Spotifyは、世界中の1億曲以上の音楽や500万番組を超えるポッドキャストなどを、いつでも多様なデバイスで無料でも楽しめる世界最大のオーディオプラットフォームです。
Spotifyのエディターが季節や気分、生活場面など様々なテーマに沿って編成する多様な公式プレイリストや、AIがユーザーの好みや聴取行動を解析し、お勧めの曲を提案するアルゴリズムプレイリストなどを通じて、毎日の中で自然に自分好みの音楽や新たなお気に入りのアーティストに出会える個人最適化されたリスニング体験は、Spotifyの醍醐味ともいえます。
今回はDos Monosのラッパーであり、MONO NO AWAREのフロントマン・玉置周啓さんと一緒にの人気ポッドキャスト番組『奇奇怪怪』のパーソナリティを務めるTaiTanさんに、Spotifyをどのように活用し、音楽やポッドキャストを楽しんでいるのかについて聞いてみました。ぜひ参考にしてみてください。
TaiTanさんがSpotifyを選ぶ理由
――TaitanさんはいつからSpotifyを使われているのでしょうか?
Taitan:2016年にSpotifyが日本で使えるようになってから、完全にSpotify派でした。一番大きいのはソーシャル機能があるかないかですね。SNSでシェアすることで誰がなにを聴いているとか、プレイリストやアーティストRadioの機能だとか。それが僕の求める聴取環境とマッチしたのかなと。いまでは僕がリファレンスする音楽はSpotifyで知ることが多いです。
――多彩な機能があるのも特徴ですね。
Taitan:機能ももちろんですがUI/UXが優秀なんですよ。SpotifyのUI開発はSpotifyの創業物語を題材にしたとも言われるNetflixのオリジナルドラマ『ザ・プレイリスト』(※)でも「あと0.01秒早くしろ」と描かれていましたが、そのスムーズさがほかのサブスクと比較しても上。なによりもまず触ってて気持ちがいい。
(※)『ザ・プレイリスト』:合法的なストリーミングプラットフォームで音楽業界に革命を起こすべく動き出したスウェーデンのIT起業家と、そのパートナーたちの軌跡を描いたフィクションドラマ。
――音楽を聴く以外に、どのような用途で使われますか。
Taitan:新譜のチェック、あとはRadio機能(※)で新しいアーティストに出会うために使う感じですね。主にニューリリースのタブからR&B、ヒップホップ、Jポップなど気になったものを聴いています。気になった曲を「お気に入り」のフォルダにまとめて、気が向いたらプレイリスト化してという感じですよ。「お気に入り」は3000曲くらい入っているんじゃないかな(笑)。
(※)Radio機能:ユーザーが選択した曲やアルバム、プレイリスト、アーティストなどをベースに自動的に選曲してくれる機能のこと。
プレイリスト単位で掘り下げることも多いかもしれません。『+81 Connect』や『aloe』から新しい情報を知ることも多いですし、ヒップホップは洋邦問わずに片っ端から聴いてます。
――Spotifyのパーソナライズ機能以外に新しい曲と出会うときにおすすめの聴き方はありますか?
Taitan:Spotifyはジャンルやカテゴリが多いので、そこから普段とは違う音楽にアクセスしてみるのがいいと思います。あとは好きなアーティストをフォローしてみるのもいいかもしれません。
ポッドキャストならテキストベースでは得られない情報が手に入る
――年末の「Spotifyまとめ」も発表となりました。
Taitan:音楽もポッドキャストも毎年楽しみにしています。聴いていた曲が可視化されて「そういえば、Bialystocksの曲を夏によく聴いていたな」と当時を思い出したり、改めて聴き直したりもしました。いまや毎年の風物詩ですね(笑)。
――トレンドをキャッチするためにポッドキャストはどういうものを聴きますか。
Taitan:ビジネスニュース系は好きですね。特に『Off Topic // オフトピック』と『CEREAL TALK / シリアルトーク』は必ず聴いています。この2つのポッドキャストは実際に有識者やパーソナリティの方がアメリカのインデペンデントな情報だったり、D2Cのビジネスを解説してくれたりするので参考になります。
やっぱりテキストベースのコンテンツだと概要とか事実関係の確認に終始するのに比べて、ポッドキャストは尺が30分を超えるものが多いものの、解釈込みで情報が入ってくるじゃないですか。そういう意味ではパーソナリティとのコミュニケーションを感じるし、理解の深度も深い。
――倍速にして聴いたりは?
Taitan:しますよ。1.5倍速はデフォルトだと思います。みんな多分そうなんじゃないかな。
――もともとTaitanさんはラジオ好きだったとか。
Taitan:『問わず語りの神田伯山』や『火曜JUNK爆笑問題カーボーイ』を始めとした、TBSラジオの番組が好きだったんですよ。知識で持っていかれたり、洒脱性、普通に笑えるノリ、情緒や人情など。それが僕にとっての「東京っぽいカッコよさ」で、数々の番組から受け取っていました。自分でポッドキャストをやるときも、そういうものの集合体にできたらと考えていたんです。
――最近はSpotifyでラジオもアーカイブとして聴けるようになっています。もともとラジオ好きだったTaitanさんが新規ユーザーとなった番組はあります?
Taitan:たしかSpotifyで「新しい番組が始まりました」という通知がきて、『ダイアンのTOKYO STYLE』(TBSラジオ)はポッドキャストで聴き始めました。その後ラジオでもチェックしています。
――ちなみに自身のポッドキャスト番組『奇奇怪怪』で使っているマイクやオーディオインターフェイスはなんでしょう。
Taitan:音楽制作とは違って、使い慣れているSHURE『SM58』とZOOMのオーディオインターフェイスを使っています。ゴリゴリに編集するわけでもないので、プリインストールされているソフトで音量を調整する程度ですね。EQもそこまで触らず、「Spotify for Podcasters」でアップロードしています。
もっとドキュメンタリー番組が聴きたい
――今後ポッドキャストであったらいいなと思う番組や機能は?
Taitan:雑談っぽいものよりドキュメンタリーがもっと増えたらいいと思いますね。海外だと実録犯罪物とかも伸びてるし、そういう番組を予算をかけて作るプロダクションが出てきたら面白いかもしれません。
追加してほしいのはマネタイズ機能ですね。ポッドキャストは再生数が急速には増えない一方、滞在時間が大切な指標となるメディア。音楽では1曲4分でユーザーが離れるのに比べ、1時間その場にいてもらえるという点が価値なのかなと。だから<再生回数×時間>という評価の仕組みができたらとずっと考えていますね。
――今後のSpotifyとの取り組みについて展望があれば教えてください。
Taitan:ユーザーとして使い続けるだろうし、配信者としても意見を交換させてもらえるような関係性でいられたら嬉しいです。
(写真=池村隆司)