20250818 ens 99

SpotifyとSUMMER SONICがプロデュースするスペシャルステージ、2025年『Spotify RADAR: Early Noise Stage』DAY1レポート

 オーディオストリーミングサービス Spotifyは、日本最大級の都市型音楽フェスティバル『SUMMER SONIC(以下、サマソニ)』と今年もタッグを組み、3年連続となるコラボステージをプロデュースしました。今年からはステージ名称を「Spotify Stage」にリニューアルし、Spotifyの2つの人気プレイリスト:「RADAR: Early Noise」、「+81 Connect」の世界観を体現したステージをお届けする形となりました。

 本ステージは、8月16日・17日に幕張メッセで開催されたサマソニ東京にて展開し、Spotifyが注目する次世代アーティストが一堂に集結しました。これまでの「RADAR: Early Noise」選出アーティストからはMega Shinnosuke、レトロリロン、ブランデー戦記、reina <reina (w.a.u BAND Set) x TRIPPYHOUSINGとしての出演>、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、PAS TASTA、Lavt、AKASAKI、Billyrrom、ziproomが出演。さらに、本プレイリストでも選出されリスナーベースを大きく伸ばしているKaneee、 Chilli Beans.、muqueが登場。計13組のアーティストがパフォーマンスを繰り広げました。

 また、17日の終盤には、J-Hip Hopカルチャーの最前線を牽引する人気プレイリスト「+81 Connect」が、昨年に続きステージをジャック。これからのシーンを切り拓くElle Teresa、JP THE WAVY、swettyの3組によるマイクリレーでラストの“81分”を飾りました。

 本稿では、8月16日に行われたLavt、PAS TASTA、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、reina、ブランデー戦記、レトロリロン、Chilli Beans.の7組によるライブの模様をレポートします。

Lavt

20250818 ens 01

撮影=石原汰一、瀬能啓太

 今年のSpotify Stageのトップバッターを務めたのは、2002年生まれのシンガーソングライター、Lavt。作詞・作曲・編曲を一人で手がける、大阪出身の注目アーティストです。「皆さん、跳ぶ準備できていますか?」と観客に呼びかけると、自らもステージを軽やかに跳び回りながら「有象無象」でライブをスタート。「アルコール」を経て、台湾のSpotifyバイラルチャート入りも果たした「L4DY」では観客のクラップも加わり、会場の熱気はいっそう高まりました。バンドメンバーの紹介を兼ねたセッションからシームレスに「モルト」に繋げ、ギターを手にして「デイジー」、先月リリースされたばかりのサマーアンセム「涙のスイマー」へ。「HOLD ME」「JOOOOKE」の後、ラストは昨年5月にリリースし、バイラルチャートをにぎわせた代表曲「オレンジ」を披露。「自分も音楽を始める前から知っている大きなフェスに出させていただいて、本当に光栄です!」と、ステージを締めくくりました。

20250818 ens 02
撮影=石原汰一、瀬能啓太
20250818 ens 03
撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.有象無象/02.アルコール/03.L4DY/04.モルト/05.デイジー/06.涙のスイマー/07.HOLD ME/08.JOOOOKE/09.オレンジ

PAS TASTA

20250818 ens 04
撮影=石原汰一、瀬能啓太

 続いて登場したのは、ウ山あまね、Kabanagu、hirihiri、phritz、quoree、yuigotといった音楽プロデューサー/シンガーソングライター/ボカロPの6人から成るJ-POPプロジェクト、PAS TASTA。2022年のデビュー以降、感度の高いリスナーを中心に人気を拡大している彼らは、2ndアルバム『GRAND POP』の冒頭を飾る2曲をマッシュアップした「GRAND POP!!!!!! & BULLDOZER+」でライブをスタート。爽やかなダンスチューン「sunameri smoke」では、繰り返される〈もう二度と戻らない〉のフレーズが今日の特別な時間と重なり、切なさを漂わせました。「byun G」の四つ打ちビートでフロアを踊らせると、「B.B.M. (REMIX)」「peanut phenomenon」で強靭なサウンドを届け、「会場全部使って楽しんでいってください!」と新曲を披露。最後は『GRAND POP』のラストに収録された「THE CAR」を力強く演奏してステージを終えました。

20250818 ens 05
撮影=石原汰一、瀬能啓太
20250818 ens 06
撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.GRAND POP!!!!!! & BULLDOZER+/02.sunameri smoke/03.byun G/04.B.B.M. (REMIX)/05.peanut phenomenon/06.(新曲)/07.THE CAR

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN

20250818 ens 10
撮影=石原汰一、瀬能啓太

 3組目に登場したのは、東京発の3人組バンド、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN。メンバーは作曲と映像を手がけるDaido、ベースのYuta、サウンドエンジニア/DJのSo。キューバ民謡の基本的なリズムパターンをバンド名に冠する彼らは、世界各地の民族音楽と電子音楽をミックスした独特のサウンドで話題を集めています。まずは「秩父」でその独創的な世界観に誘い込むと、「空とぶ東京」ではパーカッションを軸に多数の楽器を織り交ぜながら濃厚なセッションを繰り広げました。軽やかなリズムを刻む「ワタツミ」に続き、「花様年華」ではシンセの響きも相まって会場は神秘的な雰囲気に包まれます。「アートマン」を経て、「tradition」は繰り返されるフレーズとともに演奏が徐々に熱を帯びていき、呼応するようにフロアの盛り上がりも最高潮に。2023年リリースの1stアルバム『tradition』からの楽曲で、異国情緒あふれるライブを展開しました。

20250818 ens 11
撮影=石原汰一、瀬能啓太
20250818 ens 12
撮影=石原汰一、瀬能啓太
20250818 ens 13
撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.秩父/02.空とぶ東京/03.ワタツミ/04.花様年華/05.アートマン/06.tradition

reina (w.a.u Band Set) x TRIPPYHOUSING

20250818 ens 20
撮影=石原汰一、瀬能啓太

 クリエイティブレーベル・w.a.uのR&Bシンガー、reinaは、Skaai、yuya saito (yonawo)、Alex Stevensによる音楽ユニット、TRIPPYHOUSINGを迎えた特別編成 reina (w.a.u BAND Set) x TRIPPYHOUSINGとして『RADAR: Early Noise Stage』に登場。まずはTRIPPYHOUSINGの楽曲「Pussy Girl」「Broken, yes we can」「For a long time」が立て続けに披露され、Skaaiが繊細な歌声を響かせました。フロアの熱気が高まったところで、いよいよreinaがステージへ。Skaaiとともに「Youth」を歌い上げ、伸びやかな歌声で会場を包みました。「Swim」の後、「Risk Your」はBonberoを迎えてのパフォーマンス。reina、Bonbero、Skaaiの鋭いラップが絡み合った「SCENE!」を経て、「まだまだ踊れますか?」と呼びかけたreinaは、2023年にリリースされた1stアルバム『You Were Wrong』よりキラーチューン「Do the Thing」で会場を盛り上げます。さらに、さらさと「Close my eyes」を披露し、ラストを飾ったのは「A Million More」。多彩なコラボレーションを交えて、この日限りの特別なステージを繰り広げました。

20250818 ens 21
撮影=石原汰一、瀬能啓太
20250818 ens 22
撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.Pussy Girl/02.Broken, yes we can/03.For a long time/04.Youth/05.Swim/06.Risk Your (feat. Bonbero)/07.SCENE! (feat. Bonbero)/08.Do the Thing/09.Close my eyes (feat. さらさ)/10.A Million More

ブランデー戦記

20250818 ens 31
撮影=Edo Sota

 5番手は、蓮月(Vo/G)、みのり(Ba/Cho)、ボリ(Dr)から成る大阪発の3ピースバンド、ブランデー戦記。2022年に結成した彼女たちは、「RADAR: Early Noise 2025」への選出のほか、12月には韓国にて初の海外ワンマンライブが控えるなど、結成からわずか3年で大きな飛躍を遂げています。ステージ上で拳を突き合わせた3人は、「ストックホルムの箱」でライブをスタート。蓮月の力強いボーカルが、1曲目からフロアに熱気を誘いました。疾走感のあるロックチューン「Kids」を鳴らした後は、一度クールダウンするように「The End of the F***ing World」を軽やかにパフォーマンス。コンガのサウンドが特徴的なクリスマスソング「27:00」を経て、「Coming-of-age Story」で浮遊感のあるサウンドを届けると、自ら撮影・編集を手がけたMVがわずか1カ月で100万回再生を突破し、バンドの名前を広く知らしめた「Musica」を披露。最後は「ラストライブ」で華やかにステージを締めくくりました。

20250818 ens 32
撮影=Edo Sota
20250818 ens 33
撮影=Edo Sota
20250818 ens 34
撮影=Edo Sota

■セットリスト

01.ストックホルムの箱/02.Kids/03.The End of the F***ing World/04.27:00/05.Coming-of-age story/06.Musica/07.ラストライブ

レトロリロン

20250818 ens 42
撮影=石原汰一、瀬能啓太

 涼音(Vo/Ag)、miri(Key)、飯沼一暁(Ba)、永山タイキ(Dr)によるポップスバンド、レトロリロンのライブは、8月6日にリリースされたばかりの新曲「ラストハンチ」で幕を開けました。「やっと来れたよ!」と告げ、ステージ前面まで歩み寄って歌を届ける涼音。「ワンタイムエピローグ」では、彼が曲中で頭上高くマイクを掲げると観客のシンガロングも響きわたりました。涼音のソウルフルな歌声、4人が紡ぐカラフルなバンドアンサンブルがレトロリロンの魅力。「カテゴライズ」では飯沼がお立ち台に登ってベースを弾き倒し、miriの軽やかなピアノソロも会場を盛り上げます。コールアンドレスポンスから「ヘッドライナー」に繋げた後、ラストはSpotifyバイラルチャート入りを果たした人気曲「アンバランスブレンド」。「1番でかいステージに立つまでやめないんで!」という言葉とともに、今後の躍進を期待させるステージでした。

20250818 ens 41
撮影=石原汰一、瀬能啓太
20250818 ens 43
撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.ラストハンチ/02.ワンタイムエピローグ/03.カテゴライズ/04.ヘッドライナー/05.アンバランスブレンド

Chilli Beans.

20250818 ens 51
撮影=石原汰一、瀬能啓太

 8月16日のSpotify Stageは、Moto(Vo)、Maika(Ba/Vo)、Lily(Gt/Vo)による3ピースバンド、Chilli Beans.がトリを飾りました。大勢の歓声に迎えられた彼女たちは、TVアニメ『ONE PIECE』のエンディングテーマとして人気を集めた「Raise」でライブをスタート。3人の美しいハーモニーが響いた「just try it」、カラフルな照明も相まってポップな世界観を作り上げた「シェキララ」の後、サマーチューン「pineapple!」ではフロアとの一体感を楽しみながら持ち前の自由なライブパフォーマンスを発揮。さらに、Spotifyバイラルチャートでデイリー1位を獲得した「lemonade」が奏でられると、サビではフロアからのシンガロングも起きて大きな盛り上がりを見せました。「tragedy」、「pain」と5th EP『the outside wind』からの楽曲を立て続けに披露した後は、7月にリリースされた最新曲「ひまわり」をパフォーマンス。夏の夕暮れを感じさせる楽曲が、ライブを終えた後も余韻を残していました。

20250818 ens 52
撮影=石原汰一、瀬能啓太
20250818 ens 53
撮影=石原汰一、瀬能啓太
20250818 ens 54
撮影=石原汰一、瀬能啓太

■セットリスト

01.Raise/02.just try it/03.シェキララ/04.pineapple!/05.lemonade/06.tragedy/07.pain/08.ひまわり

 Spotify Stage 1日目は、新進気鋭のアーティストが集結し、各々の個性が光るステージが繰り広げられました。なお、出演アーティストのセットリストは、Spotify公式プレイリストにて終演後もお楽しみいただけます。