Spotifyの使い方

「Spotifyのおかげで世界が広がっている」佐久間宣行が明かす“Spotifyの使い方”

 Spotifyは、世界中の1億曲以上の音楽や600万番組を超えるポッドキャストなどを、いつでも多様なデバイスで無料でも楽しめる世界最大のオーディオプラットフォームです。

 各種機能により、日常的に自分好みの音楽や新たなお気に入りのアーティストに出会える個人に最適化されたリスニング体験は、Spotifyの醍醐味ともいえます。新たなリスニング体験を提供するSpotifyを、日々コンテンツに触れているアーティストや俳優、クリエイターはどのように楽しんでいるのでしょうか。

 今回は、ニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』のパーソナリティも務めるテレビプロデューサーの佐久間宣行さんに、Spotifyの楽しみ方や活用法を伺いました。

佐久間宣行がSpotifyを選んだ理由

――佐久間さんはいつ頃からSpotifyをお使いいただいているのでしょうか?

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佐久間:使い始めた時期をはっきりとは覚えていないのですが、ずいぶん前から使っています。7年くらい前かな? 最初は、音楽を聴くために使い始めました。それ以前は楽曲データをダウンロードしてプレイヤーに入れて聴いていたんですけど、音楽の定額制ストリーミングサービスが広まってきたタイミングでSpotifyを使い始めました。

――Spotifyを選んだ理由はありますか?

佐久間:使い続けようと思った最初の決め手は、検索のしやすさです。たとえば「あれのテーマ曲なんだっけな?」とか、聴いたことはあるけど表記や名称が定かではないものを、ざっくりと調べることってありますよね。

 そういうときにSpotifyの検索機能は、手がかりが少なくてもけっこう正解にたどり着けるんですよ。自分のラジオで流す曲を調べることが多いので、調べやすさはとても重要なんです。

――ラジオで流す曲は、いつもどのように決めているのでしょうか。

佐久間:流す音楽のテーマをなんとなく決めて、最初か最後に流す曲をを思いついたら、それを軸にほかの曲を決めています。特定のアーティストを軸にするときは、Radio機能(※)を参考にすることが多いですね。

(※)Radio機能:ユーザーが選択した曲やアルバム、プレイリスト、アーティストなどをベースに自動的に選曲してくれる機能のこと。

――曲を選ぶときに使っていて便利だと感じる機能は、ほかにありますか?

佐久間:歌詞を表示する機能はいつも使っています。たとえばラジオで流す曲を決めるとき、自分は夏のことを歌った曲だと思っていたけど、歌詞を読んでみると実は真逆で、冬のことを歌っていたなんてことすらある。そういう間違いのないように、歌詞もしっかり読んで確認するようにしています。

――季節やシチュエーションの思い込みをしていることってありますね。

佐久間:あとは昔の曲を聴いていて、当時はあんまり歌詞を意識して聴いてなかったけど、こんな歌詞だったんだなと改めて知るようなことも多いですね。そうやって、知っている曲の知らなかった部分を、聴きながら確認できるのもいいなと思います。

Spotifyは偶然の出会いがあるからこそ魅力的

――普段はどんなシチュエーションで音楽を聴く場面が多いですか?

佐久間:作業中に音楽を聴くことが多いですね。Spotifyって自分の好みを学習してくれるから、1曲流したらそれ以降も好きそうな曲を流し続けてくれるじゃないですか。いろんなアーティストと出会いたいので、そうやって作業中はラジオ的に流し続けていることが多いです。

――具体的には、どんなアーティストと出会いましたか?

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佐久間:最近だと、Sundae May Club、家主、for sibyl、LAUSBUB、諭吉佳作/menとか。Helsinki Lambda ClubとかもSpotifyをきっかけに知ったんじゃないかな。

――少し話題が変わりますが、Spotifyでプレイリストを聴くことはありますか?

佐久間:公式プレイリストだと「Rock Anthems Japan」、パーソナライズプレイリストだと「Daily Mix」を聴くことが多いです。前者に関しては、自分の世代の曲をまとめてラジオで流したいときがあって、そういうときに参考にします。後者に関しては、偶然の出会いを求めてラジオ的に流していることが多いです。

 そう考えると、自分がラジオをやっているいま、Spotifyがあって本当に良かったなと思います。自分で調べたり能動的に出会ったりするだけだと、限界があるじゃないですか。Spotifyによって常に偶然の出会いがあるからこそ、ラジオでも常に新しいアーティストや楽曲を紹介できているなと思います。

――Spotifyでは、その年にユーザーがよく聴いたコンテンツを年末にまとめる「Spotifyまとめ」がありますが、佐久間さんの「Spotifyまとめ2023」はどんな内容でしたか?

佐久間:くるりの「ロックンロール」、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「転がる岩、君に朝が降る」、andymoriの「クラブナイト」が入っていました。でもこれらの曲は、2021年、2022年のまとめにも入っているんですよ。それくらい僕にとってお決まりの曲になっています。

心地良さや驚きを与えてくれるポッドキャスト

――Spotifyではポッドキャストを聴くこともできますが、佐久間さんはどんなポッドキャストを聴いていますか?

佐久間:以前から聴いているのはやっぱり仕事柄もあって芸人さんのポッドキャストやラジオを聴くことが多いです。でも「JAPAN PODCAST AWARDS(ジャパンポッドキャストアワード)」の選考委員を務めてからは、芸人さん以外のしゃべりにも面白いものがたくさんあるんだなと知りました。

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 たとえば、内海あささんの『忘れてみたい夜だから』とか。テンポとユーモアが僕のなかでちょうど良く合っていて心地いいんですよ。選考委員としてポッドキャストをたくさん聴いていたときに出会ったんですが、いまでもたまに聴いています。

――ほかに印象的だったポッドキャストはありますか?

佐久間:一番衝撃を受けたのは、やっぱり『ゆっぴー・Iwaseのじゃじゃじゃじゃ~ん』かな。面白い会話を学校の廊下でたまたま聞いたみたいな感覚になって、これはこのふたりにしかできないことだと思ったし「ポッドキャストってこんな宝物みたいなコンテンツに出会えるんだ!」と感動しました。

 あとは『歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)』。ポッドキャストはしゃべりの面白さを楽しむものが多いと思っていたので、しっかりした情報を音声コンテンツで配信してくれていることにすごく驚きました。

「Spotifyのおかげで世界が広がっている」

――Spotifyに「こんな機能があったらいいな」と思うことはありますか?

佐久間:アーティストの出演ライブのお知らせが出るじゃないですか。あれ便利ですよね。現状でもアプリから、他サイト経由でチケットが買えると思うんですが、欲を言えば、Spotifyアプリ内で決済が完結して、ライブにそのまま行けるようになったら嬉しいなと思います。

 クラブには行かなくなったけど、いまでもライブハウスはよく行きますから。新しいアーティストをSpotifyで知って、ライブの予定を見て、チケットを取って足を運ぶことはけっこうあるんですよ。

――音楽やポッドキャストを聴くだけでなく、さらなる行動のきっかけにもなっているんですね。

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佐久間:そうですね。考えてみたら、Spotifyのレコメンドがあるからこそ、ラジオで流す曲も選びやすくなったし、個人的に好みのアーティストを見つけてライブに行くこともできているなと思います。
 
 なにが良いって、必ずしも自分の好みだけを反映しすぎないところです。検索や履歴に紐づいてレコメンドしてくれるサービスはほかにもあるけど、Spotifyのレコメンドはそればかりじゃない。だからこそ偶然の出会いがたくさんあって、そのおかげで世界が広がっているなと感じます。

(写真=池村隆司)