「3DオーディオやASMR、スクリプトの工夫など、音声ならではのテクニックを活用して最も没入感のある体験を実現したキャンペーン」を表彰する部門である〈Ear Candy部門(ベストイマーシブオーディオキャンペーン)〉のプレゼンターを務めたのは北原規稚子氏(MICHI inc. CEO / Brand Creator)。
「Spotify上のアーティストやクリエイターのファンたちと効果的にエンゲージしたキャンペーン」 を表彰する部門である〈For the Fans部門(ベストオーディエンスストラテジーキャンペーン)〉では、Dos Monosのメンバーであり、クリエイティブディレクターとして活躍しながら、人気音声コンテンツを多数手掛けるTaiTan氏(ラッパー・クリエイティブディレクター)がプレゼンターとして登壇。
世界で7億1300万人以上が利用するオーディオストリーミングサービス Spotify(会社名 Spotify AB / 本社 Stockholm、Sweden)は、2025年11月10日、音の力で人とブランドをつなぐ革新的な広告・クリエイティブを称えるアワード「Spotify Hits Japan 2025」を開催し、各部門の受賞作品を発表しました。
イナモト氏:これはポッドキャストに限らずですが、ここ5年くらいの間、自分の個人的なミッションとして掲げているのは「Make Japan Matter」という言葉で、日本語で言えば「日本を世界で必要不可欠な存在にする」という意味があります。僕は海外に出てもうすぐ25年ですが、2000年前後くらいは「日本って物価が高いよね」なんてアメリカやヨーロッパに住んでいる友人たちに言われたものです。ただ、2010年くらいから僕の周辺の人がある種の危機感があると教えてくれていて。当時は「本当にそうかな?」と反感を持っていたのですが、一歩下がって冷静に見てみると、たしかに日本の存在感は年々薄れていっているように感じましたし、2025年の現在はその危機感が現実のものとなっています。僕は生まれてから最初の15年を日本で過ごしてきたので、それがすごく残念に思えてきて。いち個人として大きな貢献ができるわけではありませんが、自分の経験や視点を発信することで、これからの日本を支える誰かにインスピレーションを与えられればいいなと思い、細々と配信をしているんです。
イベントは、Spotify グローバル広告営業とパートナーシップ最高責任者のブライアン・バーナーによるスピーチからスタート。「クリエイティビティはSpotifyブランドの中核をなすもの。私たちは、Spotify上でユニークなインサイトや体験を実現するために、ブランドとの提携を続けています」と語り、グローバルで成功した事例として、米国のセブンイレブンと提携した「Slurpee Song of the Summer」を挙げました。このキャンペーンは、セブン-イレブンとSpotifyがすでにZ世代やミレニアル世代と築いている強いつながりを活かし、セブン-イレブン店舗への来店促進を狙ったもの。Maiya The Don, 2Rare & Kari Fauxによるブランド・ソング「Anything Flows」や、店舗で買い物をするとミュージックビデオに出演できるチャンスを作ることで多くの集客を行ったほか、楽曲も数百万回の再生を記録し、Spotifyの主要プレイリスト「RapCaviar」にも収録。Spotifyのユーザーインサイトを活用し、消費者のエンゲージメントと店頭販売を促進すると同時に、ブランドとカルチャーとのつながりを示す素晴らしい例となりました。
グランプリの「Spotify Mic Drop」は、株式会社博報堂の企画・制作による日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社の「知られざる定番「和カツバーガー」リローンチキャンペーン『Yes! 和カツ食いに行く』」が受賞。企画を担当した株式会社博報堂 関西支社統合プラニング局の原田真由さんは「ケンタッキーに和風チキンカツバーガーという定番商品があるが『好きな人はすごく好きだが知らない人もいる』という状態で『和カツ』と略してリローンチするタイミングでした。知られざる定番をみんなの定番にしたいということで『和カツ』と『高須』で韻が踏める、さらに「クリニック」と「食いに行く」で韻が踏めると思い、そのままキャンペーンワードとして使おうと高須クリニックさんに相談しに行ったところ快諾いただいた。さらに楽曲を作ったアーティストさんにも相談しに行ったら、ぜひやりたいということで活動休止中にも関わらず制作してくださったし、揚げる音を使用して映像のない状態でおいしさを想起させることもできた。Xでも『高須かと思ったら和カツかい!』といったような投稿も散見され、プラットフォームを超えた効果を感じることができた」と喜びを明かした。
その後、Spotify Japanの田村と審査員の嶋さん、田中さん、そして各受賞作品代表、原田さん、CHOCOLATE Inc. クリエイティブディレクターの市川晴華さん、川田さんの6名によるパネルディスカッションへ。まずは日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社の「知られざる定番「和カツバーガー」リローンチキャンペーン『Yes! 和カツ食いに行く』」がグランプリを受賞したことについて、嶋さんは「これ、相当口ずさんじゃいますよね。Spotifyということで音楽を使った広告が多かったけど、これは原曲が全く違う会社のCMソングなのに、リスペクトを払いつつ全く違う世界観で蘇らせたのが大きい。細かく聴いても、ディティールまですごく研究されていた」、田中さんは「一番頭から離れなくて、お風呂の中でも浮かんでくる感じ。プラットフォームとして音楽を大事にしているSpotifyのなかで最高のドアノック。音楽をコンテンツに昇華した感じがすごくフィットしている。これを実現したスタッフさんの各所への交渉をはじめとしたチームワークも含め、羨ましいと思った」とコメント。企画を手掛けた原田さんは「交渉するなかで、アーティストの方は原曲の良さを活かしつつ、Spotifyで流れた時にリスナーに嫌がられないようアレンジしてくださった。原曲が『beautiful smile』という曲なのですが、最初はWeb動画用にアレンジしていたものを、さらに音声用に歌詞を変え、より媒体にマッチするようにしました」と明かしました。
広告に関するセッションの後には、Michael Kanekoによるライブパフォーマンスも。「Daydreams」や「Strangers In The Night」などの 人気楽曲で会場を盛り上げました。また、イベントの最後にはネットワーキングの時間も設け、広告主とSpotifyメンバーとで交流を深めたのち、この日のイベントは終了しました。
・イタリアのブランド「Mulino Bianco」は彼らの既存商品である「Fette Rigate」と共に、新しい種類のラスクの発表プロモーションにSpotifyを利用しました。イタリア最大級の食品会社であるBarilla社がスポンサードする、一日のはじまりにぴったりの音楽が楽しめるモーニングプレイリスト「”Il Caffè del Buongiorno!」と連動したキャンペーンは、ユーザーの関心を集めることに成功しました。新しい商品に対する好感度は、5ポイント、購入可能性は、2ポイントアップしました。
・イギリスのシリアルブランド「Dorset Cereals」は、X世代やミレニアル世代の消費者にゆっくり朝食を取ることを推奨する「Breakfast on the Slow」キャンペーンを展開し、キャンペーンを通したブランド認知と購入意向の向上を目的に、Spotifyキャンペーンを走らせました。キャンペーンでは、事前に定めた朝の時間帯にSpotifyを起動したユーザーに向けて広告を配信し、ブランド認知度+5ポイント、購入意向+3ポイント、そして彼らの次の朝食のブランド認知のトップの結果を出すことに成功しました。
2020年の初め、SpotifyはStreaming Ad Insertion (SAI) を発表しました。これは、最新のデジタルマーケティングに求められる精度と透明性を確保しながら、リスナーに寄り添う高品質なポッドキャスト広告を配信する機能です。SAIでは、プランニング、レポート作成、測定の各種ソリューションが揃ったデジタルスイートをはじめ、まったく新しいデータセットに基づくインサイトをポッドキャスト広告に提供するものです。SAIは現在米国、カナダ、ドイツ、英国で提供されており、その他の市場でも年内に提供が開始される予定です。
Spotify Advertisingの利用を始める広告主に最も適した方法は、セルフサービスのプラットフォームであるSpotify Ad Studioを活用することです。Spotify Ad Studioでは、Fortune 500にも選出されたトップブランドから、アーティスト、地域のコーヒーショップまで、あらゆる規模の広告主がストリーミングオーディオ広告を利用することができます。Spotify Ad Studioを使うことで、広告主は世界数億人のSpotifyリスナーにリーチでき、ストリーミングインテリジェンスを活用して最適なタイミングで最適なリスナーにメッセージを届けることが可能です。
本日より、Spotify Ad Studioを利用したポッドキャスト広告買い付けのベータ版テストを米国で開始いたします。Spotify Ad Studioへのポッドキャスト広告の導入により広告主は、お気に入りのポッドキャストを楽しんでいるリスナーや、新しいプレイリストを探しているリスナーなど、Spotifyを熱心に利用するユーザーと、簡単にそして大規模につながることができます。
今回ご紹介したSpotify Audience Network、Streaming Ad Insertion、およびSpotify Ad Studioを利用したポッドキャスト広告の買い付けは、今後何年にもわたりクリエイター、スポンサー、リスナーの皆様にメリットを提供することでしょう。
パーソナルで、スクリーンを必要としないポッドキャストというメディアの可能性を広げるSpotifyにとって、Megaphoneの買収は新たな一歩となります。今年の初め、SpotifyはStreaming Ad Insertionを発表しました。これは、従来のパーソナルで良質なポッドキャスト広告に、現代的なデジタルマーケティングの正確性と透明性を与えた革新的なポッドキャスト広告技術です。Streaming Ad Insertionは大きな成果を見せており、ポッドキャスト広告の可能性に対するSpotifyのコミットメントを示すものとなりました。
両社の統合が完了し次第、現在Megaphoneを利用しているパブリッシャーも、近日中にStreaming Ad Insertionをご利用いただけるようにしていきます。この技術は、今回初めて第三者に提供されるものであり、このようなお知らせができることを大変うれしく思います。これにより、パブリッシャーは、インプレッション(実際に視聴された広告)に基づいて、エンゲージメントの高いオーディエンスを広告主とつなぐことが可能になります。