなアーティストによる熱いステージが繰り広げられたSpotify Stage。なお、出演アーティストのセットリストは、Spotify公式プレイリスト「Spotify Stage in SUMMER SONIC 2025」にて終演後もお楽しみいただけます。

SpotifyとStray Kidsが「Spotify STAYdium」を開催!

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 Spotifyは、グローバルK-POPグループStray Kidsの4thフルアルバム『KARMA』のカムバックを記念し、ファンと共に祝うイベント空間「Spotify STAYdium TOKYO」をオープンします。

 現在ソウルとジャカルタで8月25日まで開催中のSpotify STAYdiumが、8月23日から27日まで東京にも登場。単なるポップアップを超え、『KARMA』の世界観とメッセージを体験できる没入型空間でStray Kidsを支えてきたファンコミュニティ「STAY」への感謝を込めた特別な体験です。

Stray Kidsからのコメント
「ファンは僕たちの運命そのものです。そして、デビュー当時から応援してくれているSpotifyにも心から感謝しています。
Spotifyと一緒にSpotify STAYdiumを実現できたことは、僕たちにとって大きな節目のように感じます。
この空間は、僕たちがSTAYと共に築いてきたすべてを祝うものであり、ファンの皆さんがあらゆる瞬間に僕たちの愛を感じてくれることを願っています」

Spotify STAYdiumについて
Spotify STAYdiumは、「KARMA Track」 から始まります。Stray Kidsの力強い進化の軌跡、
STAYと共に歩んできた大切な瞬間、そしてSpotify上での数々のマイルストーンを振り返る特別な展示です。
その先には、フォトゾーンを中心としたインタラクティブな空間をお楽しみいただけます。
体験の最後には限定イベントグッズを受け取ることができ、
Spotify STAYdium ではStray Kidsの『KARMA』の世界をより深く体感できる特別な空間となっています。

■東京開催情報
『Spotify STAYdium TOKYO』
会場:渋谷サクラステージ 3F BLOOM GATE
期間:2025年8月23日(土)〜8月27日(水)
時間:午前11時〜午後8時
対象:Spotify Premiumユーザー限定
詳細はSpotify Japan 公式Xアカウントをご覧ください:https://x.com/SpotifyJP

Spotify・アジア太平洋地域ゼネラルマネージャー・Gautam Talwarからのコメント
「Stray Kidsの歩みはまさに驚異的であり、STAYとの絆は彼らのアーティストとしての才能と努力の証です。
Spotify STAYdiumを通じて、ファンの皆さんが彼らのストーリーに入り込み、そのエネルギーを一心に感じられる没入空間を作りたいと考えました。
私たちは、ファンがStray Kidsの新たな章『KARMA』の一部となれる究極のプラットフォームを提供できることを誇りに思います」

Spotifyで『KARMA』を体験
待望のカムバックを記念して、Spotifyはグローバルのファンに向けて特別なオンプラットフォーム体験を「This Is Stray Kids」プレイリスト上で展開します。
ここでは、ファンはアルバムのテーマである「運命」と「宿命」から着想を得た「STAYdium Champions Quiz」 に挑戦できます。
クイズに直感的に回答していくと、Stray Kidsのメンバーにマッチングされ、シェア可能なオリジナルのデジタルカードを受け取ることができます。

さらに、Spotify Premiumユーザー限定で、マッチングしたメンバーからのスペシャル動画メッセージも視聴できます。


「STAYdium Champions Quiz」は期間限定で公開され、下記リンクからもアクセス可能です。
https://open.spotify.com/presents/skzstaydium

SpotifyとSUMMER SONICがプロデュースするコラボステージ、2025年『Spotify Stage』DAY1レポート

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 オーディオストリーミングサービス Spotifyは、日本最大級の都市型音楽フェスティバル『SUMMER SONIC(以下、サマソニ)』と今年もタッグを組み、3年連続となるコラボステージをプロデュースしました。今年からはステージ名称を「Spotify Stage」にリニューアルし、Spotifyの2つの人気プレイリスト:「RADAR: Early Noise」、「+81 Connect」の世界観を体現したステージをお届けする形となりました。

 本ステージは、8月16日・17日に幕張メッセで開催されたサマソニ東京にて展開し、Spotifyが注目する次世代アーティストが一堂に集結しました。これまでの「RADAR: Early Noise」選出アーティストからはMega Shinnosuke、レトロリロン、ブランデー戦記、reina <reina (w.a.u BAND Set) x TRIPPYHOUSINGとしての出演>、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、PAS TASTA、Lavt、AKASAKI、Billyrrom、ziproomが出演。さらに、本プレイリストでも選出されリスナーベースを大きく伸ばしているKaneee、 Chilli Beans.、muqueが登場。計13組のアーティストがパフォーマンスを繰り広げました。

 また、17日の終盤には、J-Hip Hopカルチャーの最前線を牽引する人気プレイリスト「+81 Connect」が、昨年に続きステージをジャック。これからのシーンを切り拓くElle Teresa、JP THE WAVY、swettyの3組によるマイクリレーでラストの“81分”を飾りました。

 本稿では、8月16日に行われたLavt、PAS TASTA、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、reina、ブランデー戦記、レトロリロン、Chilli Beans.の7組によるライブの模様をレポートします。

Lavt

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 今年のSpotify Stageのトップバッターを務めたのは、2002年生まれのシンガーソングライター、Lavt。作詞・作曲・編曲を一人で手がける、大阪出身の注目アーティストです。「皆さん、跳ぶ準備できていますか?」と観客に呼びかけると、自らもステージを軽やかに跳び回りながら「有象無象」でライブをスタート。「アルコール」を経て、台湾のSpotifyバイラルチャート入りも果たした「L4DY」では観客のクラップも加わり、会場の熱気はいっそう高まりました。バンドメンバーの紹介を兼ねたセッションからシームレスに「モルト」に繋げ、ギターを手にして「デイジー」、先月リリースされたばかりのサマーアンセム「涙のスイマー」へ。「HOLD ME」「JOOOOKE」の後、ラストは昨年5月にリリースし、バイラルチャートをにぎわせた代表曲「オレンジ」を披露。「自分も音楽を始める前から知っている大きなフェスに出させていただいて、本当に光栄です!」と、ステージを締めくくりました。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.有象無象/02.アルコール/03.L4DY/04.モルト/05.デイジー/06.涙のスイマー/07.HOLD ME/08.JOOOOKE/09.オレンジ

PAS TASTA

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 続いて登場したのは、ウ山あまね、Kabanagu、hirihiri、phritz、quoree、yuigotといった音楽プロデューサー/シンガーソングライター/ボカロPの6人から成るJ-POPプロジェクト、PAS TASTA。2022年のデビュー以降、感度の高いリスナーを中心に人気を拡大している彼らは、2ndアルバム『GRAND POP』の冒頭を飾る2曲をマッシュアップした「GRAND POP!!!!!! & BULLDOZER+」でライブをスタート。爽やかなダンスチューン「sunameri smoke」では、繰り返される〈もう二度と戻らない〉のフレーズが今日の特別な時間と重なり、切なさを漂わせました。「byun G」の四つ打ちビートでフロアを踊らせると、「B.B.M. (REMIX)」「peanut phenomenon」で強靭なサウンドを届け、「会場全部使って楽しんでいってください!」と新曲を披露。最後は『GRAND POP』のラストに収録された「THE CAR」を力強く演奏してステージを終えました。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.GRAND POP!!!!!! & BULLDOZER+/02.sunameri smoke/03.byun G/04.B.B.M. (REMIX)/05.peanut phenomenon/06.(新曲)/07.THE CAR

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 3組目に登場したのは、東京発の3人組バンド、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN。メンバーは作曲と映像を手がけるDaido、ベースのYuta、サウンドエンジニア/DJのSo。キューバ民謡の基本的なリズムパターンをバンド名に冠する彼らは、世界各地の民族音楽と電子音楽をミックスした独特のサウンドで話題を集めています。まずは「秩父」でその独創的な世界観に誘い込むと、「空とぶ東京」ではパーカッションを軸に多数の楽器を織り交ぜながら濃厚なセッションを繰り広げました。軽やかなリズムを刻む「ワタツミ」に続き、「花様年華」ではシンセの響きも相まって会場は神秘的な雰囲気に包まれます。「アートマン」を経て、「tradition」は繰り返されるフレーズとともに演奏が徐々に熱を帯びていき、呼応するようにフロアの盛り上がりも最高潮に。2023年リリースの1stアルバム『tradition』からの楽曲で、異国情緒あふれるライブを展開しました。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.秩父/02.空とぶ東京/03.ワタツミ/04.花様年華/05.アートマン/06.tradition

reina (w.a.u Band Set) x TRIPPYHOUSING

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 クリエイティブレーベル・w.a.uのR&Bシンガー、reinaは、Skaai、yuya saito (yonawo)、Alex Stevensによる音楽ユニット、TRIPPYHOUSINGを迎えた特別編成 reina (w.a.u BAND Set) x TRIPPYHOUSINGとしてSpotify Stageに登場。まずはTRIPPYHOUSINGの楽曲「Pussy Girl」「Broken, yes we can」「For a long time」が立て続けに披露され、Skaaiが繊細な歌声を響かせました。フロアの熱気が高まったところで、いよいよreinaがステージへ。Skaaiとともに「Youth」を歌い上げ、伸びやかな歌声で会場を包みました。「Swim」の後、「Risk Your」はBonberoを迎えてのパフォーマンス。reina、Bonbero、Skaaiの鋭いラップが絡み合った「SCENE!」を経て、「まだまだ踊れますか?」と呼びかけたreinaは、2023年にリリースされた1stアルバム『You Were Wrong』よりキラーチューン「Do the Thing」で会場を盛り上げます。さらに、さらさと「Close my eyes」を披露し、ラストを飾ったのは「A Million More」。多彩なコラボレーションを交えて、この日限りの特別なステージを繰り広げました。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.Pussy Girl/02.Broken, yes we can/03.For a long time/04.Youth/05.Swim/06.Risk Your (feat. Bonbero)/07.SCENE! (feat. Bonbero)/08.Do the Thing/09.Close my eyes (feat. さらさ)/10.A Million More

ブランデー戦記

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撮影=Edo Sota

 5番手は、蓮月(Vo/G)、みのり(Ba/Cho)、ボリ(Dr)から成る大阪発の3ピースバンド、ブランデー戦記。2022年に結成した彼女たちは、「RADAR: Early Noise 2025」への選出のほか、12月には韓国にて初の海外ワンマンライブが控えるなど、結成からわずか3年で大きな飛躍を遂げています。ステージ上で拳を突き合わせた3人は、「ストックホルムの箱」でライブをスタート。蓮月の力強いボーカルが、1曲目からフロアに熱気を誘いました。疾走感のあるロックチューン「Kids」を鳴らした後は、一度クールダウンするように「The End of the F***ing World」を軽やかにパフォーマンス。コンガのサウンドが特徴的なクリスマスソング「27:00」を経て、「Coming-of-age Story」で浮遊感のあるサウンドを届けると、自ら撮影・編集を手がけたMVがわずか1カ月で100万回再生を突破し、バンドの名前を広く知らしめた「Musica」を披露。最後は「ラストライブ」で華やかにステージを締めくくりました。

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撮影=Edo Sota
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撮影=Edo Sota
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撮影=Edo Sota

■セットリスト

01.ストックホルムの箱/02.Kids/03.The End of the F***ing World/04.27:00/05.Coming-of-age story/06.Musica/07.ラストライブ

レトロリロン

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 涼音(Vo/Ag)、miri(Key)、飯沼一暁(Ba)、永山タイキ(Dr)によるポップスバンド、レトロリロンのライブは、8月6日にリリースされたばかりの新曲「ラストハンチ」で幕を開けました。「やっと来れたよ!」と告げ、ステージ前面まで歩み寄って歌を届ける涼音。「ワンタイムエピローグ」では、彼が曲中で頭上高くマイクを掲げると観客のシンガロングも響きわたりました。涼音のソウルフルな歌声、4人が紡ぐカラフルなバンドアンサンブルがレトロリロンの魅力。「カテゴライズ」では飯沼がお立ち台に登ってベースを弾き倒し、miriの軽やかなピアノソロも会場を盛り上げます。コールアンドレスポンスから「ヘッドライナー」に繋げた後、ラストはSpotifyバイラルチャート入りを果たした人気曲「アンバランスブレンド」。「1番でかいステージに立つまでやめないんで!」という言葉とともに、今後の躍進を期待させるステージでした。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.ラストハンチ/02.ワンタイムエピローグ/03.カテゴライズ/04.ヘッドライナー/05.アンバランスブレンド

Chilli Beans.

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撮影=石原汰一、瀬能啓太

 8月16日のSpotify Stageは、Moto(Vo)、Maika(Ba/Vo)、Lily(Gt/Vo)による3ピースバンド、Chilli Beans.がトリを飾りました。大勢の歓声に迎えられた彼女たちは、TVアニメ『ONE PIECE』のエンディングテーマとして人気を集めた「Raise」でライブをスタート。3人の美しいハーモニーが響いた「just try it」、カラフルな照明も相まってポップな世界観を作り上げた「シェキララ」の後、サマーチューン「pineapple!」ではフロアとの一体感を楽しみながら持ち前の自由なライブパフォーマンスを発揮。さらに、Spotifyバイラルチャートでデイリー1位を獲得した「lemonade」が奏でられると、サビではフロアからのシンガロングも起きて大きな盛り上がりを見せました。「tragedy」、「pain」と5th EP『the outside wind』からの楽曲を立て続けに披露した後は、7月にリリースされた最新曲「ひまわり」をパフォーマンス。夏の夕暮れを感じさせる楽曲が、ライブを終えた後も余韻を残していました。

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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太
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撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.Raise/02.just try it/03.シェキララ/04.pineapple!/05.lemonade/06.tragedy/07.pain/08.ひまわり

 Spotify Stage 1日目は、新進気鋭のアーティストが集結し、各々の個性が光るステージが繰り広げられました。なお、出演アーティストのセットリストは、Spotify公式プレイリストにて終演後もお楽しみいただけます。

明石ガクト×野村高文対談 「若年層にポッドキャストが人気の理由と企業のポッドキャスト活用」

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 PHP研究所、ボストン・コンサルティング・グループ、ニューズピックスを経て、2022年にChronicleを設立し、現在は音声プロデューサー/編集者として活躍する野村高文氏と、ワンメディア株式会社の創業者・代表取締役社長であり『動画2.0 VISUAL STORYTELLING』などを著書に持ちながら、現在は『Fashion Victim』を配信するなど、音声コンテンツに可能性を感じている明石ガクト氏。それぞれコンテンツ制作のプロフェッショナルである2人は、ポッドキャストが盛り上がっている現状をどのように考えているのでしょうか。

 今回はそんな両者に音声コンテンツ・音声広告の魅力について伺うインタビューを実施。Spotifyが独自に調査したポッドキャスト利用に関する調査結果なども交えながら、若年層のポッドキャスト利用の現状や、若者に向けた効果的な音声コンテンツ・ブランデッドポッドキャストの届け方などについて、じっくりと語りあっていただきました。

ーーSpotifyの調査によると、10代から30代の音声コンテンツサービス利用者のうち、元々若年層含有率の高いSpotifyを通して使っている方が半数近く、と最も多いようです。いま若年層にポッドキャストが広がっている背景には何があると思いますか?

明石:まずは、ワイヤレスイヤホンの普及はかなり大きいと考えています。今、電車の中や外を歩いていて、イヤホンをつけてない方の方が少ないくらいですよね。また、僕は「YouTubeとの役割の違いが明確になってきた」とも感じています。まず、ポッドキャストには画がないですよね。私自身、ワンメディアという会社を経営して動画制作をずっと行ってきたのですが、画がありきで考えるストーリーと、画がない前提で考えるストーリーというのは全く別物なんです。ポッドキャストは声だけで伝えるのが得意な人が活躍できるメディアであり、テレビに対するYouTubeのように、ラジオに対するポッドキャストという二項対立的な概念が、ここ数年で急激に定着してきたと感じます。

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明石:さらに、動画の世界では、アップロードする人が増えすぎて、コンテンツが飽和し、時間の奪い合いが極限に達しています。昔は100万再生が当たり前だった動画でも、今は厳しくなってきていますから。だからこそより細かい隙間時間や「ながら」の時間にフィットするメディアが求められており、その結果として「ショート動画の隆盛」と「ポッドキャスト人気」が生まれているのだと考えます。

ーー可処分時間の奪い合いにおける最後の砦が「ながら時間」であり、そこにハマったということですね。

明石:シェールガス採掘みたいですよね。これまで採取できなかったけど、テクノロジーの進化によって採れるようになった、みたいな(笑)。

ーーそうした行動変容の部分でいえば、コロナ禍の世の中を経た、という部分も大きかったりするのでしょうか。

野村:僕は元々日本にあった深夜ラジオカルチャーの流れが大きく影響していると考えています。テレビやYouTubeのような「顔出しで大勢の前で話す」場とは異なり、ラジオには「素顔をこっそり語る」という文化が長く存在していました。芸人の方がラジオ局の深夜枠で本音を語る番組が人気でしたが、ここ数年間は「親密に“素顔の話”をする場」がポッドキャストにも広がっています。

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野村:それは現在のお笑いブームや、様々な文脈で人気を得ている芸人さんたちが多いこと、さらにそのコアな話を聴ける場としてポッドキャストを選ぶ方が多いことが大きな要因だと考えています。ラジオ局の放送枠には限りがあって、起用されないと場を得られませんが、ポッドキャストは芸人さん自身が自由に場を持てますから。

ーーちなみにお二人はどのような隙間時間でポッドキャストを聴くことが多いですか?

明石:先ほどお話しした細かい移動時間もそうですが、飛行機移動のような長距離で特定の番組を一気聴きしたり、家事の合間に聴くことも多いですね。先日もカンヌとの往復でコテンラジオ(『歴史を面白く学ぶコテンラジオ (COTEN RADIO)』)をまとめて聴きましたし、家事に関してはポッドキャストを聴くようになってから率先的にやるようになった気がします(笑)。

野村:私も実際に家事がはかどるようになりました(笑)。皿洗いや部屋の片付けなど、手が塞がっていても耳が空いている家事と相性が良いので、そっちを積極的に担当するようになったりして。退屈だった時間を有意義なエンタメの時間に変えることができている実感がありますね。

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ーーSpotifyの調査結果によると、移動中、仕事中、勉強中、家事中など、まさに「ながら聴き」で利用されており、学習に使えるイメージも持たれています。特に若年層は学習目的で利用を開始する傾向があるものの、最終的にはエンタメコンテンツを多く聴いているという結果も出ています。それらの点を踏まえて、若年層はポッドキャストを「どう使っている」と感じますか? 

野村: 彼らはトレンドセッターに近く、様々なジャンルに興味を持ち、新しいものへの抵抗が少ない傾向があります。単なる情報収集や暇つぶしだけでなく、生活の一部、習慣として組み込まれているという感覚が強いですね。弊社の制作している番組でも「休日の犬の散歩中に聴くのが日課になっている」などという声が多くあり、まさに人生のルーティンに組み込まれていると感じます。

明石:わかります。私が関わっているある番組でも、前に配信の曜日を変更していいかどうかをリスナーの方にアンケート形式で聞いてみたのですが、見事に「生活の中に組み込まれているから変えないでほしい」という意見が圧倒的多数でしたから。

ーーお二人の関わっている番組がいずれもそうだ、というのは貴重な情報ですね……。

野村:動画コンテンツは流行り廃りのサイクルが早く、ともすれば「使い捨て」になりがちな中で、ポッドキャストは一度好きになってもらえれば、その後もリスナーの人生に寄り添い続けられる特徴があります。これは、コンテンツが単なる消費ではなく、深い体験となっている証拠だと思います。あと、私はコンテンツクリエイターとして「情報は人生を変える」と思っていて。せっかく作るなら人々の人生に良い作用があるようなものを作りたいという気持ちで活動しているのですが、ショート動画では人生が変わらないなと。

ーーなるほど。そう思われた理由はなんでしょう?

野村:自分がこれまで人生を変えられてきたものって、書籍や映画、それに誰かとじっくり話した経験、つまりは“長い時間をかけて体験したこと”なんです。文芸評論家の三宅香帆さんも著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で、同様のことを指摘されていますが、「自分が知りたい情報を検索してすぐに答えが出てしまうことって、今の課題を解決するものの、これまでの自分の枠組みから外に出ないぶん、人生を変えることにはならない」なと。ただ、スクリーンに向き合い続けている私たちの人生において、集中して何かをみるのはだんだん難しくなってきている。だからこそ、スクリーンを見なくても受容できるポッドキャストは、今の時代において数少ない“長くても大丈夫なコンテンツ”なのだと思います。

ーーそれらを踏まえて、若年層が「熱心に聴いてくれる番組」と「スルーされる番組」の違いはなんだと考えますか?

野村: 若年層が熱心に聴いてくれる番組にはいくつかの特徴があると思います。コンテンツの種類としては、道具としての有用性を求める場合と、共感や安心感といった心理的な快楽を求める場合に分かれます。Spotifyの上位コンテンツにお笑いが多いのは、後者の価値が大きいと感じますね。番組が人気化するためには、まず「発信者が誰であるか」「何者であるか」がリスナーにある程度見えることが非常に重要です。その人がどういう課題を持ち、どんな視点に基づいて話をしているのか。音声コンテンツは聴けば聴くほど良さが分かりますが、その手前にある番組のコンセプトや発信者のキャリア、概要欄などで、自分が何者で何を語っているのかを開示・説明することは可能です。それが世間の課題を捉えていると、人気が出やすい印象があります。

明石:動画の世界でも「やらされてる人」はダメですからね。自ら「なぜマイクの前に・カメラの前に立っているのか」という意思が明確な人ほど強いんです。あとは、同性同士のトークが人気なことも面白いと思っていて。「盗み聴き感」のようなものが重要で、自分もそのインナーサークルに入りたいと思えるような番組が人気を集めている印象です。

ーー同性同士のトーク番組で人気のコンテンツはたしかに多いですね。

明石:昨年の流行語に「界隈(かいわい)」という言葉が入って一気に「界隈」という言葉が一般化しましたが、ポッドキャストはまさに「界隈」のメディアだと感じます。『コテンラジオ』は歴史界隈、『経営中毒 〜だれにも言えない社長の孤独〜』は経営者界隈のように、従来のマス媒体や動画ではメディア化しづらかったニッチなテーマ、ビジュアルで表現しにくい抽象的な話も、ポッドキャストならコンパクトに始められ、それが「私のための番組だ」と色んな人が思えるものが支持されている傾向にあると思います。

野村:まさに明石さんのおっしゃったように「関係性」にリスナーがつくという点がポッドキャストの大きな特徴です。発信している情報ももちろん大事ですが、パーソナリティ同士が楽しそうに話している、その関係性自体にリスナーが魅力を感じているということです。

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ーー若年層に対して「音声でのアプローチ」が広告として有効になってきているという感触はありますか?

野村: 若年層へ音声コンテンツでアプローチすることは非常に有効だと思います。特にポッドキャストでは、リスナーが広告を「番組をサポートしてくれるもの」として捉え、「ありがとう」という感謝の気持ちを抱きやすいというユニークな特徴があります。これは、広告がノイズになりがちな他の媒体とは大きく異なる点ですね。

ーーそれ以外に、映像やSNSに比べて音声広告にはどんな強み・差別化ポイントがあると考えますか。

野村:映像やSNSに比べた音声広告の強みは、リスナーとの深い信頼関係と、広告がコンテンツ体験にシームレスに溶け込める点にあります。ポッドキャストは、再生回数よりも「滞在時間の長さ」や「リピート率」といった体験の質が重視されます。最後まで聴かれる割合が高く、各エピソードの再生数が安定しているため、パーソナリティとリスナーが深く繋がっていることが数字にも表れています。これは、コンテンツが単なる消費ではなく、リスナーの人生の一部になる「体験」であるためです。

ーーでは、音声コンテンツ・音声広告のKPIについてはどのように考えますか?

明石:動画の世界は再生回数のようなわかりやすいKPIに注目が集まっていましたが、ポッドキャスターにおいて再生回数はあまり関係ないと思っています。

野村:そうですね。具体的な指標でいえば「滞在時間の長さ」と「リピート率」に注目すべきでしょう。弊社が作った番組も、音声を一度再生すると最後まで聴いてくれる率が高いんです。さらに、特定のエピソードに偏らず、各回の再生数がそこまで変わらないのも面白いですね。パーソナリティとリスナーの一人ひとりが素通りする関係性ではなくて、かなり深くつながっていることがよくわかるエピソードとデータだと思います。

明石:例えば『奇奇怪怪』は最近長尺化が止まらなくて、毎回2時間くらいの尺になっているのですが、これってもう毎週映画を見ているくらいの長さなわけですよね。これをひとつのIPが体験させようと思うと、なかなか難しいことだし、再生回数などでは計り知れないインパクトです。「習慣化」という言葉には収まりきらない強度があるというか…。

野村:たしかに「脳の回路が組み替えられてる」くらいの粘着性がありますよね。同じ1回の再生数でも、深さと強さが全く違うように感じます。

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ーーたしかにその感覚はよくわかります…。ちなみに、お二人が最近「これはうまくハマってるな」と感じた企業コラボやスポンサー付き番組があれば教えてください。

明石: 昨年の番組になるのですが、FUJI ROCK FESTIVALのポッドキャスト『READY FOR FUJI ROCK FESTIVAL’24 supported by iichiko』ですね。麦焼酎の「いいちこ」がスポンサードしている事例で、毎回出演アーティストをゲストに迎えてトークする番組なのですが、面白いのは冒頭に「いいちこ」で乾杯してから話を始めるものの、そこから「いいちこ」は全然出てこなくて。ただ、リスナーには好きなアーティストが「いいちこ」で乾杯し、楽しそうに話しているのがわかるので、ブランドネームのプレイスメントは冒頭の一瞬だけでも、その後の30分間はリスナーの頭の中に「いいちこ」が存在し続けるんです。見えないからこそ、シチュエーション自体にうまくブランドがプレイスメントされ、想像力を掻き立てるという構造が非常に優れていると感じました。

野村:なるほど。家具や空間、飲食物などの「ながら」で消費される商品や製品は、音声ならではの想像力を活かしたプレイスメントと非常に相性が良いかもしれませんね。

ーー野村さんはご自身が手掛ける番組のなかで、手応えを感じた瞬間などはありますか?

野村:数々の番組を配信する中で、企業がポッドキャストを発信することの意義がかなり見えてきました。一定のクラスタのリスナーに対して、深くメッセージを届けられるメディアのため、リスナーから従業員採用に結びついたり、顧客の獲得につながることは再現性のある効果として発生しています。また職業的専門性に基づき、体系的な発信をすることで、出演者がその業界の有識者として認知されることも、企業活動にとって計り知れない効果をもたらしていると感じます。

ーー明石さんは若年層をターゲットにしている企業に対して、Spotifyでのポッドキャスト施策をどう提案していますか?

明石:そもそも動画などの視覚コンテンツを見まくっている若者の心の深いところを撃ち抜くには、従来とは異なる手法、つまり音声でやらないと目立つことはできません。動画の得意な領域と、音声の得意領域は違うので、企業さんには「誰かの人生にとって大事なものになり、コミュニティになっていくようなところに対して、広告資金を投下していく必要があるのでは?」と話しています。映像化しづらいようなテーマや、極端にマニアックなもの、そういった従来のマスコミュニケーションでやりづらいものほど、ポッドキャストには向いていると考えます。そうやって作られるコミュニティは絶対的な数が多いわけではないが、その一人ひとりがエヴァンジェリストになってブランドを広めていってくれる味方になる。だからこそ企業はポッドキャストをやるべきなんです。

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ーー最後に、若年層に向けてポッドキャストでの発信を検討されている企業の皆さまへメッセージをお願いします。

野村: 若年層に響くコンテンツ作りにおいては、「企業が言いたいことを主にするのではない」という姿勢が非常に重要です。あくまで、企業が持つ知見や歴史など、リスナーが「面白い」と感じてくれるであろう情報やストーリーを提示することから始める「ギブファーストの精神」が大事です。それが面白いと感じてもらえてから、徐々に自社のメッセージを織り交ぜていく形が理想です。番組によってリスナーさんがどういう属性で何が好きかというのがはっきりしている・偏っているのがポッドキャストの特徴でもあるので、その番組の特性を把握しつつ、そこにマッチする企業と番組がともにコンテンツを作ることが、共感されるブランデッドポッドキャスト番組につながってくると思います。

明石:ポッドキャストのリスナー、特に「ながら聴き」で積極的にインプットしようとしている層は、「丁寧に生活をしている人」「人生に対してプロダクティブな人」という属性があると感じています。彼らは空き時間に家事をしたり、ウォーキングをしたりと、時間を有効に使おうとしている層です。そういった層に対しては、単なる商品紹介ではなく、彼らのライフスタイルに寄り添い、生活をより豊かにするような知見や体験を提供するテーマが向いています。例えば、ワイドショーのように「話が入ってきているのかいないのか分からない」ノイズではなく、ポッドキャストで「フランス革命についてこういうことだったんだ」と知るような、有益なインプットになる情報が好まれる傾向がありますね。

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野村:「深い情報」が重要とは意識しつつも、スクリーンに向き合っていると集中力が持続しにくいというのが、現代人に共通する課題だと思います。音声コンテンツは、スクリーンから解放されることで、長く滞在しても無理なく情報をインプットできる唯一のメディアです。企業が発信するコンテンツも、このような「人生を変えるような深い情報」や「具体的な課題解決に繋がる知見」を、「友人同士の会話」のような親密なトーンで提供することが、これからも求められ続けるでしょう。

若年層のポッドキャスト利用についてより詳しく知りたい方は、「Culture Next ポッドキャスト利用実態編」をチェックしてください。

(撮影=林直幸)

Spotify、日本で「Spotify Ad Exchange」を提供開始 リアルタイム入札と精緻なターゲティングで広告効果を最大化

 Spotifyは8月21日より、Spotifyのログインユーザーを対象としたリアルタイム入札型プログラマティック広告商品「Spotify Ad Exchange(SAX)」について、日本国内での提供を開始しました。

 この新しいプログラマティック広告商品は、2025年4月2日に米国で開催された Spotify初の広告体験イベント「Spotify Advance」で発表された、広告技術の中核となる新ソリューションです。日本の広告主は、The Trade Desk、Google Display & Video 360、Magniteを通じて、音声・動画・ディスプレイ広告を一元的に配信可能となります。

<「Spotify Ad Exchange(SAX)」の特長>

  • 簡便性:音声、動画、ディスプレイなど主要フォーマットでの広告枠に対し、好みのDSP経由でシームレスにアクセス可能。プログラマティック戦略への迅速な組み込みが可能です。
  • 柔軟性:オープンオークションとプライベートマーケットプレイス(PMP)での入札に対応し、近日中に在庫保証型のプログラマティックギャランティード(PG)も開始予定。より高い柔軟性とリアルタイムでの最適化が可能になります。
  • ターゲティング精度:「UID 2.0」(The Trade Desk)、「PAIR」(DV360)、「RampID」(LiveRamp)といった業界最先端のソリューションを活用し、オムニチャネルキャンペーンでより精緻なターゲティングと効果測定を実現します。
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 SAXはすでに米国、カナダ、欧州、オーストラリア、ニュージーランド、インド、シンガポール、ブラジル、メキシコなどで展開中で、日本での提供によりサービスエリアが拡大しました。

 Spotify アジア太平洋地域 広告事業統括のエリサ・ケルサルは、次のように述べています。「日本の広告主は、より効率的でデータドリブンな方法で適切なオーディエンスにリーチすることを求めています。Spotify Ad Exchangeは、そのニーズに応えるよう設計されました。リアルタイムで音楽に関心の高いリスナーへのアプローチを可能にし、日本のブランドがより関連性が高く、測定可能で効果的なキャンペーンを展開できるよう、私たちは支援していきます」

Spotifyが2025年上半期を賑わせた音楽シーンを振り返る日本のランキングを発表

Spotifyが2025年上半期を賑わせた音楽シーンを 振り返る日本のランキングを発表

 Spotifyは、今年のリスニングデータから2025年上半期を振り返る日本のランキングを発表いたしました。

2025年上半期に国内で最も再生された楽曲/アーティスト

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 今年の上半期に国内で最も再生された楽曲は、Mrs. GREEN APPLEの「ライラック」でした。2024年4月にリリースされ、昨年の年間ランキングでも同部門で2位を獲得している本楽曲は、今年に入ってからもSpotify Japanデイリーチャート/ウィークリーチャートの上位に君臨し続け、総再生数は1億8,000万回を突破しました。Mrs. GREEN APPLEはトップ10内に6曲、トップ5内に4曲、自身の楽曲を送り込み、圧倒的な強さを見せつけています。

 2位には、Jiminの「Who」がランクイン。ソロアルバム『MUSE』のタイトル曲として2024年7月にリリースされて以来、安定して聴かれ続けるロングヒットとなり、日本はアメリカ、タイなどに続く高いシェアを記録しています。海外の楽曲が国内で最も再生された楽曲ランキングトップ3にエントリーしたのは、2021年の年間ランキングでBTS「Dynamite」が2位を記録して以来3年半ぶりとなります。

 また、7位にはサカナクションが約3年ぶりの新曲としてリリースした「怪獣」がランクインを果たしました。本楽曲は、配信リリース日である2025年2月20日にSpotify Japanデイリーチャートで1位を獲得するという数少ない偉業を達成し、その中でも過去最高の再生数(575,713回)をチャート上で記録したことでも話題となりました。

 国内で最も再生されたアーティスト部門でも、Mrs. GREEN APPLEが堂々の1位に輝きました。Mrs. GREEN APPLEは、1354日連続Spotify Japanデイリーアーティストランキングの1位を独走し続けるという偉業を引き続き更新中です。2位のback number、3位のVaundyも、昨年年間ランキングの同部門に引き続きトップ3をキープしています。

 また、2024年1月1日から音楽活動を開始し、今年5月に開催されたMUSIC AWARDS JAPAN「ベスト・オブ・リスナーズ・チョイス: 国内楽曲 powered by Spotify」にて1stシングル「GOAT」が1位に輝いたNumber_iが本部門5位に初登場。国内外での支持を拡大し続ける藤井 風も、本部門では初のランクインとなる8位に浮上しています。

2025年上半期に海外で最も再生された国内楽曲/アーティスト

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 今年の上半期に海外で最も再生された国内楽曲は、昨年「Bling-Bang-Bang-Born」が世界を席巻したCreepy Nutsの「オトノケ – Otonoke」でした。本楽曲は国内外で人気のTVアニメ『ダンダダン』オープニングテーマとして2024年10月にリリースされ、日本はもちろん、アメリカ、メキシコ、ブラジル、ドイツなどの海外で多くの支持を集めました。海外からの再生比率は7割を超えています。

 2位の藤井 風「死ぬのがいいわ」、4位のCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」など、昨年年間ランキング同部門トップ10にエントリーした楽曲が変わらず上位を占める中、3位にランクインしたのはLiSAがStray KidsのFelixとコラボレーションした楽曲「ReawakeR (feat. Felix of Stray Kids)」でした。2025年1月より放送開始のTVアニメ『俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-』のオープニングテーマに起用され、アメリカ、ドイツ、メキシコ、ブラジルを筆頭に海外からの再生が9割を超えるグローバルヒットとなっています。

 一方、海外で最も再生された国内アーティストの1位に輝いたのは、日本人アーティスト最大規模のワールドツアーが国内外で注目を集めているAdoでした。これまで同部門では2021年から2024年まで4年連続でYOASOBIが1位を記録しており、Adoの首位獲得は初となります。海外の再生比率は8割近くに達しており、昨年年間ランキング同部門2位から大きく飛躍を遂げました。昨年新星の如く現れたアトラスサウンドチームは2位に浮上、世界での活躍が日本でも注目を集めているXGは本部門初のトップ5入りを果たしました。

 なお、Spotifyでは、毎年年末にリスナーが自身の聴取履歴からその年を振り返ることができる企画「Spotifyまとめ」を展開しており、1年を通して最も聴いたアーティストや楽曲、音楽ジャンル、ポッドキャストなどのデータを遊び心ある形でお届けしています。「Spotifyまとめ」が体験できる年末に向けて、引き続きSpotifyでの音楽体験をお楽しみください。

<国内で最も再生された楽曲>

ライラック/ Mrs. GREEN APPLE

Who / Jimin

ケセラセラ / Mrs. GREEN APPLE

ビターバカンス / Mrs. GREEN APPLE

ダーリン / Mrs. GREEN APPLE

青と夏 / Mrs. GREEN APPLE

怪獣 / サカナクション

GOD_i / Number_i

Soranji / Mrs. GREEN APPLE

APT. / ROSÉ, ブルーノ・マーズ

<国内で最も再生されたアーティスト>

Mrs. GREEN APPLE

back number

Vaundy

米津玄師

Number_i

RADWIMPS

あいみょん

藤井 風

ヨルシカ

 Official髭男dism

<海外で最も再生された国内楽曲>

オトノケ – Otonoke / Creepy Nuts

死ぬのがいいわ / 藤井 風

ReawakeR (feat. Felix of Stray Kids) / LiSA, Felix

Bling-Bang-Bang-Born / Creepy Nuts

Tokyo Drift (Fast & Furious) – From “The Fast And The Furious: Tokyo Drift” Soundtrack / Teriyaki Boyz

アイドル / YOASOBI

NIGHT DANCER / imase

夜に駆ける / YOASOBI

KICK BACK / 米津玄師

SPECIALZ / King Gnu

<海外で最も再生された国内アーティスト>

Ado

アトラスサウンドチーム

YOASOBI

久石譲

XG

藤井 風

Creepy Nuts

澤野弘之

LiSA

ONE OK ROCK

※集計期間: 2025年1月1日〜2025年6月30日

Spotify、2024年度の音楽業界への支払いや還元をまとめた年次レポートを発表 国内のアーティストが昨年Spotifyで生み出した印税は250億円以上に

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 Spotifyは、アーティストや作詞・作曲家の権利を代行するレーベルやディストリビューター(配信事業者)、音楽出版社などへの支払いや還元についてまとめた年次レポートを2021年より専用サイト「Loud & Clear」にて発表しています。

 この度、世界および日本のアーティストに関する2024年の最新データを発表しましたので、お知らせいたします。

◼︎2024年 国内アーティストレポート

  • 2024年に、国内アーティストがSpotifyで生み出した印税は、250億円以上となりました。これは昨年から25%の増加となり、2021年と比較すると2倍以上になります。
  • 2024年にSpotifyで500万円以上を生み出した国内アーティストは前年から18%増加し、2019年から5倍以上に成長しました。
  • 2024年にSpotifyで1,000万円以上を生み出した国内アーティストは前年比23%増となり、2021年と比較すると約2倍に拡大しています。
  • 2024年に『トップ50 – 日本』にランクインした楽曲の約80%が国内アーティストによるものでした。
  • 2024年にSpotifyの公式プレイリストに追加された国内アーティストは、1万1,000組を超えました。
  • 2024年、Spotify上で国内アーティストが新たにリスナーに発見された回数は、26億回以上でした。
  • 2024年にSpotifyで国内アーティストが生み出した印税の50%以上がインディーズのアーティストやレーベルによるものでした。
  • 2024年にSpotifyで国内アーティストが生み出した印税の約50%は海外のリスナーによるものでした。
  • 日本語でパフォーマンスする国内アーティストが生み出した印税は、昨年から18%増加し、2020年から2倍以上に成長しました
  • 2024年に国内アーティストがSpotifyで生み出した印税の約75%が日本語の楽曲によるものでした。
  • Spotifyで収益を生み出している国内アーティストのうち、女性アーティストは25%を占めており、2017年から8ポイント増加しています。

◼︎2024年 グローバルレポート

Spotifyからの支払いが「CD全盛期」の10倍以上に

 Spotifyは、2024年に音楽業界に対する単一小売業者からの年間支払額として過去最高となる100億ドル以上を支払いました。この金額は、CD全盛期における最大規模のレコード業者の支払額の10倍以上となり、創業以来の累積支払額は、およそ600億ドルとなりました。

ストリーミング市場の急成長は過去10年間で約10倍に

 Spotifyの音楽業界への年間支払い額は、過去10年間で約10倍に増加し、10億ドルから100億ドル超へと飛躍しました。2014年の世界の音楽原盤収益が130億ドルと過去最低水準で、当時のSpotifyの年間支払額は約10億ドル、有料会員数は約1,500万人でした。こうしたなかでSpotfiyは、音楽の価値を再び高めるというミッションのもと、取り組みを続けて来ました。その結果、音楽原盤収益は回復傾向にあり、2023年には280億ドルを超えるまでに成長しました。

より多くのアーティストが、より多くの収益を得る時代に

 Spotifyのロイヤリティは、あらゆるキャリアステージのアーティストの活動を支えています。年間1,000ドルから1,000万ドルを生み出したアーティストは2017年から3倍以上に増加。Spotifyでトップアーティストが生み出したロイヤリティの最大額は、2014年には約500万ドルでしたが、2024年には200組以上が同じ金額を生み出しています。これらの金額はSpotifyが単体で生み出したものであり、他の音楽原盤収益も含めると、実際の総収益はその4倍以上にのぼる可能性があります。

10万位のアーティストの成長:数百ドルから数千ドルへ

 Spotify上で10万位以内にランクするアーティストが生み出したロイヤリティは、2014年の600ドル未満から2024年には約6,000ドルと、過去10年間で10倍以上に増加。同期間における1万位以内のアーティストの収益も約4倍に増加しており、3万4,000ドルから13万1,000ドルに成長しています。

 CD全盛期のタワーレコードが取り扱っていたCDタイトルは約5万枚。これらは数千のアーティストによる作品でしたが、現在ではSpotifyで10万組を超えるアーティストが、数千ドル規模のロイヤリティを生み出しています。

ソングライターにとって記録的な年

 Spotifyは過去2年間で、ソングライターやプロデューサーを代表する出版権保持者たちに約45億ドルを支払いました。これは過去最高の金額であり、2023年と比較して2桁以上も成長しています。ストリーミングの拡大に合わせて、ソングライターたちは音楽出版社、PRO(実演権利団体)や著作権管理団体を通じて、過去最高水準の収益をあげています。

新世代のミリオネア

 2024年に、Spotify単体で100万ドル以上のロイヤリティを生み出したアーティストは約1,500組でした。これに音楽原盤収益全体を含めると、その多くが年間400万ドル以上の収益を得ていると推定されます。

 注目すべきは、これらのアーティストの8割以上が、2024年にはSpotifyの「トップ50 – グローバル」チャートにランクインする楽曲を持っていなかったことです。その多くは2010年以降にキャリアをスタートしたアーティストで、その8割以上が2024年にライブをおこなっています。つまり、ストリーミング時代においては、チャート1位や長年にわたるヒット作を持つことだけではなく、熱心なファンベースを築き、継続的に支持される関係性を持つことが成功のカギとなっていることがわかります。

 なお一般的に、アーティストの収益は月間リスナー数で約400万〜500万人、または月間ストリーム数で約2,000万〜2,500万回に達すると年間100万ドルに近づき始めます。

海外市場が支える収益

 現在、多くのアーティストにとって、自国よりも海外リスナーによる再生が主な収益源となっています。Spotify上で1,000ドル以上を生み出したアーティストの半数以上が、収益の大部分を自国以外のリスナーから得ていました。実際、2024年にSpotify上で1,000ドル以上を生み出したアーティストの約3分の1は、収益の75%以上を海外から得ています。

 国境を越えたアーティスト同士のコラボレーションも拡大しています。1,000ドル以上を生み出したアーティストの3分の2以上が、少なくとも1人の海外アーティストとコラボしており、10万ドル以上を生み出すアーティストでは、その割合が約90%に達します。さらにその半数は、3カ国以上のアーティストとコラボしています。

 Spotifyのリスナー層が世界的に拡大していくなか、アーティストは国境を超えてファンとつながり、新たな国や地域でファンを獲得し、収益の可能性を大きく広げています。

言語の壁を越える

 また世界各地のアーティストたちも、これまで以上に国境を越えて活躍の場を広げています。2024年にSpotify単体で年間100万ドル以上を生み出したアーティストたちが発表した楽曲は、合計で17の言語にわたり、10万ドル以上では、50を超える言語となりました。これらはそれぞれ2017年の2倍以上にあたります。

インディーズの持続的な成長

 2024年、インディペンデントに活動するアーティストおよびレーベルは、Spotify上で合計50億ドル以上の収益をあげており、これは昨年同様、Spotify全体のロイヤリティの約半分を占めています。

 世界のストリーミング収益におけるSpotifyのシェアは約3分の1ですが、インディーズ作品に限るとその割合は50%以上にのぼります。これらの数字は、Spotifyのモデルが、より多くのアーティストに持続可能なキャリアの機会を提供していることを示しています。

新進アーティストの躍進

 Spotifyで収益を生み出しているアーティストの多くは、比較的キャリアの浅い新進アーティストです。ストリーミング時代においては、アーティストが世界中のリスナーにリーチし、キャリアを築き、さまざまなマイルストーンを達成するスピードが従来と比べて加速しています。

 2024年にSpotify上で年間10万ドル以上のロイヤリティを生み出したアーティストは1万2,500組にのぼりますが、そのうちの約4分の1は、5年前にはまだプロとして楽曲をリリースしていなかったか、Spotifyでの収益が1,000ドル未満だったアーティストたちです。

Spotify Japan Open Officeを開催 トークセッションやライブ披露

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 スポティファイジャパンは、この春に新オフィスへと移転し、4月10日にメディアの皆様をお招きし「Spotify Japan Open Office」を開催しました。

「体は魂を表す」新オフィスをお披露目 リーダー陣によるトークセッションも

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 イベントは、スポティファイジャパン代表トニー・エリソンによる「ご挨拶・プレゼンテーション」からスタート。トニーは、リスニングルームやポッドキャストスタジオを備えた新オフィスのことを、「名は体を表す」になぞらえて「体は魂を表す」という言葉で表現。また、「仏を作って魂入れず」という言葉を引用し、「オフィスを作っただけで満足するのではなく、渋谷から新たなカルチャーを発信していきたい」とコメント。さらに「アーティスト、ファン、Spotifyの“三方よし”ではなく、そこに社会も加えた“四方よし”にしていきたい」と、慣用句を交えながら、新オフィスを新たな文化の発信拠点にしたいとする考えを示しました。

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 「Spotifyリーダー陣によるトークセッション」では、まず日本でサービスを開始した2016年秋からの音楽業界の変化についてトニーが解説。音楽配信の価値に対する理解を得ることが難しかった期間を経て、ストリーミングサービスはここ数年でようやく定着しつつあるとする一方、現在もCD文化が根強い日本において、ストリーミングユーザーは人口の約3割前後であることに言及。35歳前後のセグメントはストリーミングサービスの先進国の水準に近いており、さらなる発展のためには「35歳以上のセグメントを開拓すること」が喫緊の課題であると口火を切りました。続いて音楽事業部門統括・大西響太は、Spotifyが「ファンと繫がれるプラットフォーム」であることを説明。その“繫がり”を加速させるべく、MVの表示機能、ライブチケットやグッズ販売との連携などに加え、アーティストがファンといっしょに楽曲を聴きながらチャットで交流できる「リスニングパーティー機能」を追加することを紹介しました。

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 音声事業統括・渡海佑介はポッドキャスト事業について、月間リスナー数が前年比で+20%、聴取時間が+30%であることを示し、世界のポッドキャストクリエイターを称えるグローバル表彰プログラム「Creator Milestone Award」で、『霜降り明星のオールナイトニッポン』がブロンズカテゴリー(Spotifyでの累計ストリーミング数  日本においては5,000万回以上)に選出されたことを報告。この結果はグローバル基準に日本の番組が追いついた証拠であるとし、「全体にいいシグナルが出ている。アーティスト/クリエイターとファンの新たな関係を作れるメディアだと確信している」とポッドキャストならではの可能性を語りました。

 広告事業部統括・立石ジョーは、広告アワード「Spotify Hits 2024」でグランプリを受賞したケンタッキー・フライド・チキン社の「和風チキンカツバーガー」のCMを紹介した後、近年ナショナルブランドとの取り組みが増えていること、アーティストも巻き込んだ音声広告キャンペーンの例なども紹介。また、海外のSpotifyではAIで広告素材を生成するツールがローンチされていることにも触れ、Spotify広告の注目度の高さについてコメントしました。

イノベーションを促進する開放的なオフィスを紹介

 続いて開催されたのは、新オフィスを実際に見て回る「オフィスツアー」です。

 トンネル型の「エントランス」は、昼は木の温もりが感じられ、夜は幻想的なゲーミングカラーに光り輝きます。そこから連なる「ラウンジ」は、バーカウンターやエスプレッソマシンを備え、社員が自由に利用することが可能。前述のトークセッションが行われた「ステージ」も併設され、さまざまなイベント開催にも対応しています。奥には開放的なテラス席があり、ソファでくつろぎながら上層階からの眺望を楽しむことができます。

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 また、世界中のSpotifyで4番目となる「ポッドキャストスタジオ」の新設は、動画収録にも対応可能な広めのブースが特徴。「リスニングルーム」では、最新のヒットソングを高音質のオーディオでゆったりと試聴することが可能です。

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 畳の部屋は2部屋あり、11階の部屋は掘りごたつ様式。10階の部屋には膨大なマンガがコレクションされ、足を伸ばしてマンガを読みながら休息を取ることができます。オフィス内の各部屋には「YOSAKU」「HEART AND SOUL」など邦楽・洋楽の名曲のタイトル、「Early Noise」などのプレイリスト名が冠されているのも本オフィスのこだわりです。また、「Parent/Nap Room」にはベッドも備えられ、子供連れの社員がオムツ替えや授乳に利用できるほか、夜は仮眠室にも利用でき、社員の多様性にも配慮がなされています。

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 デスクはフリーアドレス制で社長室もない開放的な作りは、「ヒエラルキーをなくし、部署を越えて社員が交流・情報交換することで、イノベーションが生まれることに期待している」とトニーは説明しました。

『RADAR: Early Noise 2025』7coのライブパフォーマンス

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(撮影=Kana Tarumi)
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(撮影=Kana Tarumi)

 レセプションパーティの最後を飾ったのは、Spotifyが躍進を期待する次世代アーティストを選出する『RADAR: Early Noise 2025』に選ばれた7coのライブです。独特のリアリティ感を持った恋愛の歌詞と、チルとポップが交錯するクラブサウンドで人気を集めている彼女。この日はポップなビートと中毒性のあるサビが印象的な「0.0000%」をはじめ、レイドバックしたグルーヴが心地よい「恋愛後遺症」など全5曲を披露しました。MCでは「すごくイケてる!」と新オフィスの印象をコメント。「お仕事の息抜きに、手拍子してくださったら嬉しいです」と呼びかけ、会場に手拍子が広がる場面もありました。ラストには心地よいビート感が印象的な「stay tune」を披露し、浮遊感あふれるラップを繰り出してライブを締めくくりました。

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(撮影=Kana Tarumi)
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(撮影=Kana Tarumi)

 日本では2016年からサービスを開始したSpotify。アーティスト/音楽への愛とこだわりが詰め込まれた新オフィスについて、「新たな働き方、新たな文化、新たな社会を作っていこうとするSpotifyの姿勢を、この新オフィスから感じてもらえたら嬉しい」とトニーは語ります。ここからどんな新たなムーブメントが巻き起こっていくのか、ぜひご期待ください。

2025年版:Spotifyで新たな音楽との出会いを広げる4つのヒント

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 Spotifyでは、毎日何百万ものリスナーが新しい音楽と出会っています。1日に“約20億”もの楽曲が発見されるのです。Spotifyは、こうした体験を、さらに手軽で楽しいものにするべく、進化し続けています。

 新しい音楽との出会い方は人それぞれ。ユーザーがよく聴くアーティストやジャンル、あるいはSpotifyのプレイリストや機能の使い方によっても異なります。アルゴリズムによってユーザー専用にカスタマイズされたプレイリストから、キュレーターによって厳選されたプレイリスト、あるいはその両方を兼ね備えたものまで、あらゆる気分やシーンに合う選択肢を用意しています。

 本記事では、新たなアーティストや楽曲と出会うための厳選されたヒントをご紹介します。

日々の気分に寄り添う「daylist」と「Spotify Mixes」

 お気に入りの曲と新しいサウンドをシームレスに楽しみたいなら、「Made for You」へアクセスして、「daylist」や「Spotify Mixes」などのパーソナライズプレイリストを試してみましょう。daylistは、世界中の無料・プレミアムユーザーともに利用可能で、あなたの一日にぴったり寄り添うサウンドトラックを提供します。リスニング習慣に応じて進化するdaylistは、一日を通して頻繁に更新され、新しいアーティストとの出会いを広げてくれます。

毎週30曲と新たに出会えるプレイリスト「Discover Weekly」

 新しい音楽と出会いたければ、「Discover Weekly」を試してみましょう。毎週月曜日に更新されるこのプレイリストでは、最近のリスニング傾向に合わせたぴったりの30曲をお届け。最新リリースだけでなく、これまで聴き逃していたかもしれない名曲もおすすめしてくれます。「Discover Weekly」は、最近よく聴いている音楽と近いアーティストやジャンルの楽曲たちと出会うのにぴったりのプレイリストです。

最新の音楽トレンドを知りたいなら、Spotifyのエディターが厳選したプレイリストを

 Spotifyでは、世界中のエディターがキュレートした公式プレイリストを多数公開しています。「New Music Friday」や「Fresh Finds」といったプレイリストは、注目の新人アーティストや多彩なジャンルに出会うきっかけになります。これらのプレイリストを活用すれば、最新の音楽トレンドをキャッチし、次にくるアーティストをいち早く発見できます。さらに、新たに見つけたお気に入りのアーティストの最新リリースをチェックするなら、アルゴリズムプレイリスト「Release Radar」を試してみましょう。

おすすめ機能をフル活用しよう

 より自分にぴったりの音楽を見つけたいのであれば、Spotifyを積極的に使うとよいでしょう。楽曲に「いいね!」をしたり、アーティストをフォローしたり、プレイリストに曲を追加したりすることで、Spotifyがあなたの音楽の好みをより深く理解し、おすすめの精度がさらに向上。新しい楽曲やポッドキャストとの出会いも広がるでしょう。ジャンルハブやアーティストページ、エキスパートが厳選したプレイリストもチェックして、あなたの音楽の世界をさらに広げ、深めてみましょう。

 今年は、さらに音楽の楽しみ方を探求してみませんか? あなたの次のお気に入りアーティストは、ほんのワンタップ先にいるかもしれません。

デジタル音声広告のクリエイティブアワードが日本初開催 「Spotify Hits」レポート

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 Spotifyは10月15日、青山のSHARE GREEN MINAMI AOYAMAにて、広告事業者および広告会社向けのイベント『Spotify Sessions: Hits Edition』を開催しました。

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 開演前の会場では、Spotifyのプレイリスト「daylist」のカラーリングに合わせた世界各国のお菓子や淹れたてのコーヒーが参加者に振る舞われたほか、さまざまなクリエイターが自分にとってのSpotify(My Spotify)について語る映像なども上映されていました。

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 イベントは、Spotify グローバル広告営業とパートナーシップ最高責任者のブライアン・バーナーによるスピーチからスタート。「クリエイティビティはSpotifyブランドの中核をなすもの。私たちは、Spotify上でユニークなインサイトや体験を実現するために、ブランドとの提携を続けています」と語り、グローバルで成功した事例として、米国のセブンイレブンと提携した「Slurpee Song of the Summer」を挙げました。このキャンペーンは、セブン-イレブンとSpotifyがすでにZ世代やミレニアル世代と築いている強いつながりを活かし、セブン-イレブン店舗への来店促進を狙ったもの。Maiya The Don, 2Rare & Kari Fauxによるブランド・ソング「Anything Flows」や、店舗で買い物をするとミュージックビデオに出演できるチャンスを作ることで多くの集客を行ったほか、楽曲も数百万回の再生を記録し、Spotifyの主要プレイリスト「RapCaviar」にも収録。Spotifyのユーザーインサイトを活用し、消費者のエンゲージメントと店頭販売を促進すると同時に、ブランドとカルチャーとのつながりを示す素晴らしい例となりました。

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 バーナーはほかにも、Spotifyが日本でのマーケットシェアを拡大し続けていること、消費者が1日に2時間近く利用するプラットフォームであり、絶え間ないニュースフィードに邪魔されることなく、エンゲージされたオーディエンスにブランドストーリーを伝えることのできる場所だと語りました。今年からは「ミュージックビデオ」「ビデオポッドキャスト」などの新機能を導入することで、視覚と聴覚の両方でより楽しめるプラットフォームとしてイノベーションを起こし続けることを約束しました。

 続いての「Award Ceremony (授賞式)」には、Spotify Japan 執行役員 営業本部長の田村 千秋、アワード審査員の株式会社 博報堂 執行役員 嶋浩一郎さん、株式会社 電通 CXCC局 クリエイティブディレクター 田中寿さん、Spotify Japan広告事業部統括 立石 ジョーが登壇し、受賞作品を表彰しました。なお、審査には3名のほかに、Spotify Japan プロデューサーの殿村 博、コンシューマーマーケティング統括の川崎 愛、Spotify アジア太平洋地域 クリエイティブストラテジー統括のヴァネッサ・ゴーも名を連ねています。

 アワードは「グランプリ (Spotify Mic Drop) 」に加え、音声広告を活用し革新的な方法で効果的にブランドのメッセージを届けた「ベストオーディオキャンペーン (Future Sounds)」、そこに動画など複数の広告フォーマットを組み合わせ、Spotifyならではのアプローチで高い成果をもたらした「ベストマルチフォーマットキャンペーン (Sound &Story)」の2部門が設置され、最終審査に残ったのは30作品となりました。

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 「ベストオーディオキャンペーン (Future Sounds)」では、CHOCOLATE Inc.の企画・制作による、アース製薬株式会社の「アースノーマット 小島よしお音声広告」が受賞しました。アース製薬株式会社 コミュニケーションデザイン部 部長の小泉ユミさんは「使用者がやや高齢化しているなかで、若い世代に蚊の不安から家族を護ってくれる製品だということを強く訴えたいと思い、小島さんを軸に様々なタッチポイントを想定した。媒体選定の背景としては ”ながら聴取” できるメディアであること、立体的な音の効果を最大限引き出せることが鍵だった」としたうえで「蚊が飛び回っている音も効果的に表現していただき、数値的な成果においても通常のキャンペーンよりコスト効率が高かった」とし、関係者への感謝を伝えました。

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 また、「ベストマルチフォーマットキャンペーン (Sound &And Story)」の受賞作品は、株式会社電通デジタルと株式会社電通が共同で企画・制作したエスエス製薬株式会社「ドリエル20周年 世界の子守歌キャンペーン」に。作品を手がけた株式会社 電通 CXクリエーティブ・センター クリエーティブ・ディレクターの川田琢磨さんは「ドリエルという睡眠改善薬が2024年で発売20年を迎えるということで、普段と違ったアプローチができないかということで始まったもの。少し前にSpotifyのみなさんに協力いただいて、電通デジタルでワークショップを開催し、クライアントの皆様と音声広告を企画したのですが、さまざまな企画案のうちの一つに”子守唄”企画があり、それがきっかけになりました」と話したあと「子守唄って世界中にあるよねと気づいたこと、どの国でも子守唄に込められたメッセージは「あなたがよく眠れますように」という内容で、世界共通であること、それはドリエルに込められた願いと同じだと気づき、この方法で発信することにしました」と背景を語りました。

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 グランプリの「Spotify Mic Drop」は、株式会社博報堂の企画・制作による日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社の「知られざる定番「和カツバーガー」リローンチキャンペーン『Yes! 和カツ食いに行く』」が受賞。企画を担当した株式会社博報堂 関西支社統合プラニング局の原田真由さんは「ケンタッキーに和風チキンカツバーガーという定番商品があるが『好きな人はすごく好きだが知らない人もいる』という状態で『和カツ』と略してリローンチするタイミングでした。知られざる定番をみんなの定番にしたいということで『和カツ』と『高須』で韻が踏める、さらに「クリニック」と「食いに行く」で韻が踏めると思い、そのままキャンペーンワードとして使おうと高須クリニックさんに相談しに行ったところ快諾いただいた。さらに楽曲を作ったアーティストさんにも相談しに行ったら、ぜひやりたいということで活動休止中にも関わらず制作してくださったし、揚げる音を使用して映像のない状態でおいしさを想起させることもできた。Xでも『高須かと思ったら和カツかい!』といったような投稿も散見され、プラットフォームを超えた効果を感じることができた」と喜びを明かした。

 その後、Spotify Japanの田村と審査員の嶋さん、田中さん、そして各受賞作品代表、原田さん、CHOCOLATE Inc. クリエイティブディレクターの市川晴華さん、川田さんの6名によるパネルディスカッションへ。まずは日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社の「知られざる定番「和カツバーガー」リローンチキャンペーン『Yes! 和カツ食いに行く』」がグランプリを受賞したことについて、嶋さんは「これ、相当口ずさんじゃいますよね。Spotifyということで音楽を使った広告が多かったけど、これは原曲が全く違う会社のCMソングなのに、リスペクトを払いつつ全く違う世界観で蘇らせたのが大きい。細かく聴いても、ディティールまですごく研究されていた」、田中さんは「一番頭から離れなくて、お風呂の中でも浮かんでくる感じ。プラットフォームとして音楽を大事にしているSpotifyのなかで最高のドアノック。音楽をコンテンツに昇華した感じがすごくフィットしている。これを実現したスタッフさんの各所への交渉をはじめとしたチームワークも含め、羨ましいと思った」とコメント。企画を手掛けた原田さんは「交渉するなかで、アーティストの方は原曲の良さを活かしつつ、Spotifyで流れた時にリスナーに嫌がられないようアレンジしてくださった。原曲が『beautiful smile』という曲なのですが、最初はWeb動画用にアレンジしていたものを、さらに音声用に歌詞を変え、より媒体にマッチするようにしました」と明かしました。

 続いて「ベストオーディオキャンペーン (Future Sounds)」を受賞したアース製薬株式会社の「アースノーマット 小島よしお音声広告」について、嶋さんは「Spotifyのユーザーは8割がイヤホンで聴いているというのを意識して作られた蚊の羽音のインパクトがすごい。サウンドエフェクトと声の組み合わせ方も含め、パッケージングの作り方がすごいなと思った。メロディと言葉の相性なども考え尽くされていた」、田中さんは「広告に留まるか、音楽になっているかの差は大きい。先ほどのケンタッキーのクリエイティブがそうだったように、韻まで計算していているか。それらの足し算がうまくいって絶妙なバランスになっているんだなと思った」とコメント。市川さんは「こんな会場で流していただいて嬉しい。改めて効果的な演出だなと思った。最初はもっとラジオCM的なアプローチ、ストーリーがあるものを考えていたが、アース製薬さんに相談したときに小泉さんから『もっと音楽的なアプローチがあった方がいい』とリクエストいただいてこの形になった。蚊の音はSpotifyの殿村さんが実際に蚊を採取してその音を録音したものを使っている」と裏側を語りました。

 最後に「ベストマルチフォーマットキャンペーン (Sound &And Story)」受賞作品のエスエス製薬株式会社「ドリエル20周年 世界の子守歌キャンペーン」について、嶋さんは「寝落ちしそうになるくらい優しい。この部門の作品って、体験設計に近い。このシチュエーションでどう聞いてどう体験するのかというのが考えられているし、商品広告の枠を超えてブランド広告として出来上がっている。ある意味エスエス製薬のオウンドメディアとしても機能している気がする」と語ると、田中さんは「ドリエルって睡眠導入剤で、それって困っている人が飲むもの。困っている人が求めるものって優しさとかそういうものだと思うし、そこから外れていない感じがいい。デザインも長さもいいし、クライアントが持っている良さをちゃんと落とし込めている」とコメント。川田さんは「この企画をいいねと言ってくださったクライアントの皆様の選球眼がすごいなと思いましたし、最初は音声広告の提案から始まって、スペシャルサイトを作るパッケージがSpotifyにあるというところから、プレイリストとの連動、動画の制作まで行って、施策を広げていくことができた。それに協力してくれたクライアントの皆様とSpotifyのみなさんのおかげで作り上げることができたと思う」と喜びを伝えました。

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 その後、審査員のお二人から受賞者のみなさんへの質問タイムを挟み、再び田村・嶋さん・田中さんの3人で受賞作品以外で印象に残った作品を、Spotify広告において重要な3つのキーワード「ファンダム」「リズム」「パーソナライゼーション」に沿って紹介していきました。

 まずは「ファンダム」の文脈で印象に残っているキャンペーンについて、嶋さんはアサヒビール株式会社の“マルエフ”こと『アサヒ生ビール』の施策であるSpotifyのプレイリストシリーズ「RADER:Early Noise」とタイアップしたキャンペーンを紹介。「Spotifyの世界観とミュージシャンの世界観、ブランドの世界観が三方良しで合致しつつ、うまく消費者のツボを押さえている広告だと思います」と評価しました。

 続いて、「リズム」の文脈で印象に残っているキャンペーンについて、田中さんはサントリーホールディングス株式会社の『金麦』の広告を挙げ、「1日のリズムのなかでもコンパクトなところに当たるように設計されている。タイミングが設計された広告はもはやシズル広告になっているし、それがピタッとハマるとすごく飲みたくなる」とコメント。田村が「通勤の帰り道の時間帯をジャックするように、月曜から日曜まで毎日違うクリエイティブが出るようにしていて、個人的にも刺さった」と補足した。

 続いて「パーソナライゼーション」の文脈で印象に残っているキャンペーンについて、嶋さんは「アニソンもヒップホップも好きな人がいるなかで、三井住友カード株式会社さんのナンバーレスカードを広める音声広告施策が面白いと思った。それぞれのジャンルのファンを狙って、アニメ好きの人には声優さんの声が、ヒップホップ好きの人にはラップの音声が流れるようにしたというのもすごいなと」と、セグメントをしっかりと絞ってそれに対するクリエイティブを作った事例を評価していただきました。

 最後に、今回のアワードを通して考える「音声広告の価値」について、嶋さんは「音声広告は“ながら”でも聴けるところがすばらしい。そのうえでSpotifyはユーザーが能動的に聴く気満々な感じもあるので、ポジティブなリスナーに対してリーチできる。ただ、アーティストやミュージシャンの世界にお邪魔する形なので、そこをうまく汲み取ることが重要」と語ると、田中さんは「音声広告の良さって“余白”だなと思います。『初恋の人を思い浮かべてください』というとそれぞれが別の方を思い浮かべるように、余白を残していることが究極のパーソナライゼーションになる。それが聞き手のクリエイティビティを発動させる」とそれぞれの音声広告論について述べ、トークが終了しました。

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 広告に関するセッションの後には、Michael Kanekoによるライブパフォーマンスも。「Daydreams」や「Strangers In The Night」などの 人気楽曲で会場を盛り上げました。また、イベントの最後にはネットワーキングの時間も設け、広告主とSpotifyメンバーとで交流を深めたのち、この日のイベントは終了しました。

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青葉市子が築いたグローバルなファンベース ストリーミング時代におけるリスナーとの深いつながり

青葉市子

​​ 青葉市子さんは、独自の音楽スタイルで国内外のリスナーを魅了する音楽家です。2014年、フランス・パリでの舞台音楽制作がきっかけで海外活動を開始し、その後台湾や香港、韓国などアジア各国でのライブを経て、ヨーロッパやアメリカでもツアーを成功させました。

 Spotifyの月間リスナー(2024年7月時点)は150万人に達する勢いで、その9割以上が海外リスナーという国際的な人気を誇ります。特にUSのリスナーが多く、35歳以下のリスナーが約9割を占める中でも、10~20代がメインのリスナー層。彼女の音楽は、言語の壁を越え、感情や風景と結びつくことで、世界中のリスナーに深い共感を呼んでいます。

 このインタビューでは、青葉さんの海外活動のきっかけやエピソード、ストリーミング時代におけるリスナーとの新しいつながりについて詳しくお話を伺いました。彼女の音楽がどのようにして国境を越え、グローバルなファンベースを築いていったのか、その背景に迫ります。

言語ではないところでつながる楽しさ

青葉市子


──青葉さんが、海外で活動を始めたのはいつ頃のことでしたか?

青葉:2014年に舞台音楽の制作のため、フランスのパリに行ったのが始まりだったと思います。その後何度かパリとロンドンを行き来するようになり、教会でチャリティライブをしたりしていました。

──同じ頃、台湾や香港でも公演を行われていましたね。

青葉:はい。南青山にあるライブハウスでお仕事されていた方が、台湾に姉妹店を当時オープンされレーベル運営などもなさっていたんですけど、そのタイミングで台湾だけでなく香港や韓国を回るツアーを組んでくださったり、現地のシンガーの方との対バンライブをブッキングしてくださったりして。それで少しずつ、海外でライブをする機会が増えていったという感じですね。海外に行きたいという思いがそこまで強くあったわけではなかったのですが、ご縁が重なって毎回新鮮な気持ちで取り組んでいました。そして何度か行っているうちに、言語ではないところでつながる楽しさを、どんどん覚えていったというか。歌詞は基本的に日本語で書いているので、その意味が現地の人たちに伝わらなかったとしても、これだけの人と同じ時間に同じ場所で気持ちを共有することができるのは、貴重なことだなと思うようになり、さらに積み重ねていきました。

──アジア各国を訪れた際のエピソードを教えてください。

青葉:2013年にタイで行われた『JAPANESE INVENTION』では、Japanese Invention curated by Corneliusとして、Cornelius、Cornelius、Buffalo Daughter、Salyu×Salyuとご一緒させていただいたのですが、漫画家のタムくん(ウィスット・ポンニミット)が遊びに来てくれたりして、みんなでわいわい楽しかったですね。会場はきらびやかでとても賑やかなのに、ちょっと奥へ行くと自然が多かったりするギャップも印象的でした。マレーシアでは、茶畑とイチゴの畑が広がっているような山奥でフェスが開催されていたのですが、現地の食生活や気候を直に感じられてとても面白かったです。シンガポールからマレーシアまでバスで入国したのも貴重な体験でした。

──Spotifyのようなストリーミングサービスで楽曲が聴かれるようになったことで、体感として変わったことや実感することはありますか。

青葉:やっぱり「探して聴かれる」ようになったことではないでしょうか。みんながスマートフォンを持つ時代になり、自分の好きな音楽を手元にコレクションできるというか、手に届きやすくなってからは、とても速い速度、近い距離で楽曲に触れていただけるなと感じています。届くべき人のところにちゃんと届いているなと。特にコロナ禍でそれはより強く感じましたね。当時、コンサートを開くのが難しくなったミュージシャンたちは、ライブ配信やSNSの投稿などを通じてみんなとより深くつながることができたと思います。

──確かにそうですね。

青葉:世界中の人々が一斉に等しく経験したものだからこそ、みんなの団結力も強まっていったのかなと思っていて。海外のリスナーも私の音楽をより求めてくださったし、こちらからも積極的に発信するようになったし、双方からぎゅっと合致できた部分がありました。一方で私はこの時期、海外ツアーを積極的に行っており、それも相まって配信での聴かれ方が広がっていったのかなと思っています。

──Spotifyでの再生数を調べてみると、青葉さんの場合は30代以下の海外リスナーがとても多く、中でも10代、20代がメインです。

青葉:不思議ですよね。2021年にヨーロッパツアーを行い、その翌年には初のUSツアーがあったんですけど、その時は「初めまして」ということもあって、終演後にお客さんと触れ合うためフロアに出て行ったんです。サイン会を開いたり、みんなとお話ししたりする時間を作って、その時に「なんで私のこと知ってくれたの?」と集まってくれたミュージックキッズたちに聞いたら、「クラスで友達が作ったプレイリストで知った」とか「学校で、お昼の放送の時に流れていて好きになった」とか、そういう人が多かったんですよね。ライブを「ALL AGES(全年齢向け / ファミリー向け)」にしたのもあって、クラスメイトと誘い合って観にきてくれたり、親同伴で来てくれたり、ついでにおじいちゃんやおばあちゃんも一緒だったり、家族でどっさり来てくれたのは本当に嬉しかったし刺激的でしたね。

“風景”とともに広がっていった楽曲たち

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──曲ごとに見ていくと、最も聴かれているのは2021年リリースの「Asleep Among Endives(アンディーヴと眠って)」で、再生数が急上昇したのが2023年11月頃でした。

青葉:おそらくTikTokで拡散されたのもその時期なんですよね。マネージャーチームから「使われてるよ」と聞いて知りました。例えばたい焼き屋さんやおにぎり屋さんのような、日本の古くからある商店街の、のどかな風景と組み合わせて動画を作っている人が多くて面白かったですね。「みんな、こういう風景に合うと思いながら聞いているんだ」という気づきがあって。

 かと思えば、去年の春に自分の歌詞をまとめた『ICHIKO AOBA LYRIC BOOK』という本を出版して、それは英訳も併記してあるんですけど、アメリカやヨーロッパのツアーでは、それをライブ会場でカバンから出して、演奏中にまるで教科書みたいに読みながら歌を聴いてくれているのもすごく嬉しくて。ステージからその様子が見えて、とても感動しました。

──再生数が2位の「Dawn in the Adan」、3位の「Parfum d’étoiles」はいずれも2020年にリリースされた、通算7枚目のアルバム『Windswept Adan(アダンの風)』収録曲です。

青葉:『アダンの風』を作っていた時は、コロナ禍の真っただ中というのもありましたし、自分が本当に今生きているのか死んでいるのか、死にゆくのかその途中なのかという、曖昧でちょっと体が浮いているような感じで生きていました。黄泉の国へ渡る橋の上で書いたような楽曲たちです。「Dawn in the Adan」など歌詞の内容は割とヘビーなんですけど、メロディがキャッチーなので、言語がわからない人でもサウンドそのものにアクセスしやすかったのかもしれないですね。

──その前のアルバム『qp』に収録された、「月の丘」は再生回数6位です。今年3月くらいからTikTokでも頻繁に使用されている楽曲です。全体的に「お気に入り」率も高く、特に「ラジオ」機能で知ってお気に入りに入れてから繰り返し聴くというパターンが見られました。そして、7位は「いきのこり●ぼくら」(2013年)です。

青葉:早回しにしたバージョンがTikTokでものすごく流行っていた時期があったらしく。それを見た人たちが「この曲はなんだ?」「どの曲がオリジナルだろう」といった感じで楽曲にたどり着いてくださり、そのまま定着して聴いてくださっているようです。

──例えば海外でライブをするときなど、ストリーミングにおける海外での再生数などをセットリストに反映させることはありますか?

青葉:海外のマネージャーはそのような提案をしてくれますが、私はあんまり言うことを聞いていないですね(笑)。その時に自分がやりたい曲を演奏しています。とはいえ、「自分たちが本当に聴いてもらいたいもの」と「みんなが選んでくれたもの」が重なっている良い時期だと思っています。

──ストリーミングのデータを元に海外公演の地域を決めることは?

青葉:それもマネージャーをはじめ、チームが考えてくれています。まず主軸となる都市を決め、その間に「景色が綺麗ならここも行こう」とか、「この国でよく聴かれているし行ってみようか」とか。そうやってバランスを取りつつも、全くデータがないところにも夢を持って、新鮮で新たな試みに取り組むようにしていますね。予定調和ではないことの方が、クリエイティブな発想につながるので、そこはこれからもこだわっていきたいです。

カンヌライオンズ2024: Spotifyの獲得アワードやSpotify Beachでのセッション・アーティストパフォーマンスをレポート

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 Spotifyは2024年6月17日から6月21日に南フランスで開催されたクリエイティブの祭典「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル 2024」に参加しました。

 本祭典は、マーケティングおよび広告の分野における優れた業績を称えるものです。世界規模のブランド、最も旬なクリエイターなど、有名な顔ぶれが一堂に会する毎年恒例のこのイベントは、Spotifyのプラットフォームがどのように人々のクリエイティビティ、つながり、そしてイノベーションを促進しているかを知っていただく絶好の機会です。

 今年、広告部門のSpotify Advertisingが、最新のB2Bマーケティングキャンペーン「Spreadbeats」で9つの賞を受賞しました。このキャンペーンは、メディアプランナーへの提案につかっているスプレッドシートで完全に作成および配信された初のミュージックビデオです。キャンペーンは、グランプリライオン1つ、ゴールドライオン2つ、シルバーライオン3つ、ブロンズライオン3つをデジタルクラフト、クリエイティブB2B、クリエイティブデータなどの複数のカテゴリーで受賞しただけでなくカンヌライオンズのすべての応募作品の中で、最も多くの最終選考入りを果たしました。さらに、Spotifyのまとめ機能を使用した「2023 Wrapped On-Platform experience」は、クリエイティブ効果部門で銅賞を獲得しました。

 これらの受賞は、Spotifyにとってカンヌでの充実した一週間の素晴らしい締めくくりとなりました。今年が10回目の参加ということもあり、Spotifyはこれまで以上に良い体験を提供したいと考えていました。Spotify Beachでは様々な催しを展開しました。日中にはインスピレーションに満ちたトークが、夜は見逃せない音楽パフォーマンスがそれぞれ繰り広げられました。その様子は各日の写真をご覧ください。

・6月17日(月)

 1日目はシンガーソングライターのShaboozeyとPepsiCo International Beveragesの最高マーケティング責任者であるマーク・カークハム氏との興味深いトークセッションでイベントがスタート。ブランドパートナーシップとクリエイティブコンテンツについて触れ、特に音楽、スポーツ、カルチャーとの関係にフォーカスが当たりました。

 その後、コメディアン・コンテンツクリエーターのジェイク・シェーン氏が、コカ・コーラ社のグローバルスポーツ及びエンターテイメントマーケティング&パートナーシップ担当VPのブラッド・ロス氏と、Spotifyでのコミュニティ構築とブランドの定義をテーマに対談。会話の締めくくりとして、常に変化するプレイリスト機能であるdaylistを、世界中のさらに多くの言語でさらに多くのファンに提供するというエキサイティングな発表がありました。ジェイクは「私はSpotifyを使って自分の人生を記録するのが好きです。日記のように曲を追加しています。daylistでは、火曜日の午後や日曜日の朝に感じる気持ちを捉えたプレイリストをもらうのが本当に楽しいです」と語りました。

 最後に、最もホットなスターたちを丘の上のヴィラに招き、毎年恒例のSpotify Soiréeを開催しました。この夜には、ジョン・レジェンドによるアコースティックパフォーマンスや、ティネア・テイラーとパール・スシによるDJパフォーマンスが行われました。ジェシカ・アルバ、ジョー・バロウ、ベアトリス・オブ・ヨーク王女、アリックス・アール、ソフィア・ブッシュらもゲストとして参加していました

・6月18日(火)

 2日目は、ジョン・レジェンドとの対談やライブのカスタムSpotifyゲームショーや、マーティン・ギャリックスによるサプライズDJパフォーマンスなどを展開。日の出から日没までアクティビティが目白押しでした。

 最初に、EGOT受賞者・起業家であり、SpotifyのBillions Clubのメンバーであるジョン・レジェンドが、Spotifyの最高広報責任者ダスティ・ジェンキンスと対談。『The Voice』での印象的なアーティスト指導や、妻のクリッシー・テイゲンとのブランド構築、そしてAIを活用したアーティストの創造プロセスについて話し合いました。

 次に、クリエイターのロビン・デルモンテ(別名:GirlBossTown)が司会を務め、ポッドキャスト「U Up?」と「The Colin and Samir Show」の共同司会者が登場するゲームショーを通じて、ポッドキャストのトレンドを深掘りしました。

 最後に、ダスティはガーナ系アメリカ人シンガーソングライターのAmaaraeと対談。自身のアイデンティティを受け入れること、Z世代へのアプローチ、そして人々、音楽、文化のインターセクショナリティ(交差性) について話し合いました。

 その夜のSpotify Beachは、ベンソン・ブーン、Tyla、Shaboozey、そしてマーティン・ギャリックスのセットパフォーマンスをフィーチャーしたパーティーを開催。クイーン・ラティファ、ボノ、ジャレッド・レト、ジャネール・モネイ、ケイトラナダらがゲストとして参加しました。

・6月19日(水)

 3日目は、Spotifyの広告部門グローバルクリエイティブラボの責任者であるケイ・スーが、Adobeの最高ブランド責任者であるヘザー・フリーランド氏と共に、クリエイティビティの未来について語り合うセッションで幕を開けました。その後、デジタルデザインおよびコミュニケーションエージェンシーのAKQAとともに、学生向けクリエイティブコンペ「Future Lions 2024」で最も革新的なアイデアを表彰しました。

 次に、Spotifyのグローバル音楽パートナーシップおよびオーディエンス責任者であるジョー・ハドリーと、SpotifyのAI DJの声をつとめるザビエル “X” ジャーニガンが、グラミー賞ノミネートアーティストであるジャネール・モネイと共に、AIの時代におけるクリエイティビティと本物らしさについて話し合いました。

 夜のSpotify Beachは、JusticeとArcade Fireのパフォーマンス、そしてパール・スシとARTYのDJセットとともに、大盛況のうちに幕を閉じました。Diplo、カーリー・クロス、ティナーシェらのスターが集まり、音楽を楽しみながら、カンヌでの最後の夜を祝いました。