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Spotifyによるポッドキャスターのためのコミュニティ支援活動事例:映画『#スージー・サーチ』試写会&交流会レポート

 Spotifyは継続的にポッドキャスターとそのコミュニティを支援する活動を行っています。
 
 7月にはその一環として、映画レーベルSUNDAEと連携のもと映画『#スージー・サーチ』の試写会&ポッドキャスターたちとの交流会を実施いたしました。今回はその模様をレポート形式でお届けいたします。

 当日、参加者は入り口で番組のアイキャッチ画像がプリントされたバッジを装着。いつもアプリ内で見る番組のパーソナリティが一挙に集結したことで、すでに上映前から小さな交流が始まっていました。

 今回、試写会の題材となった映画は8月9日公開の『#スージー・サーチ』。ある日、インフルエンサーとして人気を集める同級生のジェシーが突如として失踪を遂げると、スージーは自身のポッドキャストを通して事件の謎を追い、やがてジェシーを発見することに成功。 世間からも大きな注目を集めるようになったスージーはさらに事件の真相を探ろうとするが、事態は思わぬ方向へと転がっていく、という作品でした。

 試写が終わり、ポッドキャスターたちが映画の余韻に浸るなか、会場には映画や音楽などのカルチャーに詳しい奥浜レイラさんと東京・東中野にクラフトビールバー付きPodcastスタジオ「雑談」を構える株式会社雑談の代表・SHIBUさんが登場。アフタートークとして、映画やポッドキャスト、ポッドキャスターの現在地について語り合いました。

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 まず、奥浜さんはポッドキャスト好きであることを明かし、会場を見渡して「『ゆる言語学ラジオ』の方や『どっちが好きなの?』のお二人、さらに『桃山商事』まで……普段聴いている方々が視界に入って恐縮します」と熱量高く語ると、SHIBUさんも「顔見知りも多いし、うちの店に来てくれる方もいるので、その前で話すのはなんか嫌ですねえ(笑)」と“お喋り”の達人たちが同じく“お喋り”を武器にしているポッドキャスターたちを前に恐縮している様子を見せ、アフタートークがスタート。

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 映画の感想として、奥浜さんは「現代のヒッチコックが現れた!と思った。ネタの明かし方とかスリラーとしての持って行き方は同時代性があるし、主人公がポッドキャスターであることも含めて今っぽい。こうした新しい才能に出会えて、映画ファンとして純粋に嬉しい」と絶賛すると、SHIBUさんも「単純に面白かったですし、ポッドキャスターとしては“希望”を感じましたね。日本だったら同じ題材で描くとなった時に主人公の立場はおそらくYouTuberだったと思うのですが、それをポッドキャスターという立場で描いた面白さがあった。主人公は歯列矯正をコンプレックスに思っている描写があるのですが、そういう人が声だけで勝負できるのがポッドキャスト。時代性もそうですし、主人公をそういう属性にしたことから、監督の意図があるように思えました」とポッドキャスター側からコメントしました。

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 続いて奥浜さんは「インフルエンサーを主人公として描く作品は日本にも世界にも多数ある。そのなかでよくある描き方は“バズ”を起こしたい、有名になりたいという動機や、バズったことで思わぬトラブルに巻き込まれるというものです。世界と日本ではその立場にポッドキャスターがいるかいないか、という違いがあるかと思うのですが」と質問し、SHIBUさんは「アメリカのポッドキャスターは次々にウン十億円プレイヤーが生まれているので、人気になりたい、稼ぎたいと思っている人がポッドキャストを選ぶのは不自然ではありません。数年後、日本で同じ立場にポッドキャスターがいるかどうかはわかりませんが、近いうちにそうなるかもしれないと思わせてくれる映画でした」と回答。続けて奥浜さんが「日本におけるポッドキャストは対話を聞ける場。いろんなSNSがあるけど一番安全な場だと思っているのですが」と世界と日本のポッドキャストの違いについて聞くと、SHIBUさんは「日本のポッドキャストは良い意味で“バズらないメディア”。聴きにくる人はその番組を目的にして来てくれるぶん安全ですし、音声であるぶん切り取られにくい。もちろん、未来はどうなるかわかりませんが、今は少し過激なことを言っても手前の話を聴いてくれてるから安全で、悪意のあるリスナーが滞在しにくいメディアだと思います」と、近い詳細は変化する可能性もあるとしつつ、現状のポッドキャストの特性を明かしてくれました。

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 また、主人公のスージーが配信している番組が「未解決事件」を題材にした、いわゆる”トゥルークライム”ものであることについて、SHIBUさんは「アメリカだとすごく人気のあるジャンル。『シリアル』という番組が独自の検証と捜査で本当に起こった事件を追いかけたことで非常に人気を博し、トゥルークライムのムーブメントが起こったんです。シーズン1の時点で有罪判決の出ていた事件を再審まで持って行ったことで『ポッドキャストが司法の判断に影響を与えた可能性』がある、とまで言われました」と丁寧に背景から解説してくれる場面も。

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 トークイベントが終わると、別会場で懇親会がスタート。会場にはPodcastを収録できるブースもあり、映画の配給宣伝担当へ公開収録的にインタビューを行うことができるとあって、さまざまなポッドキャスターさんたちが次々とインタビューコーナーを収録する様子が見られました。

 また、会場には音響映像機器メーカーZOOMもブースを出展し、『PodTrak P4』や『PodTrak P8』などの多人数収録が可能なレコーダーや、ポッドキャスト向きのマイクパック『Podcast Mic Pack ZDM-1PMP/ZUM-2PMP』を展示。抽選コーナーでは同製品たちをこの日訪れたポッドキャスターさんたちにプレゼントする場面もありました。

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 懇親会は1時間程度と短い時間にはなりましたが、各ポッドキャスターさんたちがこうしてカジュアルな形で一堂に会することが稀ということもあり、各々が積極的に交流。ここで繋がった縁がみなさんの今後の番組制作や企画にどう繋がっていくのか楽しみです。

 最後は全員で記念撮影を行い、受付ではお土産もプレゼントし、イベントは大成功のうちに終了しました。

 Spotifyはこれからもクリエイターの声を大事にし、みなさんが充実した発信を行なっていけるようにさまざまな機会を創出し、全力でサポートを続けていきます。