Spotify 広報サイト For the Record 「今年のSpotify Hack Week のテーマは「Making Space (場を作る)」カバー画像
クローズアップ

今年のSpotify Hack Week のテーマは「Making Space (場を作る)」

Spotify は毎年、研究開発チームだけでなく幅広い部門に所属する、新人からベテランまでが参加するハッカソン「Hack Week」を開催しています。5日間にわたるこのイベントは、Spotify をクリエイター、ユーザー、社員にとってより良いものにするための新たな方法を見つけるべく、担当や地域が異なる社員が共に取り組むコラボレーションの機会となっています。2021 年の Hack Week は 3 月 8 日から 12 日までの日程で開催され、2,000 人以上の社員がエントリーしました。今年はオンラインの新しいプラットフォームを活用し、独創的なテーマのもとで、新たなアイデアや将来の導入に向けた様々な企画が議論されました。

場を作る

今年の Hack Week のテーマは「Making Space (場を作る)」ことでした。声なき声をすくい上げるための「場」や、サービスを再構築し収益面の成長を追求するための「場」など、多様な企画が提案されました。また2020 年の状況を踏まえて、新型コロナウィルスやダイバーシティ、所属意識やインクルージョン、アクセシビリティ、気候危機などに関連する何らかの「場」を作ることも課題として課せられました。

参加者の 1 人で、入社 10 年目の Rorey Jones (ストックホルム勤務のプロダクトマネージャー) は、次のように話しています。「今年のテーマは実に素晴らしいです。アクセシビリティは少数派への対応と思われがちですが、言葉の意味を広く捉えれば、地球上の 10 億人の人々に関係してきます。私自身、発想を切り替えたことで、理解が深まりました。実は、私には色覚異常があるので、これはどう見えるかとデザイナーから尋ねられることがよくあります。今年のテーマで、アクセシビリティにきちんとスポットが当たったのは、とてもよかったと思います。こうした面での改善余地について、会社全体で考えるきっかけになりました」

また、昨年 Spotify に加わった Dawn James (ロンドン勤務のシニアスタッフエンジニア) にとっては、今回が入社後初の Hack Week でした。「ダイバーシティ、平等、インクルージョンに大いに賛同している私にとって、今回のテーマは心に響きました。Spotify は、十分に目が向けられていない文化やコミュニティのための『場』を作ることに力を入れていると感じます。インクルーシブであろうとすることは、さまざまな理由から抑圧されている声を聞くための『場』を作るということです」

集中的な取り組み

Hack Week のプロジェクトには、小さなアイデアに 1 人か 2 人のチームで取り組むものもあれば、大規模な構想に大勢が協力して取り組むものもあります。

Rorey は、エンジニアらと力を合わせて、Apple が iOS 14 で搭載したハードウェア機能を Spotify と連携する方法を探りました。iOS 14 が登場した昨年 9 月以降、この機能の活用方法をずっと考えてきたプロダクトマネージャーやメンバーたちにとっては、構想を掘り下げる絶好の機会となりました。「1 週間にわたって、通常業務の優先事項をひとまず忘れ、専念する時間を確保できてよかったです。会議などに時間をとられず、時間を費やし、じっくり考えることができました」

入社後初の Hack Week を楽しみにしていた Dawn は、2 つのプロジェクトに参加しました。「会社が Hack Week を重視している姿勢を感じ取れ、非常に感銘を受けました。社内は Hack Week の話題で持ち切りでした」

Dawn が参加したプロジェクトの 1 つは、開発者の生産性を高める社内ツールに関連するもので、Dawn はエンジニアとして中心的な役割を務めました。もう 1 つのプロジェクトは、クリエイターのための Spotify の新たな活用方法についての構想です。こちらはチームの規模が大きく、さまざまな専門分野から 10 人以上が参加しました。「社内のさまざまな背景の人たちと即席でチームを組むのは、よい経験になりました。すべての人が、その人ならではのスキルや専門性を生かして、貢献していました」

2 つのプロジェクトを並行させるのは大変でしたが、Dawn は一方では開発者としてのスキルを生かし、もう一方では知識と社内人脈を生かして構想作りを助けるなど、さまざまな形で力を発揮することができました。

オンライン開催

今年の Hack Week はオンラインでの開催でした。ビデオ通話やチャットツールを使った打ち合わせとコミュニケーションで作業を進め、最後はオンラインポータルで Hack Fair を実施しました。参加者たちがポータル内に仮想のブースを立ち上げ、プロジェクトの成果に興味のある社員が自由に出入りし、プレゼンを見たり、質問したりしました。

Rorey は次のように言います。「今年の Hack Week で一番よかったのは、リアルの場と同じような発表をオンラインで行えたことです。私たちの取り組みについて耳にした友人たちや、プロジェクトのアイデアに興味を持った社員の方々が、ブースに立ち寄ってくれました」。オンラインイベントなら、世界各地で進めた取り組みを、別のオフィスで働く社員にも詳しく見てもらえます。これはリアルの Hack Fair ではなかなかできないことです。「今後はオンラインの Hack Week の方が主流になるかもしれません。そうなったらすごいですね」

今年の Hack Week では、Spotify をよりインクルーシブでアクセシブルなものにするために、ストックホルムからシアトルまで、世界各地の数千人の Spotify 社員が知恵を絞りました。 Discover Weekly のように、ここで発表されたプロジェクトが今後発展し、リスナー向けの機能として登場する可能性もあるかもしれません。楽しみにしていてください。

原文はこちら