Spotifyが“ポッドキャストの文化祭”で明かした「クリエイター支援の現在地」 『PODCAST EXPO 2026』セッションレポート
2026年5月9日〜10日に開催された国内最大級の音声コンテンツの祭典『PODCAST EXPO 2026』内のカンファレンス「P7 PODCAST SUMMIT」にて、Spotifyは「Spotify TALK LAB Where Podcasters Talk & Grow」と題したトークセッションを実施しました。

本セッションには、Spotify JapanでPodcast Partner Managerを務める関根麻美が登壇。今日から使えるPodcast制作のTipsや、Spotifyが注力しているクリエイター支援プログラムについて解説したほか、後半では、ゲストとして『GOLDNRUSH Podcast』のパーソナリティを務めるIsaac Y. Takeu氏を迎え、様々なトークを展開しました。
本記事では、Spotifyがクリエイターの皆様に向けてどのような支援を行い、共に歩んでいこうとしているのか、Isaac氏の番組に向けて行ったサポートの事例を交えながらレポートしていきます。
クリエイターの成長を後押しする、Spotifyの多様な支援プログラム

セッションの前半、関根は「Spotifyは、クリエイターさんのリスナー基盤を拡大し、成功をサポートすることを目指しています」と語り、現在展開している具体的な支援プログラムを紹介しました。
これからの飛躍が期待される次世代ポッドキャスターを毎年4〜5組選出し、Spotifyが多角的にサポートするプログラム「RADAR:Podcasters」や、LGBTQIA+のクリエイターやアーティストの発信を後押しするプログラム「GLOW」、女性の声を広げるためのグローバルプログラム「EQUAL」、そして今回のような「Spotify TALK LAB」をはじめとするセミナーやイベントの開催も、クリエイターを支援するための重要な取り組みの一つとして位置づけられています。

セッションの後半には、ゲストのIsaac氏がステージに登場。
「RADAR:Podcasters」の2025年度選出クリエイターの一人でもあるIsaac氏は「多文化人が活躍する社会を創る」というビジョンのもと、2022年に『GOLDNRUSH Podcast』をスタート。最初は地元のコミュニティにいる『BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権』で有名になったラッパーをゲストに迎えるなどし、徐々に番組が成長。ヒップホップカルチャーやマイノリティの自己表現をテーマにした内容は国内外から注目を集め、現在は総フォロワー数50万人以上を誇る国内トップクラスのビデオポッドキャストへと成長しました。
「RADAR:Podcasters 2025」に選出されてからの1年間について、Isaac氏は「Spotifyのメンバーの皆さんはファミリーのようで大好きです。いろいろなアドバイスをいただいたり、ゲストとしてアーティストさんを紹介していただいたりしたことは、昨年チャンネルが大きく伸びた要因の1つでした」と、プラットフォームからのサポートが成長の原動力になったと振り返りました。

また、Spotify公式の「RADAR:Podcasters」という肩書きを得たことで、周囲の反応やゲストのブッキングのしやすさも大きく変わったといいます。「RADAR:Podcasters」を通じたサポートの結果、同番組はSpotifyの国内Podcastチャートで1位を獲得し、Isaac氏自身も夏の大型フェスティバル『SUMMER SONIC 2025』の「RADAR: Early Noise」ステージMCや、冬の『potify On Stage Tokyo 2025 -Year-End Special-』でのインタビュアーに抜擢され、さらにはForbesが選ぶ「『世界を救う希望』100人、次代を担う新リーダーたち(「NEXT 100」)」に選ばれるなど、目覚ましい飛躍を遂げました。
「ビデオポッドキャスト」の影響で拡がった“ポッドキャストの可能性”

そんなIsaac氏はポッドキャストの魅力について“エディット(編集)をしていないリアルさ”を挙げ、「作り込まれたイメージや広告的なメッセージではなく、パーソナリティの人間性や空気感がそのまま伝わることが、若い世代の信頼を獲得している」と分析。
現在、日本のポッドキャスト市場は大きく成長しており、番組数は昨年比130%(国内番組に限ると約140%)の伸びを記録しています。特に15歳〜29歳の「Z世代」におけるポッドキャストへの接触時間は急激に増加し、主要なメディアとして定着しつつあります。
なかでも関根が「いますぐ始めた方がいい」と強く推奨するのが「ビデオポッドキャスト」。「日本のビデオポッドキャストの番組数は昨年から200%(2倍)に増加し、再生時間に関しても約3倍まで伸びています」とその急成長ぶりを解説すると、Isaac氏も「映像があることでZ世代のトレンドに乗りやすく、TikTokなどのSNSでハイライト(切り抜き動画)をPRとして活用しやすい」と、新規リスナーの獲得に非常に効果的であることを明かしました。
また、ポッドキャストは他のSNSと異なり「30〜40分と平気で聴いてくれる」「半分近くの人が最初から最後まで聴いてくれる」という、圧倒的な接触時間の長さを誇ります。その影響からかパーソナリティに親しみを覚える方も多いようで、Isaac氏は「街でめちゃくちゃ話しかけられる。その声のかけられ方も元々は(切り抜きを出していた)『TikTok・Shortsの人ですよね?』というものから、最近は『ポッドキャスターの人ですよね?』というものに変わっている」と、ポッドキャスター自体の認知が拡がっていることを明かしてくれました。

最後に関根は、クリエイターが自身の番組の健康状態を測るツールとして「Spotify for Creators」のアナリティクス機能を紹介。「一つの指標とはなりますが、最後まで聴いてくれる方が50%を超えていると良い番組とされています」と、データを用いた具体的な運用アドバイスを送り、セッションは終了しました。
なお、Spotifyは『PODCAST EXPO 2026』に自社のPodcast Studioを再現したフォトブースを出展。クリエイターやイベントの来場客たちからは「見たことある!」というリアクションが見られたり、記念撮影をする人たちが続出。Spotifyブースでの記念写真は、期間中の2日間で400件以上SNSに投稿されるなど大盛況でした。

今後もSpotifyは「プラットフォームの提供」にとどまらず、RADARやEQUALといった独自プログラムや、データ分析ツールの提供、そして専任のパートナーマネージャーによる伴走を通じて、クリエイターが「自分らしさ」を発信し、深く強いファンダムを築くための支援をこれからも全力で続けていきます。