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Spotify、Early Noise Night #16を開催

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Spotifyは、3月15日(金)に東京・Spotify O-EASTにて『Early Noise Night #16』を開催しました。1年ぶりの開催となる今回はサバシスター、jo0ji、First Love is Never Returned、Furui Riho、離婚伝説が登場し、五者五様のパフォーマンスで会場を沸かせました。

本ライブは新進気鋭の国内アーティストをサポートするプログラム『RADAR: Early Noise』の一環として2017年より企画されており、これまでCHAIや羊文学、あいみょん、SIRUP、STUTS、カネコアヤノなど多数のアーティストがブレイク前に出演しています。

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最初に登場したのは北海道より「恋する歌声」を軸にしたポップミュージックを打ち出す、First Love is Never Returned。ボーカル・Kazuki Ishidaが鍵盤を弾きながら叫ぶオープニングから「皆さん楽しみましょう!」と呼び掛けて「シューズは脱がないで」でイベントの幕が開きます。

その後も「泡と文學」でKeita Kotakemori(Gt. / Key. / Cho.)がハンドマイクでステージ前方に出てきたり、パーティチューン「OKACHIMACHI FRIDAY NIGHT」でも演奏が弾けたりと会場を盛り上げます。ワーミーのエフェクトを使った「ファンデーションの前に」のギターソロも迫力がありました。

そして「大切な曲を演奏して終わりたいと思います」と告げて、16分音符によるシンコペーションのタイトなリズムから力強いサビに展開する「Twenty-Twenty」で締め。セットリスト全体を通してIshidaのシルキーなミックスボイスとKotakemoriのハーモニーを主体とした「恋する歌声」、そしてシティポップのインフルエンスを感じるサウンドが印象に残りました。

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2番手は、鳥取の漁港で今も働きつつ音楽活動を展開するjo0ji。WONKの江﨑文武(Key.)と井上幹(Ba.)と豪華なサポート陣を迎えてのパフォーマンスです。

「escaper」のイントロとともに、jo0jiがクレイジーな雰囲気でステージイン。観客の意識を引き付けてから「よろしく」という挨拶から歌い出した瞬間に世界観が一変、ハスキーな歌声がバンドサウンドの帯域の隙間を縫って耳に届きます。

未発表の「一ぶる」、牧歌的なメロディがピアノと歌だけで展開される唱歌のような「cuz」、カントリーの雰囲気を持つ「言焉」と変幻自在な曲調で観客を魅了します。

ハイライトは変則な14拍周期でループする「≒」。ザラつきのある歌の存在感だけでなく、若干のレイテンシーをもって鳴らされるストリングスのイントロやピアノソロも聴きどころ。そしてセットリストの最後は友人のために作曲し、自身の活動の原点となった「不屈に花」で締めくくりました。

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離婚伝説は松田歩(Vo.)がデニムのセットアップ、別府純(Gt.)がオーバーオールという70年代を思わせる装いで登場。

オープニングの「あらわれないで」は柔らかい松田の歌声で爽やかに始まり、続く「スパンコールの女」では、彼らが好きだというGeorge Benson「Give Me The Night」(1980年)をイントロに引用してから、Michael Jackson「Rock With You」(1979年)を匂わせます。

そして観客も一緒に歌う代表曲「愛が一層メロウ」、青い照明とともに懐かしいエモさを演出する「萌」と繋げ、ラストは「メルヘンを捨てないで」。切ないメロディにスパイスとして間奏のファンクパートが挟まります。そしてアウトロで待っていたのは長尺のギターソロ。

別府が弾き始めた途端に松田はステージから去ってしまう。終演後に理由を訪ねたところ「長いから」とのこと。そしてギターアンプのハウリングを残したままバンドメンバーも退場。最後は観客からの大歓声の中、別府もステージを後にしました。

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4番打者として登場したFurui Rihoは昨年の『RADAR: Early Noise』枠からの選出。冒頭の「青信号」から「PSYCHO」での自由自在な歌とラップと突発的なフロアへの呼びかけは、プレゼンテーションとして完璧でした。

「『Early Noise』に選んでもらえて人生が変わりました。Spotifyありがとう!」というMCを挟んで披露された「Super Star」では、自由にフェイクを混ぜるFuruiの勇敢さも垣間見えました。ライブならではの生の魅力を存分に披露するこの日のステージは、彼女の即興力の高さ、ライブ巧者ぶりを強く感じさせる内容でした。

そして「We are」の8ビートではステージを左右に駆け回り、しっとりとした「LOA」、そして「Purpose」でフィニッシュ。ハンズアップを誘う「お手を拝借!」という呼びかけも素晴らしく、あっという間の25分はFuruiのロングトーンで幕を降ろしました。

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トリを飾るのは、今年〈PIZZA OF DEATH〉所属を発表したガールズバンド・サバシスター。タイトルコールでスタートしたのは「覚悟を決めろ!」。シティポップやR&Bの色が濃い4組とは対照的なロックサウンドが新鮮に感じられます。

ソングライティングはスケボーを盗まれて作った「スケボー泥棒!」、メルカリで目当てを横取りされた思い出を曲にした「ジャージ」など些細な日常から着想を得るそう。彼女たちの存在は、今回の出演ラインナップのなかで鮮やかなコントラストを生んでいきます。

本編ラストは「タイムセール逃してくれ」。ツインギターがイントロでフィーチャーされ、るみなす(Gt.)によるアウトロのオクターブ奏法のラッシュに至るまで、今日一番のロックが溢れました。この夜において「初期衝動」とは彼女たちのためにあるような言葉だったと言えるのではないでしょうか。

そして、アンコールで披露されたのは「サバシスター’s THEME」。なち(Gt. / Vo.)が前半ハンドマイクで歌い、フロント3人による振り付けなどの演出も混ぜながら、最後まで眩しい笑顔で楽しませてくれました。

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今回も新たな才能がスパークする夜となった『Early Noise Night #16』。

出演した5組がライブでパフォーマンスした楽曲は下記のプレイリストからお楽しみいただけます。

1. First Love is Never Returned

M1. シューズは脱がないで
M2. 泡と文學
M3. OKACHIMACHI FRIDAY NIGHT
M4. ファンデーションの前に
M5. Unlucky!!
M6. Twenty-Twenty

2. jo0ji

M1. escaper
M2. 明見
M3. 一ぶる
M4. cuz
M5. 言焉
M6. ≒
M7. 不屈に花

3. 離婚伝説

M1. あらわれないで
M2. スパンコールの女
M3. 愛が一層メロウ
M4. 萌
M5. メルヘンを捨てないで

4. Furui Riho

M1. 青信号
M2. PSYCHO
M3. Super Star
M4. We areM5. LOA
M6. Purpose

5. サバシスター

(SE: Ca Va?)
M1. 覚悟を決めろ!
M2. ナイスなガール
M3. スケボー泥棒!
M4. マイベストラブ!
M5. キラキラユー
M6. ジャージ
M7. タイムセール逃してくれ
EN. サバシスター’s THEME