Spotifyは、アーティストや作詞・作曲家の権利を代行するレーベルやディストリビューター(配信事業者)、音楽出版社などへの支払いや還元についてまとめた年次レポートを、2021年より毎年専用サイト「Loud & Clear」にて発表しています。
この度、初めて日本に関する情報が発表されましたのでお知らせいたします。
2023年国内レポート
- 2023年に国内アーティストがSpotifyで生み出した印税は、200億円以上となりました。
これは2017年から1800%以上の増加となります。 - 2023年にSpotify上で国内アーティストが初めてのリスナーに発見・再生された回数は、27億回以上になります。
- 2023年にSpotifyで国内アーティストが生み出した印税の約60%は、インディーズのアーティストやレーベルによるものでした。
- 2023年にSpotifyで国内アーティストが生み出した印税のほぼ半分は、海外のリスナーによるものでした。
特設サイト「Loud & Clear」は、健全で多様性のある音楽業界の実現を目的に開設され、アーティストや業界関係者、そして世界の音楽ファンに透明性の高い情報を提供しています。その他の情報などは、https://loudandclear.byspotify.com/ をご参照ください。
なお、2023年のグローバルレポートについては、こちらをご参照ください。
またSpotifyやストリーミングがアーティストのキャリアの形成やリスナーの拡大にどのような役割を果たしているかについて、Ayumu Imazu、Furui Riho、imase、Kan Sano、Lamp、Michael Kaneko の6組が語るショート動画も本日あわせて公開しています。
Spotify公式YouTube – Loud & Clear Japan
各アーティストのインタビュー内容は下記になります。
Ayumu Imazu
ご自身のリスナーが国内外で増えている実感はありますか?
ありますね。自分の曲が国内やアジア圏のプレイリストに入ることで実感することもあります。また、音楽を聴いてくれたことをきっかけにSNSのフォロワーや海外の方からのコメントも増えました。
リスナーが伸びた要因はなんだと思いますか?またその中でSpotifyやストリーミングをどのように位置付けていますか?
僕の場合は、SNSで多く聴かれていた楽曲をリリースしたことが大きいのかなと思っています。Spotifyでの再生数もすごく多くて、プレイリストにピックアップしていただいていることもリスナーの増加につながっています。
このようにしてローカル言語の音楽が成長することに文化的にどのようなメリットがあると思いますか?
世界中のアーティストの音楽がいつでもどこでもボーダレスに聴けるというのは素晴らしいことだと思います。アメリカではラテン音楽がすごく人気で、僕もスペイン語はわからないけどいい曲だなと楽しんでいたりと、音楽は言語の壁を超えやすく文化的にもメリットしかないんじゃないかなと思います。
Kan Sano
今回発表いたしました日本の印税に関するデータに対して新しい気づきや驚きはありましたか?
ストリーミングが主流になり、海外のオーディエンスに自分の音楽が聴かれる機会が一気に増えたという実感があります。特にSpotifyのグローバルプレイリストに入ると、世界中の新しいオーディエンスに届いていることを感じますし、これまで訪れたことのない国で再生が伸びるという面白い現象も起きています。これは、僕たちアーティスト、リスナー両方にとって良いことだと思います。こうした変化の中で、100万人に音楽を聴いてもらうことを目指す場合、日本で100万人のリスナーを目指すことだけが正解とは思っていなくて、たとえ日本で1万人しか聴かれていなくても、それが100カ国に届けば、それだけで100万人のリスナーに達します。音楽のあり方、聴かれ方が多様化していることは、必ずしもメインストリームの音楽を制作していない私のようなアーティストでも成功する可能性が高まりますし、新しい音楽を求めるリスナーにとっても魅力的な状況だと思います。
Lamp
ご自身のリスナーが伸びた要因はなんだと思いますか?
色々な要因があると思うのですが、一つ挙げるとすればこれまでに良い音楽を作ってきたからだと思います。僕たちにとっては、Spotifyや音楽ストリーミングプラットフォームが活動において最も重要だと考えています。特に若い世代に音楽を届けるためには必要不可欠だし、最も便利な手段だと思います。
リスナーやファンが増えただけでなく、ストリーミング再生からの印税も増えましたか?
僕たちは約20年間インディーズで活動してきて、数年前までは音楽とは別の仕事をしながら音楽活動を続けてきました。そんな中、この数年でSpotifyや他の音楽ストリーミングサービスのおかげもあり、音楽だけで生活できるようになりました。CDがまだ主流だった約20年前にデビューした頃に比べて、音楽業界の構造が大きく変わり、僕たちのようなインディーアーティストが活動しやすくなったという印象はあります。
Furui Riho
ご自身のリスナーが国内外で伸びているという実感はありますか?
あります。世界中のオーディエンスに聞いてもらいたくて配信を始めましたが、最初の頃はリスナーが数百人しかいませんでした。でも、コンスタントにリリースを重ねていくと、プレイリストに入ることも増え、みるみるうちに再生回数が上がっていきました。
リスナーが伸びた要因は何だと思いますか?その中で、ストリーミングとSpotifyをどのように位置付けていますか?
コンスタントに曲をリリースし続けたことはよかったのかなと思います。また、spotifyを使っていて思うのですが、自分の好みの音楽をサジェストする機能が素晴らしくて、わたし自身も大好きなアーティストとこれまで沢山出会ってきました。私の音楽もそうした機能を通じて、たくさんの方に届いているのかなと思います。
Spotify for Artistsでご自身の音楽リスナーの上位国をチェックしていますか?意外な発見はありますか?
自分が予期していなかった国で聞いていただいてたり、どうやって私を知ってくれたんだろうと、データを見ながら嬉しく思っています。
Michael Kaneko
Spotify for Artistsでご自身の音楽リスナーの上位国をチェックしていますか?意外な発見はありますか?
「Spotify for Artists」でどういう人がどれくらい聴いてくれているのか頻繁にチェックしています。僕の場合は海外のリスナーが多く、台湾、フィリピン、アメリカなど世界中の方々に聞いていただいています。こうした現象が起きている一番の理由は、国内外のプレイリストに取り上げていただいたことだと思っています。先月「maybe」という新しいシングルをリリースした際には、タイ、フィリピン、台湾など日本を除く9つの地域のNew Music Fridayにピックアップしてもらい、沢山のリスナーに聴いていただきました。昨年タイでフェスティバルに出演した際、ライブの後に観客の方が、Spotifyのアルゴリズムによって作成されたプレイリストを通じて僕のことを知ったと話してくれました。
リスナーやファンが増えただけでなく、ストリーミング再生からの印税も増えましたか?
Spotifyやストリーミングプラットフォームのおかげで、国を越えて音楽を広げることができ、その結果としてロイヤルティも増加しています。僕は、Spotifyやストリーミングによって、アーティストとしてとても助けられていると感じています。
imase
ご自身の音楽リスナーが国内外で伸びているという実感はありますか?
国内外の方々からコメントをいただいていて、本当に世界中で聴いていただいているんだなと実感しています。国際的な注目を受けることは、私たちの文化を他の人々に知ってもらう良い機会だと思います。
国内のジャンルで人気なものは何だと思いますか?注目すべきジャンルがあれば教えてください。
日本ではロックやヒップホップがトレンドになっているかなと感じています。海外では最近ラウンジミュージックが非常に人気で、日本でも人気になるのではないかと考え、僕自身も挑戦してみたいと思っています。