データ&トレンド

Spotify創業者兼CEOダニエル・エクからのメッセージ

Spotifyのミッションは、アーティストが自身の作品によって対価を得られるようにすることです。また、Spotifyやストリーミングが、どのように音楽業界に対し収益を生み出しているのかをオープンに透明性をもって伝えることも私たちの責任だと考えています。こうした理由から昨年開設した「Loud&Clear」のサイトを本日アップデートし、2021年のロイヤリティに関する数字を公開しました。

昨年の特筆すべきポイントを一つ挙げるとすれば、ストリーミングが音楽業界に記録的な収益をもたらしただけでなく、これまで以上に、より多くのアーティストが成功を享受できるようになったということでしょう。今回発表する各種数字は、音楽業界がより健全で多様性のある世界へと進化していることを示しています。

では、その成功とはどのようなものだったでしょうか?

2021年には、初めて5万組を超えるアーティストが1万ドル、1,000組を超えるアーティストが100万ドルをSpotify上だけで生み出しました。Spotifyは世界の録音音楽収益における20%強を占めています。故にこれらの金額を4倍にすると、アーティストがSpotifyだけでなく全体でどのくらいの収益を生み出しているかを予想していただけるでしょう。実際に、Spotifyで一定収益をあげているアーティストの数(例えば、1万ドル、10万ドル、100万ドル、500万ドル等)は過去5年間で2倍以上に増えています。

 Spotifyは、昨年音楽業界に総額70億ドル以上支払いました。この金額は、一つの流通プラットフォームが音楽業界に対して支払った金額として過去最高になります。そして創業から今日にかけては、計300億ドル以上を支払っています。

以下の結果は、音楽業界で誰が成功を享受したかを示しています。

  • 主要音楽レーベルのストリーミング収益は過去最高に
  • 音楽出版社は、2年連続でSpotifyから10億以上の収益
  • Spotifyで1万ドル以上を生み出したアーティストの28%が自身で配信しており、これらのアーティストの34%は、音楽売上市場トップ10以外の国と地域に所在している

今日、音楽業界はより収益性が高くなっただけでなく、以前に比べて多くのアーティストが成功できるようになりました。CD時代には、全体売上の25%を上位50組のアーティストが占めていましたが、Spotifyで上位50組が占めるのはこの約半分にあたる12%となります。

競争の激しい映画やスポーツ業界のように、音楽業界でも成功することが難しいことは理解しています。しかし今回発表した数字は、Spotifyが音楽業界を以前より、より良いものにしていること、そしてより多くのアーティストがストリーミング時代に活躍していることを示しています。

音楽は、世界やSpotifyにとって大変重要な意味を持っています。そして音楽は私たちにとってはじまりでもあり、アーティストに最も価値あるプラットフォームを作り続けるにあたって私たちに刺激を与えてくれるものでもあります。私たちはまだ道半ばです。