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Aisho Nakajima、「PRIDE CODE」に参加して “昔の自分”のためにもLGBTQ+コミュニティの声を届けていく

 Spotifyでは、朝日新聞ポッドキャストとともにLGBTQ+コミュニティの多様な声をお届けするプロジェクト「PRIDE CODE」をスタートしました。4月12日に公開された同名のポッドキャスト特別番組には、「This Hell (feat. CHANMINA – Gyarupi Remix – Spotify Singles)」でコラボレーションを果たしたリナ・サワヤマとちゃんみな、東京を拠点に活動するクィアアーティスト・Aisho Nakajimaなどが出演し、すべての人が誇りを持って生きられる社会を実現するために自身の思いやエピソードを語っています。

 今回はAisho Nakajimaへ単独インタビューを行い、「PRIDE CODE」に対する思いやアジア最大級のLGBTQ+イベント『東京レインボープライド2024』への参加、パフォーマンス披露などについて語っていただきました。

自分の居場所を探している人はたくさんいる

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——Spotifyが朝日新聞ポッドキャストとともに立ち上げたプロジェクト「PRIDE CODE」の特別番組に出演した感想をお聞かせください。

Aisho:いろいろな話をさせていただきました。自分自身の育ちのことから、カミングアウトの話、楽曲制作や新曲、今後のことも含めて。あっという間だったし、楽しかったですね。「PRIDE CODE」のテーマ(LGBTQ+コミュニティの多様な声を届けることを推進する)はとても大事だと思うし、それこそ自分の居場所を探している人ってたくさんいると思うんですよ。特にクィアの若い子たちはいろいろ悩んでいるだろうし、それは自分も通ってきた道だからよくわかるんです。その子たちがこういうプロジェクトを知ることで、もっと自分に自信を持てたらいいなと思います。

 曲を作っていると「昔の自分のためにやっているんだな」とすごく思うんですよ。小さい頃の自分を癒すためというか、当時の自分が聴きたかった曲、見たかったものを作っているんだなって。自分が中学生の頃、クィアのアーティストはぜんぜん目に入ってこなかったし、アジア人のクィアアーティストはまったく見たことがなかったです。J-POPのメジャーシーンを眺めながら「音楽をやるためには、こうならないといけないんだな」と思っていたんですよ。自分は人と違うと感じていたから、音楽はやりたかったけど「こんなふうにはなれない。絶対無理だな」って。自信もなかったし、「音楽をやりたい」なんて言えなかった。実際、音楽を始めたのも数年前なので。

——今は音楽活動がAishoさん自身の居場所になっているのでは?

Aisho:どうなんでしょう。まだしっくり来ている感じではないのかなと思ったりもします。家族みたいな友達はたくさんいるし、そういう人達と一緒のときは自然な自分でいられるんですけどね。ただ、人間は変わっていくじゃないですか。都会の生活にストレスを感じることもあるし、いろんな場所を見て、安心できるところを見つけたいと思っています。音楽に関しては、僕の曲を聴いたり、MVを見てくれた人がちょっと安心して、「自分はこのままでいいんだ」と思ってくれたら十分というか。一人でも刺さったらいいなと思っています。

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——Aishoさんとともに「PRIDE CODE」に参加されたリナ・サワヤマさん、ちゃんみなさんのコラボレーション楽曲「This Hell (feat. CHANMINA – Gyarupi Remix – Spotify Singles)」についても聞かせてください。リナ・サワヤマさんがLGBTQ+コミュニティのアンセムとして発表した「This Hell」に、ちゃんみなさんが新たにリリックを書き下ろしてリミックスした楽曲です。

Aisho:すごくカッコいいし、めっちゃアゲでした! リミックスは想像を超えるようなものであるべきだと思っているんですけど、「リミックスはこうでなきゃ」という曲になっていて。リナ・サワヤマさんは僕が彼女の「XS」をカバーしたときにSNSでちょっとやり取りをして。「This Hell」の歌詞も大好きです。昔からあった“クィアは地獄に行く”という言説に対して、この曲には「地獄に落ちたとしても、そこにクィアのコミュニティがあれば楽しいはず」というメッセージが込められていて。ちゃんみなさんのラップもすごくいいですね。ちゃんみなさんは「美人」を聴いてすごく好きになりました。自分がやりたいことをやっているし、本当の自分をさらけ出しているなって。自分のルーツを大事にしているのもいいですよね。『東京レインボープライド』で会えるのも楽しみです。

——『東京レインボープライド2024』は4月19日から21日まで東京・代々木公園で開催。Aishoさんは21日に出演してパフォーマンスを披露されます。このイベントに参加する意義についてどう思われますか。

Aisho:音楽制作の話とまったく同じで、昔の自分のためにやっているんだなと思います。音楽活動を始めて4年になりますが、アーティストとしての自分のことがやっとわかってきたというか。『東京レインボープライド』は音楽が好きな人たちだけが集まるイベントではないですよね。「同性婚」や「イクオリティ」など、しっかりとメッセージを訴えるイベントで自分がパフォーマンスすることはとても意味があると思っています。僕の音楽を伝えたいというより、『東京レインボープライド』のテーマや自分が活動している理由を感じてもらえたらすごくうれしいですね。自分のステージは、もちろん爆アゲです!

アリアナ・グランデ、XG…Spotifyで聴く音楽からのインスパイア

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——2024年に入ってからはYohji Igarashiさんとのコラボレーション楽曲「Gangbang」、そして“有害な恋愛”の経験を描いた春のラブソング「Made him cry」をリリース。ここにきて音楽活動が活性化していますね。

Aisho:昨年は1曲もリリースできなかったので、今年はたくさん楽曲を発表したいと思っています。ジャンルの枠みたいなものは考えず、自分が好きなものをどんどん作っていこうかなと。ライブも増えていますね。僕のパフォーマンスを見たことがある人とない人では反応が違うというか、“初めまして”の方にはかなり衝撃みたいです。SNSのDMなどでいろいろな感想をいただけるのもうれしいですね。楽曲制作と同じで、ステージでも自分が好きなことをやっているだけなんですけどね。

——Aishoさんご自身も音楽やカルチャーからいろいろな影響を受けていると思います。以前から「いちばん好きなのはアリアナ・グランデ」だと公言しています。

Aisho:大好きです! 音楽は目に見えないけれど、アリアナの曲はストラクチャーがはっきりしていて、触れられるような感じがするんです。そういう感覚はアリアナ以外では味わえない。“声自体が楽器”というイメージにもすごくインスパイアされています。アカペラバージョンなども聴いて、バックボーカルの入れ方やパンの振り方も参考にしていて。自分の楽曲制作においても、いろいろな面で影響を受けていると思います。特にバラードは「アリアナの曲を聴いていなかったら、こういう作り方はしていないだろうな」と思うほどです。もちろん歌詞も好きです。恋愛が軸になっていると思うのですが、すごく共感できますね。

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——アリアナ以外では、どんなアーティストにフィールしているのですか?

Aisho:いろいろ聴いていますけど、「いいな」と思ったら、その曲ばかり聴いてしまうんですよ。以前からSpotifyを使っていて、いろいろなプレイリストをチェックして好きな曲を見つけると一生聴いちゃう(笑)。チャーリー・XCXも好きだし、トロイ・シヴァンの新作(『Something To Give Each Other』)、ビヨンセの新しいアルバム(『COWBOY CARTER』)もすごくよかった。ここ1〜2年はK-POPもよく聴いています。もともと少女時代やKARAが大好きだったんですけど、その後、離れていた時期があって。BLACKPINKやTWICEをきっかけに、いろんなグループの曲を聴くようになりました。K-POPに限らず、ガールズグループが大好きなんですよ。Fifth HarmonyとかLittle Mixとか。最近だとXGにもハマっています。デビューまでの様子を収めたドキュメンタリーも見たのですが、みんな本当に頑張ってきたんだなと思って、さらに応援したくなって。もちろん音楽もダンスもビジュアルも大好きです。

——Aishoさんがガールズグループに惹かれる理由は何だと思いますか?

Aisho:自分でもよくわからないですね。前世、ガールズグループに入っていたのか、それとも来世の準備をしているのか(笑)。XGに関して言えば、メンバー同士の絆が感じられるのもすごくよくて。さきほどもお話したように、自分は昔からコミュニティを求めていたんです。自分に当てはまる場所が見つからなかったし、何かのコミュニティだったり、絆で結ばれている人たちを見るだけでホッとするんですよね。

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