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Spotifyが2023年に躍進を期待する次世代アーティスト「RADAR:Early Noise 2023」を発表

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Spotifyは、本日、今年飛躍が期待される注目の国内新進アーティスト10組を「RADAR: Early Noise 2023」として選出いたしました。今後一年を通して、選出した10組をプレイリストやライブイベント、さらには様々なコラボレーション機会の創出やアーティストの魅力を紹介するコンテンツ制作などを通じて、国内外の音楽ファンに積極的に紹介してまいります。

「RADAR: Early Noise 2023」に選出されたアーティストは、Skaai、DURDN、Tele、TOMOO 、なとり、春ねむり、Furui Riho、ヤングスキニー、LANA、れんの10組です。
※50音順 

『For The Record』では、「RADAR: Early Noise 2023」に選出された10組のアーティストの特徴や選考理由について、Spotifyの音楽企画推進統括の芦澤紀子と共にご紹介いたします。

  • 2023年の「RADAR: Early Noise 2023」10組はどういったポイントに注目されて選ばれたのでしょうか?

例年、個性的な素晴らしいアーティストが多いので選出には本当に苦労するのですが、毎年Spotify上のリスニングデータとエディターをはじめとする音楽チームの視点を踏まえ、決定しています。その際、アーティストのポテンシャルや作品クオリティは大前提ですが、その年に予定しているリリースプランや、音楽シーンの傾向なども考慮しています。

今年は、特に例年以上にデータ分析に比重を置きました。中でも現段階で少しずつではあってもオーガニックにリスナーベースが伸びているかという点に着目しました。Spotifyの公式プレイリストにまだあまりピックアップされていない中でも、リスナー数が徐々に増えている、あるいはアルゴリズムで生成されるプレイリストからリスナーの流入が増えている、または能動的に検索して聴かれるケースが増えている、などのデータを重要視しました。

昨今は、リスナーが自発的あるいは偶然出会い共感・感動した音楽を自分を取り巻くコミュニティにシェアすることが積み重なり、楽曲ヒットにつながっていく傾向が強く、その端緒となる「出会い」についてはオーガニックなものほど共有したいというモチベーションにつながっているように感じます。

  • 10組のアーティストについてそれぞれ詳しくご紹介ください。

Skaai
アメリカ生まれ、日本育ち。⽇本語・英語・韓国語が堪能というバックグラウンドに裏付けされた、多様な音楽センスを持ち合わせており、卓越したラップスキルと音楽性、インテリジェンス溢れる歌詞、メロウボイスを生かした歌唱力を高い次元で兼ね備えたアーティストだと思います。ニュースターがどんどん生まれている近年のヒップホップシーンにあっても、ここまで「歌える」ラッパーはなかなかいないのではないでしょうか。昨年はBIMをフィーチャーした”FLOOR IS MINE”、yonawoと鈴木真海子とのコラボ曲”tokyo”などが多くのストリームと注目を集め、2023年はさらに国境やジャンルを越えたボーダレスな活躍が期待できると思います。

DURDN 
2021年1月に活動を本格的に開始してから、ほぼノンプロモーションにもかかわらず、世界中にリスナーを増やし、Spotifyでも月間リスナー数は50万人に迫るまでに大きく成長しているグループです。米国、台湾、フィリピン、インドネシア、タイ、インドなど海外からの人気も強く、グローバルに新人アーティストをサポートする「RADAR」の強みや特性を生かせるであろうことも選出の理由のひとつです。ずっと聴いていたくなるBakuの透明感と深みのあるボーカルが魅力的で、ダンスミュージックを基軸に、シティポップなど多彩な要素を内包するスタイリッシュなトラック、ジャンルや国境、言語の壁に縛られない自由な音楽の解釈が印象的です。

Tele
“令和新時代に生まれた革命的歌詩人”、谷口喜多朗のソロプロジェクトであるTeleは、作詞作曲編曲全てを担当し、独自の視点と感性で人間の本質を綴る世界観にセンスを感じます。瑞々しい原石感の中に、ここからどう化けるか楽しみな期待もあり、選出させていただきました。少年みのあるボーカルの淡々としたストーリーテリングと、時折鋭利な矢のように飛んでくる言葉の強さとの対比のインパクトにぜひ注目してください。また、昨年11月25日に開催されたライブイベント「Early Noise Night #14」に出演した際のパフォーマンスでは、オーディエンスを魅了し、スター性を感じました。

TOMOO
ジェンダーレスで豊かなアルトボイスに耳を奪われるシンガーソングライターで、可憐なルックスとのギャップも魅力です。リズミカルで時にパーカッシブなピアノのバッキングを軸に生み出される楽曲は、ブラックミュージックからの影響を感じさせながらも絶妙なポップセンスが光る仕上がりになっていて、情景描写と感情表現、メロディへのはめ方が秀逸な歌詞も素晴らしいです。2021年8月に配信リリースされたインディーズ時代の代表曲「Ginger」は、Official髭男dism 藤原聡、Vaundy、幾田りら、マカロニえんぴつ はっとりなど数多くのアーティストに絶賛されるなど、注目度の高さも伺えるアーティストです。

なとり
Spotifyでは「Overdose」という1曲しか配信されていないにもかかわらず、月間リスナー数は300万人を超えており、ベトナム、マレーシア、シンガポール、韓国、タイなどアジア各国でバイラルチャート1位を記録(グローバルでも4位まで上昇)するなど、その人気は既に世界に波及している現在19歳のシンガーソングライターです。瞬間的に掴まれる声と、短尺のループで畳み掛けられるような構成が癖になり、一発で覚えてしまうインパクトを持っており、不思議と何度も繰り返し再生してしまう中毒性があります。素顔を明かさず正体はミステリアスなまま、これまで主な活動の場(作品発表の場)をTikTokに置いて短尺の作品を次々に発表。そこでの反響も踏まえて選んだ曲をフルサイズに仕上げストリーミングで配信する、という新しい楽曲リリースの方法を提示したという意味でも注目すべき存在です。

春ねむり
自身で全楽曲の作詞・作曲・編曲を担当するシンガーソングライター / ポエトリーラッパー / プロデューサーで、海外からも人気が高く、最も聴かれている国は米国で、日本の約4倍のリスナーを有しています。アーティストの実力とコツコツと積み上げたチームワークで、世界に向けて日本発のインディーミュージックをオーガニックに発信し続けている稀有な例で、グローバルプログラム「RADAR」のコンセプトにフィットする存在です。2023年は海外アーティストとのコラボレーションも予定されており、彼女のさらなるグローバルキャリアの構築に向けてサポートしていきたいと思います。

Furui Riho
ゴスペルクワイアでの活動をルーツに、作詞・作曲のみならず時には編曲にも携わる北海道出身のシンガーソングライターです。R&Bに根差した心地よいグルーヴ感と洗練されたメロディセンス、ソウルフルだけれど軽やかさもあるボーカルワークが絶妙なバランスで、ストリーミングサービスやFMラジオとの相性がとても良いと思います。Yaffle、A.G.Oといった気鋭のプロデューサーともコラボ、日常の様々なシーン、Spotifyの多彩なプレイリストにフィットする楽曲を次々生み出しており、Little Glee Monster、aoなど他アーティストへの楽曲提供も行うなど、作家/ プロデューサーとしてのスキルも持ち合わせる多彩性にも注目しています。

ヤングスキニー
ティーンズから高い支持を受ける平均年齢20歳の東京発・ロックバンドです。かやゆーの書く楽曲は、Z世代の共感を呼ぶ等身大の歌詞と、振れ幅のある作風が魅力で、一過性のバイラルヒットに留まらない力量を感じさせます。2022年には、SpotifyがTikTokと共同でアーティストを応援するプログラム「Buzz Tracker」の11月度マンスリーアーティストとしてピックアップし、「本当はね、」がデイリートップ50チャートで7位まで上昇、月間リスナー数は130万人を記録しました。マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」、Saucy Dog「シンデレラボーイ」のロングヒットに続く、2022年以降の新世代ロックの新しいアンセムとして成長を続けていくのではないかと注目しています。

LANA
18歳とは思えぬ大人顔負けの歌唱力と表現力を持つLANAは、母親が好きでよく家で流れていたという美空ひばりや沖縄民謡からの影響も感じさせるような独特の節回しや、「がなり」を効果的に使った歌唱から、ジャンルや国境、年代を超えた底力が伝わってきます。ヒップホップ/ ラップ軸にとどまらず、圧倒的な表現力を生かした歌モノと物怖じしない度胸でポップフィールドなどあらゆるシーンにクロスオーバーしていく姿が見える稀有な存在で、ストリートカルチャーど真ん中で育った正真正銘「リアルな湘南ギャル」だからこそ体現できる、カルチャーアイコンになれるのではないかと期待しています。

れん
SNSの総フォロワー数が100万を超えるZ世代を代表するシンガーソングライターのれんは、一度聴いたら忘れられない琴線に触れるエモーショナルな歌声と、年齢離れしたものを感じる確かなソングライティング力が魅力で、今後はSNSの届かない層にも広くリーチしていくであろうポテンシャルを感じます。昨年10月リリースの「最低」がSpotifyでもバイラルヒットを記録し、次いでリリースされた美しいバラード「空っぽ」では、振れ幅もしっかりと見せ、今後の活躍がますます楽しみです。

  • 最後に、一年を通してどのようなサポートを提供していくのかお聞かせください。

選出した10組のキャリア形成につながるようなサポートをSpotifyのプラットフォーム上だけでなく、ライブイベントなどのオフラインな機会でも展開していきます。この一環として、3月17日(金)には今年初となる「Spotify Early Noise Night #15」を東京渋谷のSpotify O-EASTで開催することも決定し、今回の選出アーティストの中から、Skaai、TOMOO、ヤングスキニー、れんの4組が出演します。また近く第2弾出演アーティストの発表も予定しています。これから大きな飛躍を遂げる可能性を秘めたアーティストたちの原点となるパフォーマンスを体験できる貴重な機会です。ぜひ、遊びにいらしてください。

※「Spotify Early Noise Night #15」の詳細はこちら