Tag: スポティファイ

Spotify「歌占い」が期間限定で楽しめる! 日常生活の運試しや気分転換にも 

歌占い

 Spotifyは、3月31日までの期間限定で楽しむことができる「歌占い」を展開しています。アメリカでは「Song Psychic」のネーミングでローンチされた「歌占い」は、ユーザーが聞きたい、または知りたいさまざまな質問を“歌”で解決してくれるSpotifyユーザー限定の体験です。本記事では、実際に「歌占い」を試してみた結果をご紹介します。

20240311 uranai 01 1

 ユーザーはまず、「学校」「友達や家族」「恋愛」「キャリア」「人生最大の謎」「わたしの未来」「自分自身」「スタイル」「ランチ」といった9つのカテゴリの中からひとつを選択します。

 その後、あらかじめ用意された質問の中から自ら選択するか、ランダムに質問を選ぶかを選ぶことができます。質問を選択すると、その回答になるようなタイトルの楽曲が表示される仕組みです。たとえば、「スタイル」というカテゴリの中から「ショートヘアにするべき?」という質問を選択してみます。すると、岡崎体育の楽曲「Yes」がサジェストされました。

 他にも、「ランチは何を食べたらいい?」「セーターを着ていくべき?」といった日常生活に関する質問から、「片思いの相手も、わたしを好きになる?」「親友とずっと友達でいられる?」といった普段なかなか人に尋ねにくい質問や、「他の惑星に生命は存在する?」といった遊び心ある質問までラインナップされています。

 ユーザーは表示された回答(楽曲)をSNSで共有することができます。友人と同じ質問をして、回答を比べてみるのもよいかもしれません。何度も新しい質問ができるので、毎日のちょっとした運試しや気分転換に「歌占い」を活用するのもおすすめです。Spotifyの「歌占い」で、日々の音楽をお楽しみください。

カウントダウンページでアーティストのニューアルバムリリースを盛り上げよう!

カウントダウンページ

 みなさんは、自分の好きなアーティストの新曲が配信と同時にマイライブラリに追加されるように事前に予約できるプリセーブ機能(Pre-save)を知っていますか?

 Spotifyは、そんなプリセーブ機能をさらに発展させた機能として「カウントダウンページ」を今年3月に開催されたグローバルイベントStream Onにて発表しました。

Stream On 2023: Countdown Pages

 カウントダウンページは、ファンがお気に入りのアーティストのリリース予定のアルバムを事前にプリセーブしたり、トラックリストをプレビューしたり、新しいグッズを予約注文したり、Clips(30秒未満のショートビデオ)やリリースまでのカウントダウンタイマーをすべて1ヶ所で見ることができる新しい機能です。

 この機能は、アーティストがニューアルバムの宣伝効果を高め、リリース初週のストリーミングを促進するために導入されたものです。グローバルではすでにEd Sheeran、Taylor Swift、Karol G、Florence and the Machine、Quevedo、Paramoreなどのアーティストが試験的に導入したり、日本でもずっと真夜中でいいのに。が今年6月のニューアルバム『沈香学』(2023年6月6日リリース)リリース時に利用しています。これまでにSpotifyでプリセーブしたリスナーの80%以上が、リリース初週にニューアルバムを再生したという結果も出ており、新譜の再生促進に大きな効果を生み出しています。

ZUTOMAYOのビデオ

 カウントダウンページは展開期間中、常にアーティストページ上で表示され、ファンはホーム画面やプッシュ通知によってカウントダウンページについて認知することができるほか、SNSにシェアすることで他のフォロワーにプリセーブをおすすめすることも可能です。

ZUTOMAYO シェア

 カウントダウンページはアルバムがリリースされる国と地域のユーザーであればどなたでもモバイル(iOS/Android)、デスクトップアプリ、WEBプレイヤーでご利用いただけますが、Clips機能については日本を含む76の国と地域の対象ユーザーのみ視聴可能です。

 9月27日にニューEP『NEW DNA』をリリースするXGも、現在カウントダウンページを実装しており、ファンはプリセーブやClips機能、カウントダウンタイマーなどを1つのページの中で見ることができます。

XG Spotifyアーティストページ

XGカウントダウンページ

20230920 xg 001

 カウントダウンページを実装することで、アーティストはアルバムごとにプラットフォーム内で独自の戦略を立てることができます。カウントダウンページの設定方法は、Spotifyで楽曲を配信するアーティストや関係者向けのツール「Spotify for Artists」で必要な詳細情報を入力するだけです。本機能を利用してアルバムを待つ時間も楽しめるコンテンツをファンに届けてみませんか?

20230920 xg 002
20230920 xg 003


※同機能は現在パイロットローンチ期間中です。

SpotifyとSUMMER SONICがプロデュースするスペシャルステージ「Spotify RADAR: Early Noise Stage」に注目の新進アーティストが集結

20230822 earlynoise 99

 Spotifyは、日本最大級の都市型音楽フェスティバル『SUMMER SONIC(以下、サマソニ)』とのコラボレーションにより、国内の新進気鋭のアーティストをサポートするプログラム「RADAR: Early Noise」を体現する特別なステージ『Spotify RADAR: Early Noise Stage』を8月19日(土)と20日(日)の2日間にわたり幕張メッセ内で開催しました。

 Spotifyは、「RADAR: Early Noise」の一環となるライブイベント『Early Noise Night』を2017年5月より定期的に開催しており、これまであいみょんやSIRUPなど、多数のアーティストがブレイク前に出演を果たしてきました。今年3月にはTOMOO、ヤングスキニーら5組を迎えた第15回をSpotify O-EASTにて開催。オンラインとオフラインをつなぐイベントを通して、「RADAR: Early Noise」選出アーティストをサポートしています。

 その流れも汲んだ本公演では、春ねむり、chilldspot、Skaai(yonawo x 鈴木真海子 x Skaai名義によるコラボステージ)、Daichi Yamamoto、Bialystocks、DURDN、CHAI、LANA、tonun、ao、新しい学校のリーダーズ、imaseの計12組がパフォーマンスを行いました。ここでは2日間のライブの模様を振り返っていきます。

■8月19日(土)

chilldspot
20230822 earlynoise 01

 初日のトップバッターを飾ったのは、全員2002年生まれの4人組バンド・chilldspot。比喩根(Vo、Gt)は「去年に続いてサマソニ2回目、嬉しい!」と喜びを爆発させ、「素敵なアーティストしか出ない中、ここに来てくれてありがとうございます。次はみんなに知ってもらうきっかけになった曲を」と告げて「ネオンを消して」を演奏。Honda VEZEL e:HEV CMソングでお馴染みのロックチューン「BYE BYE」、アッパーな「Like?」ではナイスな煽りを受けてジャンプする人が続出。ラストのアンセミックな「Don’t lose sight」まで、高い熱量の30分を走り抜けました。

20230822 earlynoise 02

<セットリスト>
1. supermarket
2. full count
3. ネオンを消して
4. Groovynight
5. BYE BYE
6. Like?
7. Don’t lose sigh

Bialystocks
20230822 earlynoise 03

 甫木元空(Vo)、菊池剛(Key)からなる音楽ユニット・Bialystocksがサポートメンバーとともに登場。力強いドラムが地響きを起こしたかと思えば、いきなり甫木元のトップノートで始まる「雨宿り」でスタートしました。高い歌唱力と演奏スキルで圧倒したあとは軽快な「Upon You」「差し色」で和ませます。「サマーソニック、初出演でこんなに集まっていただいてありがとうございます! 一日、楽しんでいきましょう」と甫木元が笑顔で呼びかけると、菊池の柔らかなエレピの響きで「Over Now」へ。スリリングな「I Don’t’ Have a Pen」の披露など、初見のオーディエンスも含め大いに魅了しました。

20230822 earlynoise 04

<セットリスト>
1. 雨宿り
2. Upon You
3. 差し色
4. 灯台
5. Over Now
6. I Don’t Have a Pen
7. Nevermore

DURDN
20230822 earlynoise 05

 シンガーのBaku、トラックメイカーのSHINTAとトップライナーのyaccoによるプロデュースデュオ・tee teaによるプロジェクト、DURDN。ベース、ドラム、キーボードを従えたバンドスタイルで、ダンサブルなR&Bナンバー「TOKIDOKI」や「WARUNORI」、「Vacation」をテンポよく披露していきます。強いグルーヴとワードを持つ新曲「Runner’s High」では、自由に体を動かし踊るオーディエンスの姿も。キャッチーなナンバーをスピーディに演奏し続け、フロアをロックした彼らのラストはフェスにぴったりな「Drink!」。夕方に向かう時間を楽しく彩りました。

20230822 earlynoise 06

<セットリスト>
1. TOKIDOKI
2. WARUNORI
3. Vacation
4. Apart
5. Runner’s High
6. All of You (Remix)
7. Drink!

yonawo×鈴木真海子×Skaai
20230822 earlynoise 07

 今回、唯一のコラボレーションであるyonawo×鈴木真海子×Skaai。yonawoの「矜羯羅がる」の曲中で鈴木真海子とSkaaiを招き入れます。それぞれの曲をyonawoのバンドサウンドで披露することが最大の見どころであるこのスタイル。特にフロアが沸いたのはSkaaiの「FLOOR IS MINE」でした。鈴木真海子の「じゃむ」の歌い出しでは、荒谷翔大(Vo)とのデュエットでグッとオーディエンスの心を掴みます。意表を突いたのは「夏の終わりのハーモニー」カバーでのSkaaiの熱唱。そして、この3組ならではの一曲「tokyo」をラストにドロップ。笑顔が絶えない貴重なコラボステージとなりました。

20230822 earlynoise 08

<セットリスト>
1. 矜羯羅がる
2. FLOOR IS MINE
3. じゃむ
4. 夏の終わりのハーモニー(カバー)
5. tokyo feat. 鈴木真海子, Skaai

Daichi Yamamoto
20230822 earlynoise 09

 Daichi Yamamotoがサポートメンバーとともにステージに登場すると、観客からは大きな拍手が巻き起こりました。冒頭はノリのいいヒップホップナンバー「Let it be」「One Way」、コーラスのソウルフルなアカペラが響き渡るターンを挟み、リリックがこの場所にしっくりハマる「Paradise」などを披露。ステージが進むごとに、Daichiのバックボーンが窺えるナンバーがオーディエンスを深いところへ誘います。約30分のセットリストでも物語性を感じさせるステージは「EVERYDAY PEOPLE」、自分の内面を見つける「ATHENS」と続き、Daichi Yamamotoと仲間が一つの旅のような体験を残してくれました。

20230822 earlynoise 10

<セットリスト>
1. Let it be
2. One Way
3. interlude
4. Paradise
5. MYPPL
6. Blueberry
7. Wanna Ride
8. Power
9. EVERYDAY PEOPLE
10. Athens

春ねむり
20230822 earlynoise 11

 初日の大トリは海外フェスでも常に注目を浴びるシンガーソングライター/ポエトリーラッパーの春ねむり。バンド形態で臨む1曲目「Kick In the World」から、春のスクリームとバンドの生音が入った瞬間の凄まじい音像に圧倒されます。「Riot」や「森が燃えているのは」に続いて投下されたのは、SiNNER MOONとPeatleが参加した「Old Fashioned」。終盤はギリギリの精神状態を思わせる「あなたを離さないで」、現在の春ねむりを代表する「春火燎原」を体の中の全てを吐き出すように歌い切る絶唱を見せ、初日のステージを終了しました。

20230822 earlynoise 12

<セットリスト>
1. Kick in the World(déconstructed)
2. Riot
3. 森が燃えているのは
4. Old Fashioned feat. SiNNER MOON & Peatle
5. あなたを離さないで
6. 春火燎原

■8月20日

ao
20230822 earlynoise 13

 2日目の一番手には17歳の高校生アーティスト・aoが登場。MCでは「現役高校生なので夏休みフェス」といって笑いを生んだり、自分を知っていてステージを見に来てくれた人の数の多さにテンションが上がるなど、aoの素直なキャラクターにふれてオーディエンスも笑顔に。ラテンテイストのR&Bナンバー「余所見」や10代のリアルな心情を聴かせる「幻想」など、気がつけば会場はすっかり彼女の世界観に染まりました。新曲の「ENCORE」、ハーゲンダッツCMに起用された「月の光」を経て、aoの声と曲の良さが広く知られるきっかけになった「you too」で締めくくりました。

20230822 earlynoise 14

<セットリスト>
1. チェンジ
2. リップル
3. 余所見
4. 幻想
5. ENCORE
6. 月の光
7. 4ever
8. you too

tonun
20230822 earlynoise 15

 昼下がりの幕張メッセを宵のムードに塗り替えたのはtonun。腕ききのメンバーがセッションする中で登場し「東京cruisin’」からスタート。「Sweet My Lady」ではtonunもギターを奏でます。ダンサブルな「d.s.m」はオーディエンスの腰を揺らすグルーヴが心地よく、サビでは多くの手が上がりました。曲の認知度の高さを実感した「Sugar Magic」での歓声、「Friday Night」では思い思いに踊る人たちでフロアが華やぎます。最後は残りの夏を愛おしむようなニュアンスの「琥珀色の素肌」で幕を閉じました。

20230822 earlynoise 16

<セットリスト>
1. 東京cruisin’
2. Sweet My Lady
3. d.s.m
4. Sugar Magic
5. Friday Night
6. 琥珀色の素肌

LANA
20230822 earlynoise 18

 場内が暗転しただけで壊れんばかりの歓声が起き、ステージに現れたLANA。ほとんどビートのみで、その圧倒的なラップの力を証明していくナンバーが続きます。ブロンドの三つ編みツインテールもビキニトップスのワイルドな衣装も、全てが彼女流で堂々とした佇まいがカッコかわいい。ダンサーとのパフォーマンスはセクシーかつパワフル。ほとんどのナンバーをショートアレンジにして、次々と間髪入れずに披露していきます。“うちら令和のBad bitches!”と強めのヴァースをキックする「Huh?」など、曲のおいしいところを惜しげもなく畳み掛け、令和ギャルズのリアルなアンセム「L7 Blues」では最高の盛り上がりを見せました。

20230822 earlynoise 17

<セットリスト>
1. FLAME
2. Twerk Jersey Remix
3. PULL UP
4. Huh?(Solo)
5. HATE ME
6. Somebody to you
7. Makuhari
8. TURN IT UP(Solo)
9. What’s Poppin(Solo)
10. BASH BASH
11. L7 Blues

imase
20230822 earlynoise 19

 幅広い年齢層のオーディエンスで溢れかえったimaseのステージ。まずは「みなさん、imaseです! サマソニは去年初めて見せてもらっていつか出たいなと思ってたら、翌年出させていただいて、ありがとうございます」と挨拶。短期間のうちに飛躍を遂げたimaseの自然と音に乗るようなパフォーマンスの魅力に、オーディエンスは一気に引き込まれていきます。歌い出しから大歓声があがった代表曲「NIGHT DANCER」では、柔らかな声がいきるファルセット、思わず口ずさみたくなるサビメロでフロアは一体に。鳥山明の名作アニメ化で話題の『SAND LAND』への書き下ろし曲「ユートピア」でフェスらしい祝祭的な空間が広がりました。

20230822 earlynoise 20

<セットリスト>
1. Nagisa
2. 僕らだ
3. Pale Rain
4. Have a nice day
5. NIGHT DANCER
6. ユートピア

CHAI
20230822 earlynoise 21

 この日初となるバンドは、タフな海外ツアーも重ね、さらに進化したパフォーマンスが期待されるCHAI。マナ(Vo、Key)とカナ(Gt、Vo)のマイクパフォーマンスで魅せる「END」や、彼女たちのキャッチフレーズを冠し、サウンドをグッとアップデートした「NEO KAWAII, K?」などを披露。マナもユウキ(Ba、Cho)もサンプリングパッドを叩き、ゲームミュージックのようなトラックをプレイした「PING PONG! feat. YMCK」では、会場が一気にダンスフロアに。パワフルな音圧でオーディエンスを大いに沸かせた「クールクールビジョン」は、圧倒的なヒューマンパワーでフロアをロック。よりいっそうスケールの大きなバンドになったCHAIの魅力を存分に堪能できるステージでした。

20230822 earlynoise 22

<セットリスト>
1. END
2. NEO KAWAII, K?
3. N.E.O.
4. PING PONG! feat. YMCK
5. クールクールビジョン
6. PARA PARA

新しい学校のリーダーズ
20230822 earlynoise 23

 暑く熱い2日間もいよいよ大詰め。トリには海外フェスでも大きな反響を呼んでいる新しい学校のリーダーズが登場。チャイムが鳴ると騎馬でステージに登場し、全力という言葉が生ぬるいほど強烈なダンスで「青春を切り裂く波動」を投下。「最終人類」はキレの良いフォーメーションに圧倒されます。背中に“青春日本代表”の刺繍を施した長ラン姿で臨んだのはハードコアトランスな「Pineapple Kryptonite(Yohji Igarashi Remix)」。汗だくの長ランを脱いだあとは大ヒット曲「オトナブルー」が続きます。誰にも似ていないオリジナルなパフォーマンスに満場のオーディエンスは興奮気味に会場を後にしたのでした。

20230822 earlynoise 26
20230822 earlynoise 25

<セットリスト>
1. 青春を切り裂く波動
2. 最終人類
3. Free Your Mind
4. マ人間
5. Pineapple Kryptonite(Yohji Igarashi Remix)
6. オトナブルー
7. NAINAINAI
8. 迷えば尊し

    国内のみならず海外でも注目を集める12組が、それぞれ唯一無二の個性や圧倒的な才能を惜しみなく見せつけた2日間のステージ。Spotifyはさらなる躍進の可能性に満ちた彼らをこれからも引き続きサポートしていきます。出演アーティストの演奏曲は、プレイリスト「RADAR:Early Noise Stage in SUMMER SONIC 2023」にてお楽しみいただけます。

日本のクールなポップカルチャーや音楽を新たなコンセプトで世界にプレゼンテーションするSpotify公式プレイリスト「Gacha Pop」誕生

Spotifyプレイリスト「Gacha Pop」

 Spotifyは2023年5月にSpotifyオリジナルプレイリスト「Gacha Pop」を公開しました。アニメやゲーム、ボカロ、VTuberなど独自に発展をとげた日本のポップカルチャーを象徴する多様でカラフルな日本の音楽の魅力を「Gacha Pop」というユニークなネーミングのもと編集し、世界のリスナーに紹介する目的で生まれたこのプレイリストは、SNSで早くも話題を呼び、国内外でフォロワーを増やしています。「Gacha Pop」立ち上げの経緯や本プレイリストが目指す役割について、Spotify Japan 音楽企画推進統括 芦澤紀子氏が語ります。

■プレイリスト「Gacha Pop」を立ち上げた経緯

 数年前からストリーミングが日本でも広く浸透し、国内アーティストのカタログも充実してくる中で、世界最大級のオーディオストリーミングサービスであるSpotifyの役割の一つとして、日本の音楽やポップカルチャーをボーダレスに海外リスナーに発信・紹介することが重要なのではと考えるようになりました。

 実際にここ数年、アニメやゲーム関連(および関連音楽)はもちろん、シティポップやLo-Fi HipHop、ボカロ、VTuberなど、日本のアーティストや音楽が海外で注目を集めたり、話題となるケースが増えてきたように感じます。それらは日本の視点から見るとそれぞれバラバラな事象に見えるものの、海外オーディエンスから見るといずれも「クールな日本のポップカルチャー」という同じ文脈の中で捉えられています。

 海外で注目を集める昨今の日本の音楽やポップカルチャーは非常に多様化していますが、これらに共通する感覚や魅力を世界のオーディエンスにとってわかりやすい形でコンセプチュアルに紹介することが大切だと思い企画しました。

■「Gacha Pop」という言葉を生み出した理由

 日本の伝統的な食文化である寿司が文化背景の異なる海外で愛されるようになった背景を考えると、日本のオーセンティックな寿司をそのまま海外に持って行ったのではなく、「カリフォルニアロール」のような日本にはなかった見せ方、プレゼンテーションで寿司の魅力を紹介できたことが考えられると思います。

 日本のポップカルチャーや音楽もそれと同様で、日本人が考える「こうであるべき」という固定概念にとらわれすぎることなく、海外で理解・受容されやすい形で発信するためにも、J-POPに変わる新しい言葉が必要だと考えました。

■「Gacha Pop」が意味するもの、プレイリストの選曲基準

 「Gacha Pop」は日本発のポップでカラフルなカプセルトイ(=ガチャガチャ)から着想を得ています。玩具箱をひっくり返したような、何が出るかわからない、ポップで雑多な楽しさを表現したワードです。プレイリストのディスクリプションには「What pops out!? Roll the gacha and find your Neo J-Pop treasure. (何が出るかな?ガチャを回して新しいJ-Popのお宝を見つけてね)」というリスナーへのメッセージを記しています。

 「Gacha Pop」は音楽ジャンルではないため、アニメ関連曲、ボカロ、ネットカルチャー、hyperpop、VTuberなどボーダレスに選曲していますが、データを見ながら海外比率の高い楽曲、海外バイラルチャートで反応のある楽曲などを常に優先的にプログラミングしています。特定のジャンルに固執するのではなく、その時々で日本のポップカルチャーを象徴するような楽曲を柔軟性を持って提示していきます。

 いずれの楽曲もコアな部分に共通性はあるものの、それぞれの表現方法は多様であり、こうしたカラフルな雑多さこそ日本的で楽しいと感じます。

■「Gacha Pop」が海外で聴かれることのメリット

 「Gacha Pop」のプレイリストに入ることで、新たなオーディエンス層に発見され広くリーチすることができる、という流れができることを期待しています。

 あらゆる楽曲が日本のポップカルチャー(アニメ、VTuber、ボカロ、ゲーム、シティポップ、 Lo-Fi HipHopなど)との関連性を持ってプレゼンテーションされることによって、リスナーとの出会いの機会や可能性を広げ、単体ではリーチできなかったかもしれない広いオーディエンスの興味を喚起することができるかもしれません。

■日本の音楽やポップカルチャーの海外進出の可能性

 「Gacha Pop」はリリースした直後から反響が大きく、実際に海外での再生回数やリスナー数も急増し、非常に手応えを感じています。新しい日本のポップカルチャーの捉え方として「Gacha Pop」という視点・概念が広がり、日本の音楽やカルチャーがより広く世界で人気やムーブメントを起こしていくことを願っています。

 これまで日本人の中には「日本のエンターテインメントやカルチャーは特異・特別であるため、海外ではウケないのではないか」という先入観や心理的なバイアスを持っていた方も少なからずいらっしゃったように思います。「Gacha Pop」やここで紹介される音楽が早くもこれだけ海外のリスナーたちに響き、話題になっていることから、アーティストやクリエイターの皆さんや業界関係の方々だけでなく、日本の私たち一人ひとりが自らの文化に自信や誇りを強く持って欲しいと感じています。

最新のアプリ内体験で、BTSのお気に入りソングTOP5をシェアしよう!

My Top 5 BTS Songs

この10年間で、BTSは世界的な現象となり、K-POPは世界中で注目を集める存在になりました。BTSは最も熱狂的なファンベースを持ち、ファンは彼らの音楽と特別な関係を築いています。Spotifyは、グループの10周年を祝うために、BTSと共に「My Top 5: BTS Songs」という特別なラブレター体験を企画しました。

My Top 5 BTS Songs Experience 2

このインタラクティブな体験では、リスナーはBTSのディスコグラフィーから自分のお気に入りの楽曲を選び、シェアカードを作成し、それをSNS上で友人と共有することができます。BTSはSpotifyと協力して、彼らの過去10年間のディスコグラフィーを称えるための特別な選曲リストを作りました。

BTSは、「私たちが共に歩んできた道のりはすべて類稀なもので、進むにつれて変化していきました。私たちは、多くのリスナーにSpotifyと共に企画した『My Top 5: BTS Songs』を楽しんでいただきたいと願っており、ぜひお気に入りの曲を私たちと共有してほしいです」と述べています。

「My Top 5: BTS Songs」の使い方

My Top 5 BTS Songs Experience 1
  1. サービスのご利用地域が、この体験の対象地域であることをご確認ください。また、iPhoneのバージョンが8.8.40.xに最新であることを確認してください。
  1. あなたのデバイスで、下記のサイトにアクセスしてください。
    https://spotify.com/top5
  2. BTSの楽曲リストが表示されますので、お気に入りの5曲を選んでください。選んだ5曲は、ビジュアル表示にてドラッグして並び替え、自分のトップリストを作成することができます。
  3. 作成を終えたら、自身の選曲が表示されたシェアカードを受け取れます。シェアカードの背景は選ぶことができ、中にはBTSのグループバイアス(つまり、お気に入りのメンバー)をアピールするオプションもあります。
  4. 自分の選曲を反映したパーソナライズされたデジタルカードを作成したら、#spotifymytop5 を使ってソーシャルメディアで共有したり、友達と比較して楽しみましょう。

「My Top 5: BTS Songs」は、Spotify上でのインタラクティブな体験の進化系であり、これまでに実施してきたThe Weeknd、Kendrick Lamar、ROSALÍAなどのトップアーティストたちの「My Top 5 moments」に続くものです。こちらよりご体験ください。

本体験では、BTSがフィーチャリングされた他のアーティストの楽曲をはじめ、一部のカタログは選択できません。

「My Top 5: BTS Songs」の体験は、以下の48のマーケットで利用可能です:アメリカ、カナダ、ドイツ、オーストリア、スイス、フランス、ポーランド、トルコ、イギリス、アイルランド、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、香港、台湾、インド、イラク、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、カタール、ヨルダン、オマーン、レバノン、クウェート、モロッコ、スリランカ、バングラデシュ、パキスタン、ボツワナ、ブラジル、メキシコ、ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラ、チリ、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ。また、15の言語で利用できます:英語、英語-GB、フランス語-CA、フランス語、日本語、タイ語、ベトナム語、アラビア語、スペイン語-LATAM、韓国語、ポルトガル語、ポーランド語、トルコ語、ドイツ語、バハサ・インドネシア語

SEVENTEENをSpotifyで楽しもう!『Spotify x SEVENTEEN ‘FML’ THE POP-UP EXPERIENCE』をレポート

20230529 seventeen 99

■『FML』の世界が凝縮された空間に

 Spotifyでは、韓国の13人組グループ・SEVENTEENの10thミニアルバム『FML』リリースを記念して、参加無料の『Spotify x SEVENTEEN ‘FML’ THE POP-UP EXPERIENCE』を開催。5月25日から31日までの期間、渋谷 MAGNET by SHIBUYA109で実施中のミニポップアップの模様をお伝えします。

 会場は、3色・3種類で展開されている『FML』パッケージ盤のカラーイメージを踏襲した3つのセクションに分かれています。

淡いピンクの壁で区切られた1つ目のセクションは、整理券制の「FATED MONO LIFE」です。受付で整理券を受け取ると、「メンバーの直筆メッセージ」「4CUTフォトブース」や「FMLロゴ」での記念撮影などを楽しむことができます。その場で印刷してプレゼントされる4CUTフォト下にプリントされているコードをSpotifyで読み込むと、「SEVENTEEN Album Experience – playlist by Spotify」収録のJEONGHANからのメッセージを聴くことができます。また、本ブース内にはメッセージの日本語訳も展示されています。

 グレーの壁面いっぱいに飾られているのは、CARAT(SEVENTEENファン)からメンバーへ向けた愛のこもったメッセージの数々です。受付で渡される正方形の用紙にメッセージを書くと、期間中会場内に展示されます。会場では、一生懸命韓国語を調べながら真剣にメッセージをしたためるCARATのみなさんの姿も見られました。このメッセージウォールにはメンバー13人のソロ写真も展示されており、お気に入りのメンバーの近くにメッセージを掲示することもできます。

 そしてもう一つのセクションは、アイスグリーンの巨大ブックレット。アルバムのトラックリストやSpotifyコードが書かれた面と、曲名やアルバム名が印字された円形ミラーが設置された面があり、どちらもフォトスポットとしても最適です。

 来場者全員にポストカードのプレゼントも行われ、アルバムの世界が凝縮された空間となりました。

■Spotifyで楽しむSEVENTEENのコンテンツ

 Spotifyではこのポップアップ開催を記念し、SEVENTEENメンバーが一緒に聴いてもらいたい楽曲をセレクトした「SEVENTEEN Album Experience – playlist by Spotify」を公開中です。自らの楽曲に加え、J-POPからK-POP、グローバルポップまで幅広い選曲のプレイリストをお楽しみください。

 SEVENTEENのアルバム『FML』は、4月24日に配信リリース。4月25日には、収録曲「Super」が、Spotifyの日本のデイリーソングチャート31位にランクイン。また、K-POPアルバム歴代初動販売量最高記録を打ち立てた彼らの勢いが感じられる1枚です。ダブルタイトル曲の「F*ck My Life」と「Super」をはじめ、それぞれのユニット曲である「Fire」(HIPHOP TEAM)、「I Don’t Understand But I Luv U」(PERFOMANCE TEAM)、「Dust」(VOCAL TEAM)とグループ曲「April shower」の計6曲を収録しています。

Z世代はどのようにオーディオを活用しているのか?

20220815 Spotify CN Header

 文化や消費において、Z世代の影響力が急速に高まっていることは疑いようのない事実で、最新のSNSトレンドや、注目のアーティストもZ世代によって生み出されています。Spotifyでは、毎年「Culture Next」レポートを発表しており、Z世代のオーディオストリーミングとの関わり方や文化トレンド、そしてそれがSpotifyの広告主にとってどのような意味を持つのかを紹介しています。

 2022年度のレポートでは、世界中のZ世代の若者に対しインタビューを行い、注目すべき世界的なオーディオトレンドをいくつかのトピックにまとめました。本レポートを通じて、Z世代は、創造と消費の境界線を曖昧にしているのがお分かりになるかと思います。

※フルレポートはこちら

0617 Spotify CN Infographic 2022 2 1

創造の境界線を再定義する

 この傾向は、特にクリエイターとファンの関係性に大きく関わっています。かつては一方向からのコンテンツの配信で成立していた関係性ですが、今では双方向のインタラクティブなやりとりに変化しています。

 例えば、AnchorでSpotifyに配信されるポッドキャストでは、新たに投票やQAを行うことができるようになり、クリエイターとリスナーがインタラクティブにコミュニケーションを図ることができるようになりました。また、DiscordやTwitch、TikTokといったプラットフォームの出現により、Z世代のクリエイターは、ファンに語りかけるだけではなく、ファンからの話も聞けるようになりました。 実際にZ世代の47%が、特定のクリエイターのサブレディット(Reddit内のフォーラム)やDiscordなどのデジタル・コミュニティに参加したことがあると回答しています。

 Z世代がこうしたデジタルスペースを利用しているのは、自分たちのお気に入りのスターの最新情報を得るためだけではありません。特に新進気鋭のスターのファンコミュニティにおいては、他のファンやクリエイター本人と交流するためにこうしたプラットフォームを利用しています。

 この傾向について、21歳のシンガーソングライター、Dreamer Isiomaは「私たちはみんな仲間なんです」と述べています。

 日本でも、日本に住むZ世代の約3分の1 (29%) が、特定のクリエイターのファンが集うデジタルコミュニティに参加したことがあると回答しています。

 東京に住む18歳のSAKAIもクリエイターとリスナーの関係について以下のように語っています。「SNSが台頭する前は、クリエイターに関して得られる情報は限られていました。 私たちが見聞きするものは、メディアに管理されていたのです。今では誰もが好きなコンテンツを拡散できるため、アーティストやクリエイターについても以前より多様な情報をチェックすることができます。これによって、クリエイターとの関係も近くなったんです」

心の支えとなるポッドキャスト

 ファンと親密な関係を築いているのは、Z世代のミュージシャンだけではありません。ポッドキャストの世界では、有名人がホストを務め、熱心なファンを中心としたコミュニティが形成されています。このようなインタラクティブ性は、クリエイターが視聴者に効果的にアプローチする方法だけでなく、リスナーが消費するコンテンツとの関わり方を根本的に変えているのです。2022年第1四半期を前年と比較すると、Spotify上のZ世代におけるポッドキャストのリスナー数は平均して40%ほど増加しています。

 また、日本に住むZ世代のSpotifyでのポッドキャストの平均リスナー数も、2022年第1四半期と前年の比較で91%増加しており、現在、日本に住む18〜24歳の3分の1以上 (37%) が少なくとも毎週ポッドキャストを再生しています (15〜17歳では28%)。 

 ポッドキャストはZ世代にとって単なるエンタテインメントではなく、Z世代が生活の中で直面する複雑化した問題に取り組む際に、視点や理解を得るためのコンテンツとなっています。

 Z世代のクリエイターは、ポッドキャストを「自分たちをサポートしてくれるもの」と認識しており、コンテンツを利用する熱心なファンたちに囲まれていると感じています。なお、Z世代が最も聴いているポッドキャストジャンルであるメンタルヘルスは、2022年第1四半期には世界のZ世代における再生回数が前年比で約62%増加しました。

 メンタルヘルス関連のポッドキャストの再生回数は、日本のZ世代の間でも、2022年第1四半期に前年比400%も増加しました。ポッドキャスト番組「ゆとりっ娘たちのたわごと」のホストを務めるゆとたわは、ポッドキャストはリスナーにとって、自分のなかのリアルな感情と向き合う​​ための大きな支えになっていると指摘しています。

「リスナーによると、私のポッドキャストは『友達と話している感覚』なんだそうです。専門知識やトーク力がなくても、皆が何となく思っていることを言葉にすることで、『あ、わかる!』と共感してもらえるんだと思います」 

自分自身であれ

 For the Recordでは、Z世代が議論を呼ぶ(あるいはタブーとされる)可能性のあるアイデアや話題について取り上げる際に、ポッドキャストが魅力的な媒体であるという理由を深く理解するために、人気ポッドキャスト番組『Teenager Therapy』の共同ホストを務めるKayla Suarezにインタビューを実施しました。Z世代リスナーの間で長期的なコミュニティを構築する際に、誠実さや信頼性、傷つきやすさといったものが果たす役割について、彼女の意見を伺いました。

ーーZ世代のコンテンツ制作者の特徴の1つは、以前の世代に比べて、コミュニティとの対話が多いことだと思います。このような傾向は、どのような理由から生まれたのでしょうか?

Kayla Suarez:Z世代は、特にオンライン上において強いコミュニティ意識を持っていると思います。その理由は、同じような興味を持つ人たちのグループやポッドキャスト、あるいはブランドを見つけることができるからです。『Teenager Therapy』では、心の健康を提唱するとともに、私たち自身が偽りなく自分らしく、そして傷つきやすいことも伝えています。それゆえに、視聴者に対して正直であり、信頼と誠実さの基盤を確立できるのです。つまり、視聴者のことを知ると共に、リスナーにも私たちを信用してもらい、私たちが専門家でもセラピストでもなく、視聴者と同じ経験をしていることを知ってもらいたいんです。

 Z世代は、そういう姿勢をとても大切にしています。なぜなら現代は、ブランドが見せかけだけのことをしているのか、それとも本当に正直なのかを簡単に見分けることができるからです。だからこそブランドや企業が透明性をもって取り組むことが、とても有効になると思います。

ーー『Teenager Therapy』は、Anchorで制作されているそうですね。Anchorの魅力や、Anchorを使ったファンとの関わり方について教えてください。

Kayla Suarez:元々Anchorを使うというのは共同ホストのGaelのアイデアです。彼がポッドキャストを配信するのにAnchorが最も効率的な方法だと言っていたのを覚えています。それとコストがかからないこともAnchorを使う大きな理由でした。あと最近Anchor経由でSpotifyに配信する番組では、最後にリスナーに質問をしたり、投票してもらうことができるようになったので、その機能を利用しています。例えば、前回は恋愛における浮気について話していたのですが、その時にこう質問しました。「これは浮気だと思いますか、それとも浮気ではないと思いますか?」こんな感じのちょっとした工夫でリスナーを惹きつけることができるんです。

ーーポッドキャストがこうした会話を率直に展開できるのはなぜだと思いますか?

Kayla Suarez:私たちのリスナーは、とてもオープンマインドだから、仮に不快な話題であっても、議論すべき話題を話すために快適な空間を作り上げることができます。私たちは常に、見解が違っても互いに敬意を払うことを提唱しています。誰もが正しいわけではないことを認め、オープンマインドになることを奨励することが、大きな役割を担っていると思います。

 また、ポッドキャストは、ファンにとって非常に居心地がいいものだと思っています。司会者が耳元にいて、安全な環境で一緒に会話をしているような感覚を覚えます。こうした側面がZ世代に響く理由は、私たちの多くは孤独やストレスを感じることがあり、そのようなときにも誰か特定の人に相談できるとは限らないからです。

ーーZ世代のクリエイターがコミュニティとどのように関係を築いているかという話に戻りますが、お気に入りのリスナーとの交流方法はありますか?

Kayla Suarez:InstagramやDiscordといったプラットフォームを使って、リスナーに質問をしています。それとSpotify Liveは、リスナーを一つの場所に集めることができるので、個人的に気に入っている交流方法の一つです。とても親密で、基本的に何でも言える雰囲気があります。ステージに上がって悩みを打ち明けてくれるのは、いつも聴いてくれているリスナーたちです。リスナーの名前を呼んで、声をかけられるのは、本当にうれしいことですね。

ーーこれまでの『Teenager Therapy』で、特に印象的だったエピソードや瞬間はありますか?

Kayla Suarez:覚えている中で最も印象的だった出来事の一つは、私が大学に入学しようとしていたときでした。私自身は、特に日系移民一世の家系であることから、家を出ることに罪悪感を感じていたことを話していました。その時点ではこの気持ちを分かち合える仲間をまだ見つけていなかったので、みんながどう反応するかわからなかったんです。でも、ポッドキャストを通じて同じような思いをしている人たちがたくさんいたことで、大学への進学に悩んでいるのは自分だけではないことがわかり気持ちが楽になりました。アドバイスをしてくれる人もいたし、私にとっては本当にインパクトのある出来事でしたね。というのも、私はそのことについて、長い間悩んできたし、未だに少し悩んでいるからです。

より深く掘り下げる

 クリエイターと消費者の境界線の進化は、Z世代に関する注目すべきテーマであることは間違いありませんが、これはCulture Next 2022レポートの一部分に過ぎません。

 レポートでは、どのようにZ世代がオーディオストリーミングを利用して、アイデンティティを形成しているか、ノスタルジアを独自の方法で受け入れているか、Spotifyを利用して自分を表現しているか、といった洞察や調査結果も掘り起こしています。

 このレポートは広告主を念頭に置いて作成されましたが、Spotifyはこれらのトレンドから誰もが学びを得ることができると考えています。

 この新しい世代がどのように文化を変革しているのか、その全貌を知りたい方は、ぜひCulture Nextの全レポートをご覧ください。

連載「Chat with Spotify」 Spotify日本法人代表トニー・エリソンが語る、オーディオストリーミングのこれまでとこれから

20220602 tony03

 スポティファイジャパン株式会社 代表取締役を務めるトニー・エリソンが、ライフスタイルやカルチャー、ビジネスにおいて音楽や音声が果たす役割や可能性について各界のキーパーソンと語り合う対談連載「Chat with Spotify」がこの度スタートします。

 まずは連載スタートに先駆け、これまでMTVや任天堂、YouTube、ディズニーなどの様々なグローバル企業において次の時代のエンタテイントを追求・提案してきたトニーに対し、キャリアを通じて得た知見やビジョン、Spotifyやオーディオの可能性に対する考えを聞きました。

20220602 tony99

次のエンタテインメントは何?を追い求めてきたキャリア

▷はじめに、これまでの経歴や、各社で取り組んできたことについて聞かせてください。

トニー:これまで取り組んできたことは、大きくわけてふたつあります。一つは、日本と欧米の懸け橋としての役割です。私は、生まれた時から、日本とアメリカを行き来する生活を送ってきました。そういった背景から、両国の言葉や文化が身についており、それが仕事でも役立っています。日系企業ではアメリカで、欧米企業では日本で勤務していましたので、グローバルとローカルの双方の視点から複眼で市場を見ることを積み重ねてきたと自負していますし、それが現在のSpotifyでの仕事につながっています。

 もうひとつは、次世代のエンタテインメントビジネスの在り方を考える仕事です。子どもの頃からずっとメディアが好きで、インターネットやスマホがない時代ーーカセットテープやケーブルテレビが出てきたころから、日米両国のメディアの違いに興味があり、次のエンタテインメントはどんな形になるのかを常に考えてきたんです。ファーストキャリアは経営コンサルティング会社からはじまったのですが、入社後に配属されたのは通信関連の部署でした。1990年代の通信は非常に面白く、インターネットが初めて出てきた時代ですから、次のエンタテインメントはどのようなものになるかを勉強する絶好のチャンスでした。

 その後、アメリカの音楽&エンタテインメント専門チャンネルであるMTVに転職し、日本での事業展開やインターネットを活用した事業展開を担当しました。その後入社した任天堂では、日本のみならず、アメリカのシアトル本社やニューヨーク支社など、さまざまな場所で働きました。任天堂では、ゲーム機のハードウェアへの映像配信などに取り組んでいました。いまでこそ当たり前ですが、僕が任天堂にいた15年前は、そういったアイディアはまだ形になっていなかったのですが、そんななか、「ゲーム機はテレビとインターネットを繋ぐ媒介になるかも」と考えていました。

 YouTubeに動画を投稿するクリエイターが任天堂のIPを使用するにあたり、権利関係をクリアにした形で繋ぐプロジェクト「Nintendo Creators Program」での経験を経て、YouTubeに転職後は、アジアでのミュージックパートナーシップを担当していました。当時、音楽業界では、「Youtubeは違法動画である」と認識されることが多かったのですが、「YouTubeはアーティストをブレイクさせるための最高の手段で、敵ではなくて友達」という認識変化を起こすべく、業界関係者との関係構築や啓蒙に励みました。そして、ディズニーでは、ディズニーの保有するレガシーメディアを束ねて「Disney+」に移管するタイミングという大きな転換期を経験し、昨年Spotify Japanに入社しました。これまでのキャリアを振り返った時に、一貫しているのは、やはり「次はどうなるのか」「日米のギャップをどう埋めるのか」に関わる仕事をしてきたということですね。

▷Spotifyに可能性を感じた理由や、音声業界が面白いと思ったポイントを教えてください。

トニー:まず、僕はSpotifyという会社にすごく惹かれたんです。会う人がみんないい人だと感じたのと、「クリエイターとアーティストをファンと繋ぐ」という会社としてのミッションに全員が賛同しているのが伝わってきたんです。また、先ほどお話した“次のエンターテインメント”について考えたときに、これまで僕がやってきた映像の分野も盛り上がってはいるものの、オーディオに強い可能性を感じたのです。ビジネス的に市場が拡大する余地もまだまだ大きく、人々の生活を豊かにする新しい価値が提供できる分野だとも思いました。語りは人間の最も根本的なコミュニケーション手段でもあり、音声コンテンツには必然性があると感じました。

▷Spotifyの一員として、Spotifyの強みというのはどういうところだと思いますか?

トニー:たくさんある中のいくつかを挙げると、先ほどもお伝えしたように全員が会社のミッションに賛同していることです。戦国武将みたいな言い方かもしれませんが、みんなで心を一つにしているのは、組織としての大きな強みだと思うんですね。チームの創造力・創作力が素晴らしく、新しいことを日々試していて、常に果敢に新たな実験に取り組んでいます。また、Spotify自体が非常に大きなグローバルコミュニティを持っていることも大きな強みです。アクティブユーザー数は世界で4億を超えていますし、様々なアーティスト・クリエイターの国境を越えたファン作りにも成功しています。ファンとクリエイターの繋がりをプラットフォーム上での発見を通じて創り出せるだけでなく、様々なツールや方法によって関係性を深め、長期的なファンダムに繋げていくことができる。

20220602 tony04

Spotifyをユーザーの生活において必要な存在に

▷日本における音声ストリーミングサービスの現状をどう思っていますか。またさらに大きく成長する上での課題についてはどう考えていますか。

トニー:5年くらい前は「いつになったら日本の音楽業界はフィジカル中心でなくなるんだろう」と思っていたのですが、現在は世界に比べると少し後発ではあるものの、日本国内でもストリーミングの利用が高まってきていて、エンタテインメント業界のなかでも主流になってきたという感覚はあります。それは市場統計だけではなく、一般的なバラエティ番組やニュース番組でも音楽配信サービスが紹介され、メインストリームカルチャーにどんどん取り入れられているからです。宇宙人ジョーンズが主人公のサントリーコーヒー「クラフトボス」の最新版CMではSpotifyがフィーチャーされているんです(※1)。クラフトボスのラベルに印刷されたQRコードをスキャンすると、Spotifyのプレイリストにアクセスできるというキャンペーンです。素晴らしいのは、このキャンペーンは、我々から仕掛けたものではなく、企業側からお声がけいただいたものなんです。そういったところで、Spotifyがメインストリームになってきているということが言えるのではないかなと思います。

※1:https://mobile.suntory.co.jp/cpn/softdrink/craftboss/song-and-craftboss/info.html

▷そういった裏話があったんですね。

トニー:そうなんです。さらに嬉しいことに、そのプレイリスト自体もしっかり聴かれているんですよ。一方で、音声配信はさらなる成長を続けていくとも思っています。メインストリームになりつつあると言いながらも、広げていく余地はまだまだあり、今後は今までのユーザー層とは異なる方たちにも音声配信サービスの魅力に気付いていただき、使い始めるきっかけを提示していく必要があると思っています。また若い世代だけでなく、生活環境の変化から青春時代にすごく大好きだった音楽と距離が離れてしまっていた40代以上の方々にも、音楽やトーク番組のある生活の楽しさを再発見、再認識してもらうための工夫も必要だと考えています。

▷たしかにそうですね。人の生活様式も変わっていくなかで、ストリーミングが当たり前になった世界において、次になにをするのかが大事になってくる。

トニー:これまでは主に音楽、最近はポッドキャストといったコンテンツに力を入れて、Spotifyは成長を続けてきました。ただ、これからは生活密着型というか、ひとりひとりの生活に役立ち、ライフスタイルを彩るような存在になっていく必要があると思っています。例えばSpotifyを利用してもらうのに、「音楽を聴けます」ではなく「リラクゼーションできます」という言い換えをしてみる。音楽のことを気にしていない人に、「このアーティストの音楽を聴けますよ」と言っても興味を持ってもらえないですが、その人に「実は最近夜眠れないんだよ」といった悩みがあったとすると、例えばヒーリング系の音楽や快眠のためのノウハウを紹介するポッドキャストを提案することで、自分ごととして捉え、興味を持ってもらえるかもしれない。または、料理をしながら英会話講座を聴いたり、走りながらテンポにあった音楽を聴いたりと、目的な生活シーンに応じた接点やアプローチを作ることもできる。ただそれは、Spotifyの力だけでは難しい。Spotifyはフィットネスや料理のエキスパートではないので、Spotifyが自ら「子どものお弁当を作っているときにこの音楽がいいよ」と言っても誰も振り向かないんですよ。だから、よりユーザーに関心を持ってもらうためにもSpotifyと相性のいいパートナーと一緒になって取り組むことが不可欠ですし、みなさんの力を借りることで、Spotifyはユーザーの生活において必要な存在になっていくことができると思っています。

▷今後、開拓していきたいと思っている領域は?

トニー:これまでにも実施し、今後もどんどん力を入れていきたいと思っている分野のひとつは「映画とアニメ」。映画を見る人が必ずしも音楽ファンというわけではないですが、映画での感動体験には、音楽が大きな役割を果たしていることも多いんです。映画を見終わって「あの感動をもう一度味わいたい」となったとき、感動をよみがえらせるには音楽が効果的なんです。しかもそれで映画のファンが増えれば双方にとって望ましいですか。そういう意味でアニメや映画とのタイアップには力を入れていきたいです。社内の会議でも、常にそういった話をしているんですよ。ターゲットユーザーの1日の生活はどういうもので、朝起きて最初に何をするのか、車に乗るのか電車に乗るのか、食事中は何を見たり聴いたりしているのかとか。そういうことを想像していくうちに、こういうところとパートナーシップを組めたらいいのか、というのが見えてくるんです。

▷その視点でいろんなものを捉えていけばイメージがしやすいというか、ビジョンが見えやすいですね。

トニー:はい。先ほど紹介した「クラフトボス」のようにブランドや企業がユーザーとコミュニケーションするときに、音楽やオーディオを媒介として使う事例は実際増えてきていますからね。いまやSNSは、社会インフラじゃないですか。テレビ番組も商店街のお店も、みんなTwitterかInstagramかYouTubeか、そのうち少なくともひとつはやっている。Spotifyの本質的な価値が理解され、本当に拡大していくと、それらのインフラに比肩しうると思うんですね。ただ、すごく守りたいのは「ただのインフラではなくて、愛されるインフラ」であること。無機質なものではなく、Spotifyのロゴを見て、ユーザーとクリエイターにときめきを感じてもらえるようになってほしい。

▷そんななか中で、Spotifyというプラットフォームをどういった存在にしていきたいか、そのためになにをしていかなければならないと感じますか。

トニー:シンプルに言うと、アーティストとクリエイターとユーザー全員に一番愛されるプラットフォームになりたいです。いろんな要素があって愛されるものになると思うのですが、結局大事なものは「信頼」だと思っています。Spotifyにコンテンツを提供すると確実にファンにリーチできるし、Spotifyは約束を守る、そういったプラットフォームでありたいです。その環境を作るにあたって、アーティストとの繋がりや、そこからさらなる横の繋がりを強化していくことによって、アーティストやクリエイターからも「Spotifyは間違いないよね」と感じてもらえるのかなと。ユーザーも、自分の大好きなコンテンツが簡単に見つかり、大好きなクリエイターやアーティストと繋がることでより深い経験ができるという世界が実現すると、どんどんSpotifyのことを好きになってもらえるのではないかと思いますね。

 その夢を実現するにあたって、まだまだやるべきことはたくさんあります。中南米のアーティストがヨーロッパでブレイクしたり、K-POPをグローバルブレイクさせているのにSpotifyが大きく貢献しているんだというニュースもおかげさまでいろんなところに掲載されたりしていますが、日本でもそういった成功例をたくさん作りたいです。日本国内でSpotifyを大きくすることはもちろんですが、日本のエンタテインメント業界が一番望んでいるのは「日本のアーティストをSpotifyの力で世界に発信していくこと」だと思うので、これに向けて一丸となって頑張っていきたいです。

ウォルマート・プラス(Walmart+)会員にSpotify Premium6カ月無料トライアルを実施

20220429 walmartp

Spotifyはウォルマート・プラス(Walmart+)と連携し、ウォルマート・プラスの新規および既存会員にSpotify Premiumの6カ月間無料トライアルを提供しています。ウォルマート・プラスに会員登録すると、送料無料配送、店舗のキャンペーンやイベントへの早期アクセスなどのほかに、処方薬とガソリンを割引価格で購入できる特典が受けられます。

世界最大の小売業者の1つであるウォルマートと、世界で最も人気のストリーミングプラットフォームであるSpotifyが実施するWalmart+会員向けの新キャンペーンは、この種の取り組みとしては初めての試みとなります。本キャンペーンは、過去にSpotify Premiumに加入したことのないウォルマート・プラスの新規会員、および既存会員の両方に適用されます。詳細は、Spotifyとウォルマートのキャンペーンページをご確認ください。

無料トライアルに申し込むと、ウォルマート・プラス会員はSpotifyの個人向け Premiumプランを最初の6カ月間無料で利用でき、8,200万以上の曲を広告なしで楽しめます。さらに、スキップ機能の利用や、スマートフォン・PCの両方でオンデマンドでお気に入りの曲を再生できるほか、オフラインや外出先で視聴するために、曲をデバイスにダウンロードすることも可能です。

Spotifyのプレミアムパートナーシップおよび事業開発担当ヴァイスプレジデントのMarc Hazanは、今回の取り組みについて「ウォルマートの規模と顧客網を活用することで、米国のより多くの人々に、最高のオーディオコンテンツを提供する機会を得ることができます。私たちは常に、より多くのリスナーがお気に入りのアーティストに出会えるサービスを追求することへの我々の情熱を共有できるパートナーとの連携を模索しており、ウォルマートは最高のパートナーであると感じています。ウォルマート・プラスの会員に、さらなるエンタテインメントを提供できることをうれしく思います」とコメントを寄せています。

ウォルマート・プラスとSpotifyは、実際の店舗・オンラインにかかわらず、ユーザーに最高のサービスを低コストで提供したいと考えています。今回のパートナーシップによって、ウォルマート・プラスの会員はいつでもどこにいても、世界中のアーティストの楽曲にアクセスできるようになりました。

ウォルマート・プラス会員で、まだSpotify Premiumユーザーでない方は、この機会に6か月間の無料トライアルをお試しください。

SpotifyとGoogleが連携し、決済方法の選択肢を拡充

20220429 ucb

SpotifyはGoogleとの新たなパートナーシップを発表しました。これは、ユーザーの決済手段の選択に関する初めての試みで、ユーザーと開発者の両方にメリットのある複数年契約となります。  

Google PlayストアからSpotifyをダウンロードしたユーザーは、Google Playの決済システムかSpotifyの決済システムかを選択できるようになります。 決済方法が選択できるようになるのは今回が初めてで、Spotifyは引き続き、ユーザーと柔軟なコミュニケーションを取りながら、有料プレミアムプランの「Spotify Premium」のキャンペーンやプロモーションを行い、ユーザーがSpotifyアプリから直接Premiumに加入できるよう取り組んでいきます。

今後数か月間、SpotifyはGoogleのプロダクトチームおよびエンジニアリングチームと協力しながらこの新機能を構築し、Spotifyのプレミアムプランが利用できるすべての市場で導入していきます。また、2社の取り組みを通して学びを深め、ユーザーの決済手段選択の仕組みをAndroidのプラットフォーム全体に拡張できるよう模索していきたいと考えています。今年後半には、新機能の最初のバージョンをリリース予定です。  

Spotifyはこれまで、プラットフォームの公平性と決済オプションの強化を公に掲げてきました。公平でオープンなプラットフォームは、より良いユーザー体験と、開発者のさらなる成長と繁栄を実現させると考えています。今後もすべての人にとって、快適なプラットフォームとなるよう努めていきます。

Spotify チーフフリーミアム事業オフィサー Alex Norström コメント

「Spotifyは、アプリ開発者が自由にイノベーションを起こし、切磋琢磨できる公平な環境づくりに長年取り組んできました。Googleと連携し、開発者、ユーザー、およびインターネットエコシステム全体に、より柔軟な決済方法の選択肢を提供できることをうれしく思います。私たちが共同で行うこの取り組みで、業界にさらなる利益をもたらす道が切り開けることを期待しています」

Google 製品管理担当バイスプレジデント Sameer Samat コメント

「Androidは常に、透明性とユーザーの選択を重視してきました。今回の取り組みは、モバイルのアプリストアにとって重要な節目であり、Spotify以上に適した最初のパートナーは思い浮かびません。Spotifyは私たちと同じくユーザーの選択を尊重し、エコシステム全体の健全さのために、AndroidとGoogle Playへの投資継続が重要であることを理解しています。これは、エキサイティングな最初の一歩であり、今後、新たなパートナーを迎え、このモデルをプラットフォーム全体に浸透させていきたいと考えています」

Spotifyが「Loud & Clear」を通してデータを公開する意義 ストリーミングが多くのアーティストに与える機会

20220511 landc 01

Spotifyは、アーティストへの支払いやロイヤリティについて解説する情報サイト「Loud & Clear」を通して、より健全で多様性のある音楽業界の実現に向けた透明性あるデータを公開しています。

Spotify及びストリーミングサービスは、音楽業界に対して具体的にどのような貢献をもたらしているのでしょうか。スポティファイジャパン音楽事業部門の新統括責任者・大西響太が、2021年の調査結果をまとめた最新情報をもとにストリーミングがより多くのアーティストに与える機会について解説します。

Spotifyは世界の録音音楽収益の20%以上を占める存在に

スポティファイジャパン音楽事業部門の新統括責任者・大西響太

▷なぜSpotifyは「Loud & Clear」を立ち上げたのでしょうか? 

大西:Spotifyはミッションとして、才能あるアーティストが作品への対価を得られ、また世界中たくさんのファンがそれらの作品を楽しめる環境を創り出すことで、人々のクリエイティビティを引き出したり、刺激することを掲げています。

2008年のサービス開始以来、このミッションの実現に向けて、Spotifyではテクノロジーを利用して、音楽の聴き方や届け方に革新を起こし、世界中のアーティストとリスナーを繋ぐことに取り組んできました。ストリーミングの広がりによって、これまでなかった方法でアーティストがリスナーに発見されたり、人気を獲得することができるようになり、国境や時代を越えて愛されるアーティストや楽曲が数多く生まれることになりました。

その一方で、未だに音楽業界がアーティストやソングライターに対して、「どういった形でビジネスを成長させることができるのか」ということをきちんと提示できていない部分もあると思っています。故にストリーミングがもたらす経済的な側面についても、より透明性をもって示す必要があると考え、Spotifyは「Loud & Clear」プロジェクトを開始しました。ロイヤリティの仕組みを始め、ここに関連する成功体験やプロセスについて、わかりやすく解説するという取り組みを音楽業界として初めて採択しました。

▷ストリーミング市場は引き続き活況のようですが、その中でSpotifyは音楽業界に対して、どれぐらいの利益を還元されているのでしょうか?

大西:より多くの人にストリーミングが音楽業界の成長に貢献していることを理解してもらうことを願って、2021年のストリーミングの成果に関する数字と調査結果など最新のアップデートを含むレポートを公開しました。そのデータを参考に説明すると、2021年にSpotifyは権利者に対して、過去最高となる70億ドルを支払っています。これは2017年に支払った33億ドルという額の2倍以上となっていて、Spotifyが創業以来、権利者へ支払ってきた300億ドルのうちの大きな割合を占めます。

70億ドルという金額は、業界が最も隆盛だった2000年のどのCD販売店よりも、またデジタルダウンロードが最盛期であった頃のiTunesよりも多く、ひとつの流通プラットフォームが音楽業界に対して支払った金額としても、最も高額であることがわかりました。

▷Spotifyは、ストリーミングを通じて、これまでにより多くのアーティストが収入を得るための機会を増やすことに取り組んできましたが、今、現在はどれくらいのアーティストがSpotifyと利益を共有できているのでしょうか?

大西:昨年初めてSpotifyで5万人以上のアーティストが1万ドル以上の収益を生み出すことができましたが、そのうちの1,000人以上のアーティストは100万ドル以上の収益を生み出しています。1万ドル、10万ドル、100万ドルの各規模の収益をあげたアーティストの数も、過去5年間でそれぞれ2倍以上になっています。また今年からは過去5年間で200万ドル以上、500万ドル以上の収益を上げたアーティストの数や増加率も「Loud & Clear」上で確認できます。さらに驚くべきことにこれら全ての収益は、Spotifyからのみで生み出されています。

IFPI(国際レコード産業連盟)が発表した数字によると、Spotifyは世界の録音音楽収益の20%以上を占めています。アーティストにはこの他にもライブツアーやマーチャンダイズといった録音音楽以外からの収益も存在します。

またSpotifyだけで年間100万ドル以上を稼ぎ出すアーティストが1,000人いるとすると、彼らは全てのストリーミングサービスを含めると年間300万ドル以上を稼いでいる可能性が高いと言われています。

▷ちなみに録音音楽収益にはどのようなものが含まれるのでしょうか。またそれ以外のアーティストの収益として挙げられるものにはどんなものがありますか?

大西:録音収益には、ストリーミング以外にCDなどのフィジカル(パッケージ商品)、*シンクロ(音楽シンクロライセンス)、ダウンロード、演奏権などが含まれます。また、アーティストの収益にはそれら以外にライブや物販の収益もありますね。ちなみにSpotifyでは、直接アーティストのライブのチケット販売や物販をしているわけではありませんが、サイトやアプリ上から各販売プラットフォームでファンが買いたいものを購入できるように誘導する導線を設けています。

*特定の楽曲の著作権者から付与される音楽ライセンスで、ライセンシーが何らかの視覚メディア出力(映画、テレビ番組、広告、ビデオゲーム、ウェブサイトの付随音楽、映画の予告編など)に音楽を同期(シンク)させることを許可するもの

アーティストがリスナーやファンとの関係を強化するためにも活用できるプラットフォーム

20220511 landc 03

▷ストリーミングの普及以降、アーティストは以前よりも自分たちの音楽の聴取傾向や収益のデータにアクセスしやすくなったと思いますが、それを機に実際にアーティストが自分たちの収益について考える機会は増えたと思いますか?

大西:どういう形で自分たちのファンを増やしていき、それを活用することによって、ビジネスチャンスを広げるかに対して能動的に考えるアーティストが増えています。例えば、Spotifyには「Spotify for Artists」というSpotifyで音楽を配信しているアーティストやその関係者向けのダッシュボードがありますが、自分たちの音楽をより広く届けるためのマーケティング施策やツアーの内容やセットリストなどを検討する際にも、こうしたデータベースを活用することができます。最近は、そういった意識自体がアーティストの中で高まってきたように感じています。

▷現在の音楽業界では、あらゆるキャリアステージにあるアーティストに、成功できる可能性や機会が広がりました。ストリーミングはその原動力になっていると思いますが、具体的には業界の各カテゴリー毎にどのような成功が見られるのでしょうか?

大西:まずレーベルとパブリッシャーは、現状過去最高の収益を上げています。Spotifyは2年連続で出版権者に10億ドル以上を支払っていますが、ストリーミングによって、世界中のアーティストはこれまで以上に収益化の機会を得られるようになりました。またレーベルに所属せずにセルフリリースするアーティストに関しても同じように収益化の機会が広がりました。

実際にデータを見ると、Spotifyから1万ドル以上の収益を得たアーティストの43%は、音楽売上市場としてトップ10に入る国や地域以外に住んでいます。このことからストリーミングによって、より多様な国や地域のアーティストも音楽業界でキャリアを築くことができるようになってきたことがわかります。

また、Spotifyから1万ドル以上の収益を上げたアーティストのうち、28%以上がセルフリリース型のアーティストです。彼らはレーベルに所属しなくても、TuneCoreなど音楽ディストリビューターを通して配信することで、収益の大部分を手に入れることができています。

▷先ほどレーベルやパブリッシャーが過去最高の収益を上げているとのお話しがありましたが、そのような状況になったことで例えば、レーベルが既存の所属アーティストや新人アーティストに投資する機会は増えているのでしょうか?

大西:レーベルやパブリッシャーがアーティストに投資する機会は増えてきていると思います。具体的にはストリーミングがきっかけになって得た収益を元手に新たにプロモーション・キャンペーンを仕掛けることなどが考えられますが、経済活動がより活性化してきたことは長い目で見て業界全体にとって良い結果につながると思っています。

またストリーミングでこれまで以上に収益を得ることができているのであれば、メジャーレーベルが投資する範疇にいない、セルフリリースをするインディペンデントアーティストであっても、その収益をデータベースを参照しながら、効率よくプロモーションに充てることができます。それとディストリビューターを通じて配信すれば、自分たちの音源が発見されるチャンスも広がりますね。そういった相乗効果がストリーミングによって生まれていると考えています。

▷収益面以外でSpotifyは日本のアーティストに対してどのような機会を与えていると思いますか?

大西:Spotifyによって、アーティストは新しいリスナーに自分たちの音源を届けられるようになりました。これはアーティストが数多くの潜在的なファンに対して、リーチできるようになったということを意味します。

その方法として挙げられるのが、多様なプレイリストと機械学習によって個人最適化されたレコメンデーションです。これによってまだ知名度があまりない新人アーティストでも自身の音楽を気に入ってくれそうなリスナーに発見してもらえる可能性が広がり、それを聴いた結果、他のリスナーにシェアするようになれば、そこでまた音楽が広がっていくことになります。そういった共有のしやすさ、シェアラビリティの高さもSpotifyの魅力です。

最近ではアーティストが国境やジャンル、場合によっては時代を越えて新たなリスナーにリーチを広げていくケースも見られるようになってきました。K-POPやラテンポップなどの特定の地域で人気を得ていた音楽が世界中にリスナーを広げ、ここから世界的なスーパースターが誕生する機会も増えています。国内アーティストの作品も世界に届けられるのはSpotifyの強みです。

またストリーミングの時代になってから楽曲へのフィーチャリングに代表されるような、アーティスト同士のジャンルや国を超えたコラボレーションも増えています。あるアーティストと別のアーティストがコラボレーションすることで、そのコラボレーションしたアーティストの音楽をよく聴いているリスナーにも自身の音楽をレコメンデーションされやすくなるので、より広いそうに聴いてもらうきっけかになると言えますね。

加えてSpotifyは、音楽を聴きながら歌詞を読み込んだり、お気に入りのアーティストと一緒に歌える「シンガロング」など、アーティストとリスナーとのより深い関係を作っていくための機能も多数持っています。プレイリストやレコメンデーションで自身の音楽に出会ったリスナーにも、こうした機能を通じてより深い世界観を知ってもらうことができ、さらなるファンになってもらうことができるかもしれません。Spotifyはリスナーを広げるだけでなく、アーティストがリスナーやファンとの関係を強化するためにも活用できるプラットフォームだと考えています。

「Spotify Greenroom」が「Spotify Live」に名称変更 Spotifyアプリ内でも利用が可能に

FTR Header 1 1 1440x733 1

2021年に「Greenroom」をスタートさせた時、私たちは、このライブリスニング機能を通して、ファンとクリエーターがよりつながりを深められる環境をSpotifyのエコシステム内で提供したいという想いがありました。以降、「Spotify Greenroom」はアップデートを繰り返し、ライブリスニング体験を強化してきました。

そして今回、Spotifyは、「Greenroom」の名称を「Spotify Live」に変更し、その機能をSpotifyアプリに統合することを発表いたします。この変更は、ライブオーディオクリエイターや世界で4億600万のSpotifyリスナーに提供されているライブ体験の未来に対する我々の確信を反映させたものです。

変更点

「Spotify Live」は、既にリスナーやクリエイターに愛用されているSpotify Liveアプリだけでなく、Spotifyアプリのライブストリーム機能からも利用できるようになります。

リスナーは、クリエイターのポッドキャスト番組やアーティストページからライブ配信を視聴できるようになります。チャットの書き込みやライブへの参加については、これまで通りSpotify Liveアプリをご利用ください。

まず第一弾として、Spotifyは、選りすぐりのオリジナル番組のライブオーディオ化に着手します。また個人クリエイターも、Spotify Live アプリからライブ配信を行うことができます。これらのライブ配信には、Spotifyアプリ上のクリエイターのアーティストページからアクセスいただけます。もし他のファンとのトークやチャットなどの交流を楽しみたい場合は、「Spotify live」アプリをご利用ください。

以下は、4月-5月にかけて予定しているライブコンテンツです。

「Alex CooperのAfter Hours 」

greenroom spotify alexCooper photo 3000x3000 3 2048x2048 1

Spotify独占配信番組「Call Her Daddy」のホストであるAlex Cooperは、4月13日水曜日の22時(東部時間)にトークショーをライブ配信します。Alexの生トークをファンはリアルタイムで楽しめます。ライブの時間の都合がつかない方もオンデマンド版であるAfter Hoursから聴取できます。「Call Her Daddy」は、何百万ものリスナーを世界中に持ち、2021年には、全世界のSpotify上でのポッドキャストの中で2番目に人気なポッドキャストに選ばれています。

Swedish House Mafiaの新アルバム『Paradise Again』のSpotifyとの共同リリース記念ライブ

4月15日の金曜深夜に、Swedish House MafiaとSpotify共同の初のライブイベントを開催します。このライブは、Swedish House Mafiaの再結成と、新アルバム『Paradise Again』のリリースを記念して行うもので、特定の国のみへの配信ではありますが、アーカイブ配信はないので、見逃さないようにチェックしてください。

「Hasan MinhajのKing of the Court」

NBAのプレイオフシーズンがやってきました。Hasan Minhaj (Batman UnburiedのRiddler役)は、5月のNBAカンファレンスファイナル期間中、試合の実況や知識を交えた解説を、スペシャルゲストと共にファンに届けてくれます。詳細は、NBAプレイオフがはじまるまでお待ちください。

DJ AkademiksとゲストWaka Flocka Flameによるライブ配信

DJ Akademiksは、トークの王様として親しまれています。そんな彼のホストするポッドキャスト番組「Off the Record with DJ Akademiks」をSpotifyでライブ配信します。スペシャルゲストWaka Flocka Flameを迎えてのライブは、4月12日 12時半(東部時間)配信予定です。最先端の音楽、エンタメ、そしてカルチャーについて語ってくれます。今後のライブにもご注目ください。

「Tana MongeauのTana’s Toxic Tips」

spotify tanaToxicTips 3000x3000 2048x2048 1

もしあなたが、年配者のあまりにも正論なアドバイスにうんざりしているなら、「Tana’s Toxic Tips」はあなたにぴったりです。これは、人気インフルエンサーTana Mongeauと直接会話できるチャンスのある番組です。 4月13日水曜日の21時(東部時間)開始予定で、オンデマンド配信も行います。

お気に入りのGreenroom ショーをSpotify Liveでも楽しめるように

お気に入りのライブ配信のスケジュールをカレンダーに追加しましたか? これらのコンテンツは、全てSpotifyアプリから聴取可能です。お忘れなく!

ライブリスニングをはじめよう!Spotify Liveが今夜スタートします。オンデマンド配信予定のない4月15日金曜のSwedish House Mafiaによるカリフォルニアからのライブは特にお聴き逃しなく。

 最新のライブやニュース情報は、@Spotify LiveのTwitterInstagramよりご確認ください。