クローズアップ

クリエイターたちに聞く、「ポッドキャストで表現する」理由 伝えたい思いを手軽に届けられるSpotify for Podcasterならではの魅力とは

 Spotiffyは音楽だけでなく、様々な音声コンテンツを楽しめるマルチオーディオフォームとして進化を続けており、現在世界で5億5,100万人以上が利用しています。中でもポッドキャストは急速に利用が広がり、Spotifyで聴くことができる番組数も今や500万以上にのぼります。

   Spotifyが「Audio First」という新たな成長ビジョンを打ち出し、ポッドキャストに本格的に注力し始めた2019年から今年6月までに、国内で月に一度以上ポッドキャストを聴取するSpotifyユーザーの数は42倍以上になりました。また1ヶ月あたりのポッドキャスト聴取時間も同期間で168倍以上になっています。

 一方、ポッドキャストの人気の広がりに伴い、自身の考えやストーリーを発信する新たな媒体として「音声」に着目するクリエイターも増えています。誰もがスマホ一つで簡単に番組を録音・編集・配信・分析できるクリエイター向けツール「Spotify for Podcasters」が日本語でも利用できるようにローカライズされたことでこの動きは加速し、動画やソーシャルメディアなどで表現活動に取り組んできたクリエイターたちも続々とポッドキャスト分野に参入しています。Spotifyが次世代を担う音声コンテンツクリエイターの支援を目的に「クリエイターサポートプログラム」を日本国内で開始した2022年1月以来、「Spotify for Podcasters」を利用してポッドキャストを配信するクリエイターの数は34%以上増加しています。

 今回は実際にポッドキャストで番組を配信しているクリエイター3名に、あえてポッドキャストで自身の言葉を発信する理由と、手軽に自らの思いを発信できる「Spotify for Podcaster」を使うことによるメリットについて聞いてきました。

20230926 Spotify 03

 1人目のクリエイターは英翔さん。配信している『元女子の羽つきラジオ』では、LGBTQ+の当事者である英翔さんが、自身の体験にもとづいた性への考え方や、リスナーから寄せられたお悩みについて答えています。

 英翔さんは普段、TikTokを中心としたショート動画クリエイターとして活躍していますが、「動画がバズりやすいかわりに投稿した本人にファンが付きづらい」という課題を解消すべく「英翔というクリエイター自身のことを知ってもらうため」にポッドキャストを始めたそうです。

 ショート動画とポッドキャストの違いについて、英翔さんは「テンポが重要なショート動画は、撮影をしてもカットする部分も多いですが、ポッドキャストはリスナーからの質問やお悩みに時間をかけて向き合うことができるため、熱量の高さを感じています」とコメント。普段投稿しているショート動画に比べて密度の濃い時間を過ごせるため、「動画とはまた違うコミュニケーションが取れる」と、感じているそうです。ファンに対して、自分のことを深い部分まで理解し合える場所になっているポッドキャスト。英翔さんは表現形態の違いによる特性を把握したうえで、配信していることがわかりました。

 今後やってみたいことは「リスナーさんとお電話で直接お話をしてみたい」だそうです。もともと「『叶姉妹のファビュラスワールド』を愛聴している」という英翔さん。憧れの2人のように、リスナーのお悩みを直接聞くことができたらと、これからの展望を明かしてくれました。

 また、英翔さんは普段からジェンダーや国籍などに関する動画を投稿しており、ポッドキャストにもジェンダーに関する悩みをはじめ、人生の大変な時期を乗り越えるための相談が多く寄せられています。英翔さんはそんなリスナーとの交流について「メッセージをいただいたときに、その方の考えを肌で感じるんです。自分とはまったく違う価値観にたくさん触れることができるのは、ポッドキャストのおもしろい部分だと思います」と話してくれました。
 
 また、「Spotify for Podcaster」についても、簡単に始めることができて、とても楽に使えているとコメント。制作ツールなどに慣れていない方でも少ない手数でエピソードを投稿できる手軽さに満足されているようでした。

20230926 Spotify 02

 続いては登録者数17万人のASMR系YouTubeチャンネルを運営している右脳くん。彼のポッドキャスト番組は一人語りの『うのラジ』としてスタートし、2023年6月には『まつぼっくりradio』としてリニューアル。現在は相方のはま爺さんとユルいトークを配信しています。

 右脳くんは元々ラジオが好きだったようで、ポッドキャストもアニメ関連やお笑い系の番組を聴き、いつか自分もやってみたいと思っていたそうです。次第にYouTube活動を続けるなかで「ASMR界隈はクリエイターのことを知ってもらうためのコンテンツが少ない」と感じ、『うのラジ』をスタート。元々ASMR系のYouTuberということで声を題材にコンテンツを作ってSpotifyで配信していたこともあり、「Spotify for Podcasters」の機能もすぐに使いこなすことができたという。実際にアンケート機能やMusic+Talkを利用し、バラエティ豊かなコンテンツをいくつも制作されています。

 番組を始めてからは、「YouTubeとポッドキャストの両方から認知してくれる人が増えるようになった」と振り返るなど、クリエイターとしての幅が広がったようです。そのことについて、右脳くんは「ひとつのチャネルだけで発信するより、いろんなところに推しが出演してるとその人に使う時間は増えるので、活動は多面的に展開する方がいいと感じます」とコメント。中でもポッドキャストはクリエイターの素を感じてもらうことができるそうで、ファンとのつながりが深まることを魅力的に考えているようです。

 現在はま爺さんとのコンビで配信をしている右脳くんですが、以前はひとりで配信をしていました。ここまでの変遷については「ひとりのときは活動の裏話とかを話せるし、2人ならほかの人との掛け合いも見せることができる」と分析。推しがほかの人と話しているところを聴くのも好きな人がいるのではないかと、コメントしました。

 現在はSpotifyに配信しているASMRコンテンツやポッドキャストをきっかけに、新たなファンも獲得していると語った右脳くん。今後は他のクリエイターさんとのコラボも強化していくということでした。

20230926 Spotify 01

 最後のクリエイターはMeg and Hinaさん。英語と日本語が話せるバイリンガルのメグさんとヒナさんの2人がグローバルな視点で、日常のことから海外のトレンドまでざっくばらんに語る番組です。

 2人がポッドキャストを始めたきっかけは、ヒナさんが「海外のポッドキャストをずっと聴いていて、英語でカジュアルに配信する人が日本にいない」と感じたことが要因だそう。最初は日本語と英語が入り混じる形でしたが、2年目から英語オンリーの配信にしたことで、より飾らない姿で話すことができ、リスナーもどんどん増加していったとのこと。

 ポッドキャストについては、メグさんが「リスナーさんの悩んでいることだったり、簡単には話せないようなことも吐き出せる場所で、すごく距離が近いツール」と話すように、リスナーとの距離も縮めやすいコンテンツだと感じているようです。

 制作方法も簡単なため、「会話が盛り上がった瞬間に、とりあえず録音ボタンを押して収録する」という軽いフットワークで利用ができる点も、ポッドキャストならではの魅力だと感じているようです。TikTokやInstagramなどほかのSNSでも活発に発信している2人は、動画を配信することができるビデオポッドキャストにも興味があるようで、ますます活躍の幅を広めていくのではないでしょうか。

 以上、今回は3組のクリエイターに、ポッドキャストに対して感じていることを語ってもらいました。

 このように、ポッドキャストでは誰でも自由に番組をつくることができます。今回の記事を踏まえて、みなさまも配信を楽しんでみてはいかがでしょうか?