Spotifyは、日本最大級の都市型音楽フェスティバル『SUMMER SONIC(以下、サマソニ)』とのコラボレーションにより、国内の新進気鋭のアーティストをサポートするプログラム「RADAR: Early Noise」を体現する特別なステージ『Spotify RADAR: Early Noise Stage』を8月19日(土)と20日(日)の2日間にわたり幕張メッセ内で開催しました。
Spotifyは、「RADAR: Early Noise」の一環となるライブイベント『Early Noise Night』を2017年5月より定期的に開催しており、これまであいみょんやSIRUPなど、多数のアーティストがブレイク前に出演を果たしてきました。今年3月にはTOMOO、ヤングスキニーら5組を迎えた第15回をSpotify O-EASTにて開催。オンラインとオフラインをつなぐイベントを通して、「RADAR: Early Noise」選出アーティストをサポートしています。
その流れも汲んだ本公演では、春ねむり、chilldspot、Skaai(yonawo x 鈴木真海子 x Skaai名義によるコラボステージ)、Daichi Yamamoto、Bialystocks、DURDN、CHAI、LANA、tonun、ao、新しい学校のリーダーズ、imaseの計12組がパフォーマンスを行いました。ここでは2日間のライブの模様を振り返っていきます。
■8月19日(土)
chilldspot
初日のトップバッターを飾ったのは、全員2002年生まれの4人組バンド・chilldspot。比喩根(Vo、Gt)は「去年に続いてサマソニ2回目、嬉しい!」と喜びを爆発させ、「素敵なアーティストしか出ない中、ここに来てくれてありがとうございます。次はみんなに知ってもらうきっかけになった曲を」と告げて「ネオンを消して」を演奏。Honda VEZEL e:HEV CMソングでお馴染みのロックチューン「BYE BYE」、アッパーな「Like?」ではナイスな煽りを受けてジャンプする人が続出。ラストのアンセミックな「Don’t lose sight」まで、高い熱量の30分を走り抜けました。
<セットリスト>
1. supermarket
2. full count
3. ネオンを消して
4. Groovynight
5. BYE BYE
6. Like?
7. Don’t lose sigh
Bialystocks
甫木元空(Vo)、菊池剛(Key)からなる音楽ユニット・Bialystocksがサポートメンバーとともに登場。力強いドラムが地響きを起こしたかと思えば、いきなり甫木元のトップノートで始まる「雨宿り」でスタートしました。高い歌唱力と演奏スキルで圧倒したあとは軽快な「Upon You」「差し色」で和ませます。「サマーソニック、初出演でこんなに集まっていただいてありがとうございます! 一日、楽しんでいきましょう」と甫木元が笑顔で呼びかけると、菊池の柔らかなエレピの響きで「Over Now」へ。スリリングな「I Don’t’ Have a Pen」の披露など、初見のオーディエンスも含め大いに魅了しました。
<セットリスト>
1. 雨宿り
2. Upon You
3. 差し色
4. 灯台
5. Over Now
6. I Don’t Have a Pen
7. Nevermore
DURDN
シンガーのBaku、トラックメイカーのSHINTAとトップライナーのyaccoによるプロデュースデュオ・tee teaによるプロジェクト、DURDN。ベース、ドラム、キーボードを従えたバンドスタイルで、ダンサブルなR&Bナンバー「TOKIDOKI」や「WARUNORI」、「Vacation」をテンポよく披露していきます。強いグルーヴとワードを持つ新曲「Runner’s High」では、自由に体を動かし踊るオーディエンスの姿も。キャッチーなナンバーをスピーディに演奏し続け、フロアをロックした彼らのラストはフェスにぴったりな「Drink!」。夕方に向かう時間を楽しく彩りました。
<セットリスト>
1. TOKIDOKI
2. WARUNORI
3. Vacation
4. Apart
5. Runner’s High
6. All of You (Remix)
7. Drink!
yonawo×鈴木真海子×Skaai
今回、唯一のコラボレーションであるyonawo×鈴木真海子×Skaai。yonawoの「矜羯羅がる」の曲中で鈴木真海子とSkaaiを招き入れます。それぞれの曲をyonawoのバンドサウンドで披露することが最大の見どころであるこのスタイル。特にフロアが沸いたのはSkaaiの「FLOOR IS MINE」でした。鈴木真海子の「じゃむ」の歌い出しでは、荒谷翔大(Vo)とのデュエットでグッとオーディエンスの心を掴みます。意表を突いたのは「夏の終わりのハーモニー」カバーでのSkaaiの熱唱。そして、この3組ならではの一曲「tokyo」をラストにドロップ。笑顔が絶えない貴重なコラボステージとなりました。
<セットリスト>
1. 矜羯羅がる
2. FLOOR IS MINE
3. じゃむ
4. 夏の終わりのハーモニー(カバー)
5. tokyo feat. 鈴木真海子, Skaai
Daichi Yamamoto
Daichi Yamamotoがサポートメンバーとともにステージに登場すると、観客からは大きな拍手が巻き起こりました。冒頭はノリのいいヒップホップナンバー「Let it be」「One Way」、コーラスのソウルフルなアカペラが響き渡るターンを挟み、リリックがこの場所にしっくりハマる「Paradise」などを披露。ステージが進むごとに、Daichiのバックボーンが窺えるナンバーがオーディエンスを深いところへ誘います。約30分のセットリストでも物語性を感じさせるステージは「EVERYDAY PEOPLE」、自分の内面を見つける「ATHENS」と続き、Daichi Yamamotoと仲間が一つの旅のような体験を残してくれました。
<セットリスト>
1. Let it be
2. One Way
3. interlude
4. Paradise
5. MYPPL
6. Blueberry
7. Wanna Ride
8. Power
9. EVERYDAY PEOPLE
10. Athens
春ねむり
初日の大トリは海外フェスでも常に注目を浴びるシンガーソングライター/ポエトリーラッパーの春ねむり。バンド形態で臨む1曲目「Kick In the World」から、春のスクリームとバンドの生音が入った瞬間の凄まじい音像に圧倒されます。「Riot」や「森が燃えているのは」に続いて投下されたのは、SiNNER MOONとPeatleが参加した「Old Fashioned」。終盤はギリギリの精神状態を思わせる「あなたを離さないで」、現在の春ねむりを代表する「春火燎原」を体の中の全てを吐き出すように歌い切る絶唱を見せ、初日のステージを終了しました。
<セットリスト>
1. Kick in the World(déconstructed)
2. Riot
3. 森が燃えているのは
4. Old Fashioned feat. SiNNER MOON & Peatle
5. あなたを離さないで
6. 春火燎原
■8月20日
ao
2日目の一番手には17歳の高校生アーティスト・aoが登場。MCでは「現役高校生なので夏休みフェス」といって笑いを生んだり、自分を知っていてステージを見に来てくれた人の数の多さにテンションが上がるなど、aoの素直なキャラクターにふれてオーディエンスも笑顔に。ラテンテイストのR&Bナンバー「余所見」や10代のリアルな心情を聴かせる「幻想」など、気がつけば会場はすっかり彼女の世界観に染まりました。新曲の「ENCORE」、ハーゲンダッツCMに起用された「月の光」を経て、aoの声と曲の良さが広く知られるきっかけになった「you too」で締めくくりました。
<セットリスト>
1. チェンジ
2. リップル
3. 余所見
4. 幻想
5. ENCORE
6. 月の光
7. 4ever
8. you too
tonun
昼下がりの幕張メッセを宵のムードに塗り替えたのはtonun。腕ききのメンバーがセッションする中で登場し「東京cruisin’」からスタート。「Sweet My Lady」ではtonunもギターを奏でます。ダンサブルな「d.s.m」はオーディエンスの腰を揺らすグルーヴが心地よく、サビでは多くの手が上がりました。曲の認知度の高さを実感した「Sugar Magic」での歓声、「Friday Night」では思い思いに踊る人たちでフロアが華やぎます。最後は残りの夏を愛おしむようなニュアンスの「琥珀色の素肌」で幕を閉じました。
<セットリスト>
1. 東京cruisin’
2. Sweet My Lady
3. d.s.m
4. Sugar Magic
5. Friday Night
6. 琥珀色の素肌
LANA
場内が暗転しただけで壊れんばかりの歓声が起き、ステージに現れたLANA。ほとんどビートのみで、その圧倒的なラップの力を証明していくナンバーが続きます。ブロンドの三つ編みツインテールもビキニトップスのワイルドな衣装も、全てが彼女流で堂々とした佇まいがカッコかわいい。ダンサーとのパフォーマンスはセクシーかつパワフル。ほとんどのナンバーをショートアレンジにして、次々と間髪入れずに披露していきます。“うちら令和のBad bitches!”と強めのヴァースをキックする「Huh?」など、曲のおいしいところを惜しげもなく畳み掛け、令和ギャルズのリアルなアンセム「L7 Blues」では最高の盛り上がりを見せました。
<セットリスト>
1. FLAME
2. Twerk Jersey Remix
3. PULL UP
4. Huh?(Solo)
5. HATE ME
6. Somebody to you
7. Makuhari
8. TURN IT UP(Solo)
9. What’s Poppin(Solo)
10. BASH BASH
11. L7 Blues
imase
幅広い年齢層のオーディエンスで溢れかえったimaseのステージ。まずは「みなさん、imaseです! サマソニは去年初めて見せてもらっていつか出たいなと思ってたら、翌年出させていただいて、ありがとうございます」と挨拶。短期間のうちに飛躍を遂げたimaseの自然と音に乗るようなパフォーマンスの魅力に、オーディエンスは一気に引き込まれていきます。歌い出しから大歓声があがった代表曲「NIGHT DANCER」では、柔らかな声がいきるファルセット、思わず口ずさみたくなるサビメロでフロアは一体に。鳥山明の名作アニメ化で話題の『SAND LAND』への書き下ろし曲「ユートピア」でフェスらしい祝祭的な空間が広がりました。
<セットリスト>
1. Nagisa
2. 僕らだ
3. Pale Rain
4. Have a nice day
5. NIGHT DANCER
6. ユートピア
CHAI
この日初となるバンドは、タフな海外ツアーも重ね、さらに進化したパフォーマンスが期待されるCHAI。マナ(Vo、Key)とカナ(Gt、Vo)のマイクパフォーマンスで魅せる「END」や、彼女たちのキャッチフレーズを冠し、サウンドをグッとアップデートした「NEO KAWAII, K?」などを披露。マナもユウキ(Ba、Cho)もサンプリングパッドを叩き、ゲームミュージックのようなトラックをプレイした「PING PONG! feat. YMCK」では、会場が一気にダンスフロアに。パワフルな音圧でオーディエンスを大いに沸かせた「クールクールビジョン」は、圧倒的なヒューマンパワーでフロアをロック。よりいっそうスケールの大きなバンドになったCHAIの魅力を存分に堪能できるステージでした。
<セットリスト>
1. END
2. NEO KAWAII, K?
3. N.E.O.
4. PING PONG! feat. YMCK
5. クールクールビジョン
6. PARA PARA
新しい学校のリーダーズ
暑く熱い2日間もいよいよ大詰め。トリには海外フェスでも大きな反響を呼んでいる新しい学校のリーダーズが登場。チャイムが鳴ると騎馬でステージに登場し、全力という言葉が生ぬるいほど強烈なダンスで「青春を切り裂く波動」を投下。「最終人類」はキレの良いフォーメーションに圧倒されます。背中に“青春日本代表”の刺繍を施した長ラン姿で臨んだのはハードコアトランスな「Pineapple Kryptonite(Yohji Igarashi Remix)」。汗だくの長ランを脱いだあとは大ヒット曲「オトナブルー」が続きます。誰にも似ていないオリジナルなパフォーマンスに満場のオーディエンスは興奮気味に会場を後にしたのでした。
<セットリスト>
1. 青春を切り裂く波動
2. 最終人類
3. Free Your Mind
4. マ人間
5. Pineapple Kryptonite(Yohji Igarashi Remix)
6. オトナブルー
7. NAINAINAI
8. 迷えば尊し
国内のみならず海外でも注目を集める12組が、それぞれ唯一無二の個性や圧倒的な才能を惜しみなく見せつけた2日間のステージ。Spotifyはさらなる躍進の可能性に満ちた彼らをこれからも引き続きサポートしていきます。出演アーティストの演奏曲は、プレイリスト「RADAR:Early Noise Stage in SUMMER SONIC 2023」にてお楽しみいただけます。