『Spotify Stage in SUMMER SONIC 2026』DAY2レポート
Spotifyは、日本最大級の都市型音楽フェスティバル『SUMMER SONIC(以下、サマソニ)』(東京)と今年もタッグを組み、4年連続となるコラボステージ「Spotify Stage」をプロデュース。25周年を記念して8月14日、15日、16日の3日間開催となる今年のサマソニでは、Spotify Stageもさらにパワーアップ。「RADAR: Early Noise」を軸に、「+81 Connect」「Gacha Pop」「.ORG」「Altar JP」の5つの人気プレイリストを通じ、それぞれの音楽性やカルチャーを体現するステージを届けました。
2日目には、Spotifyが躍進を期待する次世代アーティストをピックアップする「RADAR: Early Noise」から、Litty、さらさ、OddRe:、luvが出演。さらに、J-Hip Hopカルチャーの最前線を牽引する人気プレイリスト「+81 Connect」が今年もステージをジャックし、7、MIKADO、Kohjiyaの3組が“81分”のマイクリレーを繰り広げました。夜には国内外のオルタナティブダンスミュージックプレイリスト「Altar JP」がキュレーションする特別枠「Altar JP After Hours」も展開され、FULLHOUSE、Dungeoneering、パソコン音楽クラブ、Verses GTが会場を沸かせました。本稿では、そんな8月15日のライブの模様をレポートします。
Litty




2日目のSpotify Stageのオープニングを飾ったのは、アメリカと日本にルーツを持つ次世代ラッパー・Litty。今年は初のアルバム『Get Litty?』のリリースや、『POP YOURS 2026』へ初出演を果たすなど活動の幅を広げています。ライブはアルバム収録の「Lifestyle」でスタート。「Tekipaki」でトラップビートに乗せた小気味いいフロウでオーディエンスを惹きつけます。デビュー曲「Pull Up」の後、サマソニは子供の頃から父に連れてきてもらっていた思い出のフェスだと明かしたLitty。「ヨークシャテリア」「Outside Baby」と畳みかけた後は、「STACK」へ。失敗も成功も積み重ねた先にある未来を歌う同曲は、現在進行形で夢を追いかけるLittyの姿とも重なります。「BOUNCE」、「Nandaro?」、「WASSUP」と持ち前のローボイスを活かしたパワフルなパフォーマンスを繰り広げ、「みんな歌って!」と呼びかけて「Cheese」へ。現在は2ndアルバムを制作中であることも語り、ラストの「DND」までフロアを熱く盛り上げました。
<セットリスト>
- Lifestyle
- Tekipaki
- Pull Up
- ヨークシャテリア
- Outside Baby
- Stack
- BOUNCE
- Nandaro?
- WASSUP
- Cheese
- DND
さらさ




続いて登場したのは、湘南出身のシンガーソングライター・さらさ。2021年の活動開始以来、“ブルージーに生きろ(Live Bluesy)”をテーマに、ソウル、R&B、ロックなど、ジャンルにとらわれない音楽を追求してきました。今回のSpotify Stageはバンドセットでの出演。1曲目の「青い太陽」から、しなやかなバンド演奏の上でさらさの歌声が伸びやかに響きます。自身もギターを抱えて「太陽が昇るまで」を届けると、シームレスに「Thinking of You」へ。洗練されたグルーヴィーなサウンドがオーディエンスを心地よく揺らしました。8月5日には、メジャーデビュー作となるミックステープEP『Live Bluesy』をリリースしたさらさ。続いて、同作にも収録されたダンサブルなナンバー「KAMINARI」を軽やかに歌い上げます。同じくEP収録の「風になる」では、終盤にかけて厚みを増していくバンド演奏も相まってオーディエンスの熱も加速。ラストは「船」の繊細なパフォーマンスでステージに深い余韻を残しました。
<セットリスト>
- 青い太陽
- 太陽が昇るまで
- Thinking of You
- KAMINARI
- 風になる
- 船
OddRe:




AirA(Vo)、ユウキ サダ(Ba/Vo)、SOI ANFIVER(Gt/Comp/Trackmaker)によって2024年に結成された3ピースバンド・OddRe:。2026年2月にはメジャーデビューを果たし、今勢いに乗る彼らのステージは「東京ゴッドストリートボーイズ」で幕開け。極太のバンドサウンドとAirAのパンチのある歌声が、一瞬にしてオーディエンスを沸かせます。力強いビートを刻むドラムとベースに呼応するように、序盤から自然とクラップが発生したのは「FEVER TIME」。同曲で会場のボルテージをさらに引き上げた後は、8月5日にリリースされた新曲「黄泉還」へ。一転して繊細なサウンドが、夏の儚さやセンチメンタルな心情を呼び起こさせました。「睡る君」に続き、EDMのアレンジの「CRASH OUT!!!」で会場を跳びはねさせると、ラストはメジャーデビューシングル「Revival」でフィニッシュ。昨年はオープニングアクトとして出演したSpotify Stage。1年を経て、大きく成長したバンドの姿を見せたステージでした。
<セットリスト>
- 東京ゴッドストリートボーイズ
- FEVER TIME
- 黄泉還
- 睡る君
- CRASH OUT!!!
- Revival
luv




hinata miyake(Vo&Gt)、Hajime(DJ)、takaya hirosawa(Key)、baba kazuma(Ba)、shotaro kaneda(Ds)から成るluvは、今年は初のアジアツアーを開催し、『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』にて「最優秀ニューアーティスト賞」と「ラジオ特別賞」にノミネートされるなど、今注目の5人組バンドです。ライブは、日本古来の化粧文化“お歯黒”をテーマにした「Ohaguro」からスタート。独自のグルーヴでオーディエンスを引き込むと、「Send To You」へ。日本だけでなく台湾、香港、韓国のSpotifyバイラルチャートでもTOP5入りを果たしたこの曲が、会場の熱を一層高めます。続く「joe」は、躍動感のあるサウンドにファンキーなボーカルが光る一曲。hinata miyakeが「髪の毛をSpotifyカラー(緑)にしてきました!」とお茶目に告げながらこのステージへの気合いを示すと、「ojigi」に続き、ゆったりと届けられた「bye<3」ではチルなムードに。昨年『Spotify on PlayStation』キャンペーンにも起用された「Rear」では、takaya hirosawaの華麗なピアノソロを筆頭に各メンバーの高い演奏力と息の合ったグルーヴを見せ、5人が織り成すポップなサウンドが会場を彩りました。
<セットリスト>
- Ohaguro
- Send To You
- joe
- ojigi
- bye<3
- Rear
「+81 Connect Live」
ここからは、日本のHIPHOPシーンで存在感を高めるアーティスト3組がノンストップで繰り広げる「+81 Connect Live」が開幕します。
7




最初に登場したのは、ABEMAのオーディション番組「ラップスタア誕生 2023」でファイナリスト入りを果たした次世代ラッパー・7。「非行少女」で幕を開けると、バイラルヒットした「Boss Bitch」で鋭いフロウを繰り出します。中盤は、7月7日にリリースされた新作EP『7Star』に収録された楽曲を次々と展開。中毒性の高いリリックとジャージークラブのビートが高揚感を生み出す「峰不二子」から、「Bitcoin」、「Big6」、「First Class」と畳みかけていきました。重厚感と浮遊感を併せ持つトラックの「ねぇ」を経て届けられたのは、自身の生い立ちが綴られた「7Star」。キャッチーなビートに乗せて繊細な歌声を届けた後は、未発表の新曲「MIAMI」をサプライズ披露し、盟友・MIKADOへとバトンを繋ぎました。
<セットリスト>
- 非行少女
- Boss Bitch
- 峰不二子
- Bitcoin
- Big6
- First Class
- ねぇ
- 7Star
- MIAMI
MIKADO




続くMIKADOは、2024年リリースの「言った!!」のバイラルヒットでも知られ、現在のHIPHOPシーンを牽引するラッパーの一人です。ライブは、DJ CHARIの楽曲に客演で参加した「YRB」でスタート。7月にリリースされた重厚なトラップチューン「Bling Blaow」に続き、「石ころからダイヤ」、「やっぱりね」と次々に楽曲を投下し、フロアの熱気を着実に高めていきます。「ENVY」ではオーディエンスを煽りながら、熱い想いをぶつけるように力強くパフォーマンス。「Cloudy freestyle」を経て、4月にリリースされたEP『NEW ERA』に収録された「Started from the Bottom」でこれからも音楽シーンを突き進む強い決意を歌い上げます。ラストは「TIME IS MONEY」。自身のバックボーンを綴った楽曲群とエモーショナルな歌声で終始会場を沸かせました。
<セットリスト>
- YRB
- Bling Blaow
- 石ころからダイヤ
- やっぱりね
- ENVY
- Cloudy Freestyle
- Started from the Bottom
- TIME IS MONEY
Kohjiya




MIKADOからバトンを受け取ったKohjiyaは、6月に初の日本武道館公演2daysも成功させるなど、今勢いに乗る実力派ラッパー。「Kick Back」、「Visitor」と畳みかけると、「Never Disappoint」の冒頭を歌い始めたところで曲を一時中断。「今日、相当気合い入れてきてるから」と煽り、お客さんと一体となってステージを作り上げていきます。「FRIDAY AT NOON」から、ホーンの音色が印象的な「Keep Goin’ Rozay」では原曲の披露と思いきや、サプライズとしてFuji Taitoがステージに登場。Remix バージョンを初披露し、多くの観客を熱狂させました。2人のアグレッシブな掛け合いが、終盤に差し掛かった「+81 Connect Live」をさらに熱く盛り上げます。「Ma Boyz」では再びMIKADOがステージインし、そのまま新曲の「Money Longer」を2人で披露。「次はもっと大きなステージで帰ってきます」と強く宣言し、ポカリスエットのCMソングへの客演で話題を集めた「99 Steps」へ。ラストは「You & I」で“81分”のマイクリレーを締めくくりました。
FULLHOUSE





2日目のSpotify Stageは、ここから4組のアーティストによる「Altar JP After Hours」と題したスペシャルなステージが幕開け。最初に登場したのは、大阪を拠点に活動するDJコレクティブ・FULLHOUSE。ジャンルやスタイルを超えて交差するプレイスタイルと多様なバックグラウンドを持つDJ陣によって、関西のクラブシーンに独自のカルチャーを築いてきた存在です。この日もジャンルを自在に横断しながら、多彩な音楽を自在に繋いでいくDJプレイを展開。カラフルな照明とともに強烈なビートが鳴り始めると、自然と身体を揺らすオーディエンスが増え、会場は次第にクラブさながらの熱気に包まれていきます。目まぐるしく変化するビートと遊び心のあるサウンドに、自由に身を委ねるオーディエンス。ローカルへの深いリスペクトを持ちながらグローバルな感覚を併せ持つFULLHOUSEならではのプレイによって、Spotify Stageにひと味違う夜の空気をもたらしました。
Dungeoneering




「Altar JP After Hours」2組目は、電子音楽作家のAlbino Soundと、エレクトロニックロックバンド・D.A.Nのメンバーとしても活動するDaigos (櫻木大悟)によって2025年に結成されたユニット、Dungeoneering。2025年には『岩壁音楽祭』で初披露したライブセットを基に1st EP『Where 2?』を制作するなど、日本のクラブシーンに新たな風を吹き込んできました。スクリーンには多数の機材が並んだブースが大きく映し出され、ここから彼らの実験的な音楽が生まれていくことを想像させます。規則的なビートに波打つシンセ、Daigosが即興で繰り出すボイスループと、音の渦に飲まれていくような時間が続きました。重低音に身体を委ねる瞬間もあれば、流れるような音の連なりに意識を引き込まれる瞬間もあり、まさに不思議な音の世界に深く潜っていくような没入感。フェスの開放的な空気のなかに、ひときわ濃密な時間を生み出しました。
<セットリスト>
- Toxic Powder
- Mental Water Proof
- Time Quake
- Kellogg Means
パソコン音楽クラブ





開始前から多くのオーディエンスが集まり、期待の高さを窺わせたのは、柴田碧と西山真登によって2015年に結成されたDTMユニット、パソコン音楽クラブです。「UFO-mie」、「Double Trouble」に続き、「tenk(e)i」では軽やかに疾走するトラックに乗せてフロアからクラップも送られました。きらびやかながらも浮遊感漂う「Colors」から、LAUSBUBのMeiをステージに呼び込んで届けられたのは「Day After Day」と「Drama」。彼女のウィスパーな歌声が、幻想的な世界観を浮かび上がらせます。サポートドラマーとして神谷誠汰を加え、生ドラムと電子音が絡み合うダイナミックな音像で届けられた「Inner Blue」を経て、ここで2人目のゲストボーカル・柴田聡子が登場。「Child Replay」で伸びやかな歌声を響かせました。 陽気なメロディの「hikari」で朝の情景を描き出すと、ラストは8月12日にリリースされたばかりの新曲「wonders」。ゲストとともににぎやかに繰り広げられたステージでした。
<セットリスト>
- UFO-mie
- Double Trouble
- tenk(e)i
- Colors
- Day After Day feat. 高橋芽以
- Drama feat. Mei Takahashi
- Inner Blue
- Child Replay feat. 柴田聡子
- hikari
- wonders
Verses GT




「Altar JP After Hours」のトリを務めたのは、Nosaj ThingとJacques Greeneによるコラボレーションプロジェクト・Verses GT。2023年に発表したコラボレーションシングル「Too Close」を皮切りに共同制作を続け、互いのソロ活動で培った表現を交差させながら重厚かつ触感的なサウンドを生み出しています。この日のステージでも、きらびやかな電子音と力強いビートが融合したトラックを次々と展開。時間が進むにつれて躍動感も増していき、自然と体を揺らしたくなるようなグルーヴが生み出されていきます。鮮やかに重なっていく電子音に呼応するようにスクリーンの映像も次々と変化し、幻想的な空間が広がっていきました。ビートを抜き差ししたり、音をかき回したり、2人の巧みなプレイが繰り出すダンスミュージックに乗せて、自由に踊ったり、跳びはねたりするフロア。50分のステージを通して、その場にいる人たちが一体となる特別な夜を作り上げました。
Spotify Stage2日目は、3つのプレイリストを通じた多彩なラインナップにより、各プレイリストを代表するアーティストたちがステージをさまざまな色に染め上げました。なお、出演アーティストのセットリストは、Spotify公式プレイリスト「Spotify Stage in SUMMER SONIC 2026」にてお楽しみいただけます。
(撮影=石原汰一/瀬能啓太)