Tag: Z世代

Z世代はどのようにオーディオを活用しているのか?

20220815 Spotify CN Header

 文化や消費において、Z世代の影響力が急速に高まっていることは疑いようのない事実で、最新のSNSトレンドや、注目のアーティストもZ世代によって生み出されています。Spotifyでは、毎年「Culture Next」レポートを発表しており、Z世代のオーディオストリーミングとの関わり方や文化トレンド、そしてそれがSpotifyの広告主にとってどのような意味を持つのかを紹介しています。

 2022年度のレポートでは、世界中のZ世代の若者に対しインタビューを行い、注目すべき世界的なオーディオトレンドをいくつかのトピックにまとめました。本レポートを通じて、Z世代は、創造と消費の境界線を曖昧にしているのがお分かりになるかと思います。

※フルレポートはこちら

0617 Spotify CN Infographic 2022 2 1

創造の境界線を再定義する

 この傾向は、特にクリエイターとファンの関係性に大きく関わっています。かつては一方向からのコンテンツの配信で成立していた関係性ですが、今では双方向のインタラクティブなやりとりに変化しています。

 例えば、AnchorでSpotifyに配信されるポッドキャストでは、新たに投票やQAを行うことができるようになり、クリエイターとリスナーがインタラクティブにコミュニケーションを図ることができるようになりました。また、DiscordやTwitch、TikTokといったプラットフォームの出現により、Z世代のクリエイターは、ファンに語りかけるだけではなく、ファンからの話も聞けるようになりました。 実際にZ世代の47%が、特定のクリエイターのサブレディット(Reddit内のフォーラム)やDiscordなどのデジタル・コミュニティに参加したことがあると回答しています。

 Z世代がこうしたデジタルスペースを利用しているのは、自分たちのお気に入りのスターの最新情報を得るためだけではありません。特に新進気鋭のスターのファンコミュニティにおいては、他のファンやクリエイター本人と交流するためにこうしたプラットフォームを利用しています。

 この傾向について、21歳のシンガーソングライター、Dreamer Isiomaは「私たちはみんな仲間なんです」と述べています。

 日本でも、日本に住むZ世代の約3分の1 (29%) が、特定のクリエイターのファンが集うデジタルコミュニティに参加したことがあると回答しています。

 東京に住む18歳のSAKAIもクリエイターとリスナーの関係について以下のように語っています。「SNSが台頭する前は、クリエイターに関して得られる情報は限られていました。 私たちが見聞きするものは、メディアに管理されていたのです。今では誰もが好きなコンテンツを拡散できるため、アーティストやクリエイターについても以前より多様な情報をチェックすることができます。これによって、クリエイターとの関係も近くなったんです」

心の支えとなるポッドキャスト

 ファンと親密な関係を築いているのは、Z世代のミュージシャンだけではありません。ポッドキャストの世界では、有名人がホストを務め、熱心なファンを中心としたコミュニティが形成されています。このようなインタラクティブ性は、クリエイターが視聴者に効果的にアプローチする方法だけでなく、リスナーが消費するコンテンツとの関わり方を根本的に変えているのです。2022年第1四半期を前年と比較すると、Spotify上のZ世代におけるポッドキャストのリスナー数は平均して40%ほど増加しています。

 また、日本に住むZ世代のSpotifyでのポッドキャストの平均リスナー数も、2022年第1四半期と前年の比較で91%増加しており、現在、日本に住む18〜24歳の3分の1以上 (37%) が少なくとも毎週ポッドキャストを再生しています (15〜17歳では28%)。 

 ポッドキャストはZ世代にとって単なるエンタテインメントではなく、Z世代が生活の中で直面する複雑化した問題に取り組む際に、視点や理解を得るためのコンテンツとなっています。

 Z世代のクリエイターは、ポッドキャストを「自分たちをサポートしてくれるもの」と認識しており、コンテンツを利用する熱心なファンたちに囲まれていると感じています。なお、Z世代が最も聴いているポッドキャストジャンルであるメンタルヘルスは、2022年第1四半期には世界のZ世代における再生回数が前年比で約62%増加しました。

 メンタルヘルス関連のポッドキャストの再生回数は、日本のZ世代の間でも、2022年第1四半期に前年比400%も増加しました。ポッドキャスト番組「ゆとりっ娘たちのたわごと」のホストを務めるゆとたわは、ポッドキャストはリスナーにとって、自分のなかのリアルな感情と向き合う​​ための大きな支えになっていると指摘しています。

「リスナーによると、私のポッドキャストは『友達と話している感覚』なんだそうです。専門知識やトーク力がなくても、皆が何となく思っていることを言葉にすることで、『あ、わかる!』と共感してもらえるんだと思います」 

自分自身であれ

 For the Recordでは、Z世代が議論を呼ぶ(あるいはタブーとされる)可能性のあるアイデアや話題について取り上げる際に、ポッドキャストが魅力的な媒体であるという理由を深く理解するために、人気ポッドキャスト番組『Teenager Therapy』の共同ホストを務めるKayla Suarezにインタビューを実施しました。Z世代リスナーの間で長期的なコミュニティを構築する際に、誠実さや信頼性、傷つきやすさといったものが果たす役割について、彼女の意見を伺いました。

ーーZ世代のコンテンツ制作者の特徴の1つは、以前の世代に比べて、コミュニティとの対話が多いことだと思います。このような傾向は、どのような理由から生まれたのでしょうか?

Kayla Suarez:Z世代は、特にオンライン上において強いコミュニティ意識を持っていると思います。その理由は、同じような興味を持つ人たちのグループやポッドキャスト、あるいはブランドを見つけることができるからです。『Teenager Therapy』では、心の健康を提唱するとともに、私たち自身が偽りなく自分らしく、そして傷つきやすいことも伝えています。それゆえに、視聴者に対して正直であり、信頼と誠実さの基盤を確立できるのです。つまり、視聴者のことを知ると共に、リスナーにも私たちを信用してもらい、私たちが専門家でもセラピストでもなく、視聴者と同じ経験をしていることを知ってもらいたいんです。

 Z世代は、そういう姿勢をとても大切にしています。なぜなら現代は、ブランドが見せかけだけのことをしているのか、それとも本当に正直なのかを簡単に見分けることができるからです。だからこそブランドや企業が透明性をもって取り組むことが、とても有効になると思います。

ーー『Teenager Therapy』は、Anchorで制作されているそうですね。Anchorの魅力や、Anchorを使ったファンとの関わり方について教えてください。

Kayla Suarez:元々Anchorを使うというのは共同ホストのGaelのアイデアです。彼がポッドキャストを配信するのにAnchorが最も効率的な方法だと言っていたのを覚えています。それとコストがかからないこともAnchorを使う大きな理由でした。あと最近Anchor経由でSpotifyに配信する番組では、最後にリスナーに質問をしたり、投票してもらうことができるようになったので、その機能を利用しています。例えば、前回は恋愛における浮気について話していたのですが、その時にこう質問しました。「これは浮気だと思いますか、それとも浮気ではないと思いますか?」こんな感じのちょっとした工夫でリスナーを惹きつけることができるんです。

ーーポッドキャストがこうした会話を率直に展開できるのはなぜだと思いますか?

Kayla Suarez:私たちのリスナーは、とてもオープンマインドだから、仮に不快な話題であっても、議論すべき話題を話すために快適な空間を作り上げることができます。私たちは常に、見解が違っても互いに敬意を払うことを提唱しています。誰もが正しいわけではないことを認め、オープンマインドになることを奨励することが、大きな役割を担っていると思います。

 また、ポッドキャストは、ファンにとって非常に居心地がいいものだと思っています。司会者が耳元にいて、安全な環境で一緒に会話をしているような感覚を覚えます。こうした側面がZ世代に響く理由は、私たちの多くは孤独やストレスを感じることがあり、そのようなときにも誰か特定の人に相談できるとは限らないからです。

ーーZ世代のクリエイターがコミュニティとどのように関係を築いているかという話に戻りますが、お気に入りのリスナーとの交流方法はありますか?

Kayla Suarez:InstagramやDiscordといったプラットフォームを使って、リスナーに質問をしています。それとSpotify Liveは、リスナーを一つの場所に集めることができるので、個人的に気に入っている交流方法の一つです。とても親密で、基本的に何でも言える雰囲気があります。ステージに上がって悩みを打ち明けてくれるのは、いつも聴いてくれているリスナーたちです。リスナーの名前を呼んで、声をかけられるのは、本当にうれしいことですね。

ーーこれまでの『Teenager Therapy』で、特に印象的だったエピソードや瞬間はありますか?

Kayla Suarez:覚えている中で最も印象的だった出来事の一つは、私が大学に入学しようとしていたときでした。私自身は、特に日系移民一世の家系であることから、家を出ることに罪悪感を感じていたことを話していました。その時点ではこの気持ちを分かち合える仲間をまだ見つけていなかったので、みんながどう反応するかわからなかったんです。でも、ポッドキャストを通じて同じような思いをしている人たちがたくさんいたことで、大学への進学に悩んでいるのは自分だけではないことがわかり気持ちが楽になりました。アドバイスをしてくれる人もいたし、私にとっては本当にインパクトのある出来事でしたね。というのも、私はそのことについて、長い間悩んできたし、未だに少し悩んでいるからです。

より深く掘り下げる

 クリエイターと消費者の境界線の進化は、Z世代に関する注目すべきテーマであることは間違いありませんが、これはCulture Next 2022レポートの一部分に過ぎません。

 レポートでは、どのようにZ世代がオーディオストリーミングを利用して、アイデンティティを形成しているか、ノスタルジアを独自の方法で受け入れているか、Spotifyを利用して自分を表現しているか、といった洞察や調査結果も掘り起こしています。

 このレポートは広告主を念頭に置いて作成されましたが、Spotifyはこれらのトレンドから誰もが学びを得ることができると考えています。

 この新しい世代がどのように文化を変革しているのか、その全貌を知りたい方は、ぜひCulture Nextの全レポートをご覧ください。

“Z世代のオピニオンリーダー”kemioは今なぜ、ポッドキャストに注目しているのか? その理由を語る

kemio Spotify Japan

Z世代のオピニオンリーダーとして知られ、動画投稿サイトやSNSなどを中心に多くの新しいトレンドや「あげみざわ」、「ないたー」などのユニークな“けみお語”を生み出してきた日本を代表するインフルエンサー、kemio。そんな彼が今年6月からSpotifyオリジナルのポッドキャスト番組『kemioの耳そうじクラブ』を開始しました。

“新鮮な情報で耳がクリーンになれば”という意味をタイトルに込めた番組は開始以来、週1回のペースで配信され、若い世代のリスナーを中心に高い人気を獲得。Spotifyのポッドキャストランキングでは常に上位をキープしています。現在ニューヨークを拠点に活動するkemioが、ポッドキャストに興味を持ったきっかけや番組への想いについて伺います。

「Spotifyで『kemioの耳そうじクラブ』を始めて5ヶ月が経ち、SNSのフォロワーだけでなく、仕事で会うクリエイターや著名人からも番組を聴いていると言われるようになりました」と語るkemio。

毎回、いま一番会いたい人や興味がある分野の第一線で活躍する方をゲストに招き、好奇心の赴くままになんでも語り合うトークショー形式の番組では、kemioは、ホストとしてゲストの話を引き出すために聴き手に回ります。その時の動画で見せるような視聴者の“鼓膜を破られる”ような話し方とはまた違った”鼓膜を撫でられる”ような話し方に驚くファンも少なくないそうです。

ポッドキャストについては、「以前からラジオやポッドキャストをやりたい」とは考えていたものの、現在の拠点が日本でないことからラジオとなると週に1回の収録も難しく、自分がやっているSNSの活動自体が、その日にあったことを上げたりすることもあるため、撮り溜めたものだと新鮮味がなくなることなど、放送までの時間やフォーマットの面で現実的ではないと思っていたというkemio。そこでSpotifyでのポッドキャストを考え、マネージャーに相談してみたといいます。

最初にSpotifyでポッドキャストを始めようと思った理由について、kemioは「どこでポッドキャストを聴くかといえば、僕にとってはSpotifyでした。ポッドキャストは何かをしながら楽しめる手軽さと興味があることを探究できるところが魅力で、機内などの移動中にも楽しめます。そして、Spotifyではひとつのアプリでポッドキャストと音楽を切り替えらながら聴くこともできるので、音楽と行ったり来たりする上でとても便利です」と語ります。

また、「ニューヨークにいる僕の周りの人はみんなポッドキャストを聴いています。彼らは自分のお気に入りのポッドキャスト番組を持っていて、毎週新しいエピソードを欠かさずチェックするほど。僕がポッドキャストを聴くようになったのは、友人の車の中で『Call Her Daddy』のポッドキャストを耳にしたのがきっかけです」と語るように今、若い世代の間でポッドキャストは生活の一部になりつつあります。

現在、生活の拠点とするニューヨークでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出が難しくなった時期も。そんな時、「闇に落ちるコース」になったものの、誰かの声に落ち着いた気がしたといい、「リスナーは時に映像よりも音声を通して得られるものを身近に感じる傾向があり、感情的になることもある」ことがわかったといいます。

最後に番組の目標について、「しあわせを共有できる場にしていきたい」と語ったkemio。これまでに番組ではHIKAKINや青山テルマらをゲストに招いてきましたが今後も、様々な分野の専門家をゲストに招く予定で、「いつか、マライア・キャリーのような歌姫ともトークしたい」と将来的な展望も口にしました。

“鼓膜を破る系ではなく、逆に鼓膜を癒やしてあげるタイプの番組”を通して、kemioの新たな一面も垣間みれる『kemioの耳そうじクラブ』。kemioによる”しあわせを共有できる場”はこれからも拡がりを見せていきます。