Spotifyの使い方

「StudyInネイティブ英会話」が語る、ユーザー&クリエイター視点の“Spotifyの活用法”

 Spotifyは、世界中の1億曲以上の音楽や600万番組を超えるポッドキャストなどを、いつでも多様なデバイスで無料でも楽しめる世界最大のオーディオプラットフォームです。

 Spotifyのエディターが季節や気分、生活場面など様々なテーマに沿って編成する多様な公式プレイリストや、AIがユーザーの好みや聴取行動を解析し、お勧めの曲を提案するアルゴリズムプレイリストなどを通じて、毎日の中で自然に自分好みの音楽や新たなお気に入りのアーティストに出会える個人最適化されたリスニング体験は、Spotifyの醍醐味ともいえます。

 今回は、明日から使えるネイティブ英語を配信するYouTube&ポッドキャスト「StudyInネイティブ英会話」を運営する株式会社ブルードのメンバー・アンジーさんとせいけさんにSpotifyの楽しみ方やポッドキャスト制作ツールの『Spotify for Podcasters』の活用法をお聞きました。

せいけさん&アンジーさんそれぞれのお気に入り機能

――おふたりはいつからSpotifyを使われているのでしょうか? また、お気に入りの機能はありますか?

せいけ:大学生のときからずっと有料プランでSpotifyを使っていますが、プレイリストを作るのに便利な様々な機能はとても気に入っていますね。たとえば、僕が好きなR&Bの曲を開くと下の方に関連アーティストが表示されます。これが僕の好きそうなアーティストばかり。ここで出会った海外の楽曲を国ごとにプレイリストにしています。今は韓国、中国、タイなど、4カ国くらい国別の音楽のプレイリストを作っています。

――Spotifyならではの出会いですね。

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せいけさん

せいけ:タイや韓国の楽曲はその国の言語を知らないと検索できないので、普通はなかなか出会うことがありません。でも、Spotifyなら言葉がわからない国の最新の曲を関連アーティストとして表示してくれる。ここ一年くらいで「ホームフィード」をスワイプして動画や音楽が試聴できるようになり、さらに新たなアーティストを発見しやすくなりました。僕のなかではイノベーションでしたね。

アンジー:私も大学生の頃から使用しています。当時は学生だったこともあり、無課金でどこまでいけるか挑戦してました。ただ、最終的には他のサービスと比較した上で、Spotifyの有料プランに変更することを決めました。

 また、歌詞を表示させられる機能が特に気に入っています。あわせて、カラオケができる機能(シンガロング機能)もお気に入り。普段は洋楽やK-POPのアーティストをよく聴くのですが、やっぱり日本語よりも言葉が入ってきづらいところがありますね。だから歌詞が表示されると曲への理解が深まるんです。アーティストの気持ちや楽曲のバックグラウンドが歌詞から読み取れることで、より曲に没入できて楽しいです。カラオケ機能はストレス発散に使っています。

――歌詞の表示機能はより深くアーティストを知るきっかけになりますよね。

せいけ:アーティストを知るといえば、僕はSpotify経由でチケットを購入してライブに行ったことがあるんですよ。いつものようにお気に入りのアーティストさんの曲を聴いていたら、ライブ情報が表示されて。そこからチケットを購入してライブに行きました!  Spotifyにライブ情報があるとは知らなかったので驚きましたね。

――おふたりは、普段どんなシチュエーションで音楽を聴いていますか?

アンジー:通勤時はマストで聴いて、あとは休憩の時も聴きます。私はプレイリストでその日の自分の気分をコントロールしていますね。例えば雨の日には気分を上げたいので、朝一で「Happy Mix」を。ちょっと気分が落ち込んでいる日は自分の一番好きなアーティストの歌しか流れてこないプレイリストをかけて、帰宅時にはリラックスしたいのでチルなムードのプレイリストを聴いています。

せいけ:僕も通勤とか移動時間に聴いていますね。あとは仕事中にも。僕は結構ディグるタイプなので、毎回聴きながら良い海外アーティストさんを探して、そこで良かったものを自分のプレイリストに入れる作業をしています。

ポッドキャストなら動画よりも深い情報が見つかることも

――Spotifyでは音楽以外に、ポッドキャストなども聴きますか?

せいけ:僕たちは、毎朝ビジネス関連のポッドキャストを聴くようにしていて。歴史系も好きなので『歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)』や『「大人の近代史」今だからわかる日本の歴史』なども。ほかにも『シノブとナルミの毒舌アメリカンライフ』とか『マユリカのうなげろりん!!』も聴きます。

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アンジーさん

アンジー:私はアニメ、海外の番組、ビジネス関連のものを聴いています。海外セレブリティの動画付きのインタビューがSpotifyのポッドキャストに出ていたのがきっかけで聴き始めました。普通なら動画媒体では聞けないような話を赤裸々に話す女子トークのような番組で、動画付きで聴けてとても嬉しかったです。なかなか素の雰囲気って見れませんし、私たちは“裏側の話”が聴きたいものなのでこうした女子トークが動画付きで見れることがすごく嬉しかったです。

――Spotifyで新たなポッドキャストの番組に出会うことは?

せいけ:ありますよ。『大人の近代史』は『コテンラジオ』さんを聴いていたときにおすすめ機能で表示されて、「こんなのがあるんだ」という形で出会いました。

アンジー:私はアニメが好きで、『呪術廻戦』(TBS)の声優さんが出演されているポッドキャスト番組『呪術廻戦 じゅじゅとーく + オーディオコメンタリー』を聴いていたら、今度は音楽のレコメンドで今期アニメの主題歌が集められた『Anime Now』というプレイリストが出てきました。これが、最高のプレイリストで。ポッドキャスト経由で音楽にも嬉しい出会いがありましたね。

――お二人もポッドキャストを配信されていますが、ポッドキャストならではの魅力についてお聞かせいただけますか。

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せいけ:ポッドキャストは動画と比べると、ビジネスの深い情報が流れていることが多いなと感じます。ビジネスの第一線の方も動画コンテンツだけでなくポッドキャストを選んで発信しているように思います。僕は会社でマネジメントの立場なので、事業課題にぶつかるときにどう解決するかということをポッドキャストで情報収集しているのですが、こういう情報はあまり動画には出てこないんですよ。おそらく動画では、初心者向けでポップな内容がバズりやすい傾向にあるからだと思うのですが。

アンジー:情報解像度が高いコンテンツが多いですよね。いろんな“生の声”が聴けるというのも魅力だと思います。それが逆に情報の信頼性の高さになっていますよね。海外のZ世代のYouTuberは、動画コンテンツではポップなわかりやすい企画を発信し、ポッドキャストではメンタルヘルスなど、より内面的なことを発信している印象を受けます。

『Spotify for Podcasters』はクリエイターの強い味方

――おふたりはポッドキャスト番組も配信する際に、ポッドキャスト制作ツールの『Spotify for Podcasters』を使用しているとお聞きしました。お気に入りの機能はありますか?

せいけ:アナリティクスが特に気に入っていますね。シンプルだからこそ、めちゃくちゃデータ活用しやすくて、本当に役立ってくれています。

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アンジー: Q&A機能は嬉しい機能ですね。ユーザーさんの声を元に番組を企画することも多いので、ポッドキャストに最適化された生の声をいただけるのはすごくありがたいです。

せいけ:細かいことなのですが、コメントが来てすぐに一般公開されるのではなく、「未公開」と「公開済み」に分かれるところが気に入っています。たまに変なコメントがくることもあるのですが、一度クリエイターが見た上で公開するものを選べるので多くの人が不快になるようなコメントは非表示にできる。メンタルケアの点でクリエイターにとっても視聴者にとっても良い取り組みですよね。

アンジー:ポッドキャストは他に比べてより密度が濃くてエンゲージメントが深い。素を出すという面白さがある媒体である分、リスナーとの距離感も難しいんですよね。だから、ちゃんとクリエイターに寄り添ってもらえていると感じられるのが嬉しいです。

 あと、投票機能も重宝しています。コンテンツの方向性を決めるために試験的に1エピソード出した時、それが良かったのかどうかの指標にしています。もちろん聴取回数が出るとはいえ、ユーザーがシンプルにいいと思ったかどうかも非常に重要なので。「続編が聴きたいか イエスorノー」という投票機能をつけて確認しています。

 そうすると、InstagramなどほかのSNSの方でとったアンケートの数値とポッドキャスト上でとったアンケートで結果が変わるんですよ。普段からポッドキャストにどっぷり浸かっていらっしゃるユーザーさんの純粋な意見を汲み取れることは嬉しいです。媒体が違えば求められることも変わると思っているので、“ポッドキャストのユーザー”の意見を聴いてコンテンツを変えたりもしました。今度も良いコンテンツを作成できるように、試行錯誤していきたいと思います。

(撮影=林直幸)